« 鳥羽から神戸へ | トップページ | 無用の用 »

2010年2月28日 (日)

空を飛んだ萬年筆

Rimg0040
 ここのところ顔を見なかった飼い主にじゃれつく「ちち(仮名)」さん。家族の中で一番よく遊んでくれる人は誰か、ということをよく知っているのです。この瞬間は顔がまともですが、必死になってぐりっと顔を回したりしつつ、ひたすら甘噛みを続けます。最近は噛み方もマイルドになってきたとはいえ、まだまだ満足できるレヴェルまできてはおりません。
Rimg0024
この日の記事で恥をさらしたセーラー プロフェッショナルギアのマーブルエボナイト。見事なまでに普通のペンに戻っております。修復の仕上げに磨いてしまうため、本来の24Kメッキが剥がれておりますが、色の感じとしてはこちらの方が好みです。

 この修復に要した時間は実に3時間を超えたそうです。関西の親方には足を向けて眠れません。曲がったペン先を伸ばすだけでなく、スリットやペンポイントの具合も調整していただく必要がありますし、何より,ペン先とペン芯とをうまくフィットさせることが難しく、かつもっとも大切なところなのだそうです。
Rimg0029
 昨日のWAGNER関西大会にも、ペン先の曲がったペンが何本か持ち込まれたようです。それらは通常、その場でくいくいっと直せるものではないそうですが、そこを何とか、ということで親方も奮闘されたようです。

 直していただいた者が言うのもヤラしい話ですが、何でもかんでも直してもらえる・・・・・と考えるのは間違いです。ペンクリに自分が調整したペンを差し出して「買ったときのままです」などと言う人がいるらしいのですが、それってどうなんでしょうか。ペンクリをしてくださる調整師さんたちは基本的に素人ではありますが、お願いしますと持ち込む人よりは数段レヴェルの高い素人です。そんなことすら忘れている、あるいは無視して突っ切る人が少なくなっていくことを期待しましょう。
Rimg0030
 何より、WAGNERの大会会場でペンクリをしていただいている皆さん、ほとんど飲まず食わずで1日数十本。ごくごく希には、結果に納得できず、クレームをつける方もいらっしゃるようですが、そういう方ははじめからメーカーに修理をお願いすべきでしょう。こういう希望を述べて調整をお願いした結果がこれ。満足できないのはどこで、それななぜなのか。そういうことを考えていく会だから萬年筆研究会なのだ、と私は理解しておりますが、皆さんはいかがでしょうか。

 などとえらそうに書きつつも、いや、やはり書き味に頬が緩みますなぁ・・・・・。

« 鳥羽から神戸へ | トップページ | 無用の用 »

コメント

先日の二次会、三次会ではお世話になりました。『良識あるヘンタイ倶楽部』のお話大変面白かったです。
ただ、親方への電話からの短時間で神戸に到着なされたのには吃驚しました。スピード違反で官憲に捕まらないようにお気をつけになって下さいね。

それと、プロギアですが修理ができて本当に良かったですね。
二次会で試筆させていただきましたが、とてもコンコルド事故に遭ったとは思えない書き味にただただ感服するばかりです。
関西の親方の素晴らしい技術とその心意気に心酔しそうですね。

先日のペンクリではいつも同様にさまざまなものが持ち込まれていたのですが師匠、親方お二人とも嫌な顔一つもせずにひたすらペンに向かいなんとか最善の処置を施していくのは見学する者を感動させるんです。今回は親方を主に見学させて頂きましたが親方独特の繊細さには驚きました。「しばくぞ~!」っと言っている親方には想像も出来ない繊細さは親方の真の姿なんでしょうね。

 wavio さん

 いきなりお近くに座らせていただくことができ、楽しく過ごさせていただきました。

 宴会の時間は速く過ぎるように感じるんですよ。道路が空いていましたので早く着きました。本来ならあと10分ほど早く顔を出せたはずなんですが、駐車場どこにあるかなぁ、と三宮と元町の間を2周回ってたので遅くなってしまいました。

 しげお さん

 親方の調整されている姿、実に繊細ですね。歩いている姿との対比がすばらしいです。どちらが本来かというと、それは調整されているときの方でしょうね。

この度は、何次会かすでにわかりませんが・・・大変お世話になりました。 

財布が軽くなり荷物が重くなるというなんとも相関関係が不明なことが起きた以外は、大変楽しい関西ツアーでございました。

お別れした時点でワシの時計が止まっており、空港で大慌てとなったのも今ではいい思い出だ。ってな感じでしょうか。

無事帰り着くことができましたが、本日は吹雪です orz orz orzと三回ほど。

お疲れのところにもかかわらず、歓待の数々、本当にありがとうございました。

追伸:北海道には、馬乗りのアトラクションもございますので是非機会をみつけてお越しください。

  regulus821  さん

 馬乗りと聞くと身を乗り出す方もありますのでアレですが・・・。

 あのコースで、あと残っているお店といえば京都の文明商社とか、大阪北浜のモリタ、それぐらいでしょうか。

私もペン曲がりの修正を親方にお願いした口ですので、西には足を向けられません。
しかしこの微妙な戻し具合、さすがだと思います。
程よいところに落とし込む、こういった点が腕の見せ所なんでしょうね。

月光仮面ばりの電光石火の出没、お疲れ様でした。病み上がりの親方の奮闘には頭が下がりますが、このペン先の見事な復活、おめでとう御座いました。まさに親方はすごい!自分の事を考えていては人は束ねられないと言いますが親方はまさに親方の見本ですね。

 su_91 さん

 実に見事です。金といえども塑性限界超えたらポッキリですから、直したるわ、と引き受けるというのはそこも含めて、ということです。まさに足を向けて寝られませんね。

 夢待ち人 さん

 さる高名なペンドクターが工場で脂の乗り切った時期の話。おうちの方にもたくさんお金がかかるのに、夜ごと若い人たちを連れて飲み歩かれていて、奥様にお小言をもらったそうですが、今は我慢してくれと返されたそうです。ええ話ですね。

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 空を飛んだ萬年筆:

« 鳥羽から神戸へ | トップページ | 無用の用 »

2024年2月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29    

最近のトラックバック