備前長船・1
結構必死になって前足の爪をかんでいる「ちち(仮名)」さん。彼女はこういうことをあまりしないせいか、「くま(仮名)」さんと比べて爪の伸びるのが早いのですが、こういうことを覚えてやるようになればマシになるかと思います。二頭以上の犬を一緒に飼っていると、先住犬が後から来た犬に「教える」といわれますが、むしろ後から来た犬が先住犬を見習う、という方が正確なように思います。
お盆の真っ最中に刀の話、っていうのもどうかとは思うのですけれど、Blogネタというのはあるときにはあふれるほどあって、ないときには逆さに振っても何も出ない、というものです。幸せなことに、今はネタをどんどん捌いていかなければならない状態。ネタはあっても、それを記事にするのに手間がかかるから没、なんてことも多いので、パートタイムで出勤すればすむお盆は絶好のチャンスです。
人間国宝、隅谷正峯氏の遺族から寄贈された工具もあるという工房。タイミングが合えば、ここで実際に刀を打っているところを見ることもできるようです。美術館に隣接したショップでは、「ロンギヌスの槍」を打っているところを撮影した映像が流されていましたが、師匠と弟子、まさに一心同体となって真摯に取り組んでいる様子に、感動し、そして「あぁ、こんなに暑いのは絶対あかん!」と変な感想を持ってしまう私でした。
すでにあちこちで目にしているこの図柄。通常展示よりアップした700円を払って入館すると、こちらのクリアフォルダがもらえます。この絵の中で各キャラクターが手にしている刀、これを実際に制作して展示してある、というのもこの特別展の「売り」のひとつでしょう。新劇場版で彗星のごとく現れた手前右のキャラクターにはそんなに魅力を感じないのですが、好きな人には結構人気があるようです。まぁそもそも、そういう感性を持っているからこそ、無理矢理にでもこういうキャラクターを追加したのでしょうけれど。
こんな風に、本当に打ってしまっております。柄などは樹脂製だったりしますが、刀身はホンマモンです。設定資料を読み込んで作品のイメージを練り上げ、日本刀としての条件も満たしながら実物を作り上げるというのは、なかなかに大変だったことでしょう。こういう「創作」ですらご苦労があったということですから、実際に劇中に出てくるものを作るなどというのは本当に難儀なことだったろうと想像します。
回転台に載せられてぐるぐる回っております。刀としての姿を見せるだけでなく、こうして刀身のみを見せるというのもこの博物館ならではのものでしょう。こういうのがなければ、見に来るのはただアニメにおぼれただけの人ばかりになってしまいます。実際、館内にはアニメ系統ではない人も結構いらっしゃったように思います。
隣で刀身がぐるぐる回っているということは、これの中身は空っぽなのでしょうか。ドイツからやってきた少女が持つのにふさわしい外観。こういうところも、おそらくはアニメとは縁のない、あるいは縁が薄いであろう刀工が、設定資料を読み込んで苦心されたものと推察されます。ホンマにアニメというものは罪なものです。
こちらは零号機仕様。たしかに、こうでなくてはいけません。変なものを作れば、「こんなのは私のレイではない!」なんて言われてしまいます。なお今回、この系統の展示品に限って撮影が許可されていたのも特筆すべきところです。ただしフラッシュはダメよ、と書いてはあるのですが、そこら中でピカピカやってました。ガラスから離れてあれだけ光らせていたのでは、きっと何も写ってないことでしょう。
覚醒した初号機の顔を表現したもの。柔らかい材質なので実際に甲冑としては使えそうにないのだそうですが、その分、顔面に表情のようなものを表現できている、ということなのだそうです。これなんかもストロボ撮影しまくりのカップルがいましたが、どちらもカメラの操作法を知りません。男の子が光らせると厳しい視線、女の子にはあきらめの視線、という周囲の反応がいちばんおもしろく感じられたところです。
9月中旬までやっていますから、是非一度見に行かれることをおすすめします。車で行くのが便利ですけれど、JR赤穂線長船駅からですとタクシーで820円。時間さえ調べていけばこれも楽ちんです。刀剣の里までお客さんを送っていったタクシーはたいていそのまま客待ちをしていますから、行きに送ってもらう際、帰りの電車の時間も合わせて運転手さんに相談しておくのがいいでしょう。
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コメント
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プログレッシブナイフはないのでしょうか?
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投稿: きゃんでぃ小海老爺です。 (^-^) | 2012年8月15日 (水) 19時30分
きゃんでぃ小海老爺 さん
なんと鋭い。けれども今回の記事、実際に劇中に登場するものは「まだ」出てませんよ。
投稿: つきみそう | 2012年8月15日 (水) 19時57分
アスカの小刀(しょうとう)は、はばき近くの刀身にここまで大胆な肉抜きがされていては、切り込んだ時にはグニャッと逝ってしまいますねぇ。でも刀匠がここまでのものを創ってくれたという事実には感動を覚えます。
しかし…食事が美味しくなりそうなプレートですね(笑)
投稿: すいどう | 2012年8月15日 (水) 21時29分
すいどう さん
アスカのことですから、これで切り込んでぐにゃりとなったら「アンタ、バカぁ?」と刀匠に突っ込むんでしょうね。
リリスのプレート、おいしそうなお肉を食べるのに使うフォークは・・・ロンギヌスの槍になってますね。
投稿: つきみそう | 2012年8月15日 (水) 22時10分