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2009年8月

2009年8月31日 (月)

明日から学校

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 きょとんとした顔でこちらを見る「ちち(仮名)」さん。夕食後にケージから出してもらい、ひとしきり走り回った後は、けっこうおとなしくしているのですが、こうして目が合うと「遊んでぇ~っ」と騒ぎますので、写真を撮ったらササッと逃げなければいけません。

 これといってまとまったこともできないまま、夏休みが終わります。普段できないことにじっくり取り組んでみようね、と生徒たちに呼びかけたのが7月17日。あれから実に40日以上、私が積み上げてきたのは内蔵脂肪だけでした。
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 エアコンの効いた部屋にデンと座って3食きちんと摂るという毎日。仕事をするにしても自分のペースでゆったりとできるので、鏡を見ると顔が丸くなったように思います。明日からは子どもを追いかけ回し、階段の上り下りに長い長い廊下を通っての移動など、イヤでも歩き回らなければならなくなります。

 加えて基本的に食事は夕食のみになりますが、どうもこれを基準にカラダが動いているようで、3食きちんと(少なめに)食べているときより、半分寝ながら夕食を流し込んでドテッと寝る、という生活をしているときの方が検査の数値がよいという、何とも変な糖尿病患者の私です。食事の規則性よりも体を動かすことの方が効くということかもしれません。
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 シェーファーのその名もスクール萬年筆。指を置く部分が明確になっているなど、文法通りの仕上がりです。カートリッヂ内のインク残量がわかる長めのインク窓も親切な設計です。

 細い軸という先入観があったのですが、握りやすい太さににしてあるため以外とメタボです。GANZOの4本挿しペンケースに入れるとぎちぎちです。先の写真でも、緑と黄色のクリップが収まるべきところに収まっておりません。無理に入れてはいけないサイズのようです。
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 このペンにはここに出ている赤、青、緑、黄のほかにも黒やグレーなどもあったようです。それぞれ軸色に合わせたインクを入れて4色ボールペン代わりに使おうかとも思ったのですが、よく考えると4色ボールペン自体、ほとんど使うことがないことに気づきました。さらには、このペンケースに収まるような萬年筆自体、実はあまりないのです。
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 とりあえず細身のペンを入れてみたところ。左からPILOTのウルトラスーパー500とその復刻版ウルトラ。右の2本は古いシェーファーです。この状態ですと余裕があるのですが、ペリカンM400あたりのペンでも4本となるときちきちになりそうです。よく使う万年筆とシャープペンシル、ボールペンなどの組み合わせを考えて収め、スーツの内ポケットに入れて持ち歩く、という使い方が想定されているケースなのでしょう。

 ほぼ4ヶ月間と、一番の長さを誇る2学期。さまざまな行事も目白押しで、どたばたと走り回らなければならない分、痩せる期待も大なのですが、一方で食欲の秋ともいわれる季節でもあります。このケースに収まるペンのようになりたいと願いつつ、明日から学校です。寝坊しなければよいのですが。。。。。
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2009年8月30日 (日)

富士山

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 実に子ども子どもした表情の「くま(仮名)」さん。このとき、生後9ヶ月です。今はおとなしくて可愛いといわれている彼女も、この頃は見るもの全て噛みまくり、あたり構わず粗相をして・・・と、今の「ちち(仮名)」さんとまったく同じ状態でした。「ちち(仮名)」さんがケージに隣接するチェストの側面をかじって穴を開けましたので、中のものを引っ張り出されないようにと急遽合板を買ってきてあてがいましたが、「くま(仮名)」さんが囓りまくった遺跡もあちこちに残されている我が家です。
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 明治29(1895)年8月30日、気象庁富士山測候所の前身である私設の野中測候所が開設されました。萬年筆好きな人なら思い浮かぶのが4810と3776という数字。それぞれモンブランと富士山の標高を表すものです。夏の間はたくさんの人が富士山に登りますが、「頂上に着いたぞっ!」と喜びつつあたりを見渡すと、さらに高い場所、富士山の最高地点、剣が峰が見えます。目指す3776メートル地点がそこなのです。

 剣が峰へは、馬の背という大変急な坂道を強風に煽られながら登ります。3歩運んでも1歩しか進まないように感じるほど、ずりずり滑りながら登るのですが、先ほど「頂上!」と喜んだところでいったん力が抜けていますので、なかなかにしんどい道のりです。また、吉田口から登った場合は、お鉢巡りをして馬の背にたどり着くだけでも疲れてしまいます。
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 平成16年に有人観測が終了するまで、富士山測候所には1年中人が居て、冬でも富士山に登ることがあったようです。雪に覆われた斜面でも、写真の鉄柵が少しだけ顔を出していて、突風に襲われたときなどにつかまって難を逃れる、ということもしょっちゅうだったといわれております。

 強力から気象庁職員となった長田輝雄さんが突風に煽られてなくなったこともあって設置されたので、この鉄柵は長田尾根と呼ばれていました。写真は平成18年の夏に撮影したもので、昨年、長田尾根鉄柵撤去という話を聞きましたので、もう撤去されてしまっているのかもしれません。ここ3年、富士山に登っていないので確かめる術もありません。
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 普通の人は夏しか登れない富士山。しかしけっこう天候不順で、雨や風、雷などで断念せざるを得ないことが多く、首尾よく山頂までたどり着いたとしてもご来光はおろか一切の景色が見えない、などということも多いようです。平成18年と19年、2年連続で8月下旬に登りましたが、2年ともに、富士宮口5合目を雨の中出発して8合目あたりの雲の上は快晴、翌日はバッチリご来光を拝む、という幸運に恵まれました。難点はこの時期、山小屋の営業終了が近いので途中の水分補給などに難があることです。

 平成18年、下山中に御殿場口登山道の8合目付近、赤岩八合館という山小屋の上あたりで出会ったブルドーザー。荷物を積むパケットが空っぽですが、これは山頂のお店などから物資を下ろすために登っていくところだからでしょう。これに乗せてもらうと楽に山頂に行けそうですが、どんどん高度を上げるので高山病になりやすいそうです。
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 この前年、富士宮口9合目の萬年雪山荘にお世話になったのですが、どう考えても4人しか寝られないところに7人も詰め込まれました。長男は寝られないと出て行き、食堂のテーブルに突っ伏して仮眠。それが祟って高山病がひどくなった彼を山小屋に残しての登頂でしたが、このときのご来光は本当にすばらしいものでした。

 剣が峰が富士山の最高地点で、その標高が3776メートル。でも私は、富士山でそれより高いところに立ったことがあるのです。これは剣が峰まで登った人なら誰でも知っていることですが、ここが日本一高い場所でっせ、という石碑のすぐそばに、測候所の建物の一部でもある、展望台のような場所があります。

 その場所の高さは3778メートルから3780メートルぐらい。眼下に広がる雲の上に、富士山と自分の影がいっしょにうつるのを見るのは何とも不思議な気分です。
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 季節は秋に向かいますが、月にひとつぐらいは山登りをして体を慣らし、来年あたり再び富士山に登ってみたいと考えています。3000メートル級の山でありながら、途中の山小屋でたいていのものは手に入るので、装備が軽くて済み、そういう意味では楽に登れる山です。けれども8月でも山頂には氷が張っているような山ですので油断や慢心は禁物。そして何より、下るのが無茶苦茶しんどいので体力も必要です。

 山登りが趣味、という人には相手にされない富士登山。ペン先の3776を眺めるだけでなく、本当に海から3776メートル高いところに立ってみるのも面白いと思いませんか。今日は富士山測候所記念日です。
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2009年8月29日 (土)

かけあし聖地巡礼・山陰編

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 この時期、月に1、2度しか会わないような人、たとえば散髪屋の大将なんかに必ず聞かれるのが「夏休み、どっか行った?」です。夏休みはけっこう忙しいのだといかに力説しようとも、今は学校が夏休み→この人は学校の先生→いっぱい休めるんや、ええなぁ っていう固定観念というか、世間一般の常識は容易に覆りません。

 公立学校に勤める先生は夏休みの期間も給料をもらっていますから出勤するのが当然です。民間企業に勤めていても与えられる可能性のある、いわゆる夏休みは5日間で、これを消化しないとさまざまな圧力がかかります。ならば、と休みをとると、今度は世間の皆様からお叱りを受けます。仕方がないので書類上だけ休んだことにして実際には出勤する、ということが多くなります。
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 しかしながら土曜と日曜については、休んでいてもお叱りを受けることは少ないので、チャンス、とばかり前々から気になっていた場所を駆け足で訪ねてまいりました。

 まずは鳥取駅前の万年筆博士さん。田中晴美さんが工房で轆轤を挽かれているところを拝見することができましたし、渋い先代とイケメンを地でいくような三代目、お二人ともにお会いすることができました。

 天の邪鬼な私は、みんなが絶賛する万年筆博士のペンを敢えて避けてきたのですが、お店にお邪魔してサンプルを握ってしまったのが運の尽き。早くて二年待ちというペンを発注してしまうのではないか・・・と怯えつつも、軸の素材、形状、大きさなどまったく決めることができない優柔不断な性格が救いとなって思いとどまることができました。今は眼福をもってよしといたします。
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 因幡麒麟獅子とお別れして国道9号線を西へ。普通ならここで出雲大社にお参りするのでしょうが、時間が限られておりますので今回は遠慮させていただきました。

 数年前に山陰地方を旅した時からすればかなり道路整備が進んでおりましたが、基本的に追い越し不可能な道が延々と続きますので我慢我慢。それでも比較的スムーズに走って松江に至ります。
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 松江といえば万年筆の中屋さん。じっくり店内を拝見すると、発売されて間もないペリカンの青スケルトンが5、6本。もうすぐ消えるかも?などと噂されている競走しそうなボトルインクも5、6本。さらには初めて見るアウロラのルナ。京阪神でもこれほど品揃えが充実しているお店は少ないと思います。

 また、店主ご夫妻にはお忙しい中、いろいろと興味深いお話を聞かせいただくことができました。何もかもネッ上に流れる、というのも風情がありませんので内容はおきますが、昔はよかった、というお話だけではなく、今、お客さんがどういったペンを求められているのか、といったことを的確に把握され、要望に応えられているところに、このお店のすごさを感じました。
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 おそばも食べて、名実ともにお腹いっぱい、さぁ帰ろうかと思ったところで、松江にはもう1軒、以前から訪ねてみたいと思っていたお店があることを思い出しました。土曜、日曜はお休みということで最初からあきらめていたのですが、念のため、と電話してみると今日は営業されているとのこと。さっそくお邪魔して、かの有名なコレクションなどをじっくり拝見させていただきました。

 原文(はらぶん)パピロ21さん。こちらのお店にも萬年筆をはじめ魅力的なものがたくさんあったのですが、時間とお金がいくらあっても足りませんので後ろ髪を引かれつつ退散。いつの日かまた、じっくりと時間をかけてお邪魔したいお店です。
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 それにしても、実に12時間近く車を走らせていたことになります。無駄な道路整備があちこちで問題になっておりますが、必要なところはしっかり整備していただきたい、と感じた1日でした。

2009年8月28日 (金)

Golden Slumbers

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Golden slumbers fill your eyes
Smile awake you when you rise
Sleep,pretty darling,do not cry
And I will sing a lullaby

 昨日の午後は、先日壊れた(壊した?)レンジフードの取り換え工事。作業中の職人さんに遊ぼうよと呼びかける「ちち(仮名)」さんとは対照的に、まさしく黄金の午睡を満喫している「くま(仮名)」さん。幼い頃は誰彼かまわず遊んで遊んでとせがんでいたのですが、成長して落ち着きが出てきたようです。この写真を撮るために鼻先でズームレンズがジィジィいっているのですが、まったく知らん顔です。

 夏休み最後の金曜日。来週から飼い主たちは忙しくなりますが、彼女たちはもっとゆっくりお昼寝ができます。なんともうらやましい限りです。
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 シェーファー・イントリーグ。発売を記念して350本(日本国内25本!)限定で出されたもので、このゴールドプレートの他、パラジウムコーティングの軸もあったようです。そのあたりのことは、「ペン先に写る毎日」で紹介されております。5月23日と26日、6月4日と29日、そして8月11日のエントリーを食い入るように見ておりました。管理人koukiさんの粘り強い調査のおかげで、このペンが何であるかを知ることができたのです。

 外観上、この斜めに切られたキャップの「口」が大きな特徴ですが、そのほかにも突っ込みどころ満載の「変な」ペンです。
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 ホワイトドットのない裏側はブレずに撮れました。金ぴかのものを照明の下で撮るのは実に難しいものです。クリップのある表側は、パーティングラインのところに段差がないのですが、裏側の窓のようになった部分は一段低くなっていて、この中にシリアル番号が刻印されています。

 尻軸の部分、一番右端の小さな部分が吸入ノブで、引き出すと内蔵のコンヴァータと噛み合うようになっています。もう少しペン先よりの部分を回すと、内部のカートリッヂ室を引き出すことができます。
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 この小さな部分、竜頭のように引き出さなければ、いくら回してもインクを吸入することはできません。考えてみれば、そのまま回して吸入できるのであれば怖くてポケットに入れて持ち歩けませんね。
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 カートリッッヂ室を引き出すとこんな感じです。コンヴァータやカートリッヂを出し入れするのには少々の慣れが必要です。あとほんの少しだけ引き出すことができれば・・・と思いますが、仕方のない部分なのでしょう。まだカートリッヂを入れてみたことはありませんが、ふだんはコンヴァータで使い、旅行に出る時などは同じ色のカートリッヂを持って・・・などと思うのですが、旅先でそんなに字を書く人ではない私には意味がありません。

