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2009年2月

2009年2月28日 (土)

天ぷら

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 土曜の昼下がり。家族みんなが揃っているのに遊んでくれない、と騒ぐ「くま(仮名)」さんをケージから出しますと、遊びに来るどころか「ちち(仮名)」さんのケージへまっしぐら。この直前、「ちち(仮名)」さんが騒いで撒き散らかした餌が目当てだったのです。給水器に取り付けたペットボトルをかじって穴をあけたので、水までこぼれております。逆光で広角撮り、大きさの差が強調されておりますが、実際、イメージとしては2頭の差はこんなところです。

 朝から歯医者に行って、昨夜修理のため預けた部分入れ歯を装着してもらいました。これが萬年筆の調整にそっくり。「はい噛んでみてください」「当たります」「では削りましょう」なんてことを繰り返して、その人にぴったりのものに仕上げていくのです。

 今日は神戸三宮のナガサワ文具センター本店でPILOTのペンクリニックが開催されていまして、お世話になっている方から「来ますかぁ?」とお電話をいただいておりました。この誘いに乗っていくと良いことありそう!と思っていたのですが、昨夜歯を抜いた痛みであまり眠れなかったこともあり、お昼を食べた後、うとうとしてしまいました。気がついたら午後3時。

 神戸まで電車で行くと1時間半から2時間かかりますので、着いた頃にはペンクリニックが終わってしまっております。仕方なく車をとばして、何とか4時頃に到着すると、予想を上回る混み具合。隣のジュンク堂書店にも人があふれかえっております。ペンクリはあきらめて、電話をくださった方と一緒にpenandmessage.に向かいました。

 家を出るとき、子どもたちにお土産の希望をとりましたら、次男は「ん~~まんねんひつっ!」、長女は「怪しいモン」とのお答。長男は自室にいたので回答なし。休日に両親が出かける先は神戸の萬年筆屋、としっかり見切られておりました。で、penandmessage.で一緒になったお客さんに撮らせていただいたのがこちら。
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 不朽の名作LAMY2000と、その限定バージョンEdition2000が並んだところ。以前は我が家でも見られた組み合わせですが、どちらもお嫁に行きましたので今では思い出の一コマとなっておりました。突然、人様のものを厚かましく撮らせていただくということでアガってしまったのでしょう。いつも以上にへたくそな写真ばかり。ボケたりブレたり甘かったりで、これが一番マシなショット。もっとじっくり撮らせてもらえばよかったなぁと後悔しております。

 実用品としては文句のつけようがないほどの完成度を誇るLAMY2000ですが、あまりの優等生ぶりに国産萬年筆以上に早く飽きてしまいました。また、Edition2000の方は、アメ横ダイヤストアにLAMY2000を買いに行ったとき、マダムから「こっちにしときなさいよ」とすすめられて購入したものの、キャップをおしりに挿すとうまくバランスがとれず、出番が減って可哀想なのでお嫁に。しかし、手放したペンほど、よいところばかり思い出されて懐かしいものですね。Hptimage

 お土産の万年筆を購入してお店を辞し、東急ハンズへ。先日姫路のペンクリニックで川口師が使われていたものが便利そうなので購入。怪しそうなものもいくつか購入して、すぐ隣の東門街へ。目的は「バランザック」というバーの所在を確かめることでしたが、神戸に不慣れな私たちには見つけられず断念。お腹がすいてきたので、ふと目についた天ぷら屋さん「天福」に入ってみました。

 飛び込んだ食べ物屋さんが大当たりだと、本当にうれしくなります。カウンターだけのこじんまりしたお店ですが、お料理もお値段もとっても満足いくものでした。私の写真撮影と違って、本当に旨く揚がっています。また神戸に行ったらお邪魔してしまいそうです。

 などと、思いつくまま書き連ねていたら、再び歯を抜いたところがいたくなってきましたので、今日はこの辺で。お土産の萬年筆、たいしたものではありませんので、それについてはまた後日。

2009年2月27日 (金)

〆切

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 誰も遊んでくれないのでフテ寝してしまった「ちち(仮名」さん。彼女が我が家に来て4ヶ月、家族の者も慣れてきて、ワンキャン騒いでいるときは無視するに限る、というふうに学習しております。時間が過ぎれば静かになる、というわけです。

