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2010年3月 3日 (水)

上巳の節句

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 今日は上巳の節句。古くは平安時代頃の記録に見られる「ひいな遊び」や、紙で作った人形に穢れを移して川に流す流し雛の風習などがもとになって、次第に豪華な人形を飾るようになり、それは女性のものであるという認識から女の子の節句となったこの日。妻がちらし寿司をつくってくれるということでしたので、帰宅途中に洋菓子屋さんに寄ってみると、クリスマス並みの体制で営業中でした。

 私自身、そういう認識はなかったのですが、ひな祭りにはケーキ、というのが一般化しているのかもしれません。実際、お店の中にはケーキ屋さんなんて来るの初めてです、なんていう感じの私みたいなおっさんが多数。カッコええなぁ、と思ったのはどこかのお母さんで、お仕事はトラックドライヴァー。ケーキを買って、高い運転台にひらり。ササーッと走り去って行ったのでした。憧れます。
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 こういうシンプルな雛飾りが好みです。これよりもっとシンプルな、とんとん相撲の力士よりも簡素な人形に嫌なことを託して、明日はもっと良い日でありますように、と願いつつ川に流したのでしょう。私の場合は流したいことがありすぎますので、巨大なタンカーか何かをチャーターしないと追っつかないようにも思います。

 少し前に、ある若い友人から相談を持ちかけられて、けっこう必死になって、その割には何の役にも立たんアドヴァイスを延々書き連ねたことがあったのですが、そのときも、この人、なんでこんなに悩むんやろなぁ、という気持ちが根底にありました。私がその友人の年齢だった頃はそれはもうひどいもので、おまえは社会の害悪だ、と銃殺されても文句は言えない存在でしたし、今でも積極的に害をなさないだけで、今日いなくなっても誰も困らないようなおっさんです。

 それに比べて、いや比べることなく絶対的な評価としても、私の友人は実に立派な青年です。自信を持って道の真ん中を歩いて行けばそれでよい、と思うのですが、それほど優秀な人に対しても、若き日の心の中の嵐というものは容赦なく吹き付けるものなのでしょう。けれども、芯のしっかりした人ですから、いつの日かその嵐に打ち勝って、黄金の日々を手に入れるものと信じておりますし、何もできないながら、松岡修造程度には応援していきたいと思っております。
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 橘の木の前にいるおっさんがコケております。何やら自分を見るようで、親近感を覚えてしまいました。我が子に目を向けると、良いところは妻から受け継いだもの、マズいところは自分から受け継いだもの、というのがあまりにもはっきりとしていて、笑うしかない、という状況です。何が辛いといって、子供達が妻に叱られているのを見聞きするほど辛いことはありません。子供の時分にタイムスリップしたのかと思うほどで、気がつくと亀のように首をすくめて身を固くしています。ロクに仕事もしないくせに一人前に肩こりに悩んでいるというのも、このあたりに原因があるのでしょう。

 こんなおっさんでも「親」のはしくれですから、子供には良いところを見せて「薫陶」を与えたいところですが、どうもその逆のことばかりやってきたような気がします。まぁ子供にとっては迷惑な話ですし、この先、少しでもリカヴァーできたらいいなぁ、とは思うものの、見せる良いところなんぞ何もないのも難儀なところです。

 ゴミの不法投棄で罰せられるかも知れませんが、夜中に人目を忍んで、近所の川に自分を流してしまおうかな・・・・・などと思ってしまう、静かなひな祭りの夜でした。
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コメント

まあ、良いんじゃないですか。

私なんか、赤いチャンチャンコが間近でも、心の中は、、、

例の件は解決しましたが、正直まだ、わだかまり残ってますけどねえ。
お世話かけました。 m(__ __)m

 マオぢぃ さん

 歳とってもアカんなぁ。やってること変わりませんし、進歩がない。おっさんらしくもうちょっと賢くなれたら嬉しいんですけれど。

 おっさんらしいのは肩や腰の痛みだけ、っちゅうのも難儀な話です。

しっかし、ホント洋菓子屋さんの店頭からは季節感が感じられませんよね・・・・・・。
訪れる客層からは或る程度の季節感はあるようですが。(笑)

せっかく待望の女の子が誕生したのに双子のわんぱくコンビのおかげで今年はお雛様は飾る事が出来ず残念、でもこんな可愛いケーキなら良かったなぁ~わんぱくコンビが来年は大人しくなるのを期待しつつ一年待つか~(笑)

 二右衛門半 さん

 洋菓子店の季節感というと、冬場は苺が高いので中学生の職業体験を受け入れてもらいにくい、というのがあります。しかしながら店頭ではそんなこともありませんね。

 夢待ち人 さん

 正直、こんなケーキがあるなんて思いもよりませんでした。ぼんぼりの形をしたローソクがあるぐらいですし、けっこう普通に作られているのかもしれませんね。

よしだたくろうという歌手がええこといっております。
(年ととってくると)「今年は去年と同じくらいにできたらいい」
今年こそ心機一転ではなく、今年も昨年やれたことが自然にやれればいいと。人間なんていつまでも成長しないものではないでしょうか。

 くーべ さん

 すごく深いですねぇ、たくろうさん。

 昨年と同じくらいのことができるかどうかでさえ、歳をとってくると案外難しいですね。ぼちぼちいきなはれ、ということなんでしょうね。

ひな祭りはケーキなんですねぇ。
知らなかったです・・・
まあ売れれば、どんな理由でも良いんでしょうね。

悩み事ですが、乗り越えられなくても上手く受け流せれれば、人間何とかなるようです。
何でもかんでも正面から受け止めると、病気になってしまいますね。

 su_91 さん

 そう、どうやらどこも、ひな祭りはケーキってことらしいです。確かにおうちでちらし寿司をつくったりするお祭ですものね。

 悩み事があっても真剣に受け止められないええ加減さが悩みの種です、なんてね。

我が家のひな祭りは、家族で一緒に『ひなあられ』です。
子供が卵アレルギーなので、ケーキは候補に入っていませんね。

くーべさんの歌詞紹介をパクらせていただいて、私も一つご紹介を。
コブクロの『桜』にええこと書いてありました。
『嵐吹く風に打たれてもやまない雨は無いはず』だそうです。
wavioも財務省に『買いすぎ、無駄遣い』と雨あられの様に罵詈雑言を浴びせられても、この歌詞を思い出して『きっといつか何とかなるよね、パトラッシュ』と思って日々耐えております(悩みのスケールが小さすぎてすみません)。

 wavio さん

 そういえば子供の頃、親に叱られたりしたときには思いっきり遠くまで犬を散歩に連れて行ったりしてました。歩き疲れて、犬と一緒に座り込んで、犬に話しかけていたことを思い出します。そのころ飼っていた犬はパトラッシュ並みに賢かったですね。

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