 自宅でインク吸引、職場で使っているうちにうっかりインクが切れた・・・そうだ、カートリッヂを入れよう、みたいなことはありそうですが、そんなときに限って見つからないのがカートリッヂというものでもあります。
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 大好きなインレイドニブ。この限定モデル、字幅はすべてMだったとのこと。一見、インクフローに問題なさそう、とみえて、少しでもひねるとインクが出ませんので、調整してもらう必要がありそうです。例によって「はぁ? しなりぃ? なんじゃいそれはっ!」とでも言いたげなカチンコチンに硬いニブですが、紙へのあたりは非常にまろやか。これぞシェーファー、です。
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 「萬年筆評価の部屋」ではそのスタイルが酷評されていたイントリーグですが、筆記時の姿はまずまずではないかと思います。もっとも、ふだんの身なりを見ていただければわかるとおり、私には審美眼とかお洒落とかいう概念、感覚がまったくありませんから、醜いものでもわからない、ということかもしれません。お気に入りの萬年筆、シェーファーばかりになっていくのが困ったものです。
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2009年8月27日 (木)

可搬箱型収納什器・漆

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 家族がみんな寝てしまったので仕方なく眠る「ちち(仮名)」さん。犬というのは自分や仲間の匂いはどんなものでも平気だそうですが、それにしても自分のおしっこが染みこんだトレイに鼻先を向けて寝るというのは???です。

 いったんこの状態になると眠たいのが優先されるようで、人がそばを通ったぐらいでは反応しなくなります。そう思って油断していると、眠りの浅い時に通りかかってキャンキャン鳴かれて往生する、ということもあるので注意は必要ですが・・・・・。
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 新型インフルエンザ発生のあおりで、すでに新学期が始まっているところも多いようですが、私のところはいつも通りに9月の頭から新学期。実質的に夏休み最後となる今週は「宿題チェックウィーク」だそうです。今日も「やり終えた宿題をなくした」という悲劇のヒロインが学校に来ていました。

 夏休み中は、対外試合や研修会などでかなりの職員が学校を留守にしています。残っている教員で課題プリントのあまりを探したりして、ひっそりしていた職員室が久々に賑やかになりましたが、同時に夏休みの終わりを意識して悲しくなりました。毎日出勤してはいても、夏休みが終わるのは悲しいものなのです。
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 で、私の夏休みの宿題といえばこれです。岡山で夢待ち人さんに、「あれどうなってるの?」と聞かれて、それこそ宿題やり残して夏休みも残りわずかとなった子どもが母親に責められているかのごとき心境になりかけました。木工室は暑いのでつい足が遠のきます。それも作業が遅れている大きな原因の一つでした。

 秋風が吹くようになって、作業そのものは汗水垂らすことなくできるようになりましたが、肝心の工作技術が確立できておりません。ルータで木を彫るというのはそれ自体簡単な作業ですが、一つの失敗もなく20本ほど彫る、というのはなかなかです。
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 トレイになる桐の集成材、精度を出すために丸鋸盤できっちり切断したところ、それでは箱の中にはまり込んで出てこないことが判明。やむなく数ミリ小さなサイズにしました。これを持ち歩くと少しカタカタ鳴るかも知れませんが、下の方になるトレイを持ち上げるために紐をつける予定ですので、それを少々立派なきしめんタイプのものにすれば解決できるものと思われます。

 当初はトレイ3段重ねの計画でしたが、実際はめ込んでみると大きく隙間が空くことがわかりました。結局、4枚重ねできっちり蓋が閉まり、なおかつ中でガタつかない、という厚みになるよう、自動カンナ盤で削りました。
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 3段目までは箱の「壁」に支えられるので問題ないのですが、その上に乗るだけの4段目は滑り落ちる危険があります。3段目にダボか何かをたてて、4段目の底に開けた穴にはまり込むようにする計画です。

 そうなると、トレイの縁はある程度の幅がないといけません。試作品(7月6日)ではトレイ1枚に18本のペンが収まる計画でしたが、少々減らすことになりそうです。あと、アタッシェケースのように持ち歩くとき、ペンが水平なのと垂直なのとではどちらがbetterなのか、何かヒントがありましたらご教示いただければと思います。
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 スペース効率からいうと、持ち歩く時にペンが垂直になるようなレイアウトが望ましいのです。デスクペンほどの長さのあるペンを収めることはまずありませんから、そんなに長いスロットを掘っても無駄になります。トレイ自体を小さくして、4段ぶち抜きのインク瓶が入るスペースをもうける、という案もあるのですが、インクを入れると今以上に重くなりそうです。

 ちなみに、箱とトレイ4枚で重さ3キロ。トレイをえぐってそこにペンが入るので差し引きゼロ、もしくは若干軽くなるか、というところです。あとはトレイを完成させて塗装し、次に箱の部分を鞄の形に組んで塗装すればできあがり。たった1行で書ける作業ですが、なかなかどうして重たいものです。
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2009年8月26日 (水)

マイクロペン

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 ケージから出してもらえたのがよほど嬉しいのか、「ちち(仮名)」さん、お顔が輝いております。けれども、膝頭だけ見えている飼い主のもとへ走ってくる間に、ランドセルや連絡帳など、次男が新学期に向けて準備していたものを蹴散らしてしまいました。準備していた次男は悲鳴を上げながら逃げ去って無事?でした。

 先日のとっても強固なパッケージがついに破られ、そのまま放置すると針の入った箱を噛んで危ない、というので、引き離すために急遽おやつを握ってケージの前に座った飼い主。そこへ走り寄ってきたわけですから、(期待で)余計に嬉しそうな顔をしているのです。
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 お盆休みの片付けで「発掘」されたムック。Palm Magazineお別れ号です。これが発刊されたのが3年前。その頃にはすでにPalmは終わっていた、ということですね。SONYのCLIEがディスコンになったのもその頃だったでしょうか。もともとメジャーなものではなかったものの、それなりに盛り上がっていたPalm、今も常用している私は蒸気機関車の動態保存になぞらえられるほどです。

 表紙の写真に変なものが写っている、とよく見ると、これはOmasのキャップ。今日もしっかりインク並みの青い水が出たので、キャップは今夜も寂しい夜を過ごすことになりました。そのキャップの左、TungstenCの下に写っているのが、CROSSのマイクロペンです。
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 7月8日の記事にいただいたコメントに出てきたのは、おそらくこれではないかと思われます。ツイスト式の小型ボールペンで、お尻の先端がスタイラスになっているものです。小さいながらも、胴軸の質感などはなかなかのものです。

 下は現在メインで使用している3in1スタイラス。純正品ではありませんが大変に便利なもので、透明なカヴァーの中にはリセットピンが、そしてお尻のキャップの中にはボールペンがそれぞれ収まっております。

 このCROSSのマイクロペンは、Palm505あたりに適合するものとして売られていたように思います。その記憶が正しければ、Palmの純正日本語版が絶滅する頃の製品ということになります。その後、日本語版のPalmはSONYのCLIEだけとなり、それも無くなった今、当時のものを壊さないように大切に使い続けている、という状況。どことなく萬年筆趣味に通じるものを感じます。
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 最速のPalmとして君臨していたTungstenCにも、このマイクロペンを挿すことができます。ただ、スタイラスになる部分が飛び出して手に触れると痛いのと、微妙にハマりが緩いために少しのショックで抜け落ちてしまうところが残念です。

 ボールペンの部分についていえば、スタイラスのそれが「書けるもの」というレヴェルなのに対して、マイクロペンのそれは「書くためのもの」という感じです。小さいことをのぞけば、書く際にあまりストレスを感じないあたりはさすがです。

 実は私、CROSSの筆記具は種類を問わずこれしか所有していません。たいへんなへそ曲がりで、萬年筆はモンブランでボールペンはクロス、なんて言われると、意地でもそれを避けようとするからです。でも、本来の大きさのCROSSのボールペン、さぞやすばらしいことであろうなぁ、などと、マイクロペンを使うたびに思うのです。
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2009年8月25日 (火)

即席ラーメン記念日

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 まさしく心の友たるピカチュウともども、あられもない姿で眠る「くま(仮名)」さん。室内飼いの犬ゆえの緊張感のなさで、ケージからはみ出したしっぽを触られても知らん顔です(犬が意識していないときにしっぽを触ってはいけません)。

 鷹揚な性格なのかといえばそうでもなく、やおら起きあがって水を飲むとき、給水器から出てくる水量が少ないのに苛立ってパイプを噛みまくっております。飼い主に似てイラチな面もあるようです。
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 今日はチキンラーメンの誕生日。昨年は誕生50周年でしたので、国分太一さんがホームを走りつつ、チキンラーメンこそ即席麺の元祖、みたいなことを叫んでおりました。今年は51周年と半端ですので、オンラインショップで「チキンラーメンセット」なるものが発売された程度のようです・・・・・などと客観的な風を装いながらも買ってしまっております。上の写真に写っているものが、エアパッキンとともに適当な段ボール箱に入って送られてきました。入りそうな箱にチキンラーメン系の商品を一通り入れました、というだけのものです。
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 ラストエンペラー、愛新覚羅溥儀も愛したというチキンラーメン。パッケージでは見事に白身が白くなっておりますが、作り方が悪いのか、こんな風になっているのを見たことがありませんでした。なぜ白くならずに透明なままなのか、と悩んでいる私の前に売り出されたチキンラーメン専用どんぶり。今ではミニはマグカップで、みたいなことになっておりますが、ミニ専用のどんぶりもあります。

 このどんぶりと、昔はなかった卵ポケットの相乗効果によって、「幻」の白い白身に出会うことができる! 卵ポケットにそっと卵をのせて、400ミリリットルの熱湯をこれまたそぉっと白身に回しかけ、蓋をして3分待つ。袋麺をつくるのに火を止める前にスープを入れてしまうこの私が、袋の説明に忠実に従ってつくってみました。
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 いきなりの失敗。麺をどんぶりに据える際、きちんと水平を出していなかったために白身がこぼれております。ここはやはり小振りな卵を使うべきなのかもしれません。

 CMでは一瞬でお湯の沸くティファールの電気ポットでちんちんに沸かしたお湯を慎重に・・・・・ららっ、またも失敗。お湯を注ぐのが速すぎるようです。白糸のごとく、そう、コーヒーをドリップするときのように細く注がなければいけないようです。最初にお湯があたった部分だけが白くなりますが、そのあと白身の上を流れていくお湯には白身を白くする力は残っていないようです。
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 こちらが3分後の様子。やはりまだまだ修練が必要なようです。卵ポケットぉ? そんなもん邪道やんけ・・・と非難していた昔の自分が思い出されます。ポケットがあってもなおうまくできないくせに何という高慢な・・・。深く反省です。

 そんな私が、このチキンラーメンシリーズの中で気にしているのが、カップ入りの焼チキンという商品。カップにお湯を注いで麺をもどしてからお湯を捨てて最後に粉末のソースをからめ、ふりかけをトッピングして食べます。あっさりしていておいしいです。

 こう書くと普通ですが、お湯切りをするとき出てくるのは、どうみてもチキンラーメンのスープそのものなのです。立ちのぼる香ばしい香りに、周囲の人がみな、「ん?チキンラーメン食べてんの?」と注目するほどです。こんなに濃いスープを捨ててあのあっさりした味。何とも貧乏くさいのですが、もったいなく思えて仕方ありません。私にはフライパンでつくる袋入りの方が合っているようです。
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 ところで、昨日の萬年筆たちですが、PILOTエリートとペリカン・サハラはすっきり綺麗になったようです。しかしOmasは本当に難物で、未だに青い水が出続けております。ちょっとペン先を引っ張ってみましたがビクともしませんし、困ったものです。

 ロットリング・クリーナーで一通り洗浄して水で洗い、何度か水の吸入排出を繰り返したところ、ペン先を拭いたティッシュが青くなることはなくなりました。しかし入っているインクが色彩雫ということでもあり、念のためにアルカリイオン水を吸入させて丸1日放置。わくわくしながら尻軸を捻ると・・・・・青い水です。字が書けそうな青い水が出ます。昨夜と同じようにして、もう1日放置してみたいと思います。
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2009年8月24日 (月)

Tough

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 先週末に満1歳となった「ちち(仮名)」さん。やんちゃ盛りで目に入るもの全てを破壊し尽くす上、先住犬たる「くま(仮名)」さんを追いかけ回して噛みついたりマウンティングしたりとやりたい放題。そのため、なかなかケージから出してもらえません。

 それでも、「アンタはダメよ」と贔屓するとすねるでしょうし、ストレスがたまって可哀想です。危なそうなものを全て待避させて・・・というのも無理ですので、ここ数日は逆転の発想で、彼女が大好きなものを配置しておいてからケージの戸を開ける、という作戦をとっています。

 これが今のところは大成功。彼女が満足げな表情でかじっているのはライツのステープラーが入ったパッケージ。エイリアンの頭部を想わせるこのステープラー、それほど使いやすいものではありませんし、針がしょっちゅう詰まるのも困りもの。そして何より、パッケージから出すのが本当に大変なのです。
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 「ちち(仮名)」さんに噛まれるようになって3日目のパッケージ。犬歯が貫通したところもありますが、ブリスターパッケージとしての形をしっかりとどめております。これを買ってきて使おうとすると、カッターナイフか何かでパッケージを切り開く必要があります。欧米の製品にはこういったタフなパッケージに入ったものが多いようですが、これは今までに出会った中で最強です。これまたタフな「ちち(仮名)」さん相手に何日もち堪えてくれるのか、この先が楽しみです。

 お盆休みに萬年筆の杜、いや叢というべきでしょうか、雑然とペンが積み上げられていたのを整理移動しました。そのとき、あぁこれも最近書いてないなぁ、と手に取ったのが昨日登場したサハラとOmas。サハラには「派手なもん同士」ってことで、新品の時からずっとウォーターマンのフロリダブルーを、Omasには、その美しいブルーの軸にあわせて色彩雫シリーズの紫陽花を、それぞれ入れておりました。
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 ふと気になって洗ったのが8月14日の夜。いつまでも出てくる青い水に根負けして、蛸壺に張った水に浸け置くこと1週間。その間、毎日水を取り替えておりましたが、いつまでたっても清く透明な水にはなりませんでした。いずれのインクも染料タイプ、それほど心配することもないのでしょうが、何となく気分がすっきりしません。

