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2011年3月20日 (日)

狗頭羊肉

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 萬年筆のペン先のよう、と評された「ちち(仮名)」さんの鼻先。しっかりと何かを噛んでいると刻まれる深いしわ。美人も台無しです。

 彼女は次の刹那、噛んでいる苺の形をしたおもちゃをケージの外に落とし、じっと飼い主の目を見ます。そこで飼い主が苺(もうベトベトです)を拾い上げてケージの中へと放り込むと、再び噛みついて立ち上がり、ケージの外へ・・・・・というのを延々繰り返すのです。

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 何の変哲もないペンながら、欲しい人はけっこうたくさんいるはずのPILOT キャップレスの多面体樹脂軸タイプ。キャップレスが好きな人は「普通の人」にも多いですが、こいつを欲しがるようになるとかなり病気が進んでいる証拠ですので、ヘンタイ検知にも使える1本です。

 外観は黒一色ですが、クリップやノックボタンなどは素材の色ではなく塗装を施してあるため、使い込んでいくと剥げて銀色の地肌が見えてきます。私の手元でも実用に供されているものはすでに剥げてきておりますので、それ以外のものは座敷「廊」に保管されたままです。

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 当たり前ですがクリップにはPILOTの刻印。このクリップが邪魔になるからキャップレスは使えない、という人がいるかと思えば、そこが魅力じゃないかという人もいます。いずれにしても、キャップレスのクリップに刻まれた文字をしげしげと見ている人はヘンタイで、しげおさんをシバきまくっているのは親方です。

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 クリップを凝視するのは、NAMIKIなんて彫ってあったら嬉しいからという理由ですが、内部のシャッターとの兼ね合いでクーゲル風にペン先表側に盛り上がった玉を見たがるのもキャップレス系ヘンタイに共通する病状です。そして、玉の見事さに感動してはホォ~などと声を上げ、持ち主が「書いてみる?」なんて言わないかと密かに期待しているのです。

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 極めつけはこれ。インサートのペン先にはあろうことかNAMIKIの文字。こいつは本来、クリップにNAMIKIと入っている本体に入っていたはずのもので、それがPILOTの刻印がある本体に入っているというヘンタイぶりがよろしいのです。

 たいていの人は、「玉、大きいですねぇ」ぐらいで終わってしまいますし、私もその程度なのですが、髭の某御大の蠱惑的な囁きに「えっ?」なんて再確認したのが運の尽き。ペンをお嫁にもらうなんていいますけれど、アラブの王族も真っ青な多妻ぶりに我ながらあきれます。

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 同僚たちをル・ボナーに案内して、例によって鞄職人犬チャーの飼い主の無愛想な接客ぶりをネタにしつつ、このペンをお見せすると、チャーの飼い主は大いに歓喜して書くこと書くこと。その盛り上がり方があまりにすごかったので、お店を出たあと、「あの豹変ぶりはなんなんだぁ・・・・・」と同僚たちも驚いておりました。でもそれだけ、このペンの書き味が気持ちいいということですね。

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コメント

ほぉ~~ でっかい玉ですなぁ。
背側に盛り上がっているから、クーゲル でしょうか。

なんて、下手な事を言うと、ヘンタイ駆け出しがばれてしまいますね。


キャプレスは、あまりに形が異様なので、なかなか手が出せないで居ります。でも、書きやすいと皆さんがおっしゃいますし、そろそろと手を出してみようかとも 思いつつ、機会をうかがっております。

あまりヘンタイチックでない物を仕入れてみようかしらん。

 きくぞう さん

 手始めに、やや軸が細めのキャップレスデシモあたりはいかがでしょうか。これから先、薄着になる季節には重宝します。

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