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2009年2月 5日 (木)

干上がる

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 頭の上で激しく鳴く声で目覚めると、水が空っぽだよぉ、と「ちち(仮名)」さんが怒っていたのでした。給水器に水を入れやって、同時に水鉢も入れてやると、オアシスにたどり着いた砂漠の旅行者のごとき飲みっぷり。人(犬)心地ついても、名残惜しそうに空になった水鉢をなめ回している姿を、おっとりカメラでおさえました。ゆっくりした動きですが、暗い部屋で寝ぼけたおっさんが撮ってますのでブレてしまいました。

 気がつくと、飼い主も喉がカラカラ。帰宅が遅くなったので、今日の夕食は持ち帰りのお寿司。おいしいおいしいと食べて、エアコンの効いた部屋でうたた寝。そりゃ喉も渇きます。冷蔵庫で冷やした緑茶を立て続けに2杯飲み干して、あぁ、「ちち(仮名)」さんもこんな気持ちだったんだなぁ、と納得です。

 背広をクリーニングに出そうとポケットをチェックすると、内ポケットの底に1本のペン。PILOTカスタムのストライプ模様、お久しぶりです。見事に干上がっておりました。
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 もともとは親が使っていたものですが、カリカリと引っかかり、インクの出が渋いので使わずにしまってありました。調整してもらおうと神戸元町のpenandmessage.に持ち込んだところ、ポロッとペン先がとれてしまい、そのまま修理に。帰ってきてからは実に調子がよいので、背広の内ポケットが定位置となっていたのですが、最近見かけないなぁ、と思っておりました。忙しい、ということは本当に心を亡くすことだなぁと実感した次第です。

 シルバーンのそれを一回り小さくしたかのような、このタイプのペン先が好きで、安いものを見つけては集めてきました。般若心経が彫られているのを筆頭に、変わった模様のやら木軸のやら、実に様々な軸があって、一見派手なこのストライプ柄が実は一番普通っぽい軸だったりします。

 構造上、ペン先はガチガチに固いのですが、なかなか気持ちの良い書き味です。やはり、萬年筆はインクフローが大切、ということを実感させられます。実際に筆記する場面においては、物理的なペン先の堅さより、インクフローも含めた「柔らかい印象」とでもいうべきものが効いてくるのだと思います。
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コメント

おー、おんなじペンを持っています。
これ、いいですよねー。
セットのペンシルも持っています。

最初のペンクリはセーラーの川口さんからでした、その時はフロー中心の調整に正直物足りませんでしたが、その後いろんな方にお会いし自分でせっせと事故調整を繰り返してインクフローの重要な意味を体感する事が出来るようになり改めて川口さんの凄さを実感しております。師匠が壊した本数だけ腕が上がると言われるのも納得です。派手なものも良いが何気ない萬年筆にも味わいを感じるようになりたいと思います。日々実践・・

これってキャップの天冠に『P』の装飾がある奴ですか?それなら黒塗りを持ってます!確かにこのニブの書き味ってインクフローの多い少ないでガラリと変わりますもんね〜


しかしパイロットでもまだまだ触った事の無いモデルも沢山有る様だし精進しなければ……

 二右衛門半 さん

 ほんと、いいですね。この頃のは、ボールペン、メカニカルペンシルとセットのが結構あって、今でも入手しやすいですね。


 夢待ち人 さん

 事故調整はいけませんよ(笑)。誤変換とはいえ、おもしろすぎます。


 たがみ たけし さん

 たしかに、Pの周りに光が出ている、みたいな天冠ですね。それにしても、精進って・・・危険ですぞ・・・。

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