 親方の超絶調整を受けて最高の書き味であったPILOTエリートのショートタイプも、半分以上蒸発したような旧タイプブルーブラックのカートリッヂを入れていたことが災いしたのか、ささっと洗って現行ブルーブラックのカートリッヂを入れて以来、むちゃくちゃに渋くなっております。これもあわせて、前々から一度使ってみたいと思っていたロットリング・クリーナーを試してみた次第です。
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 まずはエリートから。お猪口に入っているクリーナーを吸わせたり吐かせたりしたところ、液がほんのりと青くなったかな、という程度。クリーナーを充填したコンヴァータを装着した状態でしばらく経過観察してみることにしましょう。

 タフなのは何といってもOmas。水の出し入れではほとんど青い水が出なくなっていたのですが、エリートと同じことをしますと、液が真っ青になりました。お猪口の底が見えないほどの濃さです。タンクにクリーナーを満たして放置し、3時間ほどしてから吐き出させてみるとまたも青い液。改めて新しいクリーナーを吸わせてさらに3時間、今度は透明な液が出てきました。下の写真は、これから吸わせるぞ、とペン先を浸したときのもの。浸けただけですでに液が青くなっております。
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 お前はなんちゅう管理をしてるんじゃっ、萬年筆が可哀想やろがっ、と怒られそうですが、どちらもキャップを開けると普通に書ける状態からのスタートです。当面使わないから洗って・・・と思わなければ、何の問題もなくそのまま使い続けていたことと思います。

 Omasの方は、タフで知られる色彩雫を入れていたことも効いているのかと思います。カーボンインクでなくても、こびりついているものを落とすような力もあるのかもしれない、というのがロットリング・クリーナーを使ってみた感想です。

 あとは、経過観察中のエリートがどう変化するか、というところ。これは入れていたインクがインクですので、もう少しじっくり浸け置きたいと思います。

 サハラは、ペン先を浸けて状態でクリーナーを吸わせてタンクを洗浄した(つもり)後、ペン先ユニットを外してクリーナーに浸け置き。下の写真の右側のように、多少液が青くなりました。とりあえずサハラはこれで良し、です。ちなみに左側のお猪口に入っているのがOmasから吐き出された液です。ストロボの着いていない肉眼で見ると底が見えません。
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 ロットリングのクリーナー、なかなかに効果的ですが、どのようなものをどういう風に攻撃するのか、今ひとつはっきりしないところもありますので濫用は慎むべきかと思います。こういうものを使わなくても済むように、萬年筆はこまめにメンテナンスしてあげましょう。

 作業したのは欅の一枚板を脚に載せただけの座卓。仕上げに塗られているオスモの塗料、ひ弱いものですが、ロットリングのクリーナーで簡単に剥けてました。ん・・・そういう用途にも使えるのか? でもムラになったりしそうでとても怖いです。

2009年8月23日 (日)

お店の矜恃

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 床の一点を見つめて頭を垂れる「くま(仮名)」さん。背筋を伸ばして堂々と座るお父さんと対照的なショット。いつものことながら、「くま(仮名)」さんの視線の先にあるのはおやつ。犬に関する好ましくない言い方「○○○のイヌ」なんてのは、飼い主に対する忠誠心に加え、こういう、食べ物を得るためならプライドも何もかなぐり捨てる(ように見える)ところから来ている可能性大、と思います。

 でも、そんなところが犬好きの琴線に触れる「かっわいぃ~」となるポイントでもあるわけです。その点、猫は何とも素っ気なく、可愛くないように思えるのですが、猫好きな人はそこが気高くてよいのだとおっしゃいます。
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 ようやく完結したスタートレック・ファクトファイル。ドラマを見ているだけでは今ひとつよく理解できない部分など、詳細に解説された分冊百科。隠れトレッキーの私にとっては整理しながらもついつい読みふけってしまうという危険なもの。隔週配送の雑誌をばらし、テーマごとに分類してアメリカ名物の3穴ファイルに綴じるのですが、そんな根気の要る作業が出来る私でないことは妻が一番よく知っております。

 お盆休みに何日もかかって整理してくれた妻から「バインダー、あと2冊」の声。しかし販売元のサイトには無情にも「在庫切れ」の表示。再生産される見込みもないので、電話であちこちの大型書店に在庫確認するも、返ってくるのは残念な答ばかりでした。

 そんな中、北海道から沖縄、はては台湾にまで展開している立ち読みさせない(椅子が置いてある)この書店だけが「各店舗に確認してみます」と言ってくれたのでした。半分以上あきらめていたのですが、ついに「在庫のある店から取り寄せました」という電話をもらいました。こういう時の気持ち、漢字で「感謝」ですね。
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 ペン先だけをロットリング洗浄液につけるために試行錯誤しているときの一コマ。口径の小さな器を探しているときに目にとまったCOFFEE BOZUのお猪口ですが、すぐに倒れそうなので不合格。最終的にはもっと背が高くて口径の細いグラスが見つかりました。サハラはペン先ユニットだけ外せばよいのですが、青い方は変態Omas。素人が下手に触ると何が起こるかわかりませんので、軸に付いたまま、ペン先だけを浸けようというわけです。

 期待と憧れ。三宮センター街にあったそのお店に、私はそんな感情を抱いていました。親しい人が異動になると、気の利いた(変な、と言う人もいます)餞別の品を捜しに訪れる、そのためのお店と言ってもいいほどでした。そのお店も今はなく、特徴的なビルにあった本店も件の書店のワンフロアに間借りして営業中です。

 往事を知るものにとっては寂しい限りですが、そうなった今でも特別な文具店、それがナガサワ文具センターです。あの頃、期待と憧れをもって通った店舗は無くなりましたが、その面影をPen-Style DENに見ることができます。
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 通販でなく、すぐに欲しいロットリング洗浄液。ダメ元でナガサワ文具センターに電話を入れると、「うちはいつでも置いてます。どちらのタイプもありますよ。」というお答。特に取り置きもお願いせずにお店へ行ってレジで尋ねると、「あ、お電話いただいた・・・」と言いつつ、いついつこれこれでお問い合わせがあった、とのメモの付いた洗浄液、両タイプともに出してくださいました。

 名乗りもせず、ただ在庫の問い合わせをしただけでも、そのお客が来店したときに在庫がなかったらいけないから・・・という心配り。お店としては当たり前のことで、何の気負いも無しにされていることなのかもしれませんが、いたく感動してしまいました。経済状況が悪化している中、その当たり前のことさえ出来ないお店が増えてきていますし、老舗のナガサワさんとて、けっして楽ではないはず。そんな中、ほとんどのお店が在庫として持たない(=ほとんど売れない)ものを切らさないように在庫しておくという姿勢。何ともありがたい話です。

 ネットショップならマウスでちょいちょい、後は自宅で待つだけ、というこのご時世。書店と文具店、いずれも決して楽ではなく、むしろ苦しいはずですが、2つのお店の対応にプライドのようなものを感じました。リアルなお店でものを買うのも悪くない、いや、大切なことなんだなぁ、と改めて実感したことでした。
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2009年8月22日 (土)

いつきのみや

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 長女の夏休みの宿題に「体験に基づく歴史レポート」という、なんとも掴みがたいものがありました。はなはだ曖昧な「歴史的な体験」ですが、長女は最初から「女房装束(十二単)を着る」と決めていたようです。

 高級肉牛で知られる松阪と伊勢神宮のある伊勢市のちょうど真ん中あたり、三重県明和町。近鉄山田線のその名も斎宮駅のすぐそばにいつきのみや歴史体験館があります。

 7、8年前、当時小学生であった長女とここを訪ね、「十二単を着てみよう」というPOPを見て即申し込み。がらんとした館内の様子に、競争相手もいないだろう・・・と思っていたのですが、いざ体験、という直前に入って来た中年の女性客が「私も着たい私も着たい私も着たい」と雄叫びを上げ、くじ引きに持ち込まれて負けてしまいました。

 こういう時の気持ちを「けったくそ悪い」(自転車とは何の関係もないのです)といいます。阪神が優勝したかのごとくくじ引き勝利を喜ぶおばさんを置いて立ち去ったのですが、娘は「また今度・・・」と言い続けておりました。その思いが「歴史体験レポート」という課題を与えられて再燃した、というところでしょう。
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 私たち親子のような思いをした人がクレームをつけたのか、女房装束を試着する体験は無料から有料へ、そして事前予約制へと変わっておりました。娘はお盆過ぎまで部活動に明け暮れていて予定が入らず、数日前に「今度の土曜日からは空いてる・・・」と言い出したので即電話。無理とは思いますが・・・と聞いてみると土曜の午後の分が空いている、とのことでしたので、急遽伊勢行き決定、という次第です。

 今日は朝から、地域の方や保護者の皆さんに来ていただいて、生徒とともに校内の美化活動をする、という恒例行事の日。あらかじめ刈ってあった草をや木の枝などを集積場所へ運ぶべく、私はトラックの運転手さん。夢中になって作業をしていてふと気づいたら午前10時。10時45分の電車で伊勢へ向かうというのに!

 自宅へ電話をかけて長女と次男に駅まで来てもらい、自分は大急ぎで着替えて車に飛び乗って、無事駅のホームで合流。本当に私の人生、いつでも自転車操業です。
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 馬子にも衣装とは良く言ったもの。2人がかりで着せ付けていただいて、歩くのも補助してもらってようやくこの台の上に登っております。立ち姿で記念撮影の後、百人一首の世界ですね・・・などといいつつ座り姿へ。坊主めくりで喜ばれる「姫」です。ちなみに私たちのルールでは「蝉丸」は坊主扱いですが、皆さんのところではいかがでしょうか。

 背後に掛けてある着物は無料で自由に羽織ることができますし、そのほかにもさまざまな「平安時代体験」が出来ます。ぜひ一度お出かけになることをおすすめします。
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 写真を撮りまくっておりましたが、娘が「暑い、重い」と汗をかきながらブゥブゥ言いますので体験終了。紐をゆるめ、ストンと落とすように着物を脱いで無罪放免です。そうして脱ぎ捨てられた着物の山を「ぜひ撮ってください」とスタッフの方。そう、これこそがかの有名な「も(裳)ぬけのから」なのだそうです。

 そういえばここ数日、あまり萬年筆が出てきておりませんね。ここは犬のBlogなのですが、折に触れて萬年筆や変な文房具などの話題も扱う、という方針ですので、娘の筆入れから出てきた一本をご紹介します。
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 いわゆる金魚柄の萬年筆。1978年創業の台湾リーガル社製です。鉄ペンでヨーロッパタイプのショートカートリッヂという、いかにもほぃほぃと造りましたという感じのペンですが、けっこう真面目に造られているようで、書く機能については問題ありません。

 いわゆる十二単も、かさねの色目といって1枚1枚の着物の色の組み合わせが大切にされたとか。金魚柄などのマーブル模様も、微妙な色が入り交じって綺麗に見える、というものです。このペンの場合、一つ一つの色が落ち着いた感じで、キラキラした金魚柄にはなっていません。パッと見の綺麗さはありませんけれど、普段から使うならこれぐらいの方がいいのかもしれません。
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 哀れなこの金魚柄、2本買いましたが、妻に渡した一本は行方知れずで、娘に渡したこちらはインクも入れずに座敷牢状態です。安かったので買った・・・というのがいけなかったのかもしれませんねぇ・・・。

2009年8月21日 (金)

ぬいぐるみ・その2

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 テレビの影になっている新居から家族のいる方を必死に見ている「ちち(仮名)」さん。感極まってくると、目の前にあるテレビをガシガシ前脚でひっかいたりしております。本当の色はどんなだろう、と思うこともなくなった旧いテレビ。昔懐かしい丸いブラウン管です。

 我が家はCATVなので、極端な話、地上波が全てデジタルに移行してもこのままでOK。ブラウン管のテレビはけっこう寿命が短かったように思うのですが、この個体は平成になった頃のもの。エスカルゴとほぼ同い年で、異常なほど長持ちしております。
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 これもまた旧いのに現役。昭和の香りがする給茶器です。日付と時刻が書いてある紙はA4サイズ。タンクには20リットル近く入ると思います。タンクの下にある容量3リットル程度の「冷却槽」でお茶が冷やされ、給された分だけ上のタンクからお茶が流れ込んで来る、という非常にプリミティブな仕掛け。この時刻にわかした麦茶の大部分は、冷やされもせずタンクに貯蔵されているわけです。

 朝早く出勤してお茶を沸かすのが理想ですが、お寝坊な私には辛いので、退勤前にタンクを洗い、お茶を沸かして入れてから帰る、ということを毎日続けています。月曜日に飲むお茶はどうするのかというと、うまい具合に日曜日に学校に出てくる人が沸かしてくれるのです。飲む人からすると、「このお茶、古くないのかな?」となりますから、こういう張り紙をしておくわけです。
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 我が家の子ども部屋や納戸にあったぬいぐるみのほとんどを袋に詰めました。一般的なゴミ袋の2倍、90リットルのゴミ袋2つにぎゅうぎゅう詰めになりました。お寺などでぬいぐるみ供養をしてもらおうと思っていたのですが、供養されたあとは焚き上げられてしまいます。そんなとき、輸出用コンテナの緩衝材代わりにして海外へ送り、現地の子ども達に無償供与する、というリサイクル業者さんを見つけましたので、そちらへお願いすることにしました。

 出てきたぬいぐるみを見ていると、子ども達の成長の過程が思い出されます。娘がサンリオキャラクターのポムポムプリンにハマっていた頃、喜ぶだろうとUFOキャッチャーでとりまくったなぁ、とか、水族館で買ってきたぬいぐるみが多いなぁ(子ども達が水族館大好き)とか、そんなことを考えはじめるとどれも手放せないので、子ども達に不要なものを選ばせました。

 ひとつだけ、これは絶対に捨てないでとお願いしたのがクマの親子。平成元年の3月に卒業していった教え子たちが卒業式の日にプレゼントしてくれたものです。
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 子グマは本来2頭セットだったそうですが、みんなで集めたお金で買える金額ではなかったので、親グマ1頭、子グマ1頭で売ってくれるよう交渉したのだとか。気に入らない教師の授業を集団ボイコットしたりする、とんでもないクラス。進路選択でもハラハラドキドキの連続で、今でも鮮明に記憶に残っている子ども達。

