命名の妙
思い出したように僅かに残した餌を食べ始めた「ちち(仮名)」さん。先日、実物を目の当たりにして本名を聞き、なるほど見事な命名、と褒めてくださった方がありましたが、ソフトバンクのお父さんばりに白い犬だと思われている彼女、夏毛の季節は特に、間近で見るとちっとも白くないのです。乳白色というところから「ちち」という仮名を思いついたのは我ながらお見事です。
Bromfieldさんが8月1日のエントリーで取り上げられた「天声人語書き写し用ノート」です。片側に天声人語を切り取って貼る、ということから、A4サイズの大きなノートです。ノートの上に比較用としてモンブランの149をのせてみましたが、さすがの149も小さく見えます。
天声人語は602文字だといいますから、一般的な原稿用紙にして1枚半の分量。走り書きや殴り書きではなく、しっかりと写し取っていくなら20~30分はかかるでしょう。同僚のご子息が入試を控えていて国語がやや不安、というので、それならこれやらせてくださいと提案させてもらった次第です。
Bromfieldさんが興味をおぼえられていたのは、このノートの紙質が萬年筆に合うのかどうか、というところでしたので、PILOTの萬年筆で下手くそな字を書いてみました。にじみもほとんどなく、ペンの滑りもいい感じで、萬年筆との相性はバッチリとご報告申し上げておきます。
このノート、朝日新聞取扱店に頼めば3冊セットから購入できますが、神戸の名店ナガサワ文具センターのWebショップでは、ノート1冊に切り抜き用のカッターナイフ「キリヌーク」とテープ糊をセットにしたものを販売しています。このあたりの目のつけどころは、さすが日本一の老舗文具店らしいところですが、それにもまして、「オルファカッター(折る刃カッター)」が出している「キリヌーク(切り抜く)」なんて、本気で名前付けたんかいな?、というばかばかしさながら、製品の特徴を見事に表しているあたり、お見事というほかありません。
その昔、技術の教師だった頃、出題範囲が少ないことから、定期テストのたびに「これこれのテーマで100字以内で書け」なんていう問題を出していたことがありました。今思えば本当にひどい問題でしたが、それでも、生徒たちの作文のレヴェルは回を重ねるごとに確実に上がっていきましたので、その意味では効果があったといえるでしょう。
やはり、文章力は書くことで鍛えられるのです。8月から年内いっぱいこれに取り組んだとして、このノート5冊分。同僚のご子息の文章力、国語力アップを願ってやみませんが、毎日毎日駄文を書いていても一向に上達しない私自身は、やはり反面教師というべきでしょうか。
天声人語を毎日書き続ける事で万年筆力を向上する命題は薄々聞いた事がありましたが
専用の便せんまであったとは知りませんでした。この「後一歩の探求力」が、とても厚い
壁なのだと思い知る回でした。
キリヌーク、某西宮のアルフィスタが見いだしたスクエアフォーマットのアレの
リスシオ1のノートは切り取り線が無くメモ後→手渡しの用途の為に入手したんですが
初回のチューニングだけはやりがいありました。いや、それほどリスシオ1はたまらんです。
投稿: DIo | 2011年8月 2日 (火) 01時21分
Dio さん
リスシオ1プロジェクトをやった人たちこそは究極のヘンタイですね。大和出版の社長さん、完全に逝ってますけど、そういう人のおかげであのすばらしい書き味が楽しめるんですからありがたい話です。
初代のFrom Kobe上製本ノートに使われていたヴァガス紙の書き味がたまらなく好きなので、ノートも2冊もっていますが、あまりにもったいなくて書くこともできません。誰か何とかしてヴァガス紙復刻して・・・。
投稿: つきみそう | 2011年8月 2日 (火) 01時29分
あんなのを書き写すのですか...?
投稿: とんぼ | 2011年8月 3日 (水) 00時37分
とんぼ さん
まぁ、人それぞれですね。個人的には新聞は信じていないし、テレビやラジオも天気予報と地震速報ぐらいしか見たり聞いたりしません。天声人語が一番だとは露ほども思っておりませんが、勉強っていうのは、「見えやすい」ことも大事で、何か形が残っていくところに成果を感じる(実際にどうかは別として)という部分があります。
フォーマットの決まった、毎日「出題」されるものと、それを綺麗に写し取れるノート。ここに意味があるので、別のコラムを大学ノートに写したっていいし、名作と言われる文学を写してもいいんです。勉強の入り口として、とりあえずこれもあるなぁ、ということですね。
投稿: つきみそう | 2011年8月 3日 (水) 01時16分
当ブログでの質問に答えていただき、有り難うございました。
最近ペリカン堂さんとお話ししている際、リスシオ1が如何に素晴らしいかとのお話になります。このようなノートが、リスシオ1でできていれば最高なのですが。
個人的には、リスシオ1でA4サイズの原稿用紙をつくってみたいと空想しています。余白をたっぷり取って、紙の色は少しクリームがかっている。くわえて、罫線は臙脂。いかがでしょうか。
投稿: Bromfield | 2011年8月 3日 (水) 04時12分
Bromfield さん
ようやく、本名(!)でコメントしていただくような中身を振ることができました(笑)。
リスシオ1は、大和出版が1ロットまるまる抄造させたのでできあがった紙が倉庫に寝かされているそうです。そうなると、色の件は微妙かもしれませんが、大きめで余白たっぷりの原稿用紙、というだけでもいいですねぇ。
投稿: つきみそう | 2011年8月 3日 (水) 10時07分
ブログの趣旨ちがいのこと書いて申し訳ありません。
青少年はどんな新聞もあまり触らない方がいい、せめて大学生に
なってから、と私は考えているのでビックリしたわけです。
勉強の方法はつきみそうさんも書いておられるように、様々です。
でもね...
失礼しました。
投稿: とんぼ | 2011年8月 3日 (水) 15時24分
とんぼ さん
青少年は・・・のくだり、わかるような気もします。教育の世界、勉強の世界っていうのもはやり廃りみたいなのがあって、NIEっていうのは少し前のはやりでした。
Newspaper In Educationって、新聞屋さんが盛んに、特に朝日は一生懸命にやってたように思います。
大多数の人がわいわい騒いでいるときに、ほんとにそれ、えぇんかな、って考えるのは大切だと思っているので、とんぼさんの視点にも共感できるのです。あまのじゃくより、ワンランク以上上の考え方ですよ、これ。
投稿: つきみそう | 2011年8月 3日 (水) 18時34分