お台場ガンダム・その2
お昼過ぎに東京駅に着いた私たち親子は、銀座を目指しててくてくと歩きました。2時間半も新幹線に揺られた息子は自分で歩くのが嬉しくて文句も言いません。息子には可哀想なことをしたかな、と懺悔の気持ちで銀座教会に入りますと、どうぞと聖書をいただきました。対訳版なので、こういっては失礼ながら楽しめそうであります。最上階まで上るも欲望に負けることなく無事降りてくることが出来たのは、この聖書のおかげなのかもしれません。
LAMYフェア開催中の松屋をかすめ、伊東屋を通り抜けて見た光景。奥野ビルも風前の灯火なのか、と思いますが、どうやらオーナーさんにその気がないとのことで、当分はこのままここに建っている見込みだそうです。
小学3年生の次男はビルの正面に廻るや「おっ、あやしいエレベーターのビル!」と盛り上がっております。そう、あくまで文化的遺産としてのこのビル、そしてエレベーターを息子に見せておきたい、そういう意図でここに来たのです。他意はありません。
カゴに乗り込んで、とりあえず縁起物ですので4の釦を押します。外観に比べて意外と近代的な内装です。いわゆるまき直し、ってやつでしょうが、それでも古色蒼然たる手動扉を残しているあたり、このビルのオーナー(誰か知りませんが)大好きです。
4階についたので仕方なく降りて徘徊するうち、おしゃれなドアノブを見つけたのでつい握ってしまったところ、スッとドアが開きました。ためらいつつも、「こんにちわぁ」と中に入ると「あぁ、久しぶり」。何となく、初めてではないような気分。
中には、人当たりの良さそうな、溶接のお面を透明ガラスに換えたようなものを被ったおじさんが座っていました。小さなその部屋の壁面は萬年筆の入ったガラスケースで覆われています。どこかでお会いしたことのある、そんな気がする先客と自然に会話しつつ、ガラスケースの中を丹念に見ていきます。
「キャンディ、知ってます?」ふと我に返ると、息子の手に黒いセーラーキャンディのデッドストックが握られておりました。悪魔は最初に飴を与えるものなのでしょうか。この歳からこの店で萬年筆手に入れてどーする、と思いつつ、Fさん、どうもありがとうございました。
修理をお願いしていた萬年筆も無事受け取り、C.O.U.さんで噂の什器を拝見してから、有楽町線で豊洲へ。ゆりかもめに乗って降りたところが船の科学館だった、というわけです。こんなことしている間、自宅近辺は警報が出るほどの大雨で、ごく短い時間ではありますが最近珍しい停電まであったとか。朝の天気予報で「東京は曇り」というのを見て「そうだ、ガンダム見に行こう」と決めるバカ親父、今日に限っては見事「当て」ました(何を?)。
« お台場ガンダム・その1 | トップページ | お台場ガンダム・LAMY編 »
小学校三年生で、既に「悪魔の館」で万年筆を手に入れるとは。正統派コレクターへの道をまっしぐらですね。
そのうち、親子での万年筆の蘊蓄話。「くまめくり」に対抗して、息子さんの「ちちめくり」が登場する日も近いと確信しております。
投稿: Bromfield | 2009年8月 4日 (火) 02時04分
Bromfield さん
「ちち(仮名)」は気性が荒いので、息子は怖がって近づきません。3頭目の犬だけは勘弁して欲しいところですが・・・。
投稿: つきみそう | 2009年8月 4日 (火) 02時23分
悪魔とは、優しい顔で人に近づき、甘い言葉で巧みに誘惑するものらしいです。
イブに近づいた蛇、ファウスト博士に近づいたメフィストフェレスのごとく・・・
ってFさん、面識も無いのにだしにしてごめんなさい。
投稿: su_91 | 2009年8月 4日 (火) 08時37分
su_91 さん
Fさんはとっても人当たりが良くて優しい方です。「・・・ありますか?」「あるよ」ってのが一番怖いのですけれど。
投稿: つきみそう | 2009年8月 4日 (火) 09時33分