 卒業式で担任を泣かせてやろうという企画でしたが、何とかその場では泣かずにこらえて、生徒たちを残念がらせてしまいました。その夜はお酒を呑みながら温かい涙を流したことが思い出されます。暖かい思い出のあるこのクマの親子、ほこりまみれですが、何かあったら怖いので、クリーニングにも出せていません。知らない人はけっして抱こうしないでしょうが、私にとってはかけがえのないクマなのです。

2009年8月20日 (木)

ぬいぐるみ・その1

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 お気に入りのピカチュウをかじりながらくつろぐ「くま(仮名)」さん。いつもかじったりなめ回したりしているので異臭がするようになり、洗濯のために取り上げられると哀しそうに行方を見送っております。きれいに(?)なって帰ってきたら大喜び。彼女にとっては大切な相棒なのです。
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 我が家には大小さまざまなぬいぐるみがおりますが、今HOTなのはこの連中。ドイツから飛ばずに飛行機に乗ってやってきたペリカンさんと、国内某所から走らずにトラックで運ばれてきたお父さん。
Rimg0018_2Rimg0017_4 お父さんの後ろ脚に見える赤いポッチ、これを押すとお父さんがしゃべれるようになります。しっぽに触るとランダムに10種類のお言葉がいただけるのですが、そのためのエネルギー源として単3電池が2個、体内に仕込まれております。

 取扱説明書に曰く「ぬいぐるみとしての使用をおすすめしますが、ストラップとしてもご使用いただけます。」とのこと。なお、これをストラップとして使う際には振り回すと危ないので気をつけてね・・・などという注意書きがあります。まさにPL法恐るべし、ですね。

 しかし、これをストラップとして使用するにはよほど大きな体でないとしんどいですね。ストラップの紐がどれほど保つのかも心配です。

 いっしょに写っているのは沖縄土産の「天使のアグー豚ストラップwith紅芋タルト」です。これとて普通の感覚からするとかなりデカいストラップで、大人がつけるのはちょっとしんどい感じですね。

 ちなみに、この子は紅芋タルトを抱えていますが、天使のアグー豚にはハートや四つ葉のクローバーなんかを抱えた子もおります。
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 そもそもこのストラップというもの自体、日本で生まれ育まれてきたもののようです。最近はともかく、少し前までは海外製の携帯電話にはストラップを取り付けることが出来ないものが少なからずあったようです。Palmにストラップをつけるための特製のネジ、なんてものもありました。でも、私はPalmにしろ携帯電話にしろケースに入れて腰につけますので、結局ストラップは要らない人なのでした。
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2009年8月19日 (水)

くすんだ1日

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 飼い主がそばに来たので遊んでもらおうと身構える「ちち(仮名)」さん。このお座りの姿勢は、こうすると良いことが起こる率が高い、というので覚えたものです。撮影の直前、カメラの前玉に鼻先を押しつけたせいで、フィルターをつけたかのようにふんわりぼんやりと写っております。

 今日は本当に何もない日でした。朝起きて、洗面して、着替えて出勤。特に忙しいこともなく、机の周りを整理整頓したり、メールサーバーにたまっているいかがわしいメールを消し去ったり。未開封のままの封書を開ける時は、トレドで造られた?というペーパーナイフ。そう、これも立派なトレドです。
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 5月の大流行時には完璧なまでの沈黙を守った我が県ですが、ここに来てあちらこちらで新型インフルエンザに感染・発症する人が出てきております。片付けが一段落したところで、新学期早々に集団発生が確認されて学校閉鎖、なんてことになった場合にどうするのか、というシミュレーションをしましたが、しんどいだけで、これは名案、というものは出てきませんでした。
060721170833_0 お昼からは会議があるので市庁へ出張。なぜ市役所と言わず市庁なのか、そう決めたご本人も亡くなっていますし、市役所と呼ぶ市民の方が圧倒的に多いのも事実です。
 
 会議はなかなかホットな話題も出て有意義なものでした。情報交換をして自分の仕事に役立てよう、という目的意識があれば、会議で寝てしまうこともないのですね。

 会議のあと職場に戻って残った仕事を片付け、さぁ帰ろうと思ったら電話のベル。「本日の営業は...」と応答する機能がないので、受話器をとるかとらないかを決断しなくてはなりません。たいていの場合は、とらない方が幸せです。

 夜10時すぎて電話かけるもんやない、というのが私らの世代の感覚ですが、日付が変わる頃に学校に電話してきて「○○先生出して。えっ、なんでおらへんのっ!」」とかいう電話も普通にかかってきます。24時間サービスが増えましたから仕方ないのかも。だいたい、そんな時間までグズグズ仕事してる方が悪いのです。
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 そんなことやってるから家には寝に帰るだけ。部屋は散らかり放題でホコリが積もり、万年筆のインクは干上がってしまうのです。

 ペンケースを開いて「えぇっ!」と声を上げる妻。金と銀のコントラストが美しかったプラチナのリビエール銀軸が、見事にくすんでブリキのバケツみたいな色になっておりました。

 それを見て、ならば・・・と期待しつつ見てみると、イタリア、ラレックス社のアニマリシリーズ。動物が彫られた銀製のキャップが見事にくすんでおりました。しかしながらこれは、pelikan_1931師匠が言われるところの「だらしなさの象徴」ともいうべきくすみ方。青っぽく綺麗に硫化しているのとは雲泥の差ですが、尻軸のようにピカピカ光っているよりは「風格」みたいなものが感じられます。

 以前ご紹介した時には「かわいい」と評した蛇と龍ですが、キャップがくすんだことで、ちょっと渋く、怖くなっているように見えます。なんにもない1日。一番の収穫はこのくすみを見つけたことでしょうか・・・。
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2009年8月18日 (火)

ルーペの使い途

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 いびきをかいて寝ている「くま(仮名)」さん。いびきが写真に撮れないのが残念です。いびきをかいているときはどんな顔なのだろう、と顔に近寄っての撮影。カメラでなく肉眼の場合、顔を近づけてみて、それでも足りなければ虫眼鏡を使うことになります。

 人並みに老眼になっているので、細かいモノは見えません。かつては技術・家庭の時間にいい加減な半田付けをしている生徒を見つけてはバシバシ指摘していたのですが、今それをやるなら老眼鏡が必須です。
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 誰や、スイッチ切らんとほってあるのは・・・と換気扇をとめること数度。やがて誰も換気扇を使っていないことがわかり、気持ち悪い思いをしていたのですが、ある日の深夜、誰もいない台所で突然換気扇が回り出したときには、さすがにぎょっとしました。まさに背筋も凍る夏の怪奇現象です。

 スイッチボックスの異常であることは明らかなのですが、どこがどのようにおかしいのか、突き止められないまま日ごとに症状は悪化。ついにはどこをどうしても回転を止められない状態になりました。仕方なく内部の電源コネクタを抜かれた哀れなレンジフードさんです。

 どうでもいいことですが、役に立たなくなったレンジフードの写真、デジカメがつけた番号が0893.jpgとは、何ともやくざな話です。
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 いつもタイマー運転のスイッチが勝手に入るので、それならばと半田ごてを持ち出してタイマースイッチを撤去するも、何ら改善せず。考えてみれば、タイマー運転スイッチでも普通の運転スイッチでもONになるようなパラの回路。もっと根本的なところに問題がありそうです。十数年使われてきた換気扇ですし、取り替えることを前提に絶望的な修理を続けます。

 スイッチボックスにつながる8本の線はコネクタのようなモノに通されて基板に付いております。この配線を曲げたり伸ばしたりすると電源が入るので、ここがあやしいのでは、と考えました。パチンと外れるコネクタではないので、半田をとってコネクタごと取り外し、コネクタを廃棄して配線を直接基板の穴に挿入して半田付け。これは一応、うまくいきました・・・・・と思ったのですが、世の中そんなに甘くありません。
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 半田付けそのものは慣れた作業なのですが、半田付けしている部分がどうなっているのか見えません!! もちろん、老眼鏡をかけた状態で、です。そこで登場したのが、普段は萬年筆のペン先をのぞくのに使っているルーペ。娘が見ていたら、「役に立つことにも使うんや・・・」といいそうですが。ルーペで拡大された半田の山々、あぁ、なんて上手なんだ・・・とうっとりしている場合ではありません。換気扇に吸い込まれた油が基板にべったりと付き、回路をショートさせている様子が見て取れます。

 ならば、と油を溶かすような洗剤をつけた紙でこすっていると・・・哀れ、基板が破壊されていきます。想像以上にパターンがもろくなっていたようです。
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 結局、パターンの補修なども試み、ほかにもあれこれやってみたものの回復せず、再度ルーペでのぞくと・・・いけません。コンデンサが妊娠しております。ぷっくりとふくらんだコンデンサ、破裂も間近いものと思われます。ならば交換・・・と思ったのですが、隣にある制御用のICをみると、パッケージが破れております。

 結局のところ、はじめから報われるはずのない作業だったのです。専門家にお願いしてレンジフード丸ごと交換するしかない、とようやくあきらめて、数社に見積もり依頼を出して今日はおしまい。ルーペでのぞく必要がなかったならば、今もまだあちらこちらと半田ごてを当てて首を捻っていたことでしょう。一家に1個、高倍率のルーペを備えましょう。
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2009年8月17日 (月)

ちょっと懐かしい

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 新居にも慣れたのか、トイレの上!で丸くなって身繕いをする「ちち(仮名)」さん。我が家では2頭とも、居住スペースとトイレスぺースが2:1に別れたケージで暮らしておりますが、どちらも熟睡する時はトイレスペースで丸くなって、というパターンが多く、やはり、穴の中で寝ていた祖先の記憶なのか、と思わせられます。

 ちなみに「ちち(仮名)」さんも賢くなったようで、おしっこをしたあと、ネットの下のシーツに尿が吸い取られ、ネットが乾くのを待ってトイレスペースに戻ってきます。出してすぐに大きなものを踏みつけてぐちゃぐちゃにしていた幼少期から考えると大きな進歩です。
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 ヴァレンチノの萬年筆。といいますが、実際に造っていたのはPILOTです。ライセンス品というのでしょうか、海外のよく知られたブランド名をつけた日本製品、というのも、Made in China がそこら中にあふれている今となっては「懐かしい」ものといえましょう。

 懐かしいといえばこの画像、先日オークションに不要品を出品した際の設定のまま撮りましたので、今時のカメラで撮ったにしては「粗い」ものになっております。これもBlogの上ではわからないことですが、編集をしていると「あぁ、昔のデジカメ写真ってこんなんやったなぁ」と感慨に浸れたりするわけです。
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 今日の夕刻、神戸元町はpen and message.さんにお邪魔しましたら、anothe personさんとN先生、実に久しくお会いしていなかったお二人がいらっしゃったので感激。久しくと言っても半年かそこらでしょうけれど、何とも懐かしいお顔。ひとしきり話し込んで帰ろうかというところで 達哉ん さんまで登場して、およそ2年前、このお店ができたばかりの頃を思い出しました。

 another personさんといえば「ペンケースの中はいつも新鮮!」というイメージがあるわけですが、今日も寿司屋の大将さながら、「お、今ちょうどえぇのんが入ったとこや。まぁ見ていき」ってな感じでした。このペンのために基金を設立、浄財を集める勧進をされている方がありましたが、その方に刺激を受けて先に手に入れてしまうという、いつもながらの「イラチ」ぶり。全日本イラチ協会で西日本統括部長を務めている私も西太后には脱帽。ただただ拍手喝采です。
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 で、西太后との会話で救われたのが帰宅方法。お店から一番近い駅から阪神電車にのって、三宮からそのまま近鉄線へ、というのが一番時間のかかるパターン。ならば駅まで少し歩くものの阪急は・・・などと言っておりましたら、そりゃJRですよ・・・と。神戸と大阪の間、阪急阪神が30分かかるところ、以前より時間がかかるようになってもなお、JRは20分で走り抜けるのです。

 ほいほいと駅へ行くとちょうど電車が来て、元町駅で乗車して27分後には大阪駅で乗り換えのため爆走。駆け込み乗車はおやめくださいのアナウンスの中、余裕で乗車したものの心臓が飛び出しそうです。かつては不可能な乗り換えを可能にする男でしたが、衰えた足腰に充実した体重のコンビネーションでは相当に無理があります。大阪駅と鶴橋駅、どちらも間合い1分というスリリングな乗り換え、子どもができてからはやってなかったなぁ・・・とこれも懐かしく思ったことでした。

 巨体を揺すって駅構内を爆走すると他のお客様のご迷惑になりますのでおやめください。電車の乗り換えは余裕を持って、ね。
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2009年8月16日 (日)

夏の疲れ

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 「くま(仮名)」さんはさすが大人。大騒ぎする「ちち(仮名)」さんと違い、「しゃべるお父さん」を前に置かれても黙ってじっと見つめているだけ。偉いなぁ・・・と言った瞬間、前脚を伸ばしてトリャァ~とはり倒しに行きました。じっくり観察していただけだったのですね。

 妻と2人で外出する週末、というのがこのところありませんでしたし、昨日「広島の二右衛門半(非公式)」さんご夫妻の仲むつまじいご様子を間近で拝見したこともあって、暑い盛りのお昼過ぎから、妻と昼食を摂りに出かけました。
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 けっこうお邪魔しているのに、初めて撮ったお店の外観。西宮市夙川のアルテ・シンポジオさんです。本日のランチ、ハイライトはポルチーニのカルパッチョ。ポルチーニだけでも珍しいのに、大変状態の良いものが入ったから、とカルパッチョに。お料理のソースなどに乾燥ポルチーニを戻したものが入ってることは良くありますが、これは生。キノコを生で、というのがそもそも未経験ゾーン。傘の部分と石突の部分とで見事に違う食感。傘の部分は柔らかく、とろける、でもなく、ほぐれる、という何ともいえない感じで、たいへんおいしくいただきました。

