天空の白鷺
写真で見る限り真っ白で、純粋無垢にウルウルの瞳で飼い主を見上げている「ちち(仮名)」さん。とっても可愛いですね。こいつが遊んでもらえるまでは鳴き続ける極悪非道な犬だなんて、誰も思わないでしょう。そうは言っても、遊んでくれとうるさいのはここまでの躾や接し方など、飼い主がすべて悪いわけで、犬を責めては可哀想です。ちなみに彼女の周囲に散乱する白いものは、彼女が敷いているクッションの中綿。彼女の前では、すべてのクッションはこうしてせんべい布団に成り下がっていくのです。
江戸次代に描かれたという姫路城の絵図。実際にはこの外側にさらに2つの堀があったそうです。なぜか九州でごく最近発見されたもので、今ではわからなくなってしまった江戸時代の姫路城内のようすがしっかりと描き込まれている、きわめて重要な史料なのだそうです。このレプリカは姫路城大天守閣修復のために造られている素屋根の中、7階のエレベーターホールに展示されています。これを見ながら、定員10名でゆっくり昇降するエレベーターの到着を待つのです。
天空の白鷺とは、またたいそうな名前をつけたものです。 姫路城大天守修理見学施設、というのが正式な名称。それを姫路城の入り口、大手門前からみるとこんな感じです。天守閣が描かれた大きなものが、修理のために設けられた素屋根ですが、その中に修理の様子を見学できる施設を組み込んであるのです。今回の修理は、屋根瓦の葺き替えや壁の修復などを中心としたもので、昭和の大修理のようにばらして組み直すというものではありません。
見学する日の2日前まで受け付けている「予約」がおすすめです。TDRのファストパスのようなもので、予約があれば入り口まで行って専用の列に並んで待つことができます。飛び込みの場合、整理券を持って入り口まで行き、まずは入場券を買う列に並んでから入場待ちの列に並び直す、ということになって、けっこう時間を無駄にします。今回は夕方ということもあって比較的すんなりと入場できて、エレベーターで連れて行ってもらえるのが8階。10人乗りのエレベーターが2基しかないので、8階と7階の見学スペースはゆったりとしています。
8階から見る大天守の最上層部の屋根。運が良ければ作業や調査をしているところを見られるのでしょう。周囲の人たちは口々に「作業してへんやんけ!」と不平を漏らしておりましたが、 工事関係者にも休日はあるはずですから、土曜日曜に行くとこんな感じなのではないでしょうか。 そういうことすらわからない、いやわかろうとしない大人がめちゃくちゃ増えてきているように思います。
現有の瓦は極力再使用するものの、新調するものも多く、それらは今までのものより薄く焼き上げているので屋根全体で56トンも軽量化されるのだとか。耐震性を上げるためにもそれが望ましいということになったのでしょうが、昔のものが重たいのにはそれなりの意味があるのではないか、という一抹の不安も感じます。そこら辺、正しかったのかどうかは歴史が証明してくれることになるのでしょう。
見学場所へ上り下りするエレベーターの壁面はガラス張りで、低層階の修理の様子や石垣なども見ることができます。そのためにエレベーターの速度を抑えてあるので、待ち時間が長くなってしまうのです。ここ5年ほどはこうやって見学することでしか見ることができない大天守ですが、逆に言うと今だからこそ見られるものでもあります。ゴールデンウィークどこへも行く予定がない、という場合は、予約をして見に行くというのもひとつの手ですね。
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