
ウィンクする「ちち(仮名)」さん。というのはウソで、眠たくて仕方が無いのに、ケージの前で飼い主がカメラを構えている、早くどこかへ行かないかなぁ、というところです。片目をつぶって見せているのではなくて、眠いので片目だけ開けてこちらを見ているのです。

近鉄山田線、伊勢市駅のひとつ中川寄りにある宮町駅。これまで何度も通過してきた駅ですが、先日、初めてこの駅に降りる機会を得ました。朝のラッシュ時にごく一部の急行が停車するほかは普通列車しか止まらない小さな駅、というイメージだったのですが、降りてみるとイメージとかけ離れた光景に違和感を覚えます。

こんなに牛肉がおいしいんだから、(それまで飼っていた)豚なんか捨ててしまえ、というのが屋号の由来だと伝えられる豚捨さん。近くまで行くついでがあったので、本店でコロッケとメンチカツをお土産に仕入れてきました。いつも神宮内宮近くのおかげ横丁にあるお店を利用していましたので、本店にお邪魔するのは初めてです。

手前の小ぶりなのがコロッケ、奥の丸いのがメンチカツです。やはり肉屋の揚げ物は油に秘訣があるのでしょう。揚げないものを買ってきて家で揚げてもこの味にはならないはずです。どちらも10個ずつ買ってきたのですが、うまいうまいとどんどん減って写真を撮る頃にはこんな感じになっておりました。

お許しをいただけたので、お店の壁に飾られていた昔の写真を撮ってきました。創業の頃なのでしょうか、大正10年頃のお店。お隣のビヤホールの看板がいいですね。そして、ビヤホールがあるほどの街中で堂々と牛を引いているというのもすごいものです。

お店に隣接するすき焼きなどを供するレストランの写真。実は建物もお爺さんもどうでもよくて、マツダのキャロルだ、と思って撮ったのですが、テールライトが丸いですね。記憶に残っているキャロルは四角いテールランプだったし、ちょっと車の大きさがでかいような気もしないではないし。こういうのもあったのか、キャロルでは無くて別のクルマなのか。もう一度お店に行くことがあればしっかり確かめてみたいと思います。

同じお店が大きくなってオープンしたとか、そういうときの写真でしょうか。懐かしいピックアップトラックが写っています。キャロルのついでに思い出しましたが、私の実家の近所には平成に入ってもまだ、動く状態の日野コンテッサがおりました。子供の頃はやかましい車というイメージしかありませんでしたが、今にして思えば、「乗らなくなったら譲ってください」とお願いすれば良かったかなぁ、と。昔の車は大変ですけれど本当におもしろいですものね。
昭和恐慌の頃、参宮急行電鉄の終点「外宮前」駅として開業し、すぐに路線が延長されたので途中駅となってしまった宮町駅。その名残なのでしょう、駅前の広場は異様なほど広く、そこから続く町並みは綺麗な区画と広い道路が印象的です。しかし、今の日本の地方都市の典型で、誰も歩いておりません。シャッター通り商店街と同じ雰囲気なのでした。

帰途、松阪駅で出会った団体専用車「楽」。の2階席。この高さで撮れるというのは、こちらもビスタカーの2階席に座っていたからですが、ビスタカーも、この「楽」も、勢いがあった頃の近鉄の車両。この春のダイヤ改正では運転コストを数十億節減するために思い切ったことをやる、などと噂されている現在の近鉄には、かつての勢いは感じられませんが、それはそのまま、今の日本の姿でもあるのでしょう。
身を切る改革、なんて言いつつ、結局は一般公務員の給料だけ減らしておけば国民が納得すると思っている議員たち。そうなるとこの先、優秀な公務員なんてものはいなくなりますから、今のうちにいろんな仕事をどんどん民営化していかないと大変なことになります。手始めに公立学校を全廃して全部私立にする、市役所や水道局のやってるサービスなんかも全部民間業者にまかせてしまえば良いのです。異様に広々とした宮町を歩きながら、そう遠くない将来、この国はすべての街がこんな風になるのだろうなぁと思ったことでした。
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