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2012年8月

2012年8月31日 (金)

夏の終わりの変なモン

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 おいしそうにおやつを食べる「くま(仮名)」さん。両手(前脚)でしっかりとおやつをおさえて、かわいい顔して超強力なあごでかみ砕いております。8月31日は夏休み最終日。明日、明後日と休日ではありますが、それでも2学期が始まります。曜日の都合で3日が始業式というだけのことです。去りゆく夏休みを惜しむためでしょうか、昔から8月31日だけは休みたい、という先生が多いこともあって、職員室はがらんとしておりました。

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 小学生の次男が一人でお昼ご飯を食べられるように、と買い置きしてあるレンジご飯。こういうものを食べさせると体に良くないのですが、まぁたまに食べるぐらいなら大丈夫でしょう。余談ながら、職場でこんなものを食べたりすると、「健康のためなら死んでも良い!」と思っている先生たちから攻撃されます。そういう人たちは、返す刀で「これなら大丈夫」なんて言っていかにも健康に良さそうな(とご本人は信じている)食品を勧めてくれたりもするのですが、私は日本一好き嫌いが多い(かもしれない)男なので、そういうものはたいてい口に入れられません。

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 最近発売されたどん兵衛釜飯。カップに水と具を入れたところです。ここにスープの素を入れますと、「健康のためなら死んでも良い」人たちが顔をしかめること請け合いです。醤油ベースのだし、なんてことを知っていても、いかにも体に悪そうな色をしています。

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 釜飯っていう名の炊き込みご飯ですからね。このぐらいの色がついてないとダメでしょう。めげずにそのままお米を入れて、あとはふたをして電子レンジで5分加熱。どこを持ったらえぇねん、というほど熱々のカップをとりだして1、2分蒸らします。

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 湯気でレンズが曇るので、何度も撮り直してようやくこの1枚です。あんまりおいしそうには見えませんが、食べてみると合格ラインです。とっても熱いので、ハフハフ言いながらゆっくりと食べざるを得ず、少ないと思われる分量でしたが十分満足できました。やはり早食いは肥満の元ですからね。

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 先日ガリガリ君を買おうとしてガサッと何本かつかんだ、その中に混じっていた愛のスコールアイスバーです。愛のスコール、何ともいえない商品名ですが、そいつが愛すアイスバーになったのです。ガリガリ君と比べてどうなんだろう、と食べてみる前に、わざわざ飲料の方も買ってきて記念撮影です。

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 結論から言いますと、私にとってはガリガリ君の方が後味すっきりでいい感じでした。しかもこのアイスバー、歯が悪い人には無理です。ガリガリ君はその名前と裏腹にシャクシャク崩れて食べやすいですが、こいつはかなり堅いです。それはまた、歯ごたえがある、ともいえるのでしょうが、しっかり噛むと大きく割れて落ちる、という恐怖と戦いつつ食べることになります。

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 食べ物ばっかりではアレなので、昨日、心斎橋へ行ったついでにAppBank Store前に置かれているガチャガチャでゲットしたプライズもついでに。我が国を猛追し、ひょっとしたらもう追い越しているのかもしれない韓国。日本が追い越されると困るので、できるだけ韓国製品は避けるようにしているのですが、残念なことに韓国産のLINEにハマってしまいました。LINEはセキュリティも甘いように思いますし、ハマるあたりが実に危ないですねぇ。

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 LINEには実に様々なスタンプがありますが、私のお気に入りはこの表情のムーンです。これそっくりの生徒がいるのですが、これがまた実に性格のいい生徒なのです。数あるムーンの表情、ポーズの中で、まさかこれがマスコットストラップになるとは思いませんでした。持ち合わせた小銭が600円だったのでガチャには3回挑戦したのですが、一発目に本命のこいつが出てきました。2学期もいいことありそうです。

2012年8月30日 (木)

77 Ir

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 ウィンクしているような「ちち(仮名)」さん。もらったおやつを必死で噛んでいるところです。「くま(仮名)」さんに比べて体も大きく、甘噛みも大得意なのに、あごの力はそれほどでもないようで、同じ堅さのものをもらうと「くま(仮名)」さんより食べ終わるまでに時間がかかります。

 飼い主は昨日の草刈りが体に堪えてまさかの寝坊! 少し遅刻してしまったので罰ゲームとして耐久草刈りに挑戦しました。昼の11時にスタートして3時まで、給油時以外は一切休まず、給油も立ったまま行い、自分は水分をとらない、というものですが、これが意外と体に合っていたようです。座り込んで休憩すると作業再開の時にあちこち痛くて大変なのですが、立ったまま休憩しているとそのまま動くだけなのでどこも痛くありません。

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 むしろ大変だったのはそのあと。職場に隣接して建っているおうちから電話があり、早くうちの敷地と学校との間も綺麗にしてくれ、というご要望。学校のフェンスと、そのおうちの垣根、間は30センチほどの隙間しかないのですが、そこに生えている草や蔓などを刈ってくれ、というのです。しかし、日本相撲協会に次いで平均BMI値が高い集団であるWAGNERの一員である私が、そんな隙間には入れるはずもありません。仕方がないのでそのお宅の敷地に入らせてもらい、フェンスに絡まった草や蔓を一つ一つ取り除いていきました。

 炎天下で水も飲まずに草刈りをしていても何ともないのに、日陰になっている場所で草を取ったり蔓を切ったりしていると、猛烈に気分が悪くなってきました。目眩がして、吐き気を感じるのです。あぁ、熱中症ってこんな感じなのね、と納得。草刈り機振り回すのは大好きなのでしんどくならないけれど、意に反してする作業はすぐにしんどくなる、それは「気まま」や、しんどいと思うからしんどくなるんや、と子供時分から何度も何度もきつく戒められてきたのですが、半世紀生きてきてもまだ治っていないようです。

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 作業が終わったところでポツポツ来たので、ご挨拶もせずに職場に逃げ帰って、何とか雨に遭わずにすみました。今年は本当に夏らしい夕立が多くて、暑かったのが一気に涼しくなる、懐かしい感覚を何度も味わえるので幸せです。そして、雨が上がるのを待って退勤し、大阪心斎橋に本日オープンしたIr サンライズ さんへと向かいました。かの川口師が検品したペンを販売します、というのが売りのこのお店。本来でしたら何か1本いただくべきところでしょうけれど、とりあえず、先日破損が確認されたAurora85周年Redの修理をお願いしました。

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 元素番号77番、イリジウムを表す記号 Ir を屋号にしているこのお店は、まさに心斎橋のど真ん中にあります。地下鉄心斎橋駅5番出口から地上に出ると、目の前にdocomoショップがありますが、そこから心斎橋筋を北に向かい、次の筋を東に入ってすぐ、というロケーションです。この立地でしかも路面店。賃料だけでもすごいだろうなぁ、と下衆なことを考えつつ、道路から一段低くなっている店内へとお邪魔しますと、一番奥に懐かしい川口先生のお姿。もう相当長いことお会いしていませんでしたが、全くお変わりありません。「もうワシ、65やで・・・・・」とおっしゃってましたが、実にお元気そうでした。

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 週に4,5日はこのお店にいらっしゃるということで、大阪に部屋を借りて生活されるそうです。こちらのお客さんはインクが出ないモンブランのノブレスを持ち込まれていましたが、ペン芯にインクがベッタリと固着している状態でした。ノブレスのペン芯は5000円もするということで、そうそう気軽に引っ張ったりできない、ということで預かり修理となっていました。かくいう私の85周年Redも「本国送りになると思います」というのが公式見解。川口師との会話の様子からヘンタイと見抜かれてからは、「まぁ、町山さんはけっこう融通ききますから」なんて話になっておりました。はたしてどうなることでしょうか。

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 店内は結構広く、品揃えもしっかりした百貨店の売り場並みかそれ以上、という感じです。特に、発売されてから少し時間のたっている限定品などもガラスケースの中に陳列されておりました。このへんは卸をやっている会社が出すお店ならではの強みでしょうか。そのほか、国産各社のペンもしっかりと揃っておりました。ロケーションも抜群なので、これまであまり萬年筆に縁がなかった人なんかもフラリとお店に入って勢いで1本、なんてことになると裾野が広がっておおいに結構なことです。このお店の健闘をお祈りしたいところです。

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2012年8月29日 (水)

尻を叩かれる

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 夏休み最後の週もいよいよ後半。我が家のワンコたちにとっては、毎日家族の誰かがそこにいる、という生活が終わります。犬は本当に賢いもので、朝、身支度を調えている家族を見ても何も言いません。あぁこの人たちは出て行くんだな、とわかっているのです。我慢強いと言われる柴犬。ずっと自分たちだけでお留守番をして、家族が帰ってくると本当に嬉しそうに出迎えてくれます。

 ただ困るのは、彼女たちが消化管に皮をかぶせたような生き物だということ。飼い主の帰宅とすなわちおやつがもらえる、という「パブロフの犬」回路ができてしまっています。写真の「くま(仮名)」さんも、いつも飼い主が寝転がる場所にドテッと落ち着いて、もしゃもしゃとおやつを食べています。

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 今日は文化財保護法施行記念日。文化財というと阿修羅像、未だ完成しておりませんが、私と同時に購入した某氏は「箱」こそないものの、新品のまま保管されています。ましてや作っている過程を晒すなんてヘンタイはそうそういないようで、6月頃でしたか、ペーパークラフトが売れてるよ、という記事を書きたいという記者さんからいくつか質問を受けました。

 一番辛い質問はもちろん「どうして完成していないのですか?」でしたけれど、それへの答は「老眼で目が辛くって・・・。時間もないし。」という歯切れの悪いものでした。右上の写真は、「製作風景みたいなショットを・・・」と求められたので、ホコリをかぶっていた製作中の像を組み立てて息子に触らせているところです。第2弾となる国宝第一号、広隆寺の弥勒菩薩像も発売されているので、この秋はいい老眼鏡を買って、何とか阿修羅像完成にこぎ着けたいものです。そして完成したらこりもせず第2弾に手を出す、と。果たしていつのことでしょうか。

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 阿修羅像ペーパークラフトは手の造形が複雑で手こずっていますが、おてての形をしたこの付箋も、あまりにもデカすぎてなかなか使う場面がありません。幼稚園児の手の平ほどの大きさで、主に同僚のデスクなどにメモを書いてぺたっと貼り付けておく、そういう用途のものです。しかし、圧倒的に職員室にいない時間が長い私は、こういうものを貼り付けられこそすれ、自分から貼り付けることは滅多にないのでした。

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 手ひとつでたくさんのサインが出せるんですよ、ということですけれど、イチビリの私なんぞはついつい下品な形にしてしまいそうです。もちろん、この使用例でもそういう形は提案されておりません。

 手をつかって実に多彩な形、表情を作り出すことができる・・・・・ということこそが、阿修羅像完成が遅れている(作業が中断している)原因だったりもするのですが、そういう細かい言い訳は紙面に取り上げられず、ついついハマってしまう、という50歳男性のプラス方向の意見が採り上げられております。まぁ、ものを売るための新聞ですから当然ですね。

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2012年8月28日 (火)

もう一山、もうあと一山

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 今日の記事を皆さんがご覧になっている頃、私は白河夜船、明日に備えて熟睡中でしょう。早く寝るためにあれこれ準備をしている飼い主に、もうちょっと遊んでくれよと抗議する「ちち(仮名)」さん。最近は甘噛みもだいぶマシになって、撫でてやっているうちに手をなめたりもするようになりました。

 おとなしくていい子になったということはすなわち歳をとったということ。もうこの子がいない生活なんて考えられないなぁ、と思った矢先に先立っていったりする、そのはかなさがまた、犬を飼う良さでもあるのでしょう。そうは言っても、我が家の二頭には長生きしてもらいたいものです。

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 先日の金沢大会にて、アメリカ土産としていただいた巨大ペンシル。何本か「筆記具のようなもの」をいただいた中で、唯一実用できる(=その気になれば字が書ける)ものです。カランダッシュの筆記具を思い起こさせる形の巨大なボディ。おしりの栓を抜くと、短い芯が入っていました。ちなみに手前に置いてあるのは復刻版の早川式繰出鉛筆。今、何かと話題のSHARPゆかりの筆記具です。

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 明日に備えて早く寝るというより、もうヘロヘロなので早く寝たいというのが本当のところ。明日も9時から11時までは生徒たちの学力補充。それが終わったら、玄関にランドセルを放り出すカツヲ君よろしく草刈り機を抱えて草っ原へと飛び出すのです。

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 今日も昼の11時から夕方5時まで、休憩を混ぜながらも5時間ほどはブンブンいわしてましたので、もう腰が限界。草刈りをするとき、自分の体を軸として車のワイパーのごとく刈払機を動かしていくのです。目の前に草が茂っていて、そこへ突入すると自分が通った道の左側に刈られた草が土手のように積み上がっていきます。少し離れたところからこれを見たときの満足感がまた良いのです。

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 1日の中で最も照りつける時間帯に草刈りをするのは、その時間帯ならお医者さんがあいているからです。夕方5時頃から刈るのが涼しくて最高なのはわかっているのですが、そんな時間に怪我でもしたらやっかいですから、熱中症には気をつけつつ、真昼の草刈りです。もうこの辺でやめよう、というとき、もう一山できたらやめよう、あの大きな草を刈ったらやめよう、と、君原健二みたいなことを思いながらやっていると、いつのまにかエリア全体刈り終えてすっきり、というのがまた気持ちよくてたまりません。