 イタリア人さながらに長くゆったりとしたランチを楽しんだ後は、同じく阪急神戸本線岡本駅前のZenmaさんへ。外で作業をするのに、ヴェトナムあたりの人が被っているような笠が欲しかったのですが見あたらず。妻はシルクの服などを見ておりましたが、そのうちにお店の方が冷たいお水を出してくださいました。そう、ここには喫茶コーナーもあるのです。

 暑いからとレモンバームの入ったお水。すぅ~っと汗がひいてきたところで、視線の先に変な物体を捕捉。
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 真上から見ると、一辺が15センチあるかないかの石の箱です。石を彫って(くりぬいて)底と蓋をつくり、蝶番でつないであります。カエルさんの首が折れてしまったのを補修してあるということで半額処分。おいしいお水をいただいたこともあって購入させていただきました。机上においてカートリッヂなどの小物を入れるのに良さそうですが、そのためにはまず机上を片付けなければならないのが頭の痛いところです。
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 冷房が効いている感じがしない電車に乗って神戸へ。東急ハンズとナガサワ文具センターへお邪魔しました。ヒステリックな嫌煙運動のせいか、喫煙具を扱っているところを探すのが大変。私はタバコをやらないのですが、ブライヤー軸の萬年筆をきれいに磨くのに錆練りサビネリのパイプポリッシュを使おうという魂胆があるからなのです。それにしても面白い変換するなぁ・・・。

 さすがに東急ハンズ。一発で見つかりました。愛煙家の皆さん、私は吸いませんがあなた方が普通に楽しむのを邪魔はしません。逆境でしょうけれどがんばってくださいね(何を?)。
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 ナガサワPen-Style Denで購入したのが萬年筆シルエットのレターオープナー。パッケージの裏面を見るとナイフやはさみの形をしたものもあるようです。昨日の岡山大会では、刃物の所持が厳しく規制されてきている現状に「もう鉛筆は削れないのじゃないか」なんて話題で盛り上がっていたのですが、これならさすがに持ち歩いていてもおまわりさんに咎められることはないでしょう。

 このあたりから体調がおかしくなってきた私。毎年夏の終わり頃には、軽い脱水症状のような感じでお腹が緩くなったりするのですが、今年もやってきたようです。しんどいなぁ、と思いつつ、三宮から奈良まで直通する電車は乗車時間80分ほどなので、ここは気合いを入れて寝て帰ろう、と熟睡しておりました。

 生駒の山を越えたか、というあたりで「バタン」という大きな物音。誰かモノ落としたんかいな、と目をあけますと、目の前で年配の男性が倒れていて、奥様やたまたま傍らにいた若い男女が助け起こそうとしております。私が座っていた席にそのおじさんを座らせようと脇から抱えたのですが、冷や汗をかいている小柄なおじさんは、お地蔵さんのように重く、目の前が真っ暗で何も見えないともおっしゃっていて、軽いパニック状態でありました。この暑い中、おそらくは20分ほど立っていられたのでしょう。寝ていて悪いことをいたしました。

 帰宅して送り火を焚きましたが、虫の声や風の涼しさにふと秋を感じてしまいました。暑い日が続いているとはいえ、確実に夏の終わりが近づいておりますね。お盆休みが明けて、明日からお仕事、という方も多いことでしょう。時節柄じゅうぶんにご自愛いただいて、実りの秋を元気に迎えたいものです。
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2009年8月15日 (土)

超新星!@岡山

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 あんた誰? 何やの、偉そうな顔して・・・・・。何とか言うたらどやの・・・「デカけりゃいいってもんじゃないっ!」

 いわゆる「しゃべるお父さん」を前に、何とかコンタクトをとろうと試みる「ちち(仮名)」さん。いきなり我が家に現れて、飼い主にちやほやされているのが気に入らないようです。でも人生とはそういうもので、いつも新しい感動があるからこそ楽しいのです。

 お盆ですので家族やお寺さんがお経をあげるのですが、「ちち(仮名)」さんは普段の会話とは違うトーンの声が気になる、というより怖いらしく、隣の部屋でさかんにワンワン吠えております。
Rimg0874_2 今日はWAGNERの第2回中国地区大会(in 岡山)に参加してまいりました。会場である岡山駅前の第一セントラルビル、1階エレベーターホールにはこのような立派な案内表示。これ何やろ。薄いからやっぱり液晶かな・・・ときれいな表示に見とれておりましたら、いきなり催し物の広告に切り替わって、内容が内容でしたのでちょっと驚かされました。0_00002259_gazou1_n_2

 気を取り直して会場へ。12時過ぎの到着でしたが、すでに会場は大げさでなく熱気むんむん。いつもの会であれば受付に座っていらっしゃるはずの萬年筆界のブルーザー・ブロディーことaurora_88さんが東京・恵比寿のお盆特別例会に出られているため、Bromfieldさんに受付をしていただきます。

 さっそく、悲運のパートワーク「万年筆コレクション」全4巻の展示とSkype開局の準備を始めます。そうこうするうち、関西の親方や湖国のshenさんなども「賑やかに」登場されて、会場はいよいよ賑わいを増します。昨年は寂しくて不成立だったというのは情報操作だったのではないか、と思うほどの賑わいです。

 pelikan_1931師匠とBromfieldさん、ともに首都圏から帰省中のお二人が運営陣で、愛知から参加の 夢待ち人 さん、su_91 さん、foolsbookさん(何とお子さん連れ!)、九州から参加の がりぃ さんあたりが遠距離参加組。高知県をのぞく四国3県、広島県、岡山県、兵庫県、大阪府、京都府、奈良県などからも参加者がありました。私の記憶から飛んでしまった県から参加されていた方がありましたらご容赦ください。
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 ペンクリニックは師匠と親方。私もちゃっかり親方に甘えましたが、同仕様の2本のペンを調整していただいて一方は超優等生に、もう一方は落第すれすれの問題児にと明暗が分かれたのはたいへんに興味深いことでした。

 ミニペントレはなかなかに刺激的。湖国から引っ張り出されたお店はなかなかに魅力的な品揃えで、価格的にも引きの強いものはササッと嫁いでいっておりました。

 今回は初参加(新入会)の方も多かったのですが、中でも広島県からご参加くださったご夫妻が強く印象に残っております。奥様はセーラー・キャンディのコレクションをされていたとか。でも、何といってもご主人がお持ちになったコレクションのものすごさ。国産舶来新旧問わず幅広く蒐集されていて、見せていただいていて飽きることがありませんでした。

 何本か調整を依頼された親方の両手(とズボン)が真っ青なインクに染まったことをみても明らかなように、どのペンもしっかりインクが入っていて、日頃から愛用されていることが窺われるものばかり。広く深く楽しんでいらっしゃるのだなぁ・・・・・と思ったところで、ある人と共通の雰囲気を感じてしまいました。
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 三重の巨星、二右衛門半さん。当Blogからもリンクさせていただいておりますが、次は一体何が出てくるのか、予想することさえ拒絶するかのような膨大なコレクションをお持ちです。日本にそんなメーカーあったの? えっ、そのメーカー知ってるけどそんな萬年筆ほんとうに作って売ってたの? という驚きの連続。そういった驚きのあるコレクションの傾向が大変よく似ていらっしゃるのです。

 インパクトの強さに、2次会が終わってお別れした後も、ご夫妻の話題で持ちきりでした。WAGNERの会員番号だけを決められて、ハンドルネームは決めずに帰られましたので、誰いうとなく「広島の二右衛門半(非公式)」さんとお呼びするようになっておりました。

 会員番号585と750のご夫妻、11月にはぜひ神戸へお越しください。そして二右衛門半さんにも万障お繰り合わせのうえ御来神いただいて、超個性的で興味深い両コレクションの「頂上対決」が実現すれば、とってもすばらしいことだと思っております。
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2009年8月14日 (金)

明日は岡山

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 何か気になる物音がすると、寝ていてもすぐにお目々ぱっちり、の「くま(仮名)」さん。特にお菓子の袋を開けるような音には敏感です。お盆ということでみんなゆったり過ごしているので、彼女も同じようなペースでゆったりとしておりました。

 私の田舎では今日の朝からお墓に参って、お坊さんに拝みに来ていただいて、夜はお団子を作って盆踊り、というパターンでした。明けて15日、朝から経木とお供え物を箱に入れて、前の川へ流して「送る」のです。

 祖父母ともに亡くなり、お盆を自宅で過ごすようになってからは、お盆といっても迎え火を焚いてお祀りをする他は特に変わったこともなく、仏様も川に流すわけにはいかないので送り火とともに焚きあげてしまうようになりました。迎え火や送り火を焚くのは近所では珍しい風景のようです。
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 難しい顔をしたおっさんが映っておりますね。あっけなくSkype準備完了です。あとは岡山の会議室に電波が入るのか、という問題だけですが、イーモバイルだと苦しいかもしれませんね。そのため、FOMA通信カードも手配してありますので、どちらかで接続できれば、というところです。

 先日の仙台のように、寂しいかと思われていても実際にはたいそうな活気、という地方大会(裏例会でしたが)もあるわけですし、各地の貸し会議室で「通信環境あり」のところを報告・集約していく、という活動をはじめるのもいいかもしれません。まだまだ電話系の通信環境はコストや安定性の問題が多いですから。

 ところでこのカメラ、どう見てもうまく固定できそうにないのに、なかなかしっかりと固定されるのに驚かされました。同じ仕様で少し外観の違う「for Notebook」という製品もあるのですが、外観の良さでこちらを選んで良かったと思います。この状態で、ノートPCを手に持って会場内をうろうろしてもカメラが落ちることはなさそうです。
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 接続してみようかな、という方、当Blogの メールを送信 から私に連絡がとれます。会場到着は13時ぐらいの予定です。

2009年8月13日 (木)

引っ越し

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 何となく落ち着かない様子の「ちち(仮名)」さん。新しいケージを買ってもらってお引っ越し。今までの食卓にほど近いところから部屋の反対側への移転。江戸時代であれば遠方への国替えといったところ。壁を保護するべく張り巡らされた合板がものものしい感じです。

 毎年夏休み前には、教育委員会から校長宛に「通達」がやってきます。曰く、「君ん所の所属教員が、7月から9月の間に必ず5日間休むようにしっかり監督しなさい」と。半日単位で最高5日間。夏は暑いので健康のためのお休み、という趣旨です。こういう通達が来るということ自体、毎年多くの職員が5日間すら休めていないということなのですが、休めないから休まないという人は「通達や指示を無視して勝手に学校へ来ている」ことになっております。
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 私は全日本なまくら者協会副会長ですから、休めというなら休ませていただきます。今週はお休みをいただいて必死に家の片付け。ほとんど引っ越し直後みたいな感じですが、よく考えると10年前に引っ越したときは、忙しすぎて最低限必要なものしか荷物をほどいていませんでした。あれ、どこかにあるはず・・・と思いつつ10年。まずはそこら辺に散らかっているものを整理することからはじめましたが、出てくるのは不要なものばかり。我が家はガラクタで出来ていたのだと思い知りました。

 そういう状態ですので、木曜といえど木工どころではありません。代わりといっては何ですが木軸の萬年筆です。なんでロブスターが握っているのか意味不明ですが、軸とキャップに楓を使ったプラチナの萬年筆です。
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 クリップに楓をあしらい、首軸もしっかりそれっぽい色の樹脂で造ってあるのがプラチナらしいですね。ペンそのものはごくありきたりなもので、14金・細のペン先はしっかりくっついていて、なかなかフロー渋そうです。

 前オーナーが使い込まれていたのでしょう、ほどよく艶が出て良い感じになっております。収まっているペンケースは檜で出来た「溝」のようなものです。その両端に四角いコルクブロックがはめ込まれており、これの位置を調整することでペンががたつかないようになっております。このアイディア、しっかりいただきです。
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 このケース、長野県売木村産の檜で造られているようです。ひょっとしたら製造も売木村かもしれません。こちらも艶が出るほどではありませんが程よくこなれていい感じになってきております。

 問題はペンの書き味。手元にカートリッヂがなかったので実はまだ書いていないのです。この時代のペンなりの柔らかさはあるようですが、二者択一でいうなら硬い方に入るのではないでしょうか。ペン先をルーペで見る限りはそんなにひどくはなさそうですが、左右が微妙に揃っておらず、ひょっとしてガリガリ君なのではないか、という感じがします。岡山で師匠の手が空いたら診ていただこうかと思っております。
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2009年8月12日 (水)

盆と正月

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 大切そうにしっぽを「ないない」して眠る「くま(仮名)」さん。悪い家族が寝ている彼女のしっぽを触るので、それを警戒しているのでしょうか。明日はお盆の入り。障子を張り替えたり、たまった粗大ゴミを環境清美工場へ捨てに行ったりと忙しく動き回る家族と対照的に、彼女はとってもゆったりとした午後を過ごしておりました。
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 10年近く使っていたPC作業用の椅子が壊れたので、同じように「もたれて眠れるデカくて安い」椅子を探していましたが、ようやく条件にかなうものが見つかりました。定価で8万円近い椅子ですが、メーカーで廃番になったとかで値崩れ。2万円台から7万円台までいろいろ売られている中で一番安いところで購入。これが何と、家中ひっくり返してお片付けをしている最中に宅配便で到着です。

 やけくそで梱包を解いて、汗だくになりつつ組み立て。なかなかしっかりした椅子です。これでLAMY2000萬年筆とほぼ同額。萬年筆って本当に高いんですね。

 キャスターが硬そうなので、これも安売りされていたカーペットを買ってきました。これで、あとは椅子の後ろに見えているごちゃごちゃした机上を整理するだけ・・・・いえ、それが第一歩でした。
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 瓦礫の山の中から出てきたのがPILOTのエリート。2月に徳島のアローインターナショナルでこれの真っ黒になったものが5万円で売られておりました。同じものにも思えますし、あちらは銀軸ゆえに黒くなっていたのかもしれません。このペンには銀であることを示す刻印などはありませんし、普通のメタル軸なのだろうと思っております。

