お上りさん・その2
飼い主が帰ってきたとやかましく騒いだものの、おやつをもらったらおとなしく寝てしまった「くま(仮名)」さん。いつものことながら平和な顔をして寝ております。帰ってきて犬の寝顔を見ると、本当にほっとします。
ペントレ参加を口実に東京へ行ってまいりましたが、肝心のペントレには手を出したくなるものがありませんでした。ある意味、非常に幸せなことです。むしろ、恵比寿スバルビルのすぐそばに、この金曜日にオープンしたばかりというお店、journey journeyが気になりました。すなわち、ちょっと変なモンを売っているお店なのです。
ペントレ2日目の今日、10時過ぎには会場を抜け出して、日比谷線で東銀座へ。少々迷いながらもペンクラスターにたどり着いたものの、開店時間まで間がありましたので、北欧の匠、松屋、C.O.U.、五十音、銀座教会と縦走して再び戻ってくることにいたしました。
北欧の匠のウィンドゥ越しに見たリトル・ミーのエプロン。これにつられて店内に入ると、自然と奥のケースへ足が向きます。そう、ハンス・オスターの作品が収まっているショウケースです。空であってくれという祈りもむなしく、そこには大きめの小銭入れとでも言うべき、象牙のでべそで蓋をとめるタイプのお財布が、稀に見るほどの数、並んでいたのでした。
いつもそうなのです。北欧の匠に寄せていただくことなど、年に2、3度ですのに、そのたびハンスオスターの在庫に出会ってしまうのです。これまではすでに所有しているペンケースでしたのでお財布に被害はなかったのですが、今回ばかりはいけませんでした。
このタイプ、お持ちの方に見せていただいてこの世に存在することは知っておりましたが、もはや作られていないという話も聞き、諦め、そして安心していたのですが、目の前にあるのはまさにそのもの。誠に不幸な、出会い頭の事故でした。
しかし、見れば見るほど、触れば触るほど良いものです。おそらく私が死ぬまで、この財布はへたることがないでしょう。下手をすると、いやほぼ確実に息子に引き継ぐことが可能かと思います。怠け者の私ですが、こればかりは気合いを入れて大切に使おうと思っております。
そのあとは我に返って、松屋の7階も銀座教会も無事に乗り切ったのですが、やれやれと出てきた路上で店開きをしていた風鈴屋さんにひっかかりました。実に良さそうな風鈴を手に入れてたいへん満足。季節が来たらご紹介しますが、遠方から来たことを知った風鈴屋さんに「無事に帰ってね。」といただいたのが蛙の根付。ストラップじゃないよ、ねつけ、ねつけ、ね、と念を押されましたが、もとより異存はありません。こういうものは根付と呼ぶのが正しいかと思います。
そうこうするうち、久しぶりの東京散歩は無事終了。ペントレ会場や東京散策でお世話になった皆さん、ありがとうございました。多くの方のおかげで充実した週末を過ごせたことに感謝、です。
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また凄い物を逝かれたんですねぇ。
こんな財布、魂まで持っていかれそうです。
投稿: su_91 | 2010年4月26日 (月) 00時48分
良さそげだが、、、
気になるのは、ポケットに入れるには少し大きいのと、
止める穴の部分かなあ?
使っている内に穴が大きくなって、パカッと開かないか?