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 もうすぐ夏休みもおしまい。それは同時に、今年の草刈りシーズンが終わることも意味します。8年連れ添った愛機は今年も絶好調ですが、わが愛機で草刈りを覚えた若い同僚が、たいへん我が愛機を気に入ってくれているのが何とも悩ましいところです。おそらく来年は別の学校で草を刈っているであろう私。愛機を残してニューマシン購入か、それとも動かなくなるまで連れ添うか。明日もまた、愛機とともに草を刈るので、皆様、お休みなさい。

2012年8月27日 (月)

寄る「歳」波

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 6歳でしょうか、それとも7歳か、もう歳を数えるのも面倒になってきた、しっかりおばあさんの域に入りつつある「くま(仮名)」さん。人間で言うなら「壮年期」なんでしょうか。ふだんはおとなしく寝てばかりですが、ここぞと言うときには元気に跳ね回るパワーも十分残っています。

 土曜日は、金沢にお邪魔する車中でおにぎり、香林坊でスパゲッティ、ニューグランドホテルで中華バイキングと、「三食きちんと」食べてしまった私たち夫婦。朝昼抜きで夕食はその日の成り行き次第という私と、朝食代わりに牛乳などを飲んで昼食は軽くとり、夕食はこれまたその日の成り行き次第という妻。二人とも、三食しっかり食べるなんてことは滅多にありませんので、金沢からの帰途、何度も横を通る車内販売の食品群を見るたびに「おえっ」となっておりました。

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 WAGNER金沢大会が開かれた金沢市文化ホールの向い、金沢ニューグランドホテル中二階にある、カフェレストラントレド。一昨日の記事にもありましたように、この店内には「トレドの旗」が掲げられていますので、アメリカ土産としてBromfieldさんにいただいたペンをもって記念撮影しよう、となるのは当然の成り行きでした。その旗のあるところに入れるのはお食事のお客様だけと案内されて、では食事をしますと答えたのが不幸の始まりだったのかもしれません。

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 こうして並べてみても、本物にひけをとらない模様に見えますね。クリップに刻まれたFOR BIG DEALSの文字から、商売繁盛人寄せトレドと名付けられたこのオブジェ、よくできていそうでツッコミどころ満載なのが憎めないところです。

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 おっ、スーパーボール、と看破したのはぺんぱれーどっ!のガマさんだっだでしょうか。二次会の途中、突然に体調を崩されたのがこのペンの呪いでなければよいと思います。そういえばそのときすぐそばにいたカーボンさんも、私の出した無茶苦茶なリクエストに悪戦苦闘、半日ほどかけてようやく解放されるという苦行の1日でした。

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 この合わせ目がガーッと開いて、何かまがまがしいものでも出てくるんではないかといじくり倒したのですが、結局何も出てきませんでした。単に工作精度が低いというだけのことだったようです。夜目遠目なんとかで、近づいてみると実に荒い造りですが、そういうところもまたアメリカらしいといえましょう。

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 そして土曜日、朝からバスケットボール部の試合引率で暑い熱い体育館に缶詰となっていた妻を伴って、陽が西に傾きかける頃から六甲アイランドへと向かいます。電気式の蚊取り器は味気ないというボンジョルノ松本氏に立派な陶器製の蚊遣りをお届けするためです。

 

 陶器製ですが白くはありません。ちゃんとブタさんの肌みたいな、綺麗なピンク色をしているのです。松本家でしっかり蚊をとっているのでしょうか。なんと言っても、「とらないブタはただのブタ」ですから、残り少ない夏の夜、しっかり働いていただきたいものです。

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 ル・ボナーに入る前はいつも、30分ほどお話をして出てこよう、と心に決めているのです。そうそう毎度毎度鞄を買えるわけでもなく、お商売の邪魔になるだけだからと思いつつ、気がつくと2時間ばかり話し込んでいる、というのがいつものパターン。6時過ぎにお店に入って、結局閉店前まで居座ってしまいましたが、職人犬チャーが元気よく吠えまくってくれたのが嬉しく思われました。

 

 お店を出たところで空腹感を覚えたので、目の前のホテルでディナーバイキング。なかなか結構なお味でしたが、それが仇となってついつい食べ過ぎてしまいました。帰りの電車の中で、いやぁ満腹満腹、おいしかったねぇと言ってるうちは良かったのですが、悲劇は甲子園で起こる、というのが阪神電車の常識です。甲子園シーズンだと油断をしていたのですが、なんとこの夜、甲子園球場ではTubeのコンサートが開かれていたのです。

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 電車がホームに滑り込んだところで、ググッと圧力を感じます。いつもなら黄色と黒の縞のはっぴを着たおっさんたちですが、昨夜は首からタオルをぶら下げた、興奮冷めやらぬ様子のおばさんたち。相手にするには最悪の集団でした。

 親方のお膝元、尼崎に着くと、電車いっぱいのおばさんたちは一斉に奈良行きの電車へと大移動。そこから難波まで、わずか20分ほどの時間を乗り切ることができなかった私たちは、電車が地下に入ったところでギブアップ。一駅ごとに電車を降りてはトイレに駆け込む、ということを繰り返して、結局尼崎から小一時間ほどもかけて難波にたどり着いたのでした。

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 おばさんたちはもったいないからと特急に乗りませんので、特急列車に逃げ込んでようやくひとときの静寂を得ます。へろへろになりながら自宅に帰り着いて、私はブログの更新、妻は荷造り。寝床に潜り込んで、数時間目をつぶった後、妻はバスケットボール部の生徒を引率して名古屋へと出発いたしました。もう当分、何も食べたくないなぁ、というのが合い言葉です。

 若い頃は餃子の王将へ行ってメニューを端から端まで注文していた私たちですが、それから30年近い歳月を経て、胃腸も年相応にヘタってきているようです。腹八分目どころか、五分、いや三分ぐらいがちょうどいいのかもしれませんね。

2012年8月26日 (日)

「○○○」と呼ばないで

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 おいしい「ふりかけ」をのせてもらって、朝からずっと食べ残していた餌に口をつける「ちち(仮名)」さん。1日1食なのだから、おいしいものを食べさせろ、という意思表示なのでしょう。 この「ふりかけ」、飼い主が在庫管理をミスったために欠品となり、今朝の食事は粒々のドッグフードのみでした。買い物に出たついでに「ふりかけ」を買ってきたので、夜になってしまったけれどごめんね、と与えたのですが、この時点で 「くま(仮名)」さんは関係無しにドッグフードを完食ずみ。だからといって「じゃあいらないね」というわけにもいきません。

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 正午前の金沢21世紀美術館。気温34度、快晴です。今回の金沢行き、とにかく人数が必要なので妻も連れて行ったのですが、彼女はそれほどヘンタイでもないので1日中WAGNERの会場にいるのも退屈だろう、ということで市内でプチ観光してみたのです。

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 WAGNER関係では「全国制覇」というのが最近のキーワードです。要は、全国47都道府県すべてに足跡を残す、ということなのですが、どーむさんはとうの昔に成し遂げていて、あとは北の旅人、aurora_88さん、そして師匠あたりがリーチ状態。ちなみに私の妻は46都道府県を制覇しており、残るは秋田県だけなのだそうです。

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 陽気に手をあげてくれているお兄さんは、お金を払って入場した人で、上から写真を撮っている私たちは施設内で無料のエリアだけを楽しませてもらっている人たちです。いろんな情報を総合すると、有名なこのプール、下から見るより上から見る方がよほどおもしろい、のだそうで、それが本当なら、下にいる人たちは本当にありがたい存在ということになります。

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 香林坊のバス停で悩むこと10分。まぁ多分これだろうと乗ったバスが「広小路」バス停に着くまで2分。バスを降りて周囲を見渡し、忍者寺はどこだと路頭に迷いつつ、まぁこの路地でしょうと入ってみたら目的地に突き当たりました。昔は表と裏が逆だったそうですが、私たちはいきなり裏口っぽいところからの参拝です。

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 こちらが表なのでしょうね。あちこちにある看板などには、忍者寺と呼ばれているけれど忍者とは関係ない、と書かれています。道内を案内してくださった女性も、説明のために流されたテープの声も、みな口を揃えて「忍者寺と呼ばないで」ということでした。妙立寺という立派なお名前がありますが、やはり観光客にとっては「忍者寺」なのですね。

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 四階七層という構造を持つお堂の最上部、飛び出している部分にはガラスが嵌まっていますが、このお堂ができたときからやはりガラスが嵌まっていたそうで、金沢城下を一望できる物見であったそうです。

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 ま、お寺ですからきちんとした服装で拝観するのは当然のことです。ショートパンツはダメというのは、そう、私みたいなオッサンたちが目を細めて喜びそうな、すごく丈の短いやつのことをさすのでしょうね。あんまり気合いが入っていると目のやり場に困りますが、女性も気合いを入れてキメているのでしょうから、ステテコ姿と一緒にされたらがっかりでしょうね。天才バカボンのパパはそのままでは拝観できないのだ、ということです。

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 よほど木の枝に結ぶ人が多くて困ったのでしょうか。個人の所有地などで、破ったら通報するとか罰金をもらい受けるとか書かれているのをよく見ますけれど、ここはお寺。バックに仏様がついていればこその掲示ですね。仏様というのはそれぞれの人の心の中にある存在ですから、バチがあたる、というのはその人自身を損なうこと、と考えるべきなのでしょう。

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 今回、拝観させていただくまでは「忍者寺」と呼んでおりました。けれども、このお寺の名前は妙立寺(みょうりゅうじ)です。忍者寺(通称)ですが、「忍者寺と呼ばないで」というのが関係者のお気持ちなのでしょう。

 そういえば金沢大会の二次会で、神戸大会の打ち合わせが行われていました。そこでは、「よっ、○○○」と呼んでね、なんて要望が出されていたようです。ホントに呼んでくれるのでしょうか。三週間後の神戸大会、朝一番からの参加がポイントです。

2012年8月25日 (土)

つながった・・・

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 毎度毎度、寝ている写真ばかりの「くま(仮名)」さん。本日のWAGNER金沢大会において、某チェリーさんに本名を誤認されていたことも判明しました。常識外れな、ちょっとそれはないやろ、という名付けですから無理もありませんが・・・。

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 本日の金沢大会でいただいた品々。これすべて、近いうちにチェリーさんのインクレビューにも登場するんではないかと言われている某氏の米国土産です。これらは実に変なモンで、複数人であちこちいじり倒してもさっぱりわからないものばかりでした。

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 ペリカンのM800が小さく見えます。さらに言うと、現時点で実用できるのはシルヴァーのカランダッシュ風筆記具のみで、そのほかはインクがなくなっているのにリフィルが交換できないとか、そもそもはじめから書けるようには作っていないとか、実に見上げた根性の品々なのです。

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 こういう形であれば、まぁ普通は親指が触れている突起を動かせばペン先が出てくる、と思いますね。そして、これも当たり前のように、ペン先が出てくれば字が書ける、と思うはずです。思わない方がおかしいというか、ひねくれすぎています。

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 その、おそらくはノックボタンであろうと思われる突起を動かすと、カニのハサミが閉じ、反対側から期待通りにペン先が出てきます。なかなかオモロいボールペンやんか、と思いましたが、この状態でペン先が固定されないと知ってなおオモロい、ということになっております。壊れているのかもしれませんし、案外最初からこうなのかもしれません。

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 商売繁盛クリップ付きのトレド筆記具。軸全体に見事なダマスク技法による装飾が・・・・・と書いてはいけません。実はこれ、筆記具ではなくてただのオブジェ。はじめから字を書くことなど想定していないのだそうです。

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 会場となった金沢市文化センターのお向かいにある金沢ニューグランドホテル中二階のカフェレストラン「トレド」にて記念撮影。とっても怪しいお客さんになってしまいました。写真撮影のために宴会前だというのに軽食をとるあたり、ひょっとしたら私もヘンタイなのかもしれません。

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 事前の予測では規定人数の参加が見込めず、今年限りでなくなってしまうのではないか、と心配された金沢大会ですが、終わってみれば応援部隊を除いても十分な人数の参加を得て見事成立。結局、関西方面からの応援部隊は「半」要件を満たすための参加となったのでした。

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 昨年と比べると、地元から、それも初めてという方の参加が少なからずあったことが大きな盛夏でしょうか。昨年はどちらかというとみんなが金沢にやってきて会合を開いた、という感じでしたが、今年は正真正銘の金沢大会。これも皆、地元会員の皆さんの努力のたまものでしょう。 北陸方面の皆様、もしお時間がありましたら、関西方面の大会にもご参加くださいね。

2012年8月24日 (金)

Cutter`s High 2012

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 自宅のすぐそばのバス停まで長女を迎えに出ただけなのに、いつものように家に帰ってくるとケージの外でくつろぐ「ちち(仮名)」さん。目の前のケージに入っている「くま(仮名)」さんに見せつけるかのように、大きな態度でドテッと座り込んでいます。

 今日はこの夏の草刈り2日目。朝から暗い感じで、これはもう、昼過ぎには雨がくるなと軽い気持ちでスタート。ところがこういう時に限って降りそうで降らない、それどころか午後からは真夏のようなどピーカン、立っているだけで眩暈がするような暑さでした。

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 私の職場で主流となっている刈り払い機は、このようにワイヤーを取り付けたタイプです。地面や縁石すれすれまで迫っても、ほぼ安全に刈り払うことができますし、その分、刈ったあとの仕上がりも綺麗ですが、いかんせん大きな草や太い茎に出会うと往生します。