 私の本籍地、人間より鳥獣の方が数が多いだろうという辺境ですが、お隣の家は私が子どものころからずっと空き家でした。正確にはある人の持ち物だけれど住まわれていない状態。その家の持ち主は高野山に住んでいて、私の父や祖母が高野山の病院で療養していたときには何かとお世話になったものです。その方からのもらい物がこのペン。萬年筆好きなんだったらあげますよ、といってもらえるものはやはりPILOT製が多いですね。
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 正直、いただいたときには「お、普通」ってな感じでした。キャップを開けると例のデカいペン先が出てくるところまではわかっていたのですが、なかなかに整ったきれいな玉で、スリットもちょうどよい具合に開いていてインクフローもちょうどいい具合。普通と言えば限りなく普通ですが、とても書き味の良い、使い心地の良いペンだったのです。
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 嬉しい誤算だったのがインク周り。なんとこいつはプッシュ式の吸入機構が造り付けになった旧いタイプだったのです。当然吸入機構は現役。気持ちよくインクを吸い上げてくれます。個体によってはこのプッシュボタンが頼りない感じで、今にも壊れるんではないかという感じのものがあるのですが、このペンについているものは非常にしっかり、かっちりしております。石目というのでしょうか、意味不明な模様もかえって無難で、スーツの内ポケットからすっと取り出しても誰の目にもとまらない、そんなさりげなさがあります。

 テストがなければほとんどの学生は勉強しないのと同じで、盆と正月がなければ人間も「区切り」をつけたり、そのために掃除をしたりしないのではないでしょうか。特に私のような横着な怠け者にとっては、お盆にお坊さんがお経をあげに来てくださるから・・・ということで必死に部屋を片付ける、それがまた良い機会であるともいえます。

 そういえば、歩いたり走ったりするよりも、庭の草むしりをするとか部屋の片付けをするとかいった運動をする方が健康にいいように思います。糖尿病の私は、そういうことをした後の検診では、必ずといっていいほどお医者さんに褒められるのです。
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2009年8月11日 (火)

お墓掃除

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 気づかれないように遠くからねらったのに、しっかり気づいて顔を上げた「ちち(仮名)」さん。この子はけっこう敏い子で、家族が朝ご飯を食べるまではワンワン騒いでいますが、身支度を調えているのを見るとドテッと横になってしまいます。今騒いだら遊んでもらえるとか、もうみんな出て行くからアピールしてもムダとか、そういうあたりをきっちり見極めております。しかしながら人生経験の乏しい犬の悲しさで、未だにFAXで送受信しているときにはベロンと出てくる紙を見ては吠え倒すのを可愛いと思うあたり、親ばかですねぇ。
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 山上宗教都市として、狭い街中に1000人以上はお坊さんが居るという高野山。訪れる人のほとんどが観光客であり、「おぉこれが光秀の墓か・・・切腹してるぞ」なんていいながらそぞろ歩く奥の院の一角に我が家のお墓があります。何も知らない人にはうらやましがられたりしますし、なかなかそんなところにはお墓を持てないものですが、持っているとこれがまた大変。高野山は大変に交通不便なところで、自宅からの距離はさほどでもないのに、車で行くにしても電車で行くにしても1日仕事になってしまいます。

 春秋のお彼岸とお盆は、お墓参りの人と観光客が同時に訪れるので道路も電車も混雑してけっこう難儀をいたしますが、私が子どものころに比べると電車の乗客はグッと少なくなりました。その分、クルマで訪れる人が多いのですが、サンデードライバーには酷な道ですので、いわゆる「サンドラ・ブロック」が頻発して、余計に所要時間がかかるという悪循環。運転に自信のない人、根拠のない自信を持っている人は電車をご利用いただきたいと切に思います。
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 ガタガタ揺れるケーブルカーの窓枠を台座にした割には字が読める程度に撮れております。最近のカメラの手ぶれ補正はたいしたものです。大阪の中心部、難波から約1時間半で電車の終点、極楽橋駅。その先はケーブルカーとバスを乗り継いで高野山の街に入ります。

 所要時間5分のケーブルカーは、山上の高野山駅付近で551パーミルという急勾配。水平距離1000メートルに対して垂直距離551メートルということですので・・・・・三角関数覚えている人は計算してみてください。

 高野山に至る路線、計画段階では奈良県五條市付近を経由する予定でしたが、地元の反対で和歌山県橋本市付近を経由して極楽橋に至る現在のルートに変更されました。結果、大変な急勾配と曲率の小さなカーヴが連続しており、車体長18メートル程度の車両が40キロにも満たない制限速度の下で運行されております。
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 この路線が通らなかったことで五條は大変惜しいことをしました。今、五條市にはJR和歌山線が走っておりますが、夜の10時を過ぎると電車がないような閑散線。一方の橋本市は南海電鉄による沿線の宅地開発で大阪のベッドタウンとして発展しております。ちなみに、五條市も大阪のベッドタウンなのですが、大阪へ出ようにも電車がない。仕方なく、マイカーで橋本市へ出て南海電鉄を利用する人も多いようです。奈良県には他にも、「鉄道なんか要らん」と言ってしまったためにその後の発展が妨げられたという街がいくつかあります。

 お墓を掃除してお参りを済ませ、有名な刈萱堂の対面にある、我が家がお世話になっているお寺へご挨拶に。現住職は先代の息子さん。先代は私の祖父の呑み友達でした。そういうつながりがあればこそ、奥の院にお墓、なんてのが実現したわけです。

 一度高野山に上がってしまうと、帰りの電車の時刻を気にしながらの時間つぶし。いつも利用するバス停の前にあるこのお店、今日はこれを紹介したくて記事を書いているようなものです。どうです、とってもあやしくて素敵なお店でしょう。
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 二右衛門半さんのような店主を想像してしまいましたが(失礼)、まだ恐くて戸を開けたことはありません。仏教、神道、民間信仰に遠野物語、その他諸々のトンデモ本に出てきそうな内容。腰にザイルを巻き、それを屈強な人に店の外で握ってもらった上でなら入っていけそうです。でも案外、こういうお店に限ってごく普通のおじさんが店番していて、置いてあるものも普通だったりして・・・。

 高野山に住んでいる人からもらった萬年筆を紹介する予定でしたが、長くなりすぎましたので今日はこの辺で。まぁ、お盆ぐらい萬年筆から離れたらどうやねん、という声がどこからともなく聞こえてきたりしたら、それこそ稲川淳二さんの領分ですね。
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2009年8月10日 (月)

緑の山

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 無警戒で寝ているところに静かに近づいてパチリ。シャッター音にハッとして目を剥いている「くま(仮名)」さんです。今日は道の日。宿の日。帽子の日。帽子が飛んでハッとした、なんていうのは、先代の林家三平師匠が言うのでもない限りダジャレにもなりませんが、語呂合わせで記念日になっているとは参ります。イエローハットの日でもあるそうですが、「掃除道」で鍵山秀三郎さんを尊敬している私も初めて知りました。
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 シェーファーのスリムタルガです。黒のマット軸であることと、With Converterと書かれていたことが決め手になって入札。競争相手もなく、開始価格(どーむさんもビックリの驚くべき安値)で手に入れてしまいました。送料がとっても重く感じられたほどです。スリムタルガというだけでも値打ちなところへコンヴァータ付きですから、正直、ペン先の太さが書いてないとか、そういうことはあまり気にしませんでした。あまり外れのないセラーさんだったことも一因ですが・・・・・。
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 さて、Blogに載せるからには比較した写真を・・・と手近にあったインペリアルブラスと並べてパチリ。正直、腕もないのにこういう難しい撮り方はいけません。見事に光りまくった、ぼけた1枚・・・ですが、何か変ですね。何か感じます。スリムタルガのペン先、あれ、誰かニッパで切ったんかいな、というような状態です。

 ペン先の上の方にはみ出した玉をぐしゃっと押しつぶしたような感じ。普通のペンはもう少し上品に収まってますので目立ちませんが、シェーファーの場合は結構こういう感じのがあるとか。噂に聞いてはいたものの、初めて目の当たりにすると異様な感じですね。
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 そうは言いながら、この子はとっても模範的なセンター分け。どこやらのペンの七三分けよりえぐい偏り方とは違い、きっちりセンター出ております。このあたりは国産並みですが、シェーファーとしては異端というか珍しいというか。ペン先の表側ですらアレですので、ペン芯側は思いっきり丸。揺らさないようにじっと持っていないとポトリと落ちてしまう、終わりかけの線香花火みたいになっております。

 書いていて思い出しましたが、今年はまだ花火やってません。庭で花火をしようにも蚊がすごいのでその気にならないのですが、久しぶりに大きな大きな線香花火の玉を見てみたくなりました。
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 そんなこんなで、肝心のwith converterはどうでもよくなってきた感じですが、せっかくですので中をのぞいてみました。例によってとっても速いネジを回して胴軸を外しますと、確かにコンヴァータが装着されていたのですが・・・・・。

 まぁ、こういうこともあります。これだって、欲しくて欲しくて探しまくっている人がいるブツです。たまたま手元に10個ほどありますが、これは単なる偶然。タイミングの問題ですね。

 夏は海、それとも山、なんて毎年言いますけれど、私は山派。泳げませんし、水着のお姉さんがいっぱいいると嬉しくても目のやり場に困ってしまいます。ですから、夏はやっぱり緑の山です、ってことで、シェーファーからモンテヴェルデのコンヴァータが出てきたよ、というお話でした。
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2009年8月 9日 (日)

パートワーク

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 じっと目を瞑って黙祷を捧げる「ちち(仮名)」さん・・・ではありません。ただ目を瞑った瞬間にシャッターが切れただけの話です。飼い主である私は、6日の朝も、今日のお昼前も寝てしまっておりました。前夜遅くまでゴソゴソしていたことが原因ですが、毎年この日は、一応黙祷を捧げなくては・・・という気持ちでいたのに、今年はまったく意識がありませんでした。申し訳ない話です。

 私の住んでいるあたりでは、小学生の修学旅行はほとんどが広島方面です。大昔は伊勢方面でしたが、山陽新幹線の開通などもあってそのように変わってきたのでしょう。中学校の修学旅行も、かつては東京方面が普通でしたが、今は長崎や沖縄というのが多いようです。そうなっている理由については個人的に言いたいことも多々ありますが、まぁそれはおくとして、長崎の街が大好きです。行きたい行きたいと思いつつなかなか果たせませんが、今度のランタン祭を見ることが出来るでしょうか。

 ちなみに、長崎の街では私たちの身近にあるごくありふれた乗り物があまり見られないのですが、それが何かご存じでしょうか。
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 散らかっているのではなく、整理中の様子です。かの有名なD社によるスタートレック・ファクトファイルというパートワーク。日本語では分冊百科などと言うらしいですが、これが大変に厄介な代物で、放っておくと定期的に送られてくる(当たり前)ので、どんどん積み上がっていきます。これをバラバラにしてテーマごとに整理し、ファイルに綴じていくことで、スタートレックシリーズのすべてがすっきりと整理された「百科事典」ができあがるのです。

 私にはそんなこと出来るはずもないのに、勢いで申し込んだ定期購読。あまりの積み上がりぶりを見かねた妻が、今朝から整理しはじめてくれたのですが・・・・・終わりません。一向に終わりません。きわめて整理能力の高い妻が手がけてこれですから、私がやっていたら即身成仏、ミイラになっても終わらないことでしょう。

 最後(最新?)のTVシリーズであったスタートレック/エンタープライズは不幸な終わり方をしましたが、このシリーズは本当に魅力的です。整理してくれているのをちらっと見るだけで、おぉ、これは宇宙大作戦から見直さなければ・・・なんて気持ちになってきます。個人的にはTNGが一番ですが、それ以外のシリーズも捨てがたいものがありますね。
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 こういう風にきちんと整理されているとなかなかのものですが、このバインダーの購入費用も別途発生しますから、結構お金を払ってるはずです。そういう意味では、「万年筆コレクション」があっけなく終わってくれたのは救いでした。

 何で今日は萬年筆が出てこないのか、というのも、このパートワークが原因。実はこれを広げて整理しているその奥に、萬年筆が置いてあるのです。整理している中でゴソゴソするとミスや紛失のもとですから、お手伝いもしないで見ているのが現状。とりあえず、何か出来ることは・・・ということで、出てきたゴミをかためてみました。

 ビニールの封筒に折れ曲がり防止のための段ボールとともに封入されて送られてくるので、それを整理せずに積み上げておくとこんなことに。くしゃっと丸められた紙片は封筒に貼られた宛名シールです。白い紙は「住所変更はお早めに」なんて通知ですが、新年明けましておめでとうございます、なんて紙も入ってたんですね。知りませんでした。そして、あとは「こんなシリーズも始めました」という悪辣な広告の数々。開けずにため込んでいた唯一のメリットは、この広告を見ずに済んでいたことでしょう。もし途中で見ていたら・・・無限ループに陥っていたことでしょうね。
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2009年8月 8日 (土)

○○○なんて大っ嫌いだぁ

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 ゆったりくつろいでいる「くま(仮名)」さん。大きなあくびをしております。犬は緊張するとさかんにあくびをするそうですが、これは眠たいあくびなのだと断言できます。写真の隅の方が白ぼけておりますが、そんな光あふれる昼下がり、犬も人間も眠たくてあくびしてばっかり、という時間帯に撮ったものです。

 いよいよお盆。帰省やレジャー、車で出かけてあくびをしている人も多いのではないでしょうか。多くの勤め人にとって休みの取れる日なんて限られておりますから、一斉に人が動いて混雑するのは仕方のない話。混む混むと言へる自分が混ますなり、っていうことですね。