 いっぽう飼い主は、できれば時間が過ぎて欲しくない、そう思いつつ日々を過ごしています。特に今日は2月最後の営業日。信じられないほど大量の書類を仕上げて送り出しました。これでも一区切りというだけで、これから5月頃まで、怒濤の紙爆弾攻撃が続くのです。毎年毎年、世界の萬年筆祭りかぁ、行きたいなぁ、と思いつつ休日出勤してやっとこさ仕事を片付けていますが、今年こそ、という思いもあります。

 冷静に分析すると、こなしている仕事のうち自分がやらなければいけないものは半分以下なのです。はいこれ、あなたの担当ですよ、と振ってしまえばすむ話。人にやってもらうためにそれなりの準備をするのが面倒で、結局はちょいちょいと自分でやってしまう・・・というのを繰り返して早6年。今年あたり、気持ちを入れ替えて、本当に自分のやるべき仕事をしっかりとやりたい、と思っておりますが、どうなりますことやら。
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 目が回るほど忙しくても、この時期は、来るべき新年度に向けて希望がふくらむ時期でもあります。今年できなかったけれど来年こそ、とか、ここを改善すれば来年こそ大丈夫、とか、皮算用だけは誰にも負けません。

 そんな、希望あふれる春の雰囲気にあわせて、カラフルな萬年筆を撮ってみました。このペンについては、ロゴが入っているのでペリカンだろう、というぐらいしかわかりません。けれども、手に入れる前にどこかで目にして、名前も知っていたはず、という確信のようなものがあるのです。そのため、これは何というペンなのだ、と日夜悩んでしまって仕事も手につきません(大嘘)。

 わからないことは自分で調べましょう、と日頃から生徒には言ってますが、カラフルなペリカンの萬年筆、ということぐらいしかキーワードにならないので、調べようがないのも事実です。そう、調べてもわからないときは先生に聞いてみましょう、というのもいつも言っていることです。どなたか、教えてください。お願いします。
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2009年2月26日 (木)

脱出!

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 帰宅しますと、激しい「ちち(仮名)」さんの鳴き声。何事だろうと思いつつリビングに入ると、何やら黒いモノがうろうろしております。お散歩から帰ってケージに入れられたはずの「くま(仮名)」さんが室内を走り回っているのです。

 噛みちぎられたぬいぐるみの中綿やら、ノートPCのACアダプタやら、そこら辺にあったモノを引っかけて散らかしつつ走り回ります。これはいかんということで、食べ終わったばかりのプリンのカップを見せますと、うれしそうにペロペロ。ようやく静かになりました。ワンちゃんにも、思いっきり何かを発散したいときがあるのでしょう。

 それにしてもおもしろいのは、飼い主が帰ってきたときに抜け出していた、ということ。職場で子ども達に、「今日は脱出の日だよ。」と話していたので、できすぎた偶然にニヤッとしてしまいました。エルバ島に流されていたナポレオンが島を抜け出し、パリに向かったのが1815年の今日だったのです。何でそんなことを知っているのか? 以前は社会科の教師でしたので、2・26事件のことを話すとき、ついでにいうと今日は・・・なんて余談を混ぜて生徒を「ツカ」んでいた、その名残なんです。
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 インターネットなど無い時代、学校の先生はこういう本から「お話のネタ」を得ていたのです。事実、この本は今や絶版。新鮮な情報を、と考えるなら本よりネットでしょうし、残念ながら再刊されることはないでしょう。奥に見えるのが100円ライター。堂々たる厚みで、4月1日から3月31日まで、「今日は何の日」が続きます。今よりもまだ給料の薄かった16、7年前、それこそ清水の舞台から飛び降りる覚悟で買った(5200円!)本です。当時は毎日、年間にして200日ほど学級通信を出しておりましたから、こういう本でもないとなかなかネタが続かなかったのです。この仕事するのに本を買い惜しむようではいけません。ついでに萬年筆も・・・・・かな。
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 自分のモノではないのに、とても書きやすくて、つい手が伸びてしまう萬年筆があります。プラチナ製のショートタイプ、名前はわかりませんがひょっとしたらプラチナ・ポケットというやつなのかもしれません。見たとおり女性用で、妻が高校生の頃に親戚から贈られたものだそうです。首軸にはしっかりと妻の「旧姓」が彫り込まれております。

 妻にとっては、「プラチナは硬くて渋い」という印象を固めるに至った一本。旧姓が彫られていることもあって、長い間、引き出しの中に幽閉されていたようです。一昨年の秋にpenandmessage.が開店し、ためしにと調整に持ち込んで、うっとりするような書き味に変身。暗い引き出しから、明るい机の上へと脱出を果たしたペンなのです。
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2009年2月25日 (水)