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 全く同じ刈り払い機でも、こうして金属製の刃をつけると戦闘力が数段アップします。というより、これが普通の姿。こんな刃が高速で回転するのは見るのも怖い、ということで、ワイヤー式に換装して使う人が結構いますが、草刈りはやっぱりこういうので豪快にいきたいものです。

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 私の愛機は排気量21ccの小型機ですが、斜面などで振り回すことを考えるとこのあたりがちょうどです。職場には排気量33ccなんていうパワフルなマシンもありますが、そちらはあまりにも重たくて取り回しにくいので誰も使いません。以前は職場にマトモなものがなく、一番調子が良いということでよく私のマシンが使われていましたが、最近は「私の私物です!」という宣伝が行き届いたので勝手に使われることがなくなりました。もう8年ほど使っていますが、本当に絶好調です。

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 草刈りをするときは、こういう、機動隊のお面みたいなのをかぶって作業しないと危険です。もともと別の人が愛用していたものですが、日光が当たると網がギラギラして対象物が見えにくいからでしょう、お払い箱になったのを使わせてもらっています。ひどいときにはこの網に碁石ほどの大きさの石が食い込んだこともあります。以前は何もかぶらず作業していたのですが、職場で草刈りをしていて怪我をすると管理職に迷惑をかけますから、安全のためにかぶるようになりました。我ながら、成長したなぁ、と思いますね。

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 こちらはとりあえず使用済みの刃。一番上になっているものなどは実際まだまだ使えます。ギザギザした刃の先端についたチップが、丸くなりながらも結構残っていますね。3枚のうち真ん中のものは、チップがほとんど飛んでしまっています。草刈りをしていて「痛っ!」なんて感じるときは、たいていこのチップが腕や顔にぶつかっているのです。石ころや砂粒がぶつかったのとは明らかに違う痛みを感じますし、なんかチクチクするなぁと思ったらチップが二の腕に食い込んでいたこともありました。

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 一番下になっている刃を拡大してみたところです。ほかの2枚とはもともとも形状が違いますが、3枚見えている刃のうち、真ん中の刃などはガリッと欠け落ちてますね。これらは皆、私が使った刃なのです。もうちょっと上手な人が使うと、こうなるまでに相当時間がかかるはずですが、私は半日でこんな風にしてしまうのが難儀なところです。

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 手前が新品、奥が使用後の刃です。上手に刈る人は、刃を地面や縁石に触れさせることなく、草だけに当てるようにするので、そうそう簡単には奥の刃のようにチップが摩耗しません。写真は2枚で980円という廉価品ですが、上等なものは萬年筆が買えるほどのお値段ですから、大事に使う人は本当に長持ちさせます。

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 私が使ったあとの刃を拡大したところ。チップが欠けたり減ったりしているだけでなく、刃先に土がついています。私は地面すれすれを狙って刈り払い機を動かして、刈るというより根こそぎ草をすくい取るような刈り方をします。また、縁石や擁壁などの際に生えている草を見つけると、草の向こうにあるコンクリートに刃を当てながら草を刈ります。そんなことをすればすぐに刃がだめになるので、プロや慣れている人たちはそんな場所の草は刈らずに放置しておくのです。

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 普通なら草を刈ったときに飛び散る汁が付着するはずのカヴァーにも、べったりと土がついています。こんな具合で、とっても下手くそではあるのですが、それでも草刈りはやめられません。虫が怖くて仕方のない私が、草刈りとなるとずんずん草むらの中に踏み込んでいくのも不思議な話です。照りつける太陽に焼かれてフラフラになりながらも、リズミカルに腰を左右に振りながらシャッシャッと草を刈り払うと、あとにはWindows xpの壁紙よりも綺麗な風景が広がるのです。これを愉悦と言わずして何というのでしょう。

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 そして夕方。今日もよく刈ったなぁ、という満足感と、立ち上がると目眩がするような疲労感に満たされてボォ~っとしていたところ、同僚が現れて悪魔のような一言を発したのでした。

 「お疲れさん。ほな、今晩行くよ。○○中学校の先生たちとボーリングの試合ね!」ってそんなアホな。もう動けません。それでなくてもボーリング3ゲーム投げるとフラフラになるというのに。なんて文句を言いながらも、楽しくボーリングをして1日を終えた私でした。明日は早起きして金沢へ行こうというのに、大丈夫なんでしょうか。

2012年8月23日 (木)

銀歯

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 恨めしやぁ~、ではありません。コーギーの赤ちゃんの寝姿が最強、という説もありますが、それとて、なんて言いますが、どうでしょうか。ここにある寝姿を見ますと、足が短いゆえ、個体によっては前足をぺたんとすることも可能なのかな、と思いますが、 柴犬にはそういう寝方はできないようです。

 最近、昔懐かしい夏の日が続いています。午後3時頃になると風が涼しくなって、あぁどこかで降ってるな、などと言ってるうちに雷が鳴り出して、プールのシャワーよりすごいと思われる夕立が来る、というパターンです。チンチンに焼けたアスファルトが雨に濡れたときの匂いが大好きです。そして何より、電力供給が逼迫しているせいもあるのでしょうか、今年はよく停電するように思います。昼間は灼熱地獄、そして夕立、雷、停電。その結果夜は涼しくなる。これこそ、記憶の中にある「夏休み」です。

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 朝から絶飲絶食しつつ、職場の敷地に沿って伸びる細い路地の草刈りをしていました。もうすぐ薬が切れてお医者様へ行かなくてはなりませんので、せめて体重だけでも落としておこう、という魂胆です。この路地は自動車が通れない細さで、バイクや自転車がすれ違うのがやっとなのですが、道の両側から草が生えていて、背の高い草になでられながらやっと通り抜けられる、という状況になっていました。

 30年以上前から、職場に住み込んでいる業務員さんがボランティアで草刈りをしていたのを、10年ほど前から引き継いで今に至っています。地元の人たちからも「今年はいつ頃刈ってくれるのかなぁ・・・」と期待されているはわかっているのですが、諸般の事情で今日まで手つかずになっておりました。

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 朝から業務員さんと協力して刈りまくり、すっきりしたところで刈り倒した草を撤去したのですが、草を刈るのは楽しい作業、刈った草を撤去するのは拷問に近い作業で、一滴の水も飲んでいないにもかかわらず、ひょっとしたら自分の体は氷でできているのではないだろうか、と思うほどに汗が涌き出てきます。

 結局、水が出た分だけ、2キロほど体重が減りましたが、こういうのを2、3日続けないとホンマモンではないのです。誰よりもヘタレな私ですので、ちょっとでもしんどくなったら即休憩。なので、熱中症になる心配もありません。

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 草刈りと草の移動作業は夕立が来たのをきっかけに終了。クールダウンして、歯を磨いて、予約してあった歯医者さんへ向かいます。お盆前に型どりをしてあった銀歯ができあがっているので、今日はそれを装着してもらいます。

 虫歯だらけの口の中。今回は、虫歯を削った3本の歯をまとめて銀歯(冠)を造ってかぶせてもらったのですが、治療してもらっている間、ヘンタイなことを考えてしまいました。女医さんとか歯科衛生士さんとか、皆さんお綺麗なのですけれども、そちら方面の漢字の変態ではありません。念のため申し添えます。

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 銀歯を口の中で合わせてみて、また外して調整する、ということを繰り返されたのですが、調整すなわち削ってるんですね、当たり前ですが。で、削った奴を口の中で合わせてみて、どうですか?となるわけです。で、椅子で寝ながら「これって、ペンクリと同じやなぁ。」なんて思っていた私。

 ペンクリならやり直しもきくし、少しぐらい調整士さんの口車にのせられても問題ないのですが、歯の場合はそうもいきません。患者としてはダメ出しの嵐でいかないと、後々苦労することになります。「はじめは違和感があって当然ですから。」なんていう言葉に、「じゃ、これでいいです。」なんて答えてはいけないんですね。それにしても、どんな道具でどういう風に削ってるのか見てみたいなぁ、なんて思っていた私は、やっぱりヘンタイですね。

2012年8月22日 (水)

偶然の一致

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 「ちち(仮名)」さんの動きについていけてませんが、長男に遊んでもらってご機嫌、という一コマ。「くま(仮名)」さんより活動的な彼女には、首輪が欠かせません。捕まえてケージに入れよう、というときに難儀をするからです。写真はその首輪をいったん外して、再度つけようとしているところです。長男が手に持った首輪に前足をかけて突っ張り、自分の方に来ないようにする、なかなかの高等戦術です。結局これで5分ぐらい遊んで、最後は強引に押さえ込まれて首輪装着、となりました。

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 いつ見ても綺麗な3本。マーレ・リグニアがティレニアに代わればもっと交通信号らしくなるのに、という声もありますが、そうそう追っかけているわけにもいきません。手前のサハラなんてのは本当に魔性のペンで、こいつが手元に来てから忘れかけていた萬年筆病が再発したのです。

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 そうは言いながら、サハラのペン先は金一色のものに交換されています。これこそサハラに満足できなかった証拠。萬年筆はこれが怖いんですね。標準状態のサハラはMニブでしたが、これが書いてみると黒板にチョークで字を書いているような感触。単にコツンとしているだけでなく、ペン先と言うよりペン芯のあたりから文字の線が出てくる感じです。現在ついているM650ペン先に交換してだいぶマシになりました。

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 ペン先洗浄中。で、アウロラの2本を見ると、インク窓が実に汚いですね。これも内部に電解水を入れて細い綿棒でこすります。サハラにはウォーターマンのフロリダブルーを入れていますが、茶色い水が出てくるのが不思議なところ。そして真っ赤な85周年には、兎さんがお餅ついてるのかなぁ・・・・なんて言いながら、手に着いたらなかなかとれないことで知られる国産インクを入れています。

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 何度も水を出し入れして洗浄中にこうなってしまうと、とても残念ですね。完全に破断しています。アウロラは言うまでもなくイタリアものですから、こうなったぐらいで慌てふためいてはいけないのだと自分に言い聞かせつつ、もう一度はめ込んで回してみました。

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 何とも綺麗に割れています。以前、同じアウロラの天狗ことカルロ・ゴルドーニでピストンユニットごと抜けてしまうというトラブルに見舞われたのに続いてアウロラ2件目。イタリアでは一番マシな感じのメーカーですけれど、イタリアものの魅力を持っている限り、やはりイタリアもの。油断してはなりません。

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 以前、東西ドイツ統一記念のM800で、インナーキャップが割れてしまうというトラブルを経験しました。そちらに入っていたのも、つるべをとってしまうと言う同じブランドのインク。キャップならわかりますが今回は直接インクに触れない部分ですし、おそらくは偶然の一致でしょう。けれども、次にインクを入れるときには・・・・・ちょっと考えてしまいそうです。

2012年8月21日 (火)

今月のちょこちょこ

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 ワイルドなんでしょうか、この「くま(仮名)」さん。日頃のかわいらしさもぶっ飛んでしまいそうな、ちょっといやらしいオッサン系のお顔になっております。今売れている芸人さんのギャグというか言い回しというか、そういうものを持ってきたらいいのに、と言うところでしょうけれど、私は流行り物には手を出さないのです。流行る前に目をつけて、みんなにアホやと言われながら担いで、流行りだしたら撤退、が基本です。

今から15年前、出先でもデータが見られるようにとHP-100LXを持ち歩いている私を、みんな馬鹿にしました。ま、実際に馬鹿だったので間違ってはいなかったのですけれど、今や電車の中で携帯にらみつけてない人を探す方が難しい。そこのあんた、何も電車の中でまでそんなもん見なくても・・・って言うてたやん、と思いつつ、さぁ次は何がオモロいかな、と探し続けるのです。

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 15年前と言えば、東急ハンズはまだ聖地でした。そこへ行きさえすれば、人と違うものが持てる、と信じてもそう大きな間違いではありませんでした。特に渋谷のハンズなんてものは、田舎モンには駅からたどり着くことも難しく、たどり着けたらパラダイスでした。

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 女性に人気の通販プログラムで毎月小物が届く「月刊ちょこちょこ」を見ては、あぁ、今月もしょうもないなぁ、実にちょこっとしたモンしか入ってへん、などと言っておりますが、かつては東急ハンズかSONYプラザに行かないと手に入らなかったようなものばかりです。

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 起き上がりこぼしになっているスタンプ。卵形のボディが二つに割れるようになっていて、上半分がスタンプ、下半分は錘です。  スタンプとしてどこに捺すのか、ということはもはや問題ではないのでしょうね。電話を受けて書いた伝言メモかなんかに捺すと、かわいい、っていうことなんでしょう。

 先日の同窓会で、「先生にもらったミニ賞状、残ってました。」という話が出ました。体育大会の翌日だったか、担任していたクラスの全員にB6サイズぐらいのちっちゃい賞状を渡したのです。実にしょうもないもので、その最後のところ、私の名前の下に笹竜胆だったか三ツ葉葵だったか、家紋のスタンプを朱肉で捺したのです。そういうしょうもないことをするな、と年長の女性教師にキツく叱られたことしか覚えていませんでしたが、ゴミ箱直行にしなかった生徒もいてくれたようです。

