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2009年5月19日 (火)

まるいもの偏愛

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 耳を収納して飼い主の帰宅を喜ぶ「ちち(仮名)」さん。耳を寝かせて、まん丸な頭になっているのが可愛らしくて好きです。普通の人なら「真夜中」とよぶ時間帯。ここから新聞配達のバイクの音を聞くまでが飼い主の時間。ネットサーフィン(懐かしい響き!)をしたり、やり残した仕事を片付けたり、文字通り部屋の片付けに励んだり。ちょっと疲れたなと時計を見て「こりゃいかん」と慌てて布団に潜り込む、そんな乱れた(!)生活を送っております。

 前々から買い置きしてあった冷凍うどんをそろそろ食べなければいけないということで、誰もいない台所で調理(単に火にかけただけ)して食べました。実は私、関西人ですが蕎麦が大好きで、うどんはできたら食べたくない、という人。やる気なさそうにすすっておりましたら、自慢のトースターにおつゆがピチャッと。思わずティッシュで拭き拭き。
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 アメリカ、サンビーム社製のクラシックトースターです。カタログモデルとして売られていた中ではおそらく最晩年のものではないかと思います。同じシリーズのもっと古い、おそらくは50年代製のものを使っていたのですが、ある日突然オブジェと化してしまったのに懲りて、できる限り新しいものを、と捜しまくって手に入れたものです。プラグを見てもわかるように、代理店が日本仕様にして販売していたものです。

 これの弱点は、かつて関西ならびに岡山地区限定といわれた5枚切り食パンが焼けないことです。絶対に無理というわけでもありませんが、5枚切りの食パンを焼いた場合、このトースターの最大の美点が損なわれてしまうのです。
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 ONE SLICEの文字。1枚だけ焼く場合には、2つあるうちのこちらのスロットに入れてね、という表示です。2枚焼く場合も、まず最初にこちら側にパンを入れます。

 パンの重みでスイッチが入り、ジーッという音ともに電熱線が赤熱しはじめます。そして、まるで舞台の奈落が下がるかのごとく、すぅ~っとパンが沈んでいくのです。この間、耳に届くのは電熱線のジーッという音だけです。やがてパンが焼き上がると、カチッとスイッチが切れて電熱線から発せられていた音が途絶え、するするとパンがせり上がってくるのです。
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 いらち(短気、せっかち)な私などは、表面だけを軽く焼いたパンが好きなこともあって、パンが沈んでいってまもなく、仕上がり調整レバーをOFFの位置にしてしまいます。そんなにせかせかしている割には、厳かに食パン様がせり上がってくる様子をじっと見守っているのです。

 私の知る限り、このようにパンを出し入れするためのレバーがないトースターはこれだけです。サンビーム社が倒産してから干支が一回り。クルマや冷蔵庫なんかでも、こんなころんとした、豊かな丸みを持ったものがいっぱいあった、古き良きアメリカ。あまりおいしそうではない焼ベーコンと一緒に、こいつで焼いたパンを食べる。絵になるアメリカン・ブレィクファストですね。
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コメント

こんな顔して帰ってくるのを迎えられたらメロメロですね。

このトースター、アメリカンデザインでぐっときます。

私の好物は4枚切りの厚焼きトーストにマーガリンではなく、バターをたっぷり塗り、その上からメイプルハニーをたっぷりたらしたものです。

しかし、粉もの御法度で、うどん、蕎麦、パン、米も最近はあまり食べていません。

 ペリカン堂 さん

 帰宅してリビングに入ると、まず「くま(仮名)」がいて、その奥に「ちち(仮名)」がおります。ここはやはり先輩の「くま(仮名)」さんからよしよししたいところですが、「ちち(仮名)」さんのあまりに派手なパフォーマンスのせいで思わず先に可愛い可愛いしてしまいます。いけませんねぇ。

 厚切りのトーストなんてのは、昔は喫茶店の専売特許で、それが食べられて落ち着いた雰囲気の喫茶店が閉店したときは本当に残念に思いました。

トースターはもう二十年近くご無沙汰です。
サンビームが無くなったのもぜ~んぜん知りませんでしたー。
オーブンを使って焼いたのも昔の話で最近ではパン焼き器に任せきり・・ただしできたてをいただいております。
サンビームは使ったことがないので操作方法は興味津々で読ませてもらいました。

 二右衛門半 さん

 操作方法といえるのかどうか・・・。レバーによって焼き上がりを調節するだけ。焼くこと自体はパンを入れるだけ。焼けたら出てきますのでバターを塗って食べるだけ。
 自宅近くに船井電機の社宅があって、パン焼き器の開発チームにいた人のお子さんを教えたことがありました。

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