値段によったら買ってしまうかもね。
投稿: マオぢい | 2010年4月26日 (月) 04時49分
お疲れ様でした、駆け足で参加した為ご一緒には散策出来ませんでしたが、先生のお顔を拝見すると、いつもホッと致します。帰り端ス~とお姿が消えて小物を買ってみえる凛々しい姿は粋な関西人を感じました・・(笑)
投稿: 夢待ち人 | 2010年4月26日 (月) 05時52分
su_91 さん
財布というか、この作者に魂持って行かれてます。在庫があるのを
見た瞬間、居合わせた3人が「ください」と譫言のように言いました。
恐ろしいものです。
投稿: つきみそう | 2010年4月26日 (月) 07時48分
マオぢぃ さん
この穴を空ける位置は、作者ハンスオスターにだけわかるのだそうです。まず絶対に、というほど、心配されているようなことは起こりません。優秀な職人がハンスオスターと1年か2年、寝食を共にしながら修行して、ひょっとしたらわかるかも、というぐらい難しいというか、そういうものだそうです。,この穴の位置は。
投稿: つきみそう | 2010年4月26日 (月) 07時51分
夢待ち人 さん
どうも、お散歩中、わざわざ顔を見に来ていただいてありがとうございました。
次はどこでしょう,三河の方でお会いできますでしょうか。
投稿: つきみそう | 2010年4月26日 (月) 07時52分
毎度のことながら大変お世話になりました。
1日目、2日目とすっかりおんぶにだっこで恐縮です。
なぜ、地元でもない筈の東京でガイドが務まるのか、世にも恐ろしいスポットばかりをご存知なのか、甚だ不思議なところではありますが、さりげない背中押しの数々はまさに匠の技と呼べるものでございます。
事故多発地帯と噂に名高いハンス通りでの多重衝突の後に、「悔い改めよ」と教会にまでお連れいただいてありがとうございました。
三大神のお一人でもあらせられるプラチナ様におすがりできたおかげで罪の意識も軽くなりました。
また、この場をお借りしまして、とんでもないことにしていただいた件に関しましても釈明を。
言い訳しますと、確か最後に「感謝です」と書きましたのでマイナスにはとられないとよいのですが・・・
いずれにせよ、まぎらわしい表現で失礼いたしました。
さーて、次回はどちらでご一緒できるでしょうか。
白目むきを疲労・・・じゃなくて披露しなくてすむよう、日程調整にいそしみます。
改めて、このたび も 大変お世話になりました。
ありがとうございました。
投稿: regulus821 | 2010年4月26日 (月) 11時31分
短いお江戸滞在の間も精力的に動かれたご様子、さすがです!
夢待ち人さんといい、年齢を感じさせない(失礼!)フットワークに憧れる事しきりです。
何か空を飛べる靴を履いてみえるとか、ヤバイ薬を服用されているとか…(笑)
早く身軽になりたい(一生なれない?)ともぞーでした。ウンパッパ。
投稿: ともぞー | 2010年4月26日 (月) 13時31分
土日二日間、ありがとうございました。
なかなか西の作法に慣れず、申し訳ありません。
頑張りますので(?)、
また、ご指導をよろしくお願いいたします。
投稿: あおい | 2010年4月26日 (月) 15時44分
regulus821 さん
どうも、お世話になりました。どこへ行くにも一発で決まらず
余計に歩かせてしまいまして申し訳なく思っています。
さて、次回お会いするときにもどこかおもしろいところへ
ご案内できればと思います。
投稿: つきみそう | 2010年4月26日 (月) 19時16分
ともぞー さん
夢待ち人さんのお散歩はすごかったです、はい。ヤバイ薬より
ヤバい存在が万年筆なのです。
投稿: つきみそう | 2010年4月26日 (月) 19時19分
あおい さん
まだまだ修行していただかないといけませんね(笑)。
バァンと撃たれたら倒れたり、誰かがボケたらコケる
とか、そのあたりから練習してみましょう。
投稿: つきみそう | 2010年4月26日 (月) 19時21分
雨のち晴れ!ありがとうございました。
投稿: しげお | 2010年4月26日 (月) 22時50分
しげお さん
いやほんと、ドラマでした。大事にしてくださいませ。
次はやっぱり80周年ですね。
投稿: つきみそう | 2010年4月26日 (月) 22時57分
私はハンスオスターさんの同じ財布を使っています。
すでに20年経ちますが、いい色になりました。中身をパンパンに入れても象牙のフック穴が伸びて外れるようなことはありませんよ。
驚くほど丈夫です。貴殿の財布楽しんで使ってください。
一生ものです。
投稿: BUNBUN | 2016年4月13日 (水) 11時27分
BUNBUN さん
実に丈夫ですね。愛おしむようにものを使うというのは実に愉しいものです。何でも新しいものに目移りして、どんどん買い換えていく私には珍しいことですが、それもまた、ものの良さなのでしょう。
投稿: つきみそう | 2016年4月14日 (木) 06時24分