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2010年5月28日 (金)

地域本部

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 凄くいいお顔、とシャッターを切ったら見事に逃げられてブレてしまいました。いろいろと追いすがる人たちを切る捨てつつ、私的には早めの帰宅。明日は息子の運動会だというのに炊飯器が壊れてしまい、電気店が開いている間に買いに行かねば、ということで急いだのですが、それでも時刻は午後8時を過ぎておりました。午後10時まで開いている大型電気店が近所にあるので助かります。
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 有名な猿沢池の南にあるこの建物、「ならまちセンター」といいます。この建物あたりから南の方向に広がっているのがいわゆる奈良町。古き良き奈良の町並みが残っているエリアです。

 授業が終わってからここへの出張。内容は「学校支援地域本部に関する研修」です。この学校支援地域本部事業というのは、3年計画で文部科学省が進めてきたプロジェクトで、学校が建っている地域の皆さんに学校を支援してもらえるようなシステムを作り上げることが目的です。

 勉強が遅れている子を対象に放課後学習会をしよう、と思っても、教員は何かと他の仕事に手を取られてしまうので、簡単ではありません。もし、地域に教員OBとか、教えてあげられるよ、という人がいるなら、どんどん学校へ来て助けてもらおう、ということです。
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 学校が虫のいいことを言っているだけのように思えますが、そうではありません。たとえば二右衛門マスターがお住まいの地域にある学校で「放課後ペンクラブ」なんてのを開催するのです。繰り出される怪しい萬年筆・・・・・じゃなくて、ここは関西の親方に「しばくどっ」と言われそうなまともなものを並べてもらって、児童生徒に萬年筆を体験してもらうのです。

 生徒は未知の体験に喜び、ここから未来を担うヘンタイが続々生まれてくる可能性があります。もし、地域に(さびれた)文具店があれば協力を依頼して、それをきっかけにお店が上向く、ということもない話ではありません。
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 リタイアして時間はあるけどやりがいのあることが見つからない、なんていう年配の方にとっても、この事業は魅力あるものになるでしょう。小学校では、こうした活動はすでに常識となりつつあります。今後はさらに進めて、先進校で見られるように、地域の人が学校の鍵まで預かって自主的に活動する、というところまで進めていけたらすばらしいと思います。

 もちろん、子ども達が受け取るだけ、ではありません。たとえば、学習活動として地域に昔から伝わるお菓子を作ったとき、作り方を教えてくれたお年寄りのお家を訪ねて「どうぞ」と配る。ついでにお話でもしてくれば双方にとってすばらしいひとときとなることでしょう。
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 先日のWAGNER神戸大会でしたでしょうか、会場内に設置されたゴミ袋の表示が「萌えるゴミ」「萌えないゴミ」でした。写真を取り忘れたのが残念ですが、もし、師匠が全国行脚されるのが辛くなったら・・・・・。そう、地域でペンクリ、です。師匠の活動によって育てられた各地の調整師たちも、それぞれの地域で同じようなことをやる。夢のような話ですが、萌えませんか。

 6月26日の難波大会も、そんな感じでわいわい楽しくやれたらいいなぁ、と。ゴミ袋の表示も「萌えるゴミ」でいきたいところです。地域に根ざした活動、子どもまでまきこんで将来につながる活動。先日、さる文具店の方とお話ししていたときに、未来の顧客として子どもを取り込んでいくことの大切さを力説されていたのを思い出しました。
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 こういう研修会では、「こういう風にやったらうまくいった」という成功体験が語られ、皆さんも同じようにやればバラ色ですよ、と締めくくられることが多いのですが、この日の講師が最後に「付け加え」ておっしゃった内容がいちばん印象に残りました。

 曰く、地域の大人が総出で子どもの教育に携わる、それはそれですばらしいこと。でも、子どもからすると、大人に見られていないときはない、ということになってしまうかも知れない。それはマイナスかも知れないよ、と。

 子どもが大人の前でだけ「いい子」になろうとするのが一番困りますし、なにもかも大人がお膳立てしてくれる、というのもある意味困ったことです。これからはそのあたりも考えていかないといけないのじゃないか、というお話。付け足しとおっしゃってましたが、今回の研修の中で一番「深いですねぇ。」と感じた内容でした。

