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2009年3月21日 (土)

エボニー

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 遅れていた換毛もすっかり終わり、黒い毛並みが美しい「くま(仮名)」さん。あちこちに走る茶色や白のラインも見事です。黒柴は最近よく見かけますが、顔が真っ黒だったりして、バランス良く色が混じったのは少ないようです。こういうのを親ばかというのでしょうね。

 昨日、pen and message.で受け取ってきた箱。その中身も、黒いところに茶色の縞が絶妙に混じったものです。黒檀をくりぬくという、なかなかに贅沢な仕様のペンケース。岐阜の木工家永田さんが本体を作り、神戸の鞄職人松本さんが革で内装を仕上げたものです。萬年筆を固定する革のベルトが固く、こりゃ難しそうだと感じたので、店主に無理を言って持参したペンを収めていただきました。

 こうしてみると、ペンが映えますね。ぎょうさん持ってるペン、ちょっとは整理せんかいっ!っていわれたら、トレド以外ならこのあたりを残すだろうと思う萬年筆達です。
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 蓋を閉めたときにぶつかる危険を予測してクリップを横に向けてくださったのですが、このケースの試作品には剣先1号なんかも収まっておりましたので、その辺は問題なさそうです。とても珍しいイタリア製萬年筆のケースに触発されて、10本入りのケースを作るぞ、って宣言されてからここまで、異例のスピードでモノができたことに正直驚いております。しかもこれは改良が施されたセカンドロットなのです。

 conplotto-10、10本の秘密計画、というほどの意味だそうです。正直、計画を聞いていたときには、10本「しか」入らない割には重くて大きいし、手に入れるつもりはなかったのです。たまたま神戸に行った日に、岐阜の木工家永田さんに現物を見せていただき、内装担当の松本さんにコーディネートを聞くうち、心が動いてしまいました。
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 ルアーケースからヒントを得たこのケース、これだけ大きく重くても、持ち歩き用として計画されたものです。さすがに日常生活の中でこれが活躍する場面は想定しにくいのですが、WAGNERの会合に参加する場合などにはうってつけのものといえます。メインは花梨こぶやウォールナットなどで、この黒檀はちょっと変態。何より、持ち歩きに気をつけないと割ってしまいそうです。それでも、萬年筆自体が取り扱いに注意を要するものなのですから、そのケースの取り扱いに注意する、っていうのもある意味理にかなっているといえなくもありません。人はこうして、自分の行動を正当化していくものなのでしょう。。。。。

 神戸六甲アイランドのル・ボナーさんへ行けば試作品を見せていただけましょうし、運が良ければ元町のpen and message.さんでも現物を見られるかもしれません(良くお店に来る人、少なくとも2人が持ってます)。開けたときに指を挟まないように工夫された部分が、このケースの形を何とも味のあるものにしています。白蝶貝か何かでしょうか白くて丸い象嵌が、ここを開けるんですよ、という目印になっています。

 魅力的なこのペンケース、4月のペントレーディングTOKYOで正式デビュー、ということになっているようです。萬年筆の周辺が充実していくのは、とっても楽しいものですね。
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コメント

まるで仏壇のように立派なものですな!

昨日元町のお店で見てきました!何人かのお客さんが見ていかれて「冬のボーナスには必ず!」とか「いいな〜この手触り!」などとかなりの好感触でしたね〜かくいう自分もその一人です!


それにしてもケースもスゴいですが、中身の万年筆もスゴい……垂涎の的ばかりですね!

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 良い木だそうです。永田さんは、今もっていえる木より良い木が手に入らないと製作意欲がわかない、と言うほどの方ですので、木の良さは文句なしでしょう。ペントレでも話題の1品になることと思います。


 たがみ たけし さん

 これはもう、気合い入れて中身選びましたので・・・。それにしてもペリカンに偏ってますなぁ・・・。

これは凄いです!
木工工房やら漆の工房とは何軒か取引がありましたから私の方でも注文製作させてもおもしろいかも。。。。
その前に先立つものをためる方がさきですがね。

早速、手に入れられたのですね。
うらやましいです。。。

納まっている万年筆さんたちも、何だか自慢げな表情に感じられます。

木と革・・・これ以上ないと言ってもよいほど、自分の好きな組み合わせ。デザインも。
500円貯金、がんばろうかしら(笑)

 二右衛門半 さん

 あ~、その線もおもしろそうですね。今回のは萬年筆菌に冒された人ばかりで作ってますが、そうでない人だと違う発想が出てくるかもしれませんし。
 木工家と漆に携わる人というのでもまた違ってくることでしょう。


 聖祥 さん

 まぁペンも居心地良さそうですね。内装の革、いろいろとオーダーすることも可能だったのですが、素人がごちゃごちゃやると美しくはならないだろう、と思って、ル・ボナーさんの提案通りにしていただきました。内装のこの色が欲しくて黒檀を選んだようなものです。

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