 今日は珍しくどこへも外出せずに家で過ごしておりました。例の万年筆コレクションを販売されていない地域の人に見せびらかす、というイベントも計画していたのですが、先週のBBQ炉造りの疲れが出たのか、何もする気が起こらず、こんなことなら仙台へ行けばよかったかも、なんて子どもみたいなことを考えながら昼寝をしておりました。
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 夕刻近く、冷蔵庫が空っぽなので買い出しに行くか、それともどこかで夕食を摂るかと妻から選択を求められ、出した結論は外食。まぁここまでは順当なところでした。土曜日曜は夫婦で神戸方面へ出かけて子どもたちにはお留守番をお願いする、というパターンが多かったので、ここは家族揃って、というわけです。

 我が家の子どもたちには神戸=萬年筆というイメージが強いようで、ついておいでと言っても首を縦に振りません。こんなにでかくて吠えまくるビーグル犬と、飼い主の楽しいおぢさんを見に行こう。そして、ホテルのラウンジでカリカリのポテトチップスを食べよう、と誘っても、ジャガイモ好きの長男も犬好きの長女も「イヤ」の一言。

 近鉄奈良駅は地下駅で、その上に8階建てのビルが建っています。かつては奈良ホテルアネックスとして、最上階に展望レストランがあったのですが、現在は近鉄グループの北京料理店が入っております。中華料理は取り分けて食べるもの、ということでここを目的地にしたのが間違いでした。この5日から、なら燈火会(とうかえ)という、奈良にしては珍しくヒットしたイヴェントが始まっていることを忘れておりました。
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 全国の人が「奈良」だと思っているのは興福寺や春日大社、東大寺などが集まる奈良公園とその周辺。自宅からそこにいたる途中にあおによし奈良の都の平城宮跡がありますが、そこまで行くのにすでにクルマの流れが悪すぎてイライラ。そこらで諦めて適当なファミリーレストランにでも入れば良かったのですが、変な意地を張って何とか奈良までやって来ました。

 目指すお店のエントランスは崩壊したソ連の食料品売り場みたいな行列。順番待ちのリストに記名しても無駄と知ってようやく方針変更。ひいきの天ぷら屋さんをめざします。こちらはすんなり積に案内された(模様)ものの、駐車場の空きがなくて私は運転席で待機。これも空く気配がないので周辺を巡回しますがすべての駐車場で「満車」表示。自分の愚かさを呪いました。

 やはり休日はおうちで家族揃ってお食事、というのが一番ですね。学校の中庭でせっせと煉瓦積みをしていて、なぜ私は自宅の庭でこれをやらないのだろう、と思いました。休みといえば出かけている出好きな私ですが、もう少し家のことにも力を入れなくてはなぁ・・・と、ふとまじめなことを考えさせられた燈火会の夜でした。
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 ちなみに燈火会は14日まで。15日の夜には奈良大文字送り火が行われます。京都よりは人出が少ないと思うのですが、あいにくとその時刻には、岡山駅で新幹線を待っているはずです・・・って、まったく反省してませんね。

2009年8月 7日 (金)

暗黒面(Dark Side)

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 よく利用する駅前のコインパーキングで、馴染みの(?)アルファと並んだエスカルゴ。すっかり日も落ちてそぼ降る雨の中、クルマの向こうには強力な水銀灯という悪条件下でパチリ。固定ファンは多いけれどノイズが多いことで有名なデジカメによるショット。この塗装のエスカルゴなんておそらくは世界に1台。ナンバー切り抜いても無駄な抵抗・・・・・隣のアルファもモデル名そのままです。

 何で馴染みなのか。私はこのアルファのオーナーを知りません。一度だけ、この近くでエヴァンゲリヲン携帯を予約した帰りに空車待ちをしていたオーナーさんと会釈を交わした程度。このコインパーキングの常連というか主のようなクルマで、エスカルゴを駐めに来てこのアルファを見なかったことはありません。そういう意味での「馴染み」なのです。ちなみにアルファのオーナーさんは美しい女性でありました。
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 ストロボを焚いてようやく模様が見えるル・マン100のブライヤー軸。柘製作所やセーラーなんてとんでもない、プラチナにだって及ばないほどのグレードの低い材なのでしょうか。首軸も含めて木製という意気込みは認めますが、見事なまでに各パーツの色合いが違います。しっかり握られて手の脂を吸った胴軸だけがやたらに濃い色になっております。

 思わず、手近にあったウクレレ用クリーナーで磨いてみましたが、ホコリや手垢によるものと思われる汚れが若干拭き布についたものの軸の色には変化が認められませんでした。考えてみればもっともな話です。

 こうなると、胴軸以外の部分を濃い色にすべく鼻の脂を塗ったりイボタロウで磨いたりするしかありませんが、気になったのが首軸の先の方。とっても黒っぽい帯が目立ちます。
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 これは模様の一部なのか、それともインクのシミなのか。手に入れたとき、このペンにコンヴァータはついておりませんでした。首軸の金属部分もきれいなものですし、カートリッヂで使われていた公算が高いのですが、普通に考えるとこの黒い帯、インクがついたように思えます。

 ところが、ペン芯側を見てみると、黒い帯が微妙に薄くなっております。気になって仕方ないので、ペン先を洗うついでにメラミンスポンジで軽くこすってみました(いい子は決して真似しないようにしましょう)。しかし、スポンジは真っ白なまま。まぁ木が染まるほどにしみこんだインクが簡単にとれるわけもないのですが、黒い帯の部分をルーペで見ると、もともとこういう模様だったのかも、という気になってきます。
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 同じことなら気分よく行こうと、これは元々の模様なんだ、ひょっとしたら入り皮なのかも、と適当な嘘を自分について、ペン先の観察に移ると、さらに衝撃的な事実が明らかになったのでした。

 こいつもまた、七三分けのペン先だったのです。どうもウォーターマンとは相性が悪いらしく、手にするペンはほとんどが七三分け。以前所有していたオペラも大概なものでしたが、こいつは史上空前、七三分けというより八二もしくは九一とでもいうべきものです。それに加えてえぐい段差と左右の重なりがありましたので、一旦ペン先を取り外して指圧。気持ちよくはありませんが一応問題なく書けるまでにはなりました。なかなかどうして、見た目と裏腹に落ち着きのないペンのようです。
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 ショートサイズのカートリッヂを使い、予備もひとつ仕込んで持ち歩きペンに・・・と思いましたが、キャップの嵌合がこれまた緩いのです。ゴシゴシ磨いてやろうにも、キャップが外れるのでて黄色いつやふきんが真っ青になってしまいます。こんなペンを胸ポケットや背広の内ポケットに挿すなんて自殺行為です。

 木軸の萬年筆は人気がありますが、木で出来てればいいってモンではありませんね。適度に撓るペン先の柔らかさが、よけいに哀しい気持ちにさせるペンなのでありました。
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2009年8月 6日 (木)

カマンゲリヲン

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 ご主人様、作業されるなら軍手をどうぞ。そんなしおらしいことを言うはずもない「ちち(仮名)」さん。家族の誰かがケージの近くを通るたび、軍手をくわえて立ち上がり、遊んで頂戴アピールをするのです。まもなく1歳の誕生日を迎える彼女、次第に大人らしくなってきたのでしょう、ダメとわかるとすぐにあきらめて寝てしまうようになりました。

 下の写真、瓦礫の捨て場ではありません。学校の中庭です。撮影者がファインダーから目を離せば、校舎沿いに作られた花壇が見える、そんな場所なのです。3年ほど前、生徒たちと、この場所にBBQ用の炉を造りました。と言えば聞こえはいいのですが、実際には授業妨害する生徒たちの「雇用対策」だったのです。
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 「先生がダメだから生徒が言うこと聞かない」というのは、今や常識になってしまったようです。そんな教師に給料払うのはもったいない、というのがマスコミによって張られたキャンペーンで定着しておりますから、無駄な公共事業には金を出しても教育には金は出せん、と行政も強気です。お金がないのはわかりますが、ぜひ一度、しっかりした方に来ていただいて、一発で生徒に言うことを聞かせるお手本を示していただきたい。全国の教師はそれを切望してるんじゃないでしょうか。

 授業を受けないだけではなく、積極的に授業妨害を続ける生徒達。板書を生徒が写している教室に乱入して黒板消しでさっと一拭き。リスニングテストの最中に大音量で音楽を流しつつ廊下を走り回る。「頼りない」我々にはどうすることもできませんので、「休業補償してくれるんかっ!」と凄まれつつ保護者に来ていただいても、「オバはん何しに来たんじゃっ、帰らかいっ、シバくど!」の一言でさようなら。

 「小さい頃は良い子だったんですよ」と恨めしそうに教師をにらみつけて、さっさと帰っていく保護者。そうだったのか、この子達がむちゃくちゃなのは私たち教師が100パーセント悪かったんだ・・・。
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 でもね、ヤッパリ血の通った人間ですし、なんといっても15歳までの子どもなんです。勉強大嫌いだった私は相性が合うみたいで、そんな連中を完成後の焼き肉を餌におびき寄せて作業に参加させたのでした。

 築造中のコードネームはカマンゲリヲン。まずはじめに零号機、続いて初号機と、2基のBBQ炉が完成して2年。クラスや部活動の親睦会などに活用されて、なかなかに好評だったのですが、昨年あたりから、カドの部分を意識的に欠けさせたり、炉の中にゴミを突っ込んだりする「破壊活動」が見られるようになってきました。

 犯人は・・・おそらく、というより確信を持っていいますが、ごく普通(に見える)生徒達です。髪型や服装が異様で、明らかに目立つ「突っ張った」生徒達は、この炉を作るのに参加した(突っ張っていた)先輩たちが怖いのでやりません。親や教師の前では問題のない生徒なのに、影ではけっこうエグいことをやる。しかも、絶対と言っていいほどしっぽをつかませない。そういう生徒がじわじわ増えてきていて不気味です。
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 この夏休み前には、とうとう2基とも使用不能になったので、中破していた初号機をまず修理。とはいえ、割れてしまった煉瓦を取り除き、BBQ炉を増設するために買ってあった耐火煉瓦を使って積み直しましたので、3年前に子ども達が積んだ煉瓦は、ほとんどが瓦礫になってしまいました。

 壁際に積まれた煉瓦。木の下で日が当たらない場所なので、ムカデが潜んでいるのは確実。同僚の先生にお願いして煉瓦を運んでいただいたのですが、下の方にはゴキブリの巣があって、ほとんどハムナプトラの世界だったとか・・・。危ない危ない。私が見ていたら意識を失っていたことでしょう。

 耐火煉瓦をつなぎ止めるモルタルも耐火仕様。砂の代わりに硅砂(けいしゃ)という、ガラスの原料にもなるサラサラの砂を使います。これが実に扱いにくく、夏場ということもあってなかなか煉瓦がくっつきません。砂を骨材にした普通のモルタルは、食べ頃のアイスクリームにスプーンを突き立てた感じなのに対して、硅砂を使ったモルタルはシャーベットみたいなしゃくしゃくした感じです。ねっとり感が少なく、1日たって乾いてからも表面をこするとボロボロと砂粒が落ちます。本当に煉瓦がくっついているのかな、と心配になって、力を入れて押してみるとポロッと外れる、そんな試行錯誤を繰り返すこと3日間、ようやく2基とも修復できました。
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 このぐらいですと、水糸を張らなくても水準器をあてながら積んでいけば何とかなります。壊されたBBQ炉の周りには、写真に写っている鉄の棒がありませんでした。おそらく、この棒を手に持って振り回したくて、棒をつかんでガタガタぐいぐい。炉は壊れても、めでたく棒を手にした生徒は、さぞうれしかったことでしょう。目の前にある物が欲しかったらとにかく手に入れる。「ちち(仮名)」さんと同レベルの中学生たちです。

 朝食昼食抜きでも、それが習慣となっている私にはダイエット効果はありませんが、月曜から水曜までの3日間、9時から5時まで水も飲まずに作業に没頭していると、さすがに効きます。ここは職員室から遠く離れた辺境の地ですし、実は左官作業が大好きなので、ついついノンストップでダァ~っとやってしまうのです。毎月受けている糖尿病の定期診断、今回はこの作業の後で受けたので体重も数値もバッチリ。日頃、いかに運動不足であるかを思い知らされたことでした。

 炉が完成しても煉瓦が大量に余りましたので、炉の周囲に煉瓦を敷いてみました。春から秋にかけては、炉の周りに草が生い茂り、近くに人が来なくなります。それが破壊活動の発見を遅らせたという反省からですが、なかなか良い感じです。

 来週初めに生徒会の研修会でこの炉を使うので、とりあえずここまでで中断。今後、夏休みの残りを使って恒久的な舗装を施していく予定です。でないと、今度はこの敷き煉瓦を投げるという遊びが、おとなしく目立たない生徒達の間で密かに流行してしまいますから・・・。
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2009年8月 5日 (水)

Farewell・万年筆コレクション

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 ん、なんなの、今頃。そう言っているかのような「くま(仮名)」さん。宅配便のピンポンに反応したところです、と言いたいところですが、彼女は今や、ピンポンぐらいでは反応しません。玄関前を猫が走り抜けたときなどは何でわかるんだろうというぐらい敏感に反応するのですが・・・。

 アシェットコレクションズジャパンに電話して、万年筆コレクションの3号と4号を送ってくれるように頼みましたら、「だいたい3~4週間でお届けします」という衝撃のお答。あまりのことに思わず「えぇ~っ」と電話口で叫んでしまい、それならもう一度、何軒か書店を廻ってからにします・・・と告げました。

 「し、しばらくお待ちください」と電話の向こうの女性、慌てた様子で電話を保留。待つことわずかに数十秒。「ただいま、担当者と上の者に確認をとりまして、特別に、至急お送りする許可を取りました。週明けにはお届けできますが・・・」とおっしゃるのでお願いしてしまいました。

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 実際、金曜日の午前11時に電話して、私がガンダムを見に行っている間、つまり土曜日の昼頃には配送されてきたのです。何というスピード。けっして恫喝したわけでもないのにこの速さ。その根性で刊行を続けることはできなかったのかと思うと残念です。

 このシリーズ、厚みの大半を占める「箱」におまけの萬年筆が収納されていて、残りわずかな厚みが記事になっております。箱の中には毎回、定期購読を募る案内が入れられておりましたが、4号にそれはなく、代わりに休刊のお知らせとお詫びが書かれた紙が入っておりました。公式にはあくまで「休止」なのですね。