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コメント

その学校支援というのは無償ですか?有償ですか?
ずっと昔養護学校に手伝いに行ったことが有りますが
(土曜の午後だったかなあ?)
でもお礼はありました。(タブン父兄会の個人的な出費だったと思いますが)断ろうとしたけど、友達のその養護の先生にもらっとけば良いと助言がありました。
長く続けるつもりなら、低額でも有償にして、責任の所在を明らかにしないと途中でぽしゃります。
羽曳野市でも卒業生を先生にして時間外授業をしているけど、生徒は無償だけど先生は有償か無償か?よく知らない。

 マオぢぃ さん

 もちろん無償です。原資がないから出せません。
生徒にプリントを配るのに印刷用紙が要りますが、
予算がないのでこれからはプリント配らないよう
にしてください、っていうのが学校です。

 体育館の床が今にも抜けそうで、抜けたらけが人
出るのはわかりきってますが、お金ないので修理は
しません。

 私の勤務先は雨漏りがひどいのですが、お金が
ないのでこのまま漏るのに任せておくようです。

 でもね、そういうところに予算をつけると、議会
で問題になるんですよ。学校は金使いすぎ、って。

 

それは、都合が良すぎて身勝手です。
つきみそうの近くに住んでいる友人がいますが、最近まで
中学校の生徒に剣道を教えていました。
だも辞めました。
理由は何か事故があって賠償を請求されたら、どうするんだと。
先生なら賠償は市教委か奈良市に行くでしょう。でもボランティアなら??
ちゃんとボランティアできるようなインフラが先です。
で無いと結局善意の人に迷惑がかかります。
そんな勝手な会議するなら、みんなで市議会/市役所/市長に圧力をかけてください。
新しい市長なら以前より物わかりが良いのでは?

マオぢぃ さん

 補償は保険に入ってもらうことで何とかするしかありません。

 日本中が夕張市みたいになっているので、お金は出ません。
学校は何もやらないから地域の人だけでよろしく、ということでは
ないのです。ここが肝心なところ。

 文科省は、最初にお金を出して体制作りをサポートするけれど
あとは無料奉仕でよろしく、ということなのです。それをまじめに
受け止めて努力している市町村の教育委員会こそ大変です。

 大昔、悪いことをしたら知らないおっちゃんにも怒られた、そう
いう世の中に戻したいなぁ、というのが根底にありますし、それが
実現できるなら、本当にいいことだと思いますけど・・・。

 それと、いかに市民運動家あがりの現市長といえど、お金がない
のはどうすることもできません。そこでムリしてお金を使ったら、
かつての黒田府政と同じことになります。

最近、子供の教育なんぞに頭を悩めるダメ親父です。
非常にミクロ的な思考しかしていませんでしたが、こういった地域主体の活動を通して、家庭での子供との関わりを改めて知ることができるかもしれませんね〜。
って、相変わらず他力本願、ハルク・ホーガンの私でした。
しかし、学校ってホントに色々なことが人知れず行われているのですね。。。

確かに最後のお話は、深いですねぇ。
良かれと思ったことが、別の観点からでは弊害になったりと、いろいろありそうですね。

公園の運営を行っていますが、イベントに協力頂くボランティアさんには通信費、交通費程度の謝金を支払っております。

そのお金で、学校支援など行って頂ければ良いのでお使い下さいと お渡ししています。

タダでやらかすと、主催が誰で、最終的に責任を誰が持つのか判らなくなるから 避けたという側面もあります。

 foolsbook さん

 その、人知れず行われていることを地域の人に知って
もらいたい、というのがあります。

 最初、こういう事業には教員が反対するんです。
地域のおっちゃんが学校に入ってきて、何もわからない
のに無茶なことを言うんじゃないだろうか、と。

 で、地域の人も、学校の先生は何にも協力してくれ
ない、と怒るわけです。

 登下校中にたばこを吸っている生徒を見つけて、
学校はどんな指導をしているのかっ~!と怒りの電話が
あります。その電話をかけてくれた人にこそ、学校に
来てもらいたい。たばこを吸おうとする生徒に注意を
して、何針も縫うけがをする教師を見てもらえます。

