くすんだ1日
飼い主がそばに来たので遊んでもらおうと身構える「ちち(仮名)」さん。このお座りの姿勢は、こうすると良いことが起こる率が高い、というので覚えたものです。撮影の直前、カメラの前玉に鼻先を押しつけたせいで、フィルターをつけたかのようにふんわりぼんやりと写っております。
今日は本当に何もない日でした。朝起きて、洗面して、着替えて出勤。特に忙しいこともなく、机の周りを整理整頓したり、メールサーバーにたまっているいかがわしいメールを消し去ったり。未開封のままの封書を開ける時は、トレドで造られた?というペーパーナイフ。そう、これも立派なトレドです。
5月の大流行時には完璧なまでの沈黙を守った我が県ですが、ここに来てあちらこちらで新型インフルエンザに感染・発症する人が出てきております。片付けが一段落したところで、新学期早々に集団発生が確認されて学校閉鎖、なんてことになった場合にどうするのか、というシミュレーションをしましたが、しんどいだけで、これは名案、というものは出てきませんでした。 お昼からは会議があるので市庁へ出張。なぜ市役所と言わず市庁なのか、そう決めたご本人も亡くなっていますし、市役所と呼ぶ市民の方が圧倒的に多いのも事実です。
会議はなかなかホットな話題も出て有意義なものでした。情報交換をして自分の仕事に役立てよう、という目的意識があれば、会議で寝てしまうこともないのですね。
会議のあと職場に戻って残った仕事を片付け、さぁ帰ろうと思ったら電話のベル。「本日の営業は...」と応答する機能がないので、受話器をとるかとらないかを決断しなくてはなりません。たいていの場合は、とらない方が幸せです。
夜10時すぎて電話かけるもんやない、というのが私らの世代の感覚ですが、日付が変わる頃に学校に電話してきて「○○先生出して。えっ、なんでおらへんのっ!」」とかいう電話も普通にかかってきます。24時間サービスが増えましたから仕方ないのかも。だいたい、そんな時間までグズグズ仕事してる方が悪いのです。
そんなことやってるから家には寝に帰るだけ。部屋は散らかり放題でホコリが積もり、万年筆のインクは干上がってしまうのです。
ペンケースを開いて「えぇっ!」と声を上げる妻。金と銀のコントラストが美しかったプラチナのリビエール銀軸が、見事にくすんでブリキのバケツみたいな色になっておりました。
それを見て、ならば・・・と期待しつつ見てみると、イタリア、ラレックス社のアニマリシリーズ。動物が彫られた銀製のキャップが見事にくすんでおりました。しかしながらこれは、pelikan_1931師匠が言われるところの「だらしなさの象徴」ともいうべきくすみ方。青っぽく綺麗に硫化しているのとは雲泥の差ですが、尻軸のようにピカピカ光っているよりは「風格」みたいなものが感じられます。
以前ご紹介した時には「かわいい」と評した蛇と龍ですが、キャップがくすんだことで、ちょっと渋く、怖くなっているように見えます。なんにもない1日。一番の収穫はこのくすみを見つけたことでしょうか・・・。
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コメント
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お礼が遅くなってすいませんでした。万年筆爺に戻りました・・その節はありがとう御座いました 感謝
投稿: 夢待ち人 | 2009年8月20日 (木) 08時59分
"トレドで造られた?というペーパーナイフ" 一瞬、万年筆のトレドを叩き直して作ったのかと思ってしまいました・・・
投稿: su_91 | 2009年8月20日 (木) 09時03分
夢待ち人 さん
無事お帰りになったのですね。お疲れ様です。
日本にいらっしゃらない間も、夢待ち人さんのトレドは何本まで増えるのだろうかなどと無責任に盛り上がっておりました。
投稿: つきみそう | 2009年8月20日 (木) 09時29分
su_91 さん
トレドは刀剣の街として知られているので、こうした刀剣を模した土産物が多いようです。
トレドは大切に後世に伝えないといけませんね。
投稿: つきみそう | 2009年8月20日 (木) 09時30分
トレド製のペーパーナイフ、確かにたまに見かけます。
刃物の町なんですね。
日本だと京都が刃物の町であるのは砥石の産地が近くにあるからだと聞きますが、トレドはどうして産地になったのか気になるところですね。
投稿: 二右衛門半 | 2009年8月20日 (木) 15時49分
二右衛門半 さん
まずは大王国の都であったこと。三方を川に囲まれた地形ゆえ、刀剣などが良く作られるようになったとも聞きます。
投稿: つきみそう | 2009年8月20日 (木) 16時46分