こぼれる笑み
笑っているように見える「くま(仮名)」さん。犬は笑わないのだ、といわれて理解したつもりでも、これを見るとやっぱり笑っているように思えます。スポーツを楽しんでいる人間が見せるにこやかな表情、あたりが近いのではないかと思っております。
良いペンに出会った人のリアクション、実にさまざまでおもしろいものです。先日のペントレーディング東京で、文字通り「無欲の勝利」ですばらしいペンを手に入れた人がおりました。世界のコレクターといわれる人の言葉によると、これは大変うれしいこと。その人が身近な人だからです。これでいつでも、そのペンに触らせてもらえるのですから・・・。
とにかくふわんふわんの太字ペン先を持つそのペン、オーナーは萬年筆中毒患者に限って試し書きをさせる方針で、それはとっても賢明なことだと思います。知らない人や慣れない人に触らせたら一巻の終わりでしょう。それほどまでに柔らかいのです。で、これを試し書きさせてもらった人のほとんどは、「ふぇ~~」とか「ほぉぅ~」とか、文字で表現できないような脱力感満タンの音を漏らします。しっかりしたペン先の場合などに「おぉ!」と力強く叫ぶのとは対照的です。そのうち、オーナーのBlogでも紹介されることでしょう。
で、私がペントレで手に入れたペンは、その対極に位置するカチンカチンの細字ペン先を持つもの。猛烈に硬いのに書き味が良いなんて、あのメーカーに決まっております。しかしながら、革巻きであるかの「ごとき」外装というのが、どうもアレな気がして、手を出さずに来たものです。シェーファーのレガシーヘリテージ、ルックオブレザーです。どーむさんのところでも詳しく紹介されております。
この出品者のものなら私にもぴったり合うはず、ということで書いてみたのが運の尽き。そのままでも十分なところを対面で微調整していただいたので、ペントレ期間中も、日常業務に戻った今日からも、ずっと胸ポケットに収まっております。期待していなかった、というのは出品者に失礼ですが、その方の出されていたものの中ではどちらかといえば「平凡な」ものだったはず。もっとすごい書き味だというものもいっぱいある中、あえてこれを選んで大正解でした。実際、誰にも絶賛される書き味、というのは苦手で、ほんの少し引っかかりを感じる、それでいてなめらかなものが好みなのです。書いていて笑みがこぼれる、そんなペンなのです。
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コメント
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むむっ!
渋い選択ですね~!
無欲の勝利・・・と、行きたいところですが、煩悩の勝利ばかりです、ハイ。。。
投稿: 二右衛門半 | 2009年4月14日 (火) 06時16分
ルックオブレザーいいですよね、(一本落としてしまって二本持っていますが落とした方を修復したら、こっちの方が何故か素晴らしくなった)しまった!書かせてもらえば良かった、絶妙な屋久杉といい先生には圧倒されっぱなしでした。来月の関西、可能なら、またお邪魔しますので、その節は宜しくお願い致します。
投稿: 夢待ち人 | 2009年4月14日 (火) 06時38分
二右衛門半 さん
このとき同じ出品者は、もっともっとすごいのも並べていたのですが、とりあえず一番人気のなさそうなシェーファーでいったのです。個人的には大正解でした。
夢待ち人 さん
そう、例の屋久杉も同じ人から譲ってもらったものです。間近で見るとものすごいでしょ、あの屋久杉は。
神戸でお会いできるとよいですね。
投稿: つきみそう | 2009年4月14日 (火) 07時09分