 被害届を出そうものなら、生徒を売ったと世間の非難
を浴びるので、治療費も一切自分持ちで我慢します。

 それを見てもらえたら、あぁ、学校だけじゃダメだ、
と理解してもらえて、地域「でも」指導しよう、という
話になるのです。

 おまえが悪い、と言い合っている間は、なぁんにも
解決しないのです。

 

 su_91 さn

 イヤほんと、そうですね。やや冗談めきますが、
一度書いてみたい、という萬年筆をお貸しした
ことが、その人にとって物欲地獄のはじまりに
なった、なんてこともあります。

 きくぞう さん

 そう、何もボランティアと無償とは無関係のもの。
そこで、お金は出せなくても別の形でお返しできる
ことを考えなくてはいけません。

 学校へ来て子供の相手をしてもらう人たち。この
人たちが学校の空き教室を使って自分たちの趣味を
高める人たちであってもいいわけです。

 教室をタダで借りてWAGNERの会合を開き、そこに
子供も入ってきて見学するやらお話を聞くやらして、
お互いに嬉しい気持ちでさようなら、というのでも
いいと思うのです。

羽曳野市ではこんな活動も
http://culture-h.jp/hatadake-katsuyo/index.html" rel="nofollow">http://culture-h.jp/hatadake-katsuyo/index.html

文科省の学校支援地域本部て、どう考えても丸投げのような気がします。
一応予算とか一般の意見をgoogleで調べました。
仕分けでばれた隠し財産をこんなんに使ってくれれば良いのに。

 マオぢぃ さん

 公立学校の教員なんて、自覚のない人が多いとはいえ
役人の端くれ(下っ端)なので、上には従うしかないの
です。この丸投げの事業、本気で全国展開する気です。

一つだけ質問があります。
その学校支援地域本部での活動内では著作権の問題は
大丈夫ですが?
通常学校の授業では、たとえば上のサクラ大戦のキャラクターは使用できるけど外部では使用できないでしょう。
その学校支援での著作権の使用については学校の授業と同じと考えて良いのでしょうか?
何故尋ねるのかと言うと、私の計画の中に支援が必要な子供たち(自閉症のためのTEACCH)のソフト作成があって、コミュニケーションツールをiPhone/iPadで作るのに、一般の画像データも使えたらとか思っていますから(あくまでも個人的使用の目的で個々のデータをユーザで入れ替えて)と言うことです。

TEACCH: Treatment Educatiion of Autistic and related Communication-handicapped Children

 マオぢぃ さん

 たとえば、運動会の応援旗を作るのに真宮寺さくらの絵を描く、これは「アウト」です。学習に必要な図書が廃版で手に入れることができない場合など、やむを得ないときに限って複製して教材にできるのであって、同等のものが購入できるのならば複製使用できません。

 37歳でなくなった先生が授業に使用していたプリント、これを遺族の方が本にしているのですが、その本には「本人も喜ぶだろうからコピーして使っていいよ」と明記されています。それとて、その本を買った人がコピーして使うのが許可されているのであって、その同僚が「貸して」というのは駄目だと思います。

 そうなると、教育現場は違法なものだらけですね。子どもが喜ぶだろうと先生や保育士がドラエモンの絵を描く、厳密にはこれも駄目です。でも、悪意がなく営利目的でもないので大目に見てもらってるのですね。

 結論として、今、著作権のあるキャラクターは授業でも使用できません。計画されているような程度であれば大目に見てもらえるというか、問題になりにくいでしょう。でも、それがNHKで報道されて・・・・・なんてことになると大変でしょうね。

私は次のような感じで理解していたのですが、、
www.jbpa.or.jp/35-guideline.pdf

 マオぢぃ さん

 私が「大目に見る」と表現している部分ですね。

 マオぢぃさんが計画されている範囲では、この資料の
内容に沿った形になるでしょう。

 恥を言いますと、市販されている教材を平気でコピー
して授業で使ってしまうことが、うちの業界、よくあり
ます。マオぢぃさんが示された資料を都合良く拡大解釈
して、平気な人も多いのです。資料の後半部分を読めば
そういうことは不可であるとわかるはずなのですが。

 ソフトに最初からキャラクターを入れないことは明確
ですので、購入したソフトに使用者がお気に入りのもの
を期間限定で入れる、これはOKですよね。

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