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 あの頃、ホントに何にもできない先生で、保健室の先生と、もう一人、40ぐらいのとっても怖い女の先生には無茶苦茶に嫌われていました。私のクラスの生徒が2人ほど、検尿を提出するのを忘れたときなどは、ちょうど来ていた教育実習生が全員集められた保健室に呼び出されて、「提出物を出させることもできない人は教師失格。この中の誰かと交代したらどうですかっ!」と叱責され、うら若き乙女たち(教育実習生)に指を指されて笑われる、という演出までしていただくほどでした。

 もう一人の女教師などは、私が不在の時になされた連絡事項や、前教師が知っておくべき事柄などを「わざと」知らせないように最大限の努力をしていました。その学校から異動になるときの歓送迎会で、「何で来るのっ!」と言われたことも忘れられませんが、まぁその2人以外はとってもいい先生たちでした。

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 蛙さんの形のカードスタンド。ブランクのカードには自分だけの何かを書けるようになっています。この、カードに書いてある内容と、蛙さんの表情がシンクロしていて、実にいいですね。個人的には会議中っていうのがツボです。25年前の私がこんなものを机の上に立てて置いたら、きっと2人の女教師から半殺しの目に遭っていたことは間違いありません。

 先日の同窓会にその怖い先生が来てたらどうしよう・・・・・と戦々恐々だったのですが、幸いにもお姿を見ることはありませんでした。同窓会に出てきた教え子たちが異口同音に言っていた、「みんなヤンチャはしたけどイジメなかったなぁ。」というのがとても印象的でした。暴力沙汰はいっぱいあったのですが、陰でこそこそ、という陰湿なイジメは、本当になかったのです。それは何より、職員室が和気藹々だったからだと思います。 もちろん、私も件の2人の先生が出張などでいないときは、本当にのびのびいきいきしていましたし、聞くところによると私がいないときには怖い怖い女の先生2人もいい人だったのだそうです。やっぱり原因は私にあったわけですが、いじめられる方にも原因が・・・・・なんてことは絶対に言ってはならないし、言わせてもいけないのです。それは、イジメが解決してからのお話です。

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 明日から夏休みの職員研修ですが、テーマはやっぱり「いじめ」です。ここ最近のイジメは、本当に陰湿なものが多くて情けなく思います。ジャイアンみたいなのはむしろ大歓迎。イジメなんて生ぬるい呼び方を考え直さなくてはいけません。ここのところ世間の人の口に上っている事件は、傷害、殺人未遂、様々な犯罪の教唆、強制など、どこに出しても恥ずかしくない犯罪ばかりです。それを、加害者側につく大人が「あやまち」なんて言うから話がおかしくなるのです。大阪の子供たちは遊びの中で、よくこう言いました。「ごめんで済んだら警察いらん」と。

2012年8月20日 (月)

FPOJ

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 正体なく眠っている「ちち(仮名)」さん。グーグー寝てる、とよく言いますけれど、彼女の場合、寝ているときは比較的静かです。寝息もほとんど聞こえず、この撮影位置から離れたところで寝ている「くま(仮名)」さんのいびきの方が良く聞こえるほどです。

 ただ、ドッグイヤーとはよく言ったもので、熟睡していても周囲の様子はある程度把握しているみたいです。飼い主が近くにいなくなると眠りが浅くなって、ドタンバタンと寝返りを打ちまくったり、半分寝ながらおもちゃで遊んでみたりと、寝方に「おちつき」がなくなります。

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 届きました。大きくて、重い本。物理的な大きさ、重さだけではなくて、その内容も重量級です。きらびやかな、あるいは見たこともないようなめずらしいペンの写真が次から次へと出てくるので、子供が絵本に夢中になるように、時間を忘れて見入ってしまいます。

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 デカいぞ、重いぞ、海外から取り寄せると送料がしゃれにならんぞ、などなど、とにかく大きな本だと言うことは言われておりましたが、実物を目の当たりにするとその大きさを実感します。比較のために皆さんよくご存じの本を置いてみました。タイトルの文字の間においてあるのはM910トレド。ペン!ペン!ペン!と並んでいる大きいのはモリソン謹製の巨大万年筆です。

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 厚みも結構なもので、単三電池2本半ほどありますね。この本を読むときは、膝の上に置いて、などと考えないことです。きちんと机の上に置いて、丁寧に1ページずつめくりながら楽しみましょう。著者のサインや画像資料以外、全編英語ですけれど、辞書をひかなければ読めないほどではありません。中学英語で十分楽しめます。

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 本来、書籍の中身を写真に撮って公開なんてことは御法度ですが、こういう本ですよ、という紹介のために最小限に。 日本の萬年筆をテーマにした本ですから、私が持っているものも何本か載っています。 この写真、原寸大かな、と思ったので実物を並べてみました。だいたい同じですね。加藤清氏のおそらくは最後の作品。確か、これを買うためだけに名古屋の松坂屋まで行ったのでした。

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 膨大な情報量ですから、こういうことも出てきて当然、なのかもしれませんね。日本のmangaについては海外にも愛好者が多いですし、国内でも常識に近いキャラクターですから、ここらへんはすぐにツッコミがはいるところでしょう。でも、もう一カ所気になるところがある、と思った人はすでに萬年筆ヘンタイです。

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2012年8月19日 (日)

焼き付ける

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 今日もあご枕で気持ちよさそうにお休み中の「くま(仮名)」さん。飼い主は教え子たちが企画してくれた大同窓会に参加して大盛り上がりで、最終電車に乗ってのご帰館となりました。社会人になって3年目、初めて中学3年生の学級担任をしたときの子供たちですが、それから四半世紀たっているのでみんな40歳。いいことも悪いことも一通りは経験してきて、みんなとっても魅力的な大人になっていました。

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 250人ぐらいいた同窓生全員に連絡をとって一堂に会する機会をもとう、という何とも壮大な計画。自分自身が40歳だったときにこんなことを計画・実行する度胸も力もなかったことを思うと、幹事を務めてくれた皆さんには頭が下がるどころか平身低頭、何度お礼を言っても足りません。

 今でもロクな教師ではありませんが、当時はもっとひどかったわけで、そんな私でも恩師として呼んでくださったので、むしろ恐縮して、ご辞退申し上げるつもりでおりました。なぁんにもしてあげられなかったのに何が恩師だ、という思いが強かったのです。

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 100人ほど写真に収まるというのは実に壮観。当時30代だった学年主任とリーダー格の先生を見て、あぁ自分も10年たったらあんな先生にならなければ、と思っていたはずでしたが、はたしてどれだけ努力したのか。そのお手本であった先生方が、すでに退職、あるいは退職を目前にされているというのに、私はいまだにフラフラしております。

 今、職場では隣に大学を出たばかりの新人が座っておりますが、これがまた優秀そのもの。自分が新人だったときにはとてもこんなことはできなかった、と目をみはる毎日です。そんな奴がロクに努力もしないで歳ばっかりとった今の私は、ベテランというよりペテランというべきでしょうか。

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 そんな私ですが、同窓会にお招きいただいた上に、お土産までいただいてしまいました。吉野のこだわり卵です。中学卒業後四半世紀がたち、今も地元に暮らしている人、近隣他府県、首都圏、あるいは遠く北海道に生活の基盤を置く人など、実にたくさんの卒業生が駆けつけてくれましたが、本当にみんな立派。私が担任していたクラスにいた人たちも、みんな魅力的な大人になっていました。

 クラスの生徒の平均点を何点以上にする、などといった数値目標を掲げて、それを達成できるかどうかで教師の評価を決める、という動きが進んでいます。そういう努力は必要ですし、怠け者や力のない教員はどんどん淘汰されていっていいと思いますが、結局、教師の仕事の成果というのは、卒業生から「先生!」と声をかけてもらえることだと思っています。

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 ある日あるとき、駅前でどこからか「先生!」と呼ばれた気がして、声がする方を見ると、ニコニコしながらこちらを見ている人がいる。たぶん私は、この瞬間がたまらないのでこの仕事をやっているのだと思います。今日、目に焼き付けた「教え子」たちの立派な姿、これを励みに、また明日からしっかりと仕事に励もう、と柄にもなくまじめな決意をしたことでした。

2012年8月18日 (土)

夏の終わり

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 今日もまたお医者様へと連れて行かれて、ドナドナ状態の2頭。最近はワゴン車でも床の低いのがエラいということになっていますので、先代のエルグランドみたいに地面から床まで結構な高さのある車は古くさい、ということに決められております。実際ワンコたちもその意見には賛成のようで、おうちに着いたから早く降りてゆっくりしたい、とは思いつつ、この高さ、はたして飛び降りられるのだろうか、と逡巡しているのです。

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 大気の状態が不安定だとかで、午後になるとお約束のように雷鳴がとどろいて大粒の雨が落ちてくる、ということが続いています。そうなる前のひととき、職場の中庭に出て、吹き寄せる風に雨が近いことを感じながら、パシャパシャと写真を撮っておりました。

 奥の花壇で大きな花を咲かせてくれていた向日葵ですが、役目を終えて引き抜かれてしまいました。花の部分はきちんと乾かして丁寧に種を取り、来年へと命をつなぎます。

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 盛夏と呼ばれる季節であれば、もっと派手に、もっとたくましく見えるはずの向日葵。秋が近づいてきたこの時期、花こそ保っているものの、もうそろそろ秋の草花に花壇を譲る時期だというのがわかります。

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 派手さでは負けますけれど、まだ朝夕は肌寒い頃から秋と呼ばれる季節まで、次から次へと交代で花をつないでくれるのが朝顔。枯れていく向日葵のすぐ隣で、まだまだしっかりとした花を咲かせ続けてくれています。

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 生き急いだゴーヤ。緑色のしっかりした実はオレンジ色になり、弾力性も失われて、やがてこのようにはぜてしまいます。これはまだゴーヤの実だったことがわかる形をしていますが、もうすぐ、誰かがミカンを食べて皮をそこらに捨てていったのか、と思うような姿になります。

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 夏(休み)が終わる、というだけでも猛烈に寂しいのに、こんな風に朽ちていくものたちを見ているとなおさらに寂しさが増してしまいます。でもこういうはかなさ、寂しさがあるからこそ、四季の移ろいが味わい深いものになるのでしょう。

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 暑かった夏が過ぎ去ると、やってくるのは実りの秋。こちらではコットンの実がなっています。クリーム色の花がピンク色に変わり、このような実になります。実は緑色から茶色へと変色し、やがて外側が枯れてはじけるように中から真っ白な綿が顔を出すのです。

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 こんな時季外れなものも・・・・・と思ったら、見えないところはカラスにつつかれておりました。早速取り上げて食べてみた人の話によると、とっても甘くておいしかったということです。鳥たちはいつが食べ頃かというのを実に的確に見抜くものですね。

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 などと感傷的になっていた土曜日。我が家にもこんな本があるのを発見してしまいました。個人的には表紙にある「興福寺の修羅場像」なんてのがお気に入りです。

 おもしろいのは、この本を長女が買ってきたということ。テンネン度400パーセントの彼女のこと、こんな本読まなくても、師匠をうならせるような珍回答を大量生産する力を持っているはずなのですが・・・・・。

2012年8月17日 (金)

大仏プリン

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 なにやら一生懸命な表情の「くま(仮名)」さん。何をしているのかというと、一心に目の前のクッションを舐めているのです。なぜ舐めているのか、その理由は本人(犬)にしかわからないところですが、残念ながら飼い主と飼い犬という間柄であってもそういう込み入ったことまでは理解し合えないものです。犬には犬の世界がある、のでしょう。

 こうして動画で見てみると、実に意味不明。何かおいしいもの、たとえば肉汁がこぼれているとか、そういうことでもありません。先ほどまでグースカ寝ていた、そのときに枕にしていたクッションの縁を一心不乱に舐めているのです。

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 奈良のお土産好適品、大仏プリンです。初めて奈良の大仏を見た人は皆、わぁ大きい、想像以上、なんて感想を漏らします。大仏プリンを見ても同じ感想を漏らしてもらいましょう。

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 左がレギュラーラインの大仏プリン。右が大仏プリン(大)です。普通の大仏プリンが350円で、大が800円ですからものすごくお買い得です。

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 一人分をお皿に取ったところ。瓶の中身は2人分ぐらいをとったあとです。上から掬っていって、2~3人分くらいを掬ったところでようやく底のキャラメルソースが見えてきます。

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 比較用に引っ張り出されたのはセーラーのキングプロフィット。堂々たるサイズの萬年筆ですが、大仏プリン(大)の前では控えめです。

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 ところで、先ほどから出てきている四角い瓶に入ったプリン。こちら、同じお店で売られている大仏プリンの姉妹品、四神獣古代米プリンです。四角い瓶の四面にそれぞれ四神のイラストが描かれたラベルが貼られています。

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 皆さんも奈良へ来られましたら、お土産にまほろば大仏プリン、お一ついかがでしょうか。JRや近鉄の奈良駅構内、またはすぐ近くにお店があります。お味の方は、昔ながらの普通のプリンですが・・・。

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2012年8月16日 (木)

備前長船・2

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 最近、実に悪い癖がついた「ちち(仮名)」さんです。お散歩から帰ってくるとすぐにはケージに入ろうとせず、しばらくは家族のいるリヴィングで「くつろぐ」のです。ひとしきりケージの外でこうしてベタッと座ってすごすと納得して自らケージに入るのですが、彼女の内面ではこの行動、いったいどういう意味があるのでしょうか。