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 1号の「パリ」、2号「ニューヨーク」に続いて第3号は「フィレンツェ」、第4号は「ブエノスアイレス」というペンがおまけについてきました。
このうち3号付録のフィレンツェのみがネジ式キャップで、他は嵌合式。さらにフィレンツェのペン先は繰り出し式です。

 この繰り出し式、猛烈に違和感を感じます。ペン先を出すために胴軸をツィストするのは、カートリッヂを交換するために胴軸を外すのに近い感覚です。ぐりぐりと2回転半も回す間、精度の低い感触が手に伝わってきて、ペン先が胴軸とソリッドにつながっていて、筒の中で回転している・・・というのがよ~くわかります。ここまでチープな感触、100均でももっとマシなもん売ってるで、って感じですね。

 基本は同じで、目先を変えながら60本。総額118,200円。私の性格からすると最後までいってたでしょうから、ここは大いに節約できた、と喜ぶべきでしょう。負け惜しみとかではなく、4本で済んで本当にホッとしております。

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 市場が成熟すると変なものが出てくるということから、これも萬年筆を取り巻く状況がよくなってきているのだと解釈すべきなのかもしれませんね。まぁ、Blogのネタとしてはありがたかったですし、続いていればさらに突っ込みどころ満載だったはずですから、その意味では残念ですね。

 こういった試みは、これからもまた出てくるでしょう。そのときはまた、凝りもせずお付き合いしたいと思っております。

 

2009年8月 4日 (火)

お台場ガンダム・LAMY編

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 わざわざお台場まで行ってガンダムを見る。ネット上で検索すれば、行ってきた人のBlogなんかがヒットして、そこで写真を見ればこんなもんか、となります。関西では、手近な神戸市内で鉄人28号の建設が始まっているので、そちらの方が話題になっております。それでもわざわざ行って、両足の間をくぐりつつガンダムに触ってくる、っていうのが第1の目的でした。
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 さて、東京駅から銀座1丁目駅まで歩いた私たち親子。先頃惜しまれつつ閉店した銀盛堂の看板を写真に収めてくるのを忘れましたが、代わりに変な写真を撮ってきました。

 銀座松屋の7階、昔から大好きです。何も知らなかった頃は東京へ行ったら伊東屋、でしたけれど、ものの弾みで隣の松屋に入って激変。ここの7階には本当に変なものがあふれております。開催中のLAMY展そのものは非常にコンパクトな、それでいて代表的なモデルが分解された姿を見ることが出来るすばらしいものでしたが、お目当ては今日まで開催のLAMY2000フェア。例のダイアログ3が予約できる・・・ひょっとして実物に触れる? というわけです。
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 見本として供されていたペンの字幅はM。例によって国産なら軽くBという太さですが、大変になめらかで気持ちのよい書き味。ペンそのものは、LAMY2000の一番太いところぐらいの直径で寸胴ですので、Mでもよいかな、と思ったのですが、どうせ皆さんBやらMやらをお選びになるのでしょうから、私はFかな・・・と。国産でMを選ぶ感覚ですね。
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 筆記時にはクリップが引っ込む、ということですが、SWIFTみたいに完全に面一になるのではなく、クリップと本体との間の隙間がなくなる程度にわずかに沈み込む、という感じですね。何度か動かして見比べるうちにようやく違いがわかる、という程度です。おぉっ、というほどの変化はありませんから、そういわれなければ気づかないかもしれません。
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 あと注目はペン先が出てくる「穴」ですね。写真を撮るために何度かくりくり回しているうちに、変なところで引っかかってしまい、一瞬焦りましたが、すぐに元に戻りました。よかったです。

 ペン先を収納した状態では、穴の中に球面の「フタ」が見えます。
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 くりくりと胴を回しますと、この「フタ」が回転しつつ姿を消し、奥からペン先が出てきます。モンブランのボエムを触らせてもらったとき、あまりにシャキーンと素早く出てくるのに驚かされましたが、こいつはヌゥ~っと出てくる感じです。

 何度も繰り返すと、やはり「失敗」するときがありました。展示品というか、何人もの人に触られている個体ですから、完璧な状態ではなかったものと思われます。最初の写真でも、ボディサイドのラインがズレています。
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 宵の一番星みたいに、ペン先の玉が光って見えております。同じようにペン先を出す動作をしても、必ずこうなるとは限らないのが面白いところでした。その場合でも、一端元に戻してやり直すとペン先が出てきます。

 10月10日頃発売とのことでしたので、10月のWAGNER表定例会にどなたかが持ち込まれる可能性もありますし、フェンテ交流会でも見せびらかしがあるかもしれませんね。

 「写真撮ってもいいですか?」というとんでもなく厚かましいお願いを快くお許しくださった松屋の売り場担当の方、ありがとうございました。
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2009年8月 3日 (月)

お台場ガンダム・その2

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 お昼過ぎに東京駅に着いた私たち親子は、銀座を目指しててくてくと歩きました。2時間半も新幹線に揺られた息子は自分で歩くのが嬉しくて文句も言いません。息子には可哀想なことをしたかな、と懺悔の気持ちで銀座教会に入りますと、どうぞと聖書をいただきました。対訳版なので、こういっては失礼ながら楽しめそうであります。最上階まで上るも欲望に負けることなく無事降りてくることが出来たのは、この聖書のおかげなのかもしれません。
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 LAMYフェア開催中の松屋をかすめ、伊東屋を通り抜けて見た光景。奥野ビルも風前の灯火なのか、と思いますが、どうやらオーナーさんにその気がないとのことで、当分はこのままここに建っている見込みだそうです。

 小学3年生の次男はビルの正面に廻るや「おっ、あやしいエレベーターのビル!」と盛り上がっております。そう、あくまで文化的遺産としてのこのビル、そしてエレベーターを息子に見せておきたい、そういう意図でここに来たのです。他意はありません。
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 カゴに乗り込んで、とりあえず縁起物ですので4の釦を押します。外観に比べて意外と近代的な内装です。いわゆるまき直し、ってやつでしょうが、それでも古色蒼然たる手動扉を残しているあたり、このビルのオーナー(誰か知りませんが)大好きです。

 4階についたので仕方なく降りて徘徊するうち、おしゃれなドアノブを見つけたのでつい握ってしまったところ、スッとドアが開きました。ためらいつつも、「こんにちわぁ」と中に入ると「あぁ、久しぶり」。何となく、初めてではないような気分。

 中には、人当たりの良さそうな、溶接のお面を透明ガラスに換えたようなものを被ったおじさんが座っていました。小さなその部屋の壁面は萬年筆の入ったガラスケースで覆われています。どこかでお会いしたことのある、そんな気がする先客と自然に会話しつつ、ガラスケースの中を丹念に見ていきます。
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 「キャンディ、知ってます?」ふと我に返ると、息子の手に黒いセーラーキャンディのデッドストックが握られておりました。悪魔は最初に飴を与えるものなのでしょうか。この歳からこの店で萬年筆手に入れてどーする、と思いつつ、Fさん、どうもありがとうございました。

 修理をお願いしていた萬年筆も無事受け取り、C.O.U.さんで噂の什器を拝見してから、有楽町線で豊洲へ。ゆりかもめに乗って降りたところが船の科学館だった、というわけです。こんなことしている間、自宅近辺は警報が出るほどの大雨で、ごく短い時間ではありますが最近珍しい停電まであったとか。朝の天気予報で「東京は曇り」というのを見て「そうだ、ガンダム見に行こう」と決めるバカ親父、今日に限っては見事「当て」ました(何を?)。

 長くなりましたので、途中立ち寄った松屋でのお話は、また日を改めて、ということにいたします。
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2009年8月 2日 (日)

お台場ガンダム・その1

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 ホワイトベースにところどころ茶色が混じる「ちち(仮名)」さん。夏毛なのでピンク色の肌が透けて見えるところもあります。赤ちゃんの時はお鼻も白っぽかったのですが、次第に普通の犬みたいに黒くなってきました。相変わらずお子ちゃまモード全開ですが、お誕生日までもうすぐです。
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 ホワイトベースといえばアレでしょう、ということで、見に行って参りました、お台場のガンダム。実物大?のRX-78-2がお台場の潮風公園に建設(法的には建造物ということになるらしい)されるというニュースを聞いて以来、ずっと気になっておりましたが、まぁ人出もさほどではなさそうですので次男を連れて出かけました。

 なぜか豊洲からゆりかもめに乗り、船の科学館で降りて笹川氏に敬意を表しつつ見学。館内にそれらしく造られた潜水艦の潜望鏡をのぞくと、潮風公園に立つガンダムを見ることができます。さらに展望塔にのぼると、見学に来ている人の様子までよく見えます。ぎっしり、という感じではなさそうなので一安心。
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 船の科学館を見学していても、鉄分の多い親子ゆえ、羊蹄丸に注目。懐かしいですね、JNRのマーク。入館したのが午後4時頃で、羊蹄丸を最後に体感したのが午後5時半頃。飽きっぽい次男を連れていたにしては異例の長時間見学でありました。

 以前、TDLへの修学旅行で、8時から20時までTDL園内、というエグい計画を立てたことがありますが、そのとき夕食をいただいたのが船の科学館の中にある海王というレストラン。中華料理を取り分けて食べるスタイルで、円卓の上にはさまざまな取り皿が山盛り。レストランの方の「中学生なんだから、自分で適切な器を選んで取り分けなさい。」という言葉にしびれたのを覚えています。
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 曇り空なのとあわせて少し暗くなってきたと感じる頃、潮風公園に到着。バーベキューで盛り上がる人たちを横目に園内に入ると、まず目に入るのがこのアングルのガンダム。一押しといわれる茨城県は五浦(いづら)ハム謹製のハム焼きを食べつつ足下へと近づいていきます。ガンダムの両足の間をくぐり抜けようと皆さん並んでおりますので、最後尾へ。

 オフィシャルグッズを買うにも、またくぐりをするにも、とにかく並びます。曇りであまり暑くないのが救いですし、列に並びながらその時々で違うアングルのガンダムを撮れますので、さほど苦痛にはなりませんでした。
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 順調に進んでいた列がピタッと進まなくなったので、何事?と前方を見ますと、先頭も台座の手前で止められております。もうすぐ午後6時。毎正時にはガンダムの頭部が動き、イルミネーションが点滅し、ミストが噴出されるのです。これもベストなポジションで見ることが出来て、この日ばかりは行列ってすばらしい・・・と思ってしまいました。

 ちなみにこのガンダム、オリンピック招致にも一役買う、ということで、左肩にさりげなくキャンペーンのロゴが入っております。

 ところで、私たち親子が豊洲からゆりかもめに乗ったのはなぜか、といいますと、こんな場所から有楽町線に乗ったからなのです。数字がとっても危険ですね。
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2009年8月 1日 (土)

トレドの日・8月

 娘が携帯電話で撮ったので荒いのですが、「ちち(仮名)」さんご幼少のみぎりの動画です。動画は全然わからないのですが、再生にはクイックタイムなんかが必要かもしれません。
MOL001.3GPをダウンロード

 残念ながら(何が)8月に入ってしまいました。大の月ですので大トレドですが、手持ちの大トレドは底をつきました。夏と言えばビールですから、同じトレドタイプの麒麟でも出そうか、と思っておりました。
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 先日、W-GERMANY刻印入りのM800がM400なみのお値段で出ているのでひょいっと入札してそのまま忘れておりましたところ、ライバルなしで落とせてしまったようで、黒猫のお兄さんに消費税払うのと引き替えに受け取った荷物。しかし、UPSの袋から出てきたのは、お目当てのM800ではありませんでした。

 おまけのマーカーは、とっても匂いがキツイ、一昔前のマジック並み。RoHS指令を完全に無視しておりますね。そして同梱されたお手紙には謝罪の文章。M800は間違えて別の人に売ってしまった。完全なミス。お恥ずかしい限り。お詫びの意味も込めて、あんたがウォッチしていたM910の出品を取り消して代わりに送るから許してね、というもの。

 でもね、値段が違います。ユーロにして桁こそいっしょですが相当に違う。それはあんまりですから、またW-GERMANYのが出た時に優先的に売ってくれたらそれでいいですよ・・・・・とメールをすると、今回はセラーとして恥ずかしいミスなので仕方ない。それにM710も出すからまた買ってね、なんて嬉しいような恐ろしいようなお返事が返ってきたのでした。これまでに何度か取引させてもらったセラーさんでしたので、誰もBidしていないような小物をいくつか、急いでBidしましたが・・・。
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 トレドを抱えるのが専門になってしまったスーツ氏。赤トレドですからしてバックに黒いものを・・・と探していて、ケースが黒いのでそれにしました。ショウケースの中で見るのとは違って、やや薄い、朱に近い赤に思えます。気になるペリカンさんのお目々、ウルトラマンではなくほどよく丸い、なかなか可愛らしい感じです。

 ペン先はB。実は手持ちのトレドはFやEFがほとんどなので、Bというのも嬉しいところ。M710のニブをどうするか迷っておりましたが、ペンの大きさと字幅の関係、Bromfieldさんが7月20日に書かれているのと同意見ですので、すっきり細字系に決められそうです。
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 まともな経緯でやってきたトレドはないのか・・・そう、ないのです。この夏は、腐海と化した部屋の整理をしながら、使用頻度の低いペンをどんどんお嫁に出してあげようと思っておりますが、結局トレド系は残るでしょう。特に大きなトレドの筆記バランスは大好きです。

 やはりペンは書いてなんぼ。次代に伝えるという壮大な思いでコレクションされている方には申し訳ないのですが、使って楽しんで、使わなくなったらお嫁に出す、という享楽的な私の姿勢は変わりそうにありません。

 さて、赤いビッグトレド。どんなインクを入れようかと思案中です。大事なペンには赤系統のインクを入れない、というのは堅持したいので、結局おもしろみのないごくごくありきたりな青インク、ということになりそうですが・・・。
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