かぎろひ

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 眠たそうです。ウィンクしてるのではなくて、ただ眠たいのです。ピント合わせの補助光で照らされて、うっとぉしぃなぁ~、ってなところでしょうか。彼女は今、ちょっと大人になりかけておりまして、クッションといわず床といわず汚してしまう日々を過ごしておりますが、そのせいか、眠たそうにしている時間が少し多くなったようにも感じます。

 今日は午後から合格発表確認のため、県内各地を走り回っておりました。疑うわけではないのですが、見間違いもありますので、ダブルチェックという意味で教師も合格発表を見に行くのです。当然、現地で生徒と出会うことになり、落ち込んでいる生徒にかける言葉を探すのに苦労することもしばしばです。

 東 野炎 立所見而 反見爲者 月西渡
  ひむかしの のにかぎろひの たつみえて
   かへりみすれば つきかたぶきぬ

 軽皇子の安騎の野に宿りましし時、柿本朝臣人麻呂の作る歌、というやつですね。「かぎろひ」については諸説あるようですが、現地の観光協会では、厳冬のよく晴れた早朝、太陽が水平線上に現れる約1時間前に太陽光線のスペクトルにより現れる最初の陽光、という説を採用しております。漆黒の夜の闇が紫色に変わりはじめるその前に、山の端に見える色、ということのようです。
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 今日は、その「阿騎野」のあたりにも行きました。知っている人は知っている又兵衛桜(本郷の滝桜)も近くにあります。で、ここへ行くと買って帰るのが名物のお菓子、きみごろもです。職場に戻ると、「あぁやっぱり・・・」との声。毎年買って帰るので、一部の人は密かに期待していたようであります。

 残念ながら、きみごろもならここ、というお店が定休日でしたので、ジェネリックきみごろもを買って参りました。メレンゲを薄焼き卵(のようなもの?)で包んだ四角いお菓子です。ぱっと見、居酒屋などで供される揚げ出し豆腐に似ています。

 ほんのり甘くて、ふわふわに柔らかいお菓子です。つまもうとすると指が中にめり込んで崩れてしまいます。中の様子を撮るため、きれいに二つに割ろうとしたのですが、なんとも美しくない姿になってしまいました。

 きみごろもを食べると、春がやってきます。特色選抜は予想通り、受検した生徒の半分以上が不合格になるという厳しい結果でしたが、それを乗り越え、卒業式の頃までにはほとんどの生徒の進路が決まります。そして又兵衛桜が満開になる頃、新しい生徒を迎えるのです。単純な繰り返しだけれど、毎年新しい。この仕事をしていてよかったな、と思える季節がすぐそこまで来ています。
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2009年2月24日 (火)

がまん

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 大好物のチーズを目の前に「待て!」と命じられている「くま(仮名)」さん。4年目の彼女、何せ昼間は犬だけで生活しているので、躾ができているとはいえませんが、おすわり、伏せ、待て、という一連の動作、おやつを前にするとできるのです。

 欲しいものをがまんする、人間にとっても難しいことです。飼い主なんぞは物欲の塊みたいな人間なので、なかなか「待て」ができません。その点、昔の人、私たちより上の世代の人たちは、苦しい時代を過ごしてこられたこともあって、がまんができる体質の人が多いように思います。Hptimage

 では、飼い主より下の世代の人たちはというと、まったくといっていいほどがまんができません。飼い主達の世代も、がまんが足らないと言われ続けて大きくなってきたわけですが、そういう連中の目から見てもなお、がまんができない人たちなのです。

 去る19日に公立高校特色選抜の学力検査があり、合否の発表が明日25日。この間、客観的に見て、「残念、君は合格の可能性が低い」と言いたくなる生徒ほど、落ち着きのない学校生活を送っています。

 特色選抜で合格できるのは受検者の3割から5割程度なので、半分以上の生徒は不合格になるはずですが、その可能性の高い者ほど「入試終わったぁ~」と腑抜けております。せいぜい2~3教科しかない特色選抜の検査でヘロヘロになっているのに、5教科の一般選抜を受けることになったらどうするのだ、と言うのですが、本人達は不安だ不安だと言いつつ実際には受かるつもりでいるので、まったく勉強に身が入りませんし、中には頽廃的なムードが漂っているクラスもあって、教師ばかりが危機感を募らせている状況です。
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 こんな時、教師は「落ちればいいのだ」と考えてしまいます。本当は、どんどん合格してくれた方がうれしいのですが、あまりにもダレきった姿を見ていると、この人にはもう一試練あった方が良い、と考えるわけです。あまりに安易に合格してしまって、これまた安易に中退してしまう。最近、そういうパターンが多くなっています。がまんができないこともその一因です。

