目に優しい
結局このクッションがお気に入りになった様子の「ちち(仮名)」さん。犬の祖先は穴蔵で暮らしていた、ということを納得させてくれる寝姿です。いつもの彼女なら、この類のものは噛みまくり投げまくりですぐにぼろぼろにしてしまうのですが、ひよっこだった昨年と違って今年はヒーターがありませんので、寒さが身にしみるということもあるのでしょう。
今日、生徒が何気なく「何で黒板っていうのに緑色なん?」と聞いてきたので、「緑色の方が目に優しいことになってるからとちゃうか」と答えて、ふと「マイコン」時代を思い出しました。あの頃、コンピュータの画面は真っ黒で、そこに白か緑の文字が映し出されていました。それが後に、反射光の緑は目に優しいけれど、それ自体発光している緑はむしろ目に良くないのだ、などといわれるようになって、アレは一体何だったのだろう・・・・・と。
学生時代、お金が貯まったら是非買いたい、と思っていたのがシャープのポケットコンピュータでした。最初に目をつけたのがPC-1251で、いろいろ調べているうちにやっぱりPC-1500がいいなぁ、なんてことになってしまっておりました。
で、そうなると暇さえあれば売っているところへ行って現物に見入るわけですが、そのうち、近くに展示されているMZ-700に目がいったわけです。あぁ、マイコンもええなぁ、とか考えているとさらにエスカレートして、結局、その隣に展示されていたMZ-2000を買ってしまったのが大学3年の頃だったと思います。
このクリーンコンピュータというのにやられたんですね。CPUはザイログのZ80で、クロックは4MHz。Z80は8080より偉いんだ、とか、64KBのメモリがすべてRAMだとか、そういうスペック至上主義で行くとこのMZ-2000だったのです。PC-8001でも良かったし、ヘンタイ路線で行くならFM-8とかベーシックマスターレベル3など6809積んだやつもあったわけですが、見た目のすっきり感、自動でパカッと蓋の開くCMT(カセット)などに魅力を感じたのでした。
そう、当時主流だったメディアはカセットテープ。PC-8001使ってる人なんかは、テープにたくさん入ったデータの頭出しを「勘」でやっておりましたが、MZ-2000はそんなことをする必要が無かったのです。ただ、これがよく壊れて、晩年は筐体のカバーを外して使っておりました。データの読み書きをするタイミングで、カセットテープの駆動部を手で後押ししてやるためですが、何度か手元が狂ってディスプレイの高圧部分に触ってしまい、数分間気絶したことも懐かしい思い出です。
緑色で話が迷走してしまいましたので、締めは萬年筆で。中屋のセルロイドです。緑色のセルロイド軸が品薄になった時期があって、註文しても半年かかるとかいわれたので、強引に店頭在庫をかっさらってきたものです。
ペンクリを兼ねたイヴェントならともかく、通常、店頭に置かれている中屋は展示品であり、見た目や手に持った感じを確かめるためのもの。基本はカルテを書いてオーダーするべきです。案の定、このペンも引っかかるところがありますので、使用頻度はあまり高くありません。ここはひとつ、「関西の親方調整・一週間バージョン」をお願いしようかと思っております。
ペン先調整は調整してくださる方の個性がモロに出ますが、私の場合、細字なら親方一択です。ペンクリバージョンでも、一皮むいて日常の使用に問題ないレヴェルにしてくださいますが、ここから先がおもしろいのです。調整後に親方が首をひねっていたらチャンス到来。一週間バージョンに持ち込むと、熟成された古酒のごとき書き味になって戻ってきます。詳細は書けませんが、近々、この一週間バージョンを超えるかもしれない期間限定の新バージョンが登場するとかしないとかいう噂も関西ではささやかれておりますが、果たして真相は・・・・・。
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初めまして。いつもブログを楽しく拝見しています。
PC-1500が懐かしくてコメントしてしまいました。
プログラムコードの1行だけしかディスプレイに映らないため、コードエラーがあるとエラー箇所を探すのに苦労した覚えがあります。
投稿: Enoki | 2010年1月13日 (水) 02時30分
「ペン先調整は調整してくださる方の個性がモロに出ますが」←まさしく最初の頃、それが一番興味深く、いろんな方々の調整を拝見しときめいたものです。その中でも親方の細字は絶品ですね、太字が多い中、私にとって細字は萬年筆のプレステージ、繊細な芸術と感じています。
投稿: 夢待ち人 | 2010年1月13日 (水) 07時06分
えらい懐かしいコンピュータ(!)がでていますね。
ポケコンというのも懐かしい響きです。
中屋の緑のセル軸とはまた渋いですな。
親方の新バージョン、楽しみ!
投稿: 二右衛門半 | 2010年1月13日 (水) 07時56分
Enoki さん
そうですよねぇ。あのディスプレイの狭さもポケコンよりマイコン、と思った理由のひとつでした。当時は禁断のマシン語(魔神語)に興味津々で、ちょろっとPoke使っては暴走させたりしてましたが・・・・・。
PC-1500の、プリンタと一体になるあの姿が気になって仕方がなかったのですが、お金に余裕ができた頃には消えてなくなってたのが残念です。
投稿: つきみそう | 2010年1月13日 (水) 08時13分
夢待ち人 さん
その個性が、調整してくださる方の外見とマッチしないことが多くて
これまた興味深いのです。豪放磊落な感じの親方にしてあの繊細な仕上がりというのは、一番落差があっておもしろいですね。
投稿: つきみそう | 2010年1月13日 (水) 08時15分
二右衛門半 さん
この緑セルロイド軸が親方の手にかかると・・・・・というのを楽しみにしているのですが、他にもうじゃうじゃ変なのを発掘してお願いしてしまいそうです。
投稿: つきみそう | 2010年1月13日 (水) 08時16分
NECだったか、オレンジのディスプレイもありましたね。
友人のMZ-731や、その後のX-1Dなんかが、うらやましくてしょうがなかったです。
投稿: su_91 | 2010年1月13日 (水) 17時04分
su_91 さん
X-1系列はかなり後まで残りましたね。X-1で「信長の野望」がやりたかったのですが、結局MZのあとは書院、Rupoとワープロ専用機が続いて、そのうち98、そしてEPSONの98互換機と流れて、気がついたら自作してました。
投稿: つきみそう | 2010年1月13日 (水) 17時22分
ポケコンに釣られてしまいました。
カシオのFX-702P、シャープのPC-1500辺りを使っていました。現在も土木工事の現場では、ポケコンがけっこう重宝するんですよね。
MZシリーズのクリーンコンピューターも懐かしいです。フロッピーが無かった当時、データのランダムアクセスという概念が無く、最初から数えて何番目??なんてやっていましたっけ。電源を入れてから、BASICを読み込ませていましたから、お茶を入れることが出来たくらいにのんびりした時代でした、、、
投稿: きくぞう | 2010年1月14日 (木) 16時49分
きくぞう さん
ポケコン使う人にもカシオ派、シャープ派がありましたが、両方を使い分けている人もいましたね。
MZ-2000用にもたしかミニフロッピー、すなわち5インチのFDDが発売されていたと思います。お値段20万円だったかな。本体の実売価格より高いくらいでした。
麻雀のゲームを一晩中やっていたら、明け方あたりにはだんだんと遅くなり、ついには熱暴走、なんてこともありましたね。
投稿: つきみそう | 2010年1月14日 (木) 21時41分