阿修羅06
寝そべった「三輪さん」の姿勢で熱心にご飯を食べているので、「おぉい!」と声をかけてみると、とっても涼しい目をしてこちらを見上げてくれた「くま(仮名)」さん。やっぱり美人は得なのよ、というのは妻の持論ですけれど、こういうのを見るとあながち間違ってもいないなぁと思ってしまいます。
糊しろに番号が振られているので、それをヘンタイルーペで確認しては貼り付ける、これなら楽勝、と思っていた阿修羅像製作ですが、やはり慣れた頃が一番危ない、というのは本当でした。写真のパーツは、一見きれいに出来ているように見えますが、実は表裏が逆になっている、見事な失敗作なのです。
黒い方が表なので、そいつを外側にして貼り合わせるのだろうとロクに確認もせずにすすめたのが運の尽き。幸いなことに、糊が完全に乾く前に気付きましたので、そろそろとはがして貼り直し、何とかリカヴァーできました。この部分のパーツだけを注文すると900円。そこに送料340円がのりますので、2回ほど失敗を繰り返すと元の本が買えてしまいます。
失敗したのは衣の土台部分。たとえは悪いのですが、スカートを下からのぞき込んだときに見える内側の部分、なのでしょう(のぞき込んだことがないので詳細は不明です)。
その土台に写真のパーツを貼り付けていくと、ふんわりとした衣の裾の部分が完成するのですが、4ページにわたるパーツを順番とびとびに貼り付けて行く必要があるため、一気に4ページ分を切り取って並べてみたところです。
まっすぐな、平らな紙を使ってこんな複雑な曲面を作るなんて、反則ですね。貼り合わせる順序やおさえ方などを工夫しないと、紙自体の弾性が邪魔してうまく貼り合わせることが出来ません。しかもここからは衣の部分ですから、最終的には閉じた形になるわけで、あとへ行くほど貼り合わせたパーツをおさえることが難しくなってきます。
不器用な太い指で苦労しながら押さえ込んでいるの図、です。四角い箱の隅っこ、3つの平面が出会うところを貼り合わせておさえている感じに近いでしょうか。しかも、きれいな平面ではなくてでこぼこした面同士が出会うところなので、より一層難易度が高くなっております。チリをきれいに合わせるとか、そういうことよりもまずくっつけることが先決なので、できばえは小学生並みです。
右の方が失敗を乗り越えて完成した衣の土台で、左の方が衣の上の方になります。右に見える土台が完全に隠れるまで、この周りにパーツを貼り付ける作業を繰り返していくと、衣の裾の方が完成します。
非常に複雑な、訳のわからない面の連続ですね。衣の裾ですから、まぁそうなんでしょうけれど、全行程の中で一番難しいところなのだそうです。ぐるりと貼り合わせたあとで、手の入りにくい内側に衣の形を整えるための「矯正パーツ」なるものを仕込むのがまた難しそうなので、今日の作業はここまで。ゴールデンウィークを仏師として過ごしている私です。
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