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 こちらは初号機仕様の脇差。これの大きな特徴として、時代劇などでよく見る脇差と違う、「右手指(めてざし)」という造りになっていることがあげられます。要は、刃を下に、柄が後ろになるように腰の右側に挿して持ち歩くように作られているというのです。

 白兵戦になって敵と取っ組み合った場合、左腰に差した刀を抜いて切りつけるというのは不可能に近いですが、右手指であれば、右手で後方に刀を引き抜いて切りつけることが可能です。刀が実戦に用いられた時代にはむしろ主流であったようですが、今ではそういうものがあったこと自体、ほとんど知られていない、ということです。確かにその通りですね。

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 エヴァに関係する資料の一つとして展示されていた写真。ここに写っているロンギヌスの槍は、おそらく、そうたいしたものではないでしょう、というのが学芸員の方のお話。女性が軽そうに持てるようなものですから、造りもそこそこでしょう、ということでした。今回の展示でメインとなるロンギヌスの槍は、日本に18人しかいないという「無鑑査」刀匠の一人、三上貞直師の作。かの月山貞一師に師事されていたという実力で、みごとロンギヌスの槍を打ち上げられたのです。

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 刀を打つときは、実物大の図面を作るのが基本なのだそうです。完成したロンギヌスの槍は、長さ3.3m、重さ22㎏という壮大なものですが、事前におよそ3分の1のサイズの試作品を作ってから本格的な制作に入られたものだそうです。あまりの大きさゆえ、三上師の工房では扱いきれなかったため、工房から作り直すという手間をかけてようやく完成したもの。性質の異なる複数の金属を層状に重ねて打つダマスカス鋼の技術を用いて作られています。

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 見えるでしょうか。ひねられた槍にはしっかりと層状の模様が見てとれます。三上師はエヴァンゲリヲンなどというものに全く接点がなく、まずはその世界観を知ることから始められたそうです。日本刀の原材料となる玉鋼を作ることにかけては第一人者である三上師ですが、ダマスカス鋼を扱うのは初めてのことで、何もかも初めてづくしの中、試行錯誤を重ねて完成されたものがこのロンギヌスの槍なのです。

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 赤熱された材料をギリギリとひねることでこの形状を作り出されています。前回も紹介しましたが、博物館併設の特設ショップでは制作の様子を収録したビデオが流されていて、この写真の部分をどのように作ったのか、ということもつぶさに見ることができます。

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 聖書から都合のいいところを適当に持ってきてでっち上げた、現実離れしたアニメ、と言ってしまえばそれまでなのですが、こじつけもうまくやるとなかなかのもので、ふむふむとうなづいてしまうほど、見事な設定(こじつけ)がされているのもこのアニメの特徴。中でもロンギヌスの槍は、聖書にはそんなこと書いてへんやろ、というぶっ飛んだ設定ですが、それだけに作中では印象深いアイテムとなっているのです。

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 エヴァ以降のいわゆるロボットアニメでは、ロボットが白兵戦用の武器を持つ、という設定がぐっと減ったように思います。しかし、エヴァといえばこれ、プログレッシブナイフです。いくつか制作されていたうちの一つがこの剣型(丸)です。剣ですから、当然両刃であり、それを造形的に、また日本刀としてうまくまとめあげるところに苦労があったとのこと。確かに、刃を研ぐにしても対称に仕上げなくてはならず、とても苦労されたということです。

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 個人的に、展示物の中で最も興味をひかれたのはこれでした。隕石の中にある鉄分、すなわち隕鉄から作られた刀です。もともと日本刀の材料には適さない素材から、見事な刀にまとめ上げられています。

 今回、残念なことに写真を撮れなかったものが一つあって、それが砥石。萬年筆のペン先調整にも砥石やペーパーなど、「研ぐ」ためのものが使われますが、日本刀も実に多くの種類の砥石を使い分けて研ぎ上げられている、ということがよくわかるように展示されていました。もういっぺん見に行こうかな、なんて思っていたりするほどで、萬年筆はともかく、刀剣なんぞにハマると危ないよぉ、と周囲から脅かされております。

2012年8月15日 (水)

送り火

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 長女による自信作。あご枕をしてすやすや眠る「くま(仮名)」さんを狙っていて偶然にとらえた1枚のようです。我が犬ながら実に可愛らしく、ムギュッとしたくなりますね。だいたいから彼女は、ペットショップで初対面の折、抱きあげると一瞬で肩まで這い上ってきた、そのあたりからしてもう、オッサン殺しなわけです。ペンショップでは書いたら負け。ペットショップでは抱いたら負け、なのです。幼い頃の写真があまり残っていないことが実に悔やまれます。

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 さる方から譲っていただいたキングプロフィット。仏壇萬年筆の王様です。終戦記念日の今日、我が家にお迎えして祀っていたご先祖の霊が帰られます。お盆になると、仏壇の前に馬と牛を形取ったものを置きますが、ご先祖様は馬に乗り、牛に荷物を担がせてお帰りになるのです。母の初盆の時、初盆の仏はみんなの荷物を持たなければならないから早く送ってやらないといけない、なんてことを祖父母が言っていたことを思い出します。

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 母、祖父、祖母、そして父と、社会人になってから4人を見送りましたが、今の私を見て、あの世で情けなさに涙していることでしょう。お盆やお彼岸になるたび、ご先祖様すんません、と頭を垂れるのは何とも情けないものですが、子宝にも恵まれ、多くの知人友人にも恵まれて、情けないながらも幸せな人生を送っている、といえるのかもしれません。

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 同じプロフィットでも、スタンダードとキングとではこれだけ違います。モンブラン149のコピーだなどと言われても、私にはキングプロフィットの方が書き味に優れるように思われます。萬年筆が趣味だなどと言うと、決まって「モンブランとか?」と聞き返されますが、まともなモンブランは1本も持っていないと答えるとあきれたような顔をされるのが常です。上等な萬年筆というとモンブランしかない、あるいはそれしか知らないという人がそれだけ多いということなのでしょう。

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 それにしてもデカいですね。昨日、お坊さんがお参りに来てくださったので、お布施の袋に表書きするのに活躍した筆ペン。普通の家庭にある筆記具の中では最も長いものの一つでしょう。キャップをポストした状態ではありますが、それとほとんど変わらない長さ。こういうペンの後ろ寄りを握って、水平に近く寝かせて書くようになりました。萬年筆を使い始めた頃には思いもよらなかった変化です。

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 さてこれから送り火を焚いて、ご先祖様を送ります。奈良の高円山では今日、日本最大級の送り火(大文字)が焚かれました。そして明日は京都五山の送り火です。生で見たことはありませんが、子供たちには一度見せてやりたいなぁ、と思いつつ、今年も準備不足で実現しませんでした。

 明日は早朝から職場の端末入替工事に立ち会わなくてはなりません。ご先祖様を送ったら、今度は長年お世話になったメール受信用端末を見送るのです。何より、もうすぐ夏を見送らなくてはならないと思うと、寂しく感じられてなりません。暑いのは誰より嫌いなはずなのに。

2012年8月14日 (火)

備前長船・1

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 結構必死になって前足の爪をかんでいる「ちち(仮名)」さん。彼女はこういうことをあまりしないせいか、「くま(仮名)」さんと比べて爪の伸びるのが早いのですが、こういうことを覚えてやるようになればマシになるかと思います。二頭以上の犬を一緒に飼っていると、先住犬が後から来た犬に「教える」といわれますが、むしろ後から来た犬が先住犬を見習う、という方が正確なように思います。

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 お盆の真っ最中に刀の話、っていうのもどうかとは思うのですけれど、Blogネタというのはあるときにはあふれるほどあって、ないときには逆さに振っても何も出ない、というものです。幸せなことに、今はネタをどんどん捌いていかなければならない状態。ネタはあっても、それを記事にするのに手間がかかるから没、なんてことも多いので、パートタイムで出勤すればすむお盆は絶好のチャンスです。

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 人間国宝、隅谷正峯氏の遺族から寄贈された工具もあるという工房。タイミングが合えば、ここで実際に刀を打っているところを見ることもできるようです。美術館に隣接したショップでは、「ロンギヌスの槍」を打っているところを撮影した映像が流されていましたが、師匠と弟子、まさに一心同体となって真摯に取り組んでいる様子に、感動し、そして「あぁ、こんなに暑いのは絶対あかん!」と変な感想を持ってしまう私でした。

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 すでにあちこちで目にしているこの図柄。通常展示よりアップした700円を払って入館すると、こちらのクリアフォルダがもらえます。この絵の中で各キャラクターが手にしている刀、これを実際に制作して展示してある、というのもこの特別展の「売り」のひとつでしょう。新劇場版で彗星のごとく現れた手前右のキャラクターにはそんなに魅力を感じないのですが、好きな人には結構人気があるようです。まぁそもそも、そういう感性を持っているからこそ、無理矢理にでもこういうキャラクターを追加したのでしょうけれど。

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 こんな風に、本当に打ってしまっております。柄などは樹脂製だったりしますが、刀身はホンマモンです。設定資料を読み込んで作品のイメージを練り上げ、日本刀としての条件も満たしながら実物を作り上げるというのは、なかなかに大変だったことでしょう。こういう「創作」ですらご苦労があったということですから、実際に劇中に出てくるものを作るなどというのは本当に難儀なことだったろうと想像します。

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 回転台に載せられてぐるぐる回っております。刀としての姿を見せるだけでなく、こうして刀身のみを見せるというのもこの博物館ならではのものでしょう。こういうのがなければ、見に来るのはただアニメにおぼれただけの人ばかりになってしまいます。実際、館内にはアニメ系統ではない人も結構いらっしゃったように思います。

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 隣で刀身がぐるぐる回っているということは、これの中身は空っぽなのでしょうか。ドイツからやってきた少女が持つのにふさわしい外観。こういうところも、おそらくはアニメとは縁のない、あるいは縁が薄いであろう刀工が、設定資料を読み込んで苦心されたものと推察されます。ホンマにアニメというものは罪なものです。

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 こちらは零号機仕様。たしかに、こうでなくてはいけません。変なものを作れば、「こんなのは私のレイではない!」なんて言われてしまいます。なお今回、この系統の展示品に限って撮影が許可されていたのも特筆すべきところです。ただしフラッシュはダメよ、と書いてはあるのですが、そこら中でピカピカやってました。ガラスから離れてあれだけ光らせていたのでは、きっと何も写ってないことでしょう。

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 覚醒した初号機の顔を表現したもの。柔らかい材質なので実際に甲冑としては使えそうにないのだそうですが、その分、顔面に表情のようなものを表現できている、ということなのだそうです。これなんかもストロボ撮影しまくりのカップルがいましたが、どちらもカメラの操作法を知りません。男の子が光らせると厳しい視線、女の子にはあきらめの視線、という周囲の反応がいちばんおもしろく感じられたところです。

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 9月中旬までやっていますから、是非一度見に行かれることをおすすめします。車で行くのが便利ですけれど、JR赤穂線長船駅からですとタクシーで820円。時間さえ調べていけばこれも楽ちんです。刀剣の里までお客さんを送っていったタクシーはたいていそのまま客待ちをしていますから、行きに送ってもらう際、帰りの電車の時間も合わせて運転手さんに相談しておくのがいいでしょう。

2012年8月13日 (月)

一つできたらまた次

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 雷鳴とどろく中、あきらめて眠っている「くま(仮名)」さん。人間でも雷が苦手という人は結構多いですが、大多数の犬も雷、あるいは花火の音なんかが嫌いなようです。割と近いところに落ちたときなど、バリバリ、ドーンという音におびえて飼い主にすり寄ってきたりしますが、それをかわいいと感じる飼い主がかまうものですから、犬は学習してしまうのでしょう。ためしに、雷が鳴っているときに部屋に犬だけを放っておいてそっと観察してみると、こんな風に静かにしていることがほとんどです。

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 万年筆の教科書、ペリカンのM800です。しかも地味な黒軸金トリムの仏壇仕様ですので、お盆にはぴったりです。今朝は3時に起きてお墓参りに行くぞ、と決めていたのに目覚めたのは4時。出遅れたっ、と焦りつつクルマを駆って何とか6時過ぎには高野山の奥の院にあるお墓に到着しました。お墓の周りと墓石を清めて、蝋燭を灯し、お線香をあげる、実に手慣れたものです。 私の父も同業で、お盆でも休めませんでしたから、お墓参りは子供の頃から私の仕事でした。

 お墓参りを済ませ、下界に降りて職場近くのパン屋さんに寄ると「あれっ?夏休みじゃないんですか。」という反応。毎年、教育長の名前で「生徒の夏休み中には、教員も絶対に7日休みを取ること。校長は自分ところの教師が確実に休みを取っているかどうか、しっかり確認すること。」なんて通達が来ていて、守らないとシバかれますので、提出する書類には適当に7日間、休みのところに○をつけてあるはずです。

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 冒頭のM800は、この日の記事に登場したペンそのものです。上の写真のようにぐにゃりとペン先が曲がってしまい、長い間放置されていたものですが、次代の調整士として期待されているカーボン先生に課題というか、教材というか、とにかく生贄だから好きにして、ということでお願いしてあったものです。

 オッサンなんちゅうもん持ってきよんねん・・・・・と開いた口のふさがらなかったカーボン先生ですが、結果は冒頭の写真の通り。どこが曲がってたんや?というほど見事に修正してくださっています。

