不本意
帰宅してみると、家族は寝静まっていてリビングは真っ暗。クンクンという声だけが聞こえます。帰りを待っていてくれた犬たちが本当にかわいいと思える瞬間です。電気をつけると、飛び上がって手を伸ばす「ちち(仮名)」さん。あまりに動きが激しいのでほとんどブレた写真ばかり。耳が切れていますが、これが一番マシなショットでした。
8時過ぎに「さぁみんな、帰りませんか」ってなことで、一同帰り支度をはじめましたので、私は愛車エスカルゴのエンジンをかけに外へ出ました。寒さが和らいできたとはいえ油断は禁物。十分に暖機しない状態で走り出すと、プスッと機関停止。再始動は絶望的です。それがわかっていながら下手を打って、始動直後にエンジンは沈黙。スタータの音が弱々しくなるほど回してみますが反応なし。
これまでの経験から、こういう時は無理せず、1時間かそこら放置して再チャレンジするのがよいということで、同僚が帰って行く中、再びPCを立ち上げてお仕事再開です。再始動が確認できるまで待ってあげよう、という優しい同僚もいたのですが、あまりに申し訳ないので「大丈夫、必ずかかります」と適当なことを言って、広い校内にただ一人となりました。
夕方から夜にかけて、学校はとっても寂しく、怖いところです。PCに入っている音楽をがんがん鳴らしながらたまった仕事を片付けていきますが、はかどることはかどること。昼間からは考えられない進み具合です。これはエスカルゴが、どうせ帰っても仕事しないんでしょ、だったら・・・と言ってくれたのだと思うことにして、仕事に没頭すること2時間。もういいだろうと車に乗り込んで始動の儀式です。
キーをONにし、アクセルを底まで踏み込んでから、気持ちを込めてキーを回します。お、火が来た、と思ったら沈黙。これを何度か繰り返して、やっと来た弱々しい火を逃さず、右足に力を込めます。冷間にふかすなんて、悪いことだとわかっていますが、とにかくエンジンがかかってくれなければ話になりませんので、ごめんなと言いつつふかすことしばし、ようやく水温計の針が動き始めたのを見て、少しずつ慎重に右足の力を抜いていきます。ここまで来ればもう大丈夫。家に帰るまでエンジンが止まることはありません。
早い時間に帰れなかったのは不本意ですが、仕事がはかどったのは喜ばしい限りです。ふと、先日、阪急電車で寝過ごしたときのことを思い出しました。時間つぶしに乗った電車で爆睡し、降りる予定の駅で電車が折り返したのも知らず眠りこけて、気がついたら乗車駅のひとつ隣の駅。あわてて飛び降りて、精算のために改札を出ました。
もうすっかり日も暮れて暗い中、暖かな白熱電球の灯り。阪急岡本駅前のベトナム雑貨店 Zenma さんで見つけた小物入れです。寝過ごすことがなければ、おそらく知らないままであったろうこのお店。次の電車までの時間つぶしにと入ってみて、なかなかに興味をそそられるお店であることが判明。中でも一番気に入ったのがこれだったというわけです。
ハート型断面の「かんぬき」を引き抜くと、蓋がスライドして外れます。中にもう一つ蓋があって、その中が布張りになっています。ジュエリーなどを入れるものでしょう。おっさんの持ち物としてはちょっとアレですが、まぁ、おもしろいのでよしとしましょう。インクカートリッジとかペン先とか、そういうものを入れておくのに良さそうではありませんか。
コメント
この記事へのコメントは終了しました。
今日の小物はとてもロマンチックな小道具ですね、二つのハートが重なり小さなハートにハートの閂を打ち込んで蓋をし、重なりつつ開けるなんて素敵な容器ですよね。さぞ小さいハート(女性)は大きなハート(男性)を心強く思うことでしょう・・やはり日常においても鍵は女性が握ってると言う事なのかも(笑)・・笑われそうですが夢やロマンはおっさんの為にあると勝手に思っております。
投稿: 夢待ち人 | 2009年3月11日 (水) 06時31分
車も【調整】に出されたほうが良いのでは・・・?
投稿: pelikan_1931 | 2009年3月11日 (水) 07時30分
夢待ち人 さん
ロマンチックでしょ。おっさんというのは日常が厳しければ厳しいほどロマンを追い求めるものなのかもしれませんね。
pelikan_1931師匠
キャブレターをオーバーホールしてから、かからないときはよりかかりにくくなったようにおもいます。もはや部品の調達もままならないクルマ故、なだめすかして付き合っていくしかないのでしょう。
下品な書き味のペンを使い込む自虐的な喜びに似ているような気もしますが・・・・。
投稿: つきみそう | 2009年3月11日 (水) 12時15分
↑名前を書き間違えられていますよ。
投稿: 二右衛門半 | 2009年3月11日 (水) 15時05分
エスカルゴのダッシュボード、いまどきのくるまよりすっきりしていて良いですね♪
要修理なのをだましだまし使ってらっしゃるのは・・・ジョン・ブル魂ということばが浮かんできます。
英国製の万年筆、愛用されていましたっけ?
投稿: 二右衛門半 | 2009年3月11日 (水) 15時09分
二右衛門半 さん
ご指摘ありがとうございました。訂正させていただきました。夢待ち人さん、二右衛門半さん、どうもすみません。
ジョン・ブル魂ですか・・・まぁイギリス人って見るに堪えないほどボロくなっていても使い続けたりするそうですね・・・。
温かい昼間はエンジン快調なのですが、高速を走ったりした後はたいてい始動不良です。何となく傾向がつかめてきたので、もう少し付き合ってみようかと。
投稿: つきみそう | 2009年3月11日 (水) 18時12分