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2012年5月15日 (火)

見たかなぁ・・・

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 この写真えぇなぁ、と思ってもすでに使ったものだったり。長いことBlogを続けてますと、犬の写真もパターン化してしまいます。もちろん、犬の写真だけではなくネタ的にも、書いてる本人は「あ、またこれ書いてる」なんてことになるわけで、それが嫌でBlogを書くことそのものをやめてしまう人もいます。

 犬が元気なうちはとりあえず続けようか、とは思うものの、万年筆ネタばかりではすぐにネタが尽きてしまいますし、最近は体力も落ちてきて出かけるのも億劫になり、お出かけネタも減りました。そういう時は初心にかえって、身近なところに何かないか、と思ったりするのですが、そうそう都合よくネタが転がっているわけもありません。 

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 副担任をしているクラスの朝読書の時間、生徒たちが静かに本を読んでいる中で、私も10分で読み切れそうな小冊子を手にとって読んでみました。100円ショップで売られているものについて、いかに安いものでもそれを作っている人や流通に携わっている人がいて・・・・・というお話。100円で買って使い捨てる、それはどういうことなのだろうか、という、実に深い深いお話が、筆者の近しい人のことと絡めて書かれていて、本当にグッとくる内容です。

 同じ冊子の中にもう一篇、別のお話があって、そちらはファミリーレストランを題材にとったもの。躾の悪い子供と親を目にした筆者が、今に子供に殺されるよ、と言いたいけれど、子育てをした経験がないから言わずに黙っている、なんて話が続いて、でも、これだけは黙っていられないよ、という話がオチになっています。100円ショップの氾濫もそうですが、私たちの社会は便利になったけれど、何かを忘れてきてしまったのではないか、と問題提起をしています。

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 こちらの筆者は、南洋一郎という筆名の方が有名な人です。今から80年以上前、実際に筆者の身に起こったことをもとに書かれたもので、小学校の道徳の教材としても数多く取り上げられた・・・・・というのですが、さて、読んだ記憶がありません。

 ドイツ旅行中の筆者がベルリンの街で少年にサインを求められ、漢字でサインをしてあげる。それを見た周りの旅行者たちも、筆者の万年筆で次々とサインをしてあげる。喜んだ少年が友達にサインを自慢しているうち、筆者らを乗せたバスが発進してしまい、少年の手に万年筆が残ってしまいます。少年は万年筆を返せなかったことを恥と感じ、大いに悔いて、長い時間をかけてついに筆者の連絡先を突き止め、いざ万年筆を郵便局から発送すべしと家を飛び出したところで車にはねられて亡くなります。

 少年の母親から、事故の際に大きく破損してしまった万年筆が送られてきて、筆者はことの顛末を知り、大いに感動した、というわけです。

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 その頃の万年筆、何か持ってるかなぁ、と考えると、1920年代のパーカー・デュオフォールドがあったはずなのですが、なぜか見当たりません。そろそろ本腰を入れて手持ちの万年筆を整理して、使わないものはお嫁に出してあげないと、本当に可哀想です。

 あるはずなのに見当たらない万年筆。おそらく道徳の時間に勉強したはずなのに読んだ記憶のない文章。つくづく自分はえぇ加減なやっちゃなぁ、と呆れてしまいますが、呆れてばかりでは何も解決しないので、死ぬまでに少しでもましな方へと近づいていきたいものだなぁ、と、例によって思うばかりで何もしない私。やっぱり、えぇ加減なオッサンなのでした。

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コメント

この「かたみの万年筆」、どこかで見かけたことがあると思って調べたら、先に国会図書館でコピーした、万年筆関連の文献の中に入っていました。『少年倶樂部』1928年1月号 に、「外國美談 形見の萬年筆」として掲載されています。

こんな形で現在読めるとは、知りませんでした。

 Bromfield さん

 けっこう、感動しますでしょ。曲がってしまったペン先、というのも万年筆らしくていい話です。

懐かしいお話ですね。
たしか、万年筆と一緒に届いた手紙の最後のほうの文字が滲んでいて読めないんですよね、母親が書き綴りながらはらはらと流した涙で…(;_;)

 KEN さん

 そうです。しかも、少年にサインしてあげたのが漢字で、その読み方を間違えているんですね。まぁ、そういう読み方もあるので仕方のないことですけれど。

 私はこの筆者の「怪盗ルパン」シリーズをこどもの頃に読みあさっていたので、こういう形で同じ人の文章にふれるのも何かの縁かな、と。

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