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 このペンを託したときは、あまりのことにM800やなぁ、ぐらいの認識しかなかったカーボン先生ですが、いざペン先をいじり始めてびっくり。まずは金の品位が14C、太さの表記もどこか変。そういうヘンタイぶりにもめげず、持ち前の器用さを最大限に発揮してここまで修復してくださったこと、心から感謝です。親方も「OK!」の仕上がりです。

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 これで残るはペンポイントの飛んでしまったPILOT823ですが、こればっかりは直すとかそういう話ではないので、自由研究の題材にしていただこうかな、と勝手なことを考えています。そのための教材も用意いたしました。

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 新宿ヨドバシの前を通り過ぎて・・・・・の凶悪なお店ですね。なぜか貯まっていたこのお店のポイントだけで手に入れました。流通の都合がありますから仕方がないとはいえ、いつもながら箱ばかり大きくてもったいない感じがしますね。

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 ほんと、封筒に入れて送ってくれたらそれでいい、というようなものですけれど、そうすると今度は曲がったりしないか心配ですから、結局仕方のないところですね。PILOTの15号ペン先、コースニブです。ペンポイントの飛んでしまったペン先をこいつに交換して、採点用に最適(!)なペンに仕上げてください、というのが次なる課題。いつも勝手なお願いばかりしてすみません。どんな分野でも、できない人ができる人にするお願いというのは、結局、無理なことばっかりなものなのです。

2012年8月12日 (日)

老山白檀@万年筆博士

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 やや愁いを含んだ、あるいは夢見るような、いずれにしてもトロンとした目が印象的な「ちち(仮名)」さん。そういえば昨日の岡山でも、宴会で隣になったIkontaさんから実名は何かと聞かれました。犬とはいえ女の子ですし、ネット上に本名を晒しまくる恐ろしいストーカーにつけ狙われるかもしれませんので、(仮名)です。

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 もうずいぶんと前、ペリカン堂さんに、「いい加減に正式な名前をつけてあげなさいよ。」なんてご忠告いただいたりもしました。案外、そういう意味での(仮名)だと思ってらっしゃる方も多いのかもしれませんね。ネット上ではなく、WAGNERの会合その他、リアルでお会いした方には命名の由来も含めて本名を明かしております。見かけましたらぜひ尋ねてください。関西方面の方、次回9月15日は元町の兵庫県民会館です。大阪、京都からも意外に近いですよ。

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 召喚されてしまいましたので、本日はこちら、憧れの「万年筆博士」謹製萬年筆のご紹介です。3年前、職場の慰安旅行と日程が重なって迷ったあげく、鳥取や松江を訪ねる旅に出て、そのときに万年筆博士の三代目から「今度、これで作ります。私がやります。」と教えていただいたのが老山白檀を使った萬年筆でした。

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 当時、1952年に入社されて萬年筆造り一筋にやってこられた田中晴美さんの引退が取りざたされていて、田中さんがいなくなったら博士もおしまい、なんてことを平気で言う人が結構いたものです。萬年筆趣味の世界で結構影響力のある人たちがそういうことを言うものですから、天の邪鬼な私のこと、「何が何でも三代目の作品を!」となるのは当然の成り行きでした。

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 タイミング良くお邪魔したので偶然にも見せていただくことができた試作品は、白檀の木地の色そのままで、目に痛いほどの香気を放っておりました。冬場など、上着の内ポケットにこのペンを忍ばせておけば、体温で暖められて香気が立ち上るでしょう、なんていうお話を聞いて、なんとすばらしいのだろうと夢想してしまったのを覚えています。その2年後、WAGNER鳥取大会に参加したときにお店に寄らせてもらい、注文したのですが、実はそれが「最後の1本」だったそうです。運が良いというべきかどうか・・・・・。

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 削りだした軸やキャップに汚れ防止のために無臭柿渋を塗ってから拭き漆仕上げとする、という話は伺っておりましたが、実際に使用されることを考えての安全策でしょう、当初構想されていたものよりしっかりと「塗装」されていますので、期待したほどの香気を放散しているわけではありません。香りに鈍感な私などには「無臭」とすら思えますが、キャップや同軸の内側から立ち上る香気に注意を払うと、さすが白檀、という良い香りがいたします。使わないときは白檀を削ったときに出た粉で作った香り袋と一緒に箱に入れて保管しておきましょう、ということです。

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 先日のWAGNER岡山大会へ持って行って見せびらかした中では、田中さんよりもかっちりした造りとも思える、などという感想も聞かれました。若いスタッフもいますし、これからも万年筆博士はいいペンを産み出し続けてくれそうです。何より、発注の際に作られる「カルテ」がすごいもので、よほど繊細な筆記感覚の持ち主でもない限り、滅多とダメ出しはないでしょう。師匠も指摘されているとおり、ペン先を見ると相当なコテ研ぎですが、そこは萬年筆屋さんですから、鞄屋さんのコテ研ぎとは別のものです。

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 またもや、分不相応なすばらしい萬年筆を持ってしまいました。極端に悪筆な私に使われるのですから何とも気の毒で可哀想な萬年筆です。この歳になるといくら練習を重ねても字が上手になることはないでしょうから、せめてこの萬年筆を使うときぐらいは心を落ち着けて丁寧に書くことを心がけたいものです。これで写経をするというのも良さそうですが、そうなるとブルーブラックを入れてしまったのは失敗だったかもしれませんね。

2012年8月11日 (土)

WAGNER岡山

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 またアレかなぁ、イヤやなぁ、なんて会話をしているのでしょうか。少しだけ腕が見えておりますが、「くま(仮名)」さんは長女の膝に自分のおしりのあたりをググッと押しつけているので、車の中にあっても少し落ち着いた表情です。一方で「ちち(仮名)」さんの方は、写真右のフレーム外に長男がいるものの、車の中では硬直してしまって寄っていけないので、誰にもくっついていなくて不安で仕方がない、という感じになっております。

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 年甲斐もなくこんなものを使い、料金不要で乗れる列車だけを乗り継いで晴れの国、岡山へと行って参りました。行きは故あって赤穂線経由でしたが、赤穂に到着する頃には空は真っ黒で結構しっかりと雨が降っておりました。うまくすると自宅から岡山まで4時間かからずにいけてしまうのですが、朝早く目覚めたときには猛烈にお腹の調子が悪く、それが落ち着くのを待っていたりして、結構日が高くなってからの移動となりました。

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 会場となった岡山国際交流会館では、ごらんのように様々な催しが開かれていて、そこそこの人出でした。また、この周辺で教育関係の集会もあったらしく、岡山駅には教師があふれていた、などという目撃情報もありました。教師、警察官、自衛隊、お坊さんなんてのは、ホントい見てすぐにそれとわかる職業ですね。私は身なりこそみすぼらしいものの、教師らしくも見えない、なんて言われたことがあって、あぁよかったと満足した覚えがあります。

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 岡山大会ではありますが、関西地区からの参加者も多く、それこそ電車1本で来られるFさんからいただいたのがこちら、エヴァンゲリヲン目薬です。なんかこう、WAGNERに行くと何かもらっている感じで、恐縮してしまいます。

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 薬品の使用期限として約2年というのは別段珍しいことでもないのですが、なぜかこういう日付を見るとにやりとしてしまうのがヲタクの性というものです。劇中設定で2014年というと、綾波レイ(二代目)が第3新東京市第壱中学校に転入してきた年です。TV版で描かれていたのは主に2015年の出来事で、やがて人類の補完が遂行されるわけです。今年発売されたお薬ですからこうなるのは当然ですけれど、まるで仕組んだかのような期限をみて喜んでしまいました。

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 私が会場に到着したのは午後3時少し前で、いったいそれまで何をやっていたのかと言えばこちら、岡山県瀬戸市の備前長船刀剣美術館にお邪魔しておったのです。お目当ては目薬と同じテーマですけれど、ここで萬年筆と刀剣には共通するところがけっこうありそう、という思いを持ちました。この件、明日に続きます。

2012年8月10日 (金)

のせられる

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 お医者様に見てもらってようやく自宅に到着したものの、少し高いので車から降りられないでいる2頭。このあと、「くま(仮名)」さんは背後にいる長男に呼ばれて反対側から飛び降り、それを見習ってか、「ちち(仮名)」さんもさんざんためらったあげくにぴょんと飛び降りて無事に自分のケージに戻りました。

 この2頭が車好きならば鳥取にも連れてくることができたのに・・・・・。鳥取砂丘に連れてきたら喜んでそこら中の砂を掘りまくることだろう・・・・・というのは次男の弁ですが、鳥取砂丘の入り口には「犬にはリードをつけて!」という注意書きが大書されております。

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 鳥取駅からほど近い万年筆博士で、1年ぶりに三代目と再会。店内にはすでに田中博美さんの姿はなく、三代目のお弟子さんと言うべきでしょうか、職人の格好をした若い男女と、三代目のご両親。できあがった万年筆を受け取ってひとしきりお話をした後、お昼ご飯を食べに向かった吾妻そばさんは、こんなにもきれいに改装されておりました。

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 あまりのことに、名物わりごそばの写真を撮るのも忘れてしまいましたが、店内も同じようにすっきりきれいに改装されておりました。地元民とおぼしき方が暖簾をくぐってすぐ「まちがいました・・・・・」てな感じで出て行きそうになるという場面もあったほどですので、改装されたのは割合最近のことなのでしょう。

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 米子から鳥取までの快速「とっとりライナー」に充当されたコナンラッピング列車。これを見るためだけのために時間を合わせて鳥取駅へ行って入場。キハ126は地方を走る気動車ではありますが、電気指令式ブレーキを備えるなど、京阪神近郊区間を走る電車にもひけをとらない新鋭車両です。

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 同系列で両運転台のキハ121とのツーショット。地方交通専用の車両ではありますが、実はこの系列、スーパーまつかぜやスーパーいなばに使用されているキハ187系と共通の基本構造を持っています。都市部で使用されていた車両が置き換えによって地方に転出してくる、というかつての国鉄時代のパターンを知るものにとっては隔世の感あり、です。

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 コナンラッピング列車が引き上げ線に逃げたところで、スーパーいなばが入線してきました。かたや一般車、かたや特急車ですが、ひょっとするとどちらも新潟生まれかもしれません。新潟鐵工所が倒産したという話は聞いておりましたが、いつの間にか富士重工まで一緒になって新潟トランシスという会社になっていたのですね。

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 鳥取まで次男がついてきた理由の一つが、鳥取国際マンガ博がらみであちこちで名探偵コナンに絡んだ催しが開催されていることでした。中でも名探偵コナンの巨大迷路というのを楽しみにしていたようなのですが、よくよく調べてみると、巨大迷路は原作者である青山氏の生まれ故郷に設置されているとのこと。位置的には鳥取と米子のほぼ中間地点です。

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 例によって制限速度50キロのところを20キロ程度で走る地元の車に悩まされながら延々と国道9号線を走って、ようやくたどり着いた青山剛昌ふるさと館。この時期は午後5時半まで入館受付、と明示されているのにも関わらず、到着した午後4時半過ぎにはすでに受付終了。ここは一発ゴネてみるべきか・・・・・とも思いましたが、入館料700円というのを見て「ありがとう」とつぶやいてしまいました。

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 入り口から見える展示の一部。展示の様子をそれこそ「垣間見る」ことができましたし、もっと大切な巨大迷路の方は無事に楽しむことができましたので、よしとすべきでしょう。付属のミュージアムショップの方はしっかり営業しておりましたので、まさかコナン万年筆なんてないよなぁ、と思って探してみましたが、やっぱりありませんでした。探偵に万年筆、よく似合うと思うのですけれどねぇ。

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 紙製の軸を持つコナンボールペンとコナンシャープペンシル。頭部が変色しやすいので県外にはほとんど流通していないという「幻のモサエビ」を使ったおせんべいと一緒に買い求めました。ごつごつした外観ゆえに「猛者」えびなんだそうです。「モサエビ」と書くとおいしくなさそうですが、猛者エビと書くとグッとランクが上がる感じですね。

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 結局、鳥取県の打った観光客誘致策にのせられまくった1日でしたけれど、こういうお調子者がいないと経済が回りません。巨大迷路の中をぐるぐる回ってようやく出てくると、ミスト付きの扇風機が涼しくてありがたい。「涼しいぃ~」なんて言ってると、お兄さんすかさず「アイスクリームもありますよ!」と、とってもお上手です。

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 巨大迷路があるここ北栄町から西に向かうと大山町。いいお天気でしたので、帰り道は大山の雄大な姿を見ながらのドライブとなりました。午後6時過ぎ、少し早めに蒜山高原SAで夕食をとり、ゆっくりしてから「もう大丈夫やろう」と出発したのですが、夜の9時を過ぎても中国道の宝塚付近は渋滞中でした。行きも帰りも宝塚で渋滞。これさえなければ、中国地方への旅は本当に魅力的なんですけれどねぇ。

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2012年8月 9日 (木)

馬の背

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 しばしの休憩中に道ばたの草を食む「なな(実名)」ちゃん。鳥取砂丘で観光用馬車を牽くのがお仕事です。駐車場に車を駐め、目の前にある階段を上ると、誰もが「わぁ~」となる大砂丘が目の前に広がっていますが、ここで左に行くと駱駝に乗る体験、すぐ右手で待っているのが観光馬車です。

