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2010年9月23日 (木)

萬年筆の日・2010

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 あかん、もう誰も遊んでくれへんわ・・・・・とフテ寝してしまった「ちち(仮名)」さん。こういうところを撮ろうとカメラを持って近づいていくとパッと起き上がってしまうので、寝転んだ姿勢で隣の部屋から顔を出し、テレ側で狙っているのですが、お目々はしっかりこちらの動きをチェックしております。

 今日は万年筆の日。ウォーターマン関連ではなく、同軸内にインクを蓄える筆記具が発明された日、ということのようです。23日という日付が「ふみの日」とかぶるのは、何ともうまいことできてるなぁ、と2年前に記事にしております。その日に紹介しているのはコンウェイ・スチュアートでした。

 昨年の今日は萬年筆の日ということを知ってか知らずか、コンプロット10という、ちょっと常識では考えられないペンケースを紹介しております。その中に収まっているペンがなかなかヘンタイっぽいのですが、その中からどれか1本、と考えて、今日はこれです。

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 これは西塔の水煙ですから、厳密に言えば「違うやんけ」となりますね。私が高校生の頃に薬師寺を訪ねたとき、この西塔を建立する作業が大詰めで、気さくなおじいさんが一人、大きな木を削っていらっしゃいました。

 他に人もいなかったので、遠慮もせずに話しかけていろいろと教えてもらったのですが、あとからそれが西岡棟梁その人であったことを知りました。モノを知らないというのは実に恥ずかしいことで、まさに汗顔の至りですが、逆にその人と知っていたら、畏れ多くて声などかけられなかったことでしょう。

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 凍れる音楽と評された薬師寺の東塔を丸一日眺めて、「これ、歪んでるわ」と看破した西岡棟梁。その東塔は心柱の内部が空洞化するなど、非常に危険な状態だそうで、この11月頃から大修理に入ります。

 東西二つの塔が並んで建つ風景は、この先しばらく見られなくなりますし、平城遷都1300年フェアも11月7日までですので、この秋はぜひ、奈良への旅をご検討ください。

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 手持ちの萬年筆を整理しなければならないとなっても、最後まで残りそうなこの1本。以前は職場に持ち込んでガシガシ使っていたのですが、最近は自宅でゆったりと使うのみです。

 これほど美しいペンですので、人に見せてホレホレしたい気持ちも強いのですが、愛おしくなるほどに、持ち歩く機会も減ってきた、というわけです。ヤクザの入れ墨を連想してしまう、という向きもあるようですが、それも含めて日本の伝統的な美しさ、というべきものでしょう。

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 秋の奈良といえば、日曜祝日に奈良公園で行われる「鹿の角きり」をご覧になることをおすすめします。角きりは人出も多く賑やかですが、喧騒に疲れたら、ささやきの小径から高畑、さらに新薬師寺から白毫寺へのルートや、反対向きに借景が見事な依水園、戒壇院界隈から二月堂にかけてのルートなど、静かなところをゆったりと歩くのがおすすめです。

 もし私に絵心があれば、この飛天と画帳を持ってそのあたりを歩きながら秋の風景をスケッチ、なんてことをしてみたいのですが、残念ながら幼稚園児以下の絵とストレスが溜まるばかりでしょう。できる方、いかがですか。

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コメント

万年筆の日…ここ3年はどれもテスト真っ只中で万年筆に集中することなど到底できておりません。数年後にはちゃんと万年筆の日になるのかなぁ・・・。

飛天、入手されたその場所に私居合わせたような記憶があるんですが、気のせいでしょうか?この前のWagner関西大会で、コンプロットを持ってきていらしたときにも入ってましたよね?

私事ながら、私のブログにリンクを追加させていただきました。いつもありがとうございます。

 達哉ん さん

 あのときはそう、いらっしゃいましたね。出会い頭の事故でした。重要なペンはいつも、そうやって突然に手元にやってきます。実は今日も1本・・・・・。

一昨日、郵便局で80円切手を求める際、記念切手をと思い買ったのが遷都1300年記念切手のシートでした。10枚ですから、すぐになくなりそうです。

さて飛天、近所の文具店に非売品として展示されています。いつの日か売りに出されるのではないかと思い、息を潜めております。しかし『ペンx3』にお書きになった花月さんほどの思い入れがないと、このような万年筆は手許には来ないのでしょう。

さて、昨日は何がやってきたのでしょうか。つきみそうさんの思いが通じた逸品であることには間違いないと思うのですが。

 Bromfield さん

 逸品には違いないのですが、これもまた出会い頭で、
今、旬の萬年筆がやってきました。

 飛天は探せば出てくるものです。オークションでも
時折目にしますね。いつの日か、出会われることも
あるやもしれません。思いはかなう、のです。

全国都市緑化ならフェアについても、盛んに宣伝されていますね。
11月には正倉院展です。
奈良が熱いですね。

飛天ということで、思わずコメントいたします。実は、この21日に薬師寺を訪問しました。東塔の水煙を下から撮ろうと思ったのですが、安物のデジカメではどうにもなりませんでした。駆け足でしたので、今度は解体修理前にゆっくり見たいと思うのですがまあ無理でしょうね。若いお坊さんの法話には感心しました。中学生にわかる言葉で本質を説かれていました。「少欲知足」・・・万年筆の煩悩に焼かれる身には耳痛いです。将来の名僧でしょうか。

 二右衛門半 さん

 全国都市緑化フェアに関連しては、「鉄」としては見逃せない列車が走ったのですが、知っていながら見逃してしまいました。

 今年は珍しく(!)奈良にたくさんの人が訪れてくださっていますね。

 ロクリンパパ さん

 お待ちしておりました(笑)。300ミリで撮ってあれぐらいです。東塔の方はいい具合にくすんでいるので、光線の具合もあってうまく写せませんでした。

 薬師寺へ行くと驚かされるのが、朱塗りの美しい堂塔が立ち並んでいることです。故高田好胤管長が100万巻写経勧進を推し進めて実現したものですが、この人を筆頭に、薬師寺のお坊さんは皆さん上手にお話をされますね。

携帯の画面では細部がわからないのですが、それでも充分美しいですね。
秋は正倉院展に行かなければ…。
いつも混雑を避けて閉館の1時間前くらいに行き、奈良ファミリーに寄って夜中に帰ってくるパターンです。
今年は健康的に朝早く出て、高畑周辺でも散策しましょうか。

ただいま運動会中ですが、日向は暑くて。
娘の出番でないのをよいことに、校舎の影で携帯をいじる怠惰な母親です。

 るり千代 さん

 9月末から10月初めは運動会ラッシュですね。
秋とはいえ、観客としてみていると暑い時期です。

 私の子供が通う小学校は5月の末に運動会がある
のですが、これもまたじりじりと焼かれてたいへん。

 早朝の場所取りから夕方まで、カメラ片手どころか
カメラ両手で奮闘される親御さんを見て、とても真似
できないと思います。

 我が家にはヴィデオカメラがないので、子供たちの
動いている映像記録って存在しないのです。

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