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 おなじみ鳥取大砂丘のメインとなる部分、通称「馬の背」。夏休みは暑いし人出がすごいからどこへも行かない、というのが我が家の基本方針ですけれども、大人はともかく子供には可哀想ですので、お父さんのちょっとした用事にかこつけて鳥取まで日帰りの旅。横着にも朝の7時過ぎに家を出たのできっちりバチがあたり、中国道の吹田から宝塚まで絶賛大渋滞中。自宅から鳥取まで、ノンストップなら2時間半ほどで着くところ、休憩2回を含め実に3時間半もかかってしまいました。

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 馬車を引く「なな(実名)」ちゃんの手綱を握るお兄さんは実に饒舌。鳥取砂丘といえばこれでしょう、という見事な風紋の写真を見せてくれて「こんなの、年に2、3回しかできないよ。でお客さんたち運がいい。今日はね、ちっちゃい風紋みたいなのが見られますよ。」ということで、最大望遠でとらえたのがこちら。足跡がついていないところをよく見ると、砂の上に細かい皺みたいなものが見える、これが風の作った模様だそうです。

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 鳥取のお土産は何にしようか、と来ればすぐに思い浮かぶのが梨。それもできれば20世紀がほしいところですが、時期が少し早いことと、20世紀梨自体、生産量が減っているそうなのでなかなか手に入りません。鳥取砂丘近くのお土産物屋さんでゲットしたのはこの砂像の写真、そしてさらに有名なこのクマさんの写真だけでした。

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 そんな私たち一行がさる方からいただいたお土産、これがまたさりげなくすごいものでした。江戸時代から因幡地方で親しまれてきたという「生姜せんべい」、いくつか製造元があるうちでも代表的なお店、宝月堂さんが出されているものをいただきました。

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 こちらのお土産をいただいた時点で、お父さんは大満足。そのまま帰っても不満はない、という状態だったのですが、若い頃から身に染みついた貧乏旅行の癖はなかなか抜けません。せっかく来たのだから・・・・・ということであちらこちら回る回る。本人は満足ですけれど、同行者は疲れてヘロヘロ、というのがいつものパターンです。

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 しかも鳥取では今、こんなことをやっているのです。水木しげるさんは特に有名ですが、他にも谷口ジローさんや青山剛昌さんなども鳥取出身。そんなところに小学生の子供を連れて行って名探偵コナンが出てくれば、興味を持つのも当然ですね。結局はコナンのせいで、鳥取県を東から西へと横断する羽目になりましたが、おかげで20世紀梨も手に入りました。コナンについては、また明日。

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2012年8月 8日 (水)

iPhoneのカメラ

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 iPhoeのカメラは高性能で、とってもきれいに撮れると言われています。実際、私の周辺にいる人たちはデジタルカメラで撮る以上にきれいな写真をiPhoneで撮っていますが、一人私だけはこんな風に、どことなくぼけたような暗いような、見ていて目が痛くなる写真を撮ってしまいます。何かこう、決定的な間違いを犯しているような気がしてなりません。ちなみにこの写真は、お医者様へ行く車中で信号待ちの間に撮られたもの。すっかりおびえておとなしくしている「ちち(仮名)」さんです。

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 この写真を見ていると、涙が出てきますね。感情の話ではなくて、実際に目が痛くなって涙が出てくると思います。カメラの方でピントを合わせられていないのを目が何とかしようとがんばるからでしょう。

 この白い箱は、モリソンファクトリーの「おまけ」です。舶来の万年筆などを買おうという場合、モリソンファクトリーの「おまけ」が気に入れば、お願いするのも一つの手です。鉄ペンがおまけについてくることも多いのですが、今回は金ペンです。

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 かつて製造したものが大量に倉庫に眠っているから、ということでの「おまけ」ですが、一応インクが出るかどうかのチェックを通過したものが添付されてきます。今回はプラチナのインクカートリッヂもついてきました。

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 ステンレス製のつるんとした軸とキャップ。大変にシンプルな万年筆です。実用品としてポケットに挿して持ち歩くような使い方ですと、結局この辺のサイズが一番具合が良いように思います。

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 キャップは落とし込み嵌合のような、バネかつら嵌合のような、あまり経験したことのない感じです。すなわち、キャップを外すときには明確な「カチッ」という感触があるのに対して、キャップをはめるときには、最後まで押し込んでも「カチッ」とはなりません。非常にスムーズに、スゥ~っと定位置までキャップが移動しておしまいです。

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 首軸先端の金属部分は大丈夫でしょうか。カートリッヂで使っていくのであれば心配する必要もないでしょう。このショットでペン先の様子まできちんと写し込んだつもりだったのですが、ボケボケでよくわかりませんね。

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 これで何とか、14K Morison という刻印が読み取れるようになりました。もともとマクロ撮影のできないiPhone搭載のカメラですから、この程度まで写れば上出来でしょう。いろいろと試してみましたが、やはり明日の鳥取、普通のカメラを持って行くしかなさそうです。

2012年8月 7日 (火)

変な社長に会いに行こう!

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 久々に出してもらったお気に入りの丸クッションでくつろぐ「くま(仮名)」さん。「ちち(仮名)」さんともども、皮膚周りのトラブルで治療中ですので、まずは清潔が大切と、トリマーさんのところでシャンプーしてもらっている間にケージとその周辺を大掃除してもらいました。かつては不治の病と言われたアカラスですが、根気よく治療すれば治る病気になったようです。あとは、飼い主がどれだけ治療に時間を割いてあげられるか、にかかっています。

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 数ヶ月前にこの店に同僚を連れて行ったとき、たまたま社長がいらっしゃったのですが、私の同僚にとってはそれが不幸の始まりでした。萬年筆の良さはじゅうぶん知っているけれど、わざわざ買ってまで使おうとは思っていなかった彼が、社長に出会ってからは名古屋に行くたびに大須に寄り、「長刀、買うぞぉ!」なんて言うようになってしまったのです。

 彼にとっては初対面である社長は、そのとき、ご自身の身内を相手に猛烈なセールス中。それこそ店の中を見渡しては目についたものを手にとって「これ、買ってよ。」と脈絡も何もなしに売りつけるという、どこぞのあくまよりも強烈な戦法。あのあくまが、あくまで「買うとかはったら・・・後悔せんで済みまっせ・・・」と一応は迷っている人の立場に立っているかのように装うのに対して、真ん中高め、打てるもんやったら打ってみぃ、という直球勝負、見ている方は爽快感すら覚えます。哀れ私の同僚は、変な社長ファンクラブ会員番号1番になってしまったのでした。

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 相変わらずきらびやかな店内。急な階段の上り下りよりも、むしろ店内の方が数段危険なのです。男女のカップルでお茶をシバきに入ると、男はこのあたりで立ったまま動かなくなります。そこへ戦車店長がやってきて親切に説明とアドヴァイス。放っておかれて不満げな女性には、件の社長が近づいて、「あっちに、いぃバッグがありますよ。」と、撮影者の背後に新設されたショウケースへと案内してしまうのです。通信販売以外では、神戸六甲アイランドのお店か銀座C.O.U.でしか買えないはずの「ル・ボナー」謹製のバッグ類やTMBHの革小物など、危険としか言いようのないものがぎっしり詰まっていて、危険です。

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 MU-LAND CAFEだった2階がPEN LAND CAFEへとリニューアルオープンしたとき、多くの人は店長に同情したものです。ヘンタイ社長のもとで働くのは何とも大変なことなのだなぁ、お気の毒に・・・・・と思わず涙を落としたことを後悔している人は少なくないはずです。今日も店長は仕事の合間にペンを研いでいらっしゃいました。病気です。

 すっかりヘンタイとなってしまった戦車店長が、萬年筆に注ぐのと同等、いやそれ以上のエネルギーを注いで完成した新メニューの一つ、「たまパン」をいただきました。大阪近辺の皆さんは、阪神梅田のホーム前で食べられる「あれ」を思い出してください。イカ焼きの味はそのままにイカを抜いたようなデザートです。

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 本日同行した同僚もまた、ヘンタイ社長から悪いウィルスをもらって、変な社長ファンクラブ会員番号2番になったようです。どこかで見たようなひも財布を手に持っているのはどういうことか、わかりますね。私はポケットに財布を入れる派で本当によかった、と思っています。最近、いろいろとストレスや鬱憤がたまっていたという同僚ですが、変な社長とお話をして、すっかり元気を取り戻したようです。めでたしめでたし。

2012年8月 6日 (月)

京の七夕

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 信号待ちの間に押さえた1枚。広くて平らな床に座っていれば安定するのに、なぜか人間様が座る椅子に上がってくるワンコたち。2頭ともに車に乗るのは好きではなく、乗車中は極度に緊張していますので、少しでも人に近づいていたいのでしょう。

 夕方近くになって、激しい雨と雷、さらに短い間とはいえ停電もありました。子供たちはネットがつながらん!となげくわ、犬たちは雷におびえてきゅんきゅん鳴くわで、けっこう大騒ぎだったようですが、犬というものは人間がそばにいると雷におびえた様子を見せるものです。夕立らしい夕立のおかげで、夜は結構涼しく過ごせるようになりました。

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 ならば、と19時過ぎから夫婦で京都まで行って参りました。先週土曜日から来週月曜日まで、京の七夕という催しが行われているのです。「私ら、あそこのモンですわ。」のCMでおなじみの四条大橋から三条大橋までの間の鴨川べりと、二条城から一条戻り橋あたりまでの堀川沿い、主にこの二つのエリアを中心に京都らしいライトアップがなされています。

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 こういうものの前に萬年筆を置いて写真を撮ってくるつもりで、さてどうしよう、やっぱり周りが暗いから派手めなペンでないと・・・・・などと乏しいコレクションの中から選び出したペンでしたが、結局(妻の)鞄から取り出すことはありませんでした。面倒くさいがりというのは本当に難儀なものです。

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 仏壇系とか螺鈿系の萬年筆では夜の闇に溶け込んでしまいますから、こういう色のものを選んだのですが、出番はありませんでした。人がたくさん歩いている中で、道ばたの灯火のあたりにしゃがみ込んで写真など撮っていますと、この節、どんな疑いをかけられるやもしれませんから、それはそれで正解だったのかもしれません。

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 たまたま旅行、観光に来られていてこのイヴェントに出会った、ということなのでしょうけれど、周囲から聞こえてくるのは中国語ばっかりでした。この調子では近い将来、「京都は昔から中国固有の領土であった。だから日本人は出て行ってね。」なんて北京政府が言い出すんじゃないか、などと馬鹿なことを思ったりしておりました。やはり経済が上向くとじゃんじゃん海外旅行に行くものなのですね。

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 補修作業中の二条城はこのイヴェント期間中、夜間は無料で入城できるようになっていて、二の丸御殿に光を当てて闇の中に浮かび上がらせる、10分ほどのパフォーマンスが行われています。まるで建物の方に蛍光塗料を塗りたくってあるかのような、見事な光の演出。ストロボを焚くと自分の写真がきれいに写らないばかりでなく、この見世物自体をスポイルしてしまうのですが、皆さん平気でバンバン光らせてました。

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 夕立の後で少しはマシになっているとはいえ、そこはやはり夏の京都ですから、少し歩くと汗が噴き出してきます。本来ならば二条城に車をおいたまま、堀川に沿って北へ北へとぶらぶら歩いて行けばよかったのですが、エアコンの誘惑に負けて早々に車に乗り込みます。

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 きれいにイルミネーションがつけられた笹が立ち並ぶ堀川沿いの遊歩道。丸太町通りから北へ向かっての一方通行となっているので、一条通近くに車を停めた私たちは残念ながら川沿いをそぞろ歩くことはできませんでしたが、堀川通り沿いの歩道から見ても十分にきれいでした。川面に見える青い光は発光ダイオード入りの球体で、下流で回収することを前提に流しているものです。

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 こちらは丸太町通りのすぐ北、光のトンネルが作られております。実は、こうしてみるのが一番きれいで、あまり近づくと「あ、たいしたこといないなぁ。」となります。トンネルの中をくぐって歩けばきっとすばらしいのでしょうけれど、外から至近距離で見る光のトンネルはきれいでも何でもありませんでした。同じものでも、どのように見るかによって全然違ってくるものですね。13日までやっていますので、皆さんも願いを込めてこのトンネルをくぐってみられてはいかがでしょうか。

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2012年8月 5日 (日)

早く治って・・・

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 かかりつけの動物病院の待合室には、ちょっとした庭があり、混雑しているときなどは外に出て待つことができるようになっています。日曜日の朝、動物病院は大盛況で、さながら犬の見本市。誰にでも遊んでくれと寄っていく彼女たちですが、そうするとほかの犬たちに怒られますので、こうして外で待ち合わせることになります。

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 いつもは「くま(仮名)」さんに対して優位なそぶりを見せる「ちち(仮名)」さんですが、全日本内弁慶コンテストで堂々の1位入賞が見込まれる犬だけあって、一歩家から出ると従順でおとなしい、ただの白い犬になります。むしろこういう状況では、ふだんおとなしい「くま(仮名)」さんの方が堂々としているように見えます。

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 先日、ちょっとした不注意がもとで起動しなくなってしまったメインPC。写真左側、壊れてしまったマザーボードの中古品がないか、大阪日本橋の電気街をさすらってみましたが、そうそううまく運ぶわけもありません。結局、写真右の黒いマザーボードを購入しました。その筋では変態マザーを作るメーカーとして名高いASRock社の全部入り豪華マザー、FX990 Extreme 4というものです。よくわからないけれど訳ありでメーカーから放出されたB級品、ということで中古屋の店頭に並んでいた、新古品とでもいうべきものです。

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 前回マシンを組み上げたのは、たしかWindows Vistaが出たときでした。その後、マザーボード上にCPUクーラーを固定するためのリテンションキットが破損した際に、当時最新鋭のCPUが安く売られていたので一緒に買ってきて交換。おかげで今回、マザーを変えてもCPUはそのまま使い続けることができました。世代をこえてある程度のソケット互換性があるというのは、最近性能的に見るべきところのないAMD系CPUの隠れた美点だと思います。

 旧いマザーから抜き取ってきれいにグリスを拭き取り、久しぶりにヒートスプレッダとご対面。PentiumとかAthlonとかの最初のころまでは、CPUダイがモロに見えていました。知らない人は、この大きな金属板をCPUのパッケージだと思うのかもしれません。この後すぐにグリスを塗られて、重たいCPUクーラーをググッと押しつけられてしまいました。CPUなんてものも、なかなかつらいお仕事だと思います。

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 今回のマザーボードには標準でUSB3.0が備わっておりますので、フロントパネルにもいくつかポートを増設してみました。下の方、白いのはなかなかおもしろい製品ですが、USB接続のカードリーダーが不調でしたので、今回はFDDのみ接続しております。そう、今時のマザーボードとしては珍しく、IDEポートもFDDポートもあるのです。

 こうして組み上がったマシン、Windowsをインストールして各種のアップデートを完了するのにほとんど1日がかりです。サービスパックなんてものもあるのに、それに加えて大量のアップデート。ようやく元の環境を取り戻しつつあって、今この記事もメインPCで書いております。

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 動物病院の庭で、駐車場からやってきた飼い主(奥の足)を見つけて盛り上がる2頭の犬。どちらも皮膚のトラブルで、「ちち(仮名)」さんなどは「乾燥肌(!)」なんだそうです。私のPCも、2頭の犬たちのお肌も、少しでも早く元の安定した状態に戻ってくれることを願ってやみません。

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2012年8月 4日 (土)

インジュエニティインジェニュイティ

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 黒くて丸い物体になってしまった「くま(仮名)」さん。こんなに丸まって息苦しくはないのだろうかとか、骨格がゆがんでしまうんじゃないだろうかとか、人間様の基準で考えると楽に寝ているとは言いがたいのですが、本人(犬)は気持ちよさそうに鼾をかいております。

 今日は地域の人たちが私の職場に集まって、地域ぐるみで防災について考え、体験する集いが開催されました。大規模な災害が発生した場合、地域の人たちの避難場所は学校になります。いざというときは、避難してきた人たちが体育館で寝泊まりすることになりますが、夏はクソ暑く、冬はバカ寒い、ほとんどの公立学校の体育館はそういうものでしょう。今日はイヴェントですから、皆さんにこやかに暑い暑いとおっしゃってましたけれども、実際に避難してきたときなどはもっと険悪な雰囲気になるのだろうなぁ、などと思いながら運営のお手伝いをしておりました。

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 もしもの時には私たち教職員も学校に詰めて、避難してきた人たちのお世話をすることになるのでしょうけれど、その自分たちもまた被災者である可能性が高いわけです。避難をしてきている人たちは不安の中、不自由な生活で不満がたまりますが、その矛先が向けられたお世話する側の者もまた、それこそ自分や家族を犠牲にしないといけません。はてさて、いざというとき、どこまで、どんなことができるのか、そういうことを考えさせられたイヴェントでした。

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 ヨコイのあんかけスパゲティ、ピリッとした辛さは抑えて作ってもらいました。茹で上がった麺を油で炒めなさい、ということでしたが、我が家の流儀に沿ってバターでソテーしました。とりあえずこのぐらいがいいのではないでしょうか。ソースのお味がとにかく濃いので、麺がこってりしすぎていると食べられそうにありません。濃いのは濃いですが、なかなかにおいしくいただけました。ご紹介くださった上にソースまでお持ちいただいたでらくろさんご夫妻に感謝、です。

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 先日、御所のモリソンファクトリーにお邪魔した際、非公開の玄関内へ招き入れていただいた上にいろいろと見せていただき、いろいろと興味深いお話も聞かせていただいたので、せめてものお礼に、とモリソンファクトリーから購入したのがこちら。パーカーの第5世代筆記具、インジュエニティインジェニュイティです。

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 2タイプある軸のうち、スリムの方を選択。ThinkPadのピーチスキンにも似た感触ラバー仕上げの軸で、ペン先周辺やクリップなど金属部分はピンクゴールド系の色。外装色のブラウンによく合っているように思います。こうしてみると、少し変わったペン先の萬年筆、という風に見えます。

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 第5世代とか何とか言っても、結局はボールペン。その割にはお値段が・・・・・と思うのも事実です。ただ、ダミーのリフィルも手を抜かずに作っているように見えるので、高いだけのことはあるなぁ、と思わせてくれるところが救いといえば救いです。

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 リフィルをまるでペン芯のフィンみたいな形状に仕上げてあります。型があるから、とはいえ、ダミーのリフィルまでしっかりと同じようにしてあるのがいいですね。こういうところにこだわるぐらいなら値段を・・・・・というのもありましょうけれど、むしろ高級筆記具としてしっかり育てていこう、ということなのでしょうね。

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 書いているうちに筆記の癖を覚える、というこのペン。そのためになくてはならないのがこの萬年筆のペン先のような部分です。こんなに切り割りが広いとインクが来ない、なんていいたくなるのは、大阪梅田のHEPナビオのビルを見てペン先!なんて叫ぶ人たちだけです。

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 今更、のインジュエニティインジェニュイティ入手ですが、書き味はまさしく麻薬。これはいけません。ジェットストリームに初めて接したときも、こりゃ萬年筆いらんなぁ、なんて思ったものですが、スムーズな書き心地ということなら、萬年筆なんか捨ててこれに絞るのが正解です。むしろ、絶妙に引っかかる感触、あれがいいんだよ、とでも思っていないと萬年筆なんて使えませんね。

2012年8月 3日 (金)

差し込まれてばっかり・・・

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 長々と寝そべる「くま(仮名)」さん。とっても気持ちよさそうです。一方、飼い主の方は絶不調で、壊してしまったPCを診断してもらうとマザーも電源も怪しいというご託宣。あわよくば同じマザーの中古品でもあれば・・・・・と大阪日本橋をさすらいましたが、マイナーなAMD系であることに加え、DDR2メモリを使うマザー、加えてIDEとFDDの端子もないと困る、なんて条件に合う中古なんて見つかりませんでした。

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 結局は現有のCPUとビデオカードを活かすことにして、DDR3メモリを使うマザーのアウトレット品とDDR3メモリの中古品を購入。駄目かもしれない電源は新品を購入して、しめて2万数千円。国産なら結構いい萬年筆が買えるお値段、なかなか痛い出費となりました。悪いことは続くもので、さぁ帰ろうと駅まで来たらICOCAがありません。どこかで落としたのでしょうから、早速停止手続きをとりましたが、善意あふれる人に拾われているのでもなければ、わずかながらチャージしてあった金額もどなたかの交通費に消えてしまっていることでしょう。

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 ここのところ猫づいておりますが、こちら、猫の形をした「イヤホンジャックの埃よけ」です。こういう商品自体はこのところ結構流行っているようで、チャームなんて言い方もするようですね。

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 このしっぽがかわいい、というのですが、邪魔ですね。しっぽ以前に、こういうものをイヤホンジャックにつけていると、とにかく邪魔ですし、落とすかもしれない、と気をつかわなければなりません。

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 屋根の上に横たわって寝るのは、チャーリーブラウンの家で飼われているビーグル犬の専売特許だと思っていましたが、猫も寝るんですね。むしろ犬より適性は高いのでしょう。ところで、件のビーグル犬の名前が出てきません。

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 パーツもそろったので、マザーボードと電源を交換しました・・・・・と書くと簡単ですが、ケースを開けてほとんどの部品を取り外す大工事。ようやく完成して、OSのインストール作業中、快調に動作していたSSDが突然認識されなくなるというアクシデント。どうやら外れを引いてしまったみたいです。

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 こんな風に不幸な出来事が続く時こそ、元気にしていなければなりません。差し込むものつながりで、USBフラッシュメモリ。手前のはごくごく普通のものですが、ここで紹介したいのは奥にある急須の形をしたものです。

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 ごくありきたりな裸のUSBフラッシュメモリに急須の蓋の形をしたゴムをかぶせてあるだけです。しかも容量はたったの4GBで、読み書きは今時の製品としては遅い方と、いいことが何もないメモリですが、これを使ってPCで仕事をしているとウケるんです。ただそれだけですが、まぁウケルということはとても大切なことですし、常に前向きに変なモンを探し続けていくことも大切です。いろんな不幸に見舞われておりますが、明けない夜はないし、いつか冬は終わって春が来るのです。鳥取から届いたよい知らせを励みに、明日も出勤してがんばります。

2012年8月 2日 (木)

治そうとして壊す

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 ソフトバンクのお父さんにつられて顔を出す「ちち(仮名)」さん。換毛期でもあり、夏毛になるとおなか周りなどはほとんどヌードになってしまう彼女ですが、どうにも鼻の頭や目の周りなどが気になります。先日の「くま(仮名)」さん同様、何らかの皮膚のトラブルという可能性が高そうですので、お医者様に診ていただかないといけません。彼女にとっては恐怖の病院ですのでかわいそうですが仕方ありません。

 「くまめくり」と検索すると、こんなものがひっかかります。くまめくりベアビスケッツプレイベア、って意味がよくわかりませんが、坊主めくりとか、神経衰弱とか、そういう感じの遊びに使うものなのでしょう。これを売っているお店はコスチュームもいろいろ扱っているんですね。コスプレ調整士を目指す人は必見です(なんのこっちゃ)。

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 ゴミがたまってきて動作が怪しくなってきたので、OSをクリーンインストールするついでにシステムドライブをSSDに代えようというプロジェクト。PC自作歴は長いですが、どうにもケーブルの引き回しは苦手で、いつになってもこんな風にごちゃごちゃした感じになってしまいます。

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 HDDはこんな風にラックに収めてケースの中に設置します。一番上が1.5TB、下の2つはそれぞれ1TB。HDDの容量なんて500MBもあれば一生暮らせると思っていた昔が懐かしいですね。

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 2.5インチ、7mm厚のSSD。3.5インチベイに取り付けるためのマウンタに取り付けたところです。真っ赤なSSDだけに3倍速くなればうれしいのですが、現実にはたくさんドライブ類をぶら下げているせいもあって起動に時間がかかるのは変わりません。起動してしまえばあとは猛烈に気持ちよく動いてくれるのですけれどね。

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 そんなこんなであちこちいじっている最中に、突然、原因不明の電源断。それ以降、うんともすんとも言いません。電源がいったのか、マザーボードがお亡くなりになったのか。明日の朝まで放電させてみて、駄目なら専門家に見せるしかありませんが、電源ぐらいで済んでくれることを祈ります。

2012年8月 1日 (水)

出会うべくして

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 彼女にとってはあまりとられて嬉しくないアングルからの1枚。なんとかデラックスさんほどではないにせよ、あごの下の方がだぶついているのがはっきりとわかります。飼い主の方も、夏休みに入って運動量が減っているためでしょうか、体重の下がらない日々が続いておりますので、一念発起して家でも職場でも暇さえあればお片付けをしております。

 この月曜日には、あちこちから集まってきて場所をふさいでいた中古PCを5、6台まとめて処分業者さんへ。その際、直前になってなぜかメモリだけを外しておいたのです。そうしたところ、今朝、「今から6年ほど前のメーカー製PCにメモリ増設したいが、何を買ったらいい?」なんて電話が入ったので、さっそく出張サポート。7,8枚あったメモリのうち3枚ほどが見事にヒットいたしました。何かこう、虫が知らせるというか、そういうことってあるものですね。

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 先日開かれた第3回の y.y.Day で、世界のコレクター、すなみさんとセンター万年筆に絡んだお話をする機会がありました。製造をしていたのが相当前のことなのと、作られていた製品の材質もそれほど立派なものではなかったせいか、現存しているものはほとんどなく、あってもボロボロになっているものがほとんどだ・・・・・なんていう情報をいただいて、まぁそうだろうなぁ、と納得しておりました。

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 で、それからさほど時間が経っていないのに、すなみさんの手にこんなペンが。妖しい三人組(の中でも格別に妖しい人)から手に入れられたようなことをおっしゃっていたように思うのですが、現物を見ることができたので興奮して良く覚えていないのが情けないところです。

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 せんたー、って書いてありますね。その下には、せんえん、とも書いてあります。濃い藤色、いや紫色でしょうね。天理高校野球部の帽子よりは薄いかな、という感じの紫色です。これが幻の(と言っても良いでしょう)センター万年筆の製品です。

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 このシールがすべてですね。シールがなければ、メーカー不明の国産萬年筆、で終わっていたかもしれません。写真の撮り方が下手なのでわかりにくいのですが、現物はきれいなパールセルロイドで、特に首軸のあたりの微妙な色の具合がとても綺麗でした。

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 これをもし私が先に見つけていたら、このペンの行く末はあまり幸福なものではなかったことでしょう。持つべき人の手に渡った、すごいなぁ、というのが偽らざる感想です。私の地元にこういう萬年筆を作っているメーカーがあった、というのも誇らしい限り。この手の萬年筆と出会ったら、国産の訳わからん旧いの・・・・・で片付けないで、じっくり見ることが大切ですね。

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