 君たちの目指すべきはあちら、と指し示してあげるのが我々の仕事。自分に合った進路を選んで、ぐ~んと伸びてください、という願いを込めて、AUTOPOINT Pencil-Pointerです。

 ふつう、この手のものは先端がボールペンになっているものが多いと思いますが、こいつはメカニカルペンシル。しかも(というより当然)お尻の方が伸びていきます。知らないで見ると、まったくふつうのシャープペンシルです。で、指示棒として使うときには、ペンシル本体の方を手に持って、伸びたお尻の先で黒板などを指します。反対に持つと何とも安定が悪いのです。分度器.comさんで見つけて、必要もないのに買ってしまいました。
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2009年2月23日 (月)

梅香る

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 8月22日生まれの「ちち(仮名)」さん、めでたく満6ヶ月となりました。獅子座の性格そのままに、女の子でありながら猛々しく、先住犬である「くま(仮名)」がご飯を食べていると吠えて威嚇するという、どうにも困ったちゃんです。さらに血統書の名前を見て2度びっくり。サクヤという文字が入っております。産屋に火を放って子を産んだという、あの女神様の名前をいただいているわけです。名前もまた、彼女の気の強さを裏付けるものでした。ペットショップにいるとき、よく鳴いてるなぁ、と懸念していたことは現実だったのです。

 彼女が産まれたのは、梅で有名な月ヶ瀬です。京都、奈良、三重の三府県が接するあたり、滋賀県の端っこもすぐそこというところに位置する村で、現在は合併によって奈良市の一部となっています。月ヶ瀬の梅はこれからが本番で、3月後半でもまだまだ咲いているのを見ることができます。近くにJRの駅があり、臨時バスも頻繁に運行されますが、なんと言っても不便な山里、梅の見頃になると車の渋滞がひどく、梅の香りではなく排気臭を満喫して疲れて帰ってくる、というのがオチです。ただ、梅林そのものは本当に見事なので、何とか平日に都合をつけて見に行きたいところではあります。
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 月ヶ瀬梅渓にはさまざまな梅が咲き競っておりますが、紅梅や白梅だけでなく、黄色い花をつける蝋梅(ロウバイ)なども植えられていて、変化に富んだ景観を楽しむことができます。ちなみに蝋梅は梅の仲間ではありません。

 真夏に産まれた気の強~い彼女の満6ヶ月を祝って、今日は真っ赤なペン。PILOTエリートのショートタイプです。いわゆるはっぱカラカラというやつでしょうか。写真ではうまく表現できていませんが、派手派手なメタリックレッドです。キャップをとると首軸部分は「ちち(仮名)」さんと同じく真っ白。キャップをお尻に挿して筆記状態にしたところは、月ヶ瀬梅渓に花開く紅梅・白梅、そして金色のペン先が蝋梅を思わせます。この時期にぴったりな、梅林ペン・・・ですが、日本語書くのだけに使っております。

 18Kのペン先には、18KとPILOTの他、SCRIPT と刻印されているのですが、これ、何なのでしょう。きっとどなたかが教えてくださるものと期待しております。

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2009年2月22日 (日)

宿題は日記

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 昨日のシャンプー&トリミングで黒々艶々になった「くま(仮名)」さん。彼女は外に預けられると極度に疲れるようで、帰ってくると起きていてもこの姿勢。餌も食べずにぐったりと寝ている合間、一瞬のショットです。奥で無邪気に水を飲んでいる「ちち(仮名)」さんとは大違い。犬の個性もはっきりしておりますね。Rimg0006

 小学生の子どもを抱えていると、週末に良く出る宿題が「日記」です。日記のネタにどこかへ連れて行け、といわれて姫路城へ。何となく寂しさを感じさせる姫路駅前から、歩いてもよいところをこんなレトロなバスに乗りました。マイクロバスの運転席を客扉の横に下げてボンネットタイプに改造したものでしょうね。すぐに姫路城に到着。お城に入って、今にも泣き出しそうな空の下、売店で傘を売っているかどうかを確認していると、次男が服のすそを引っ張るのです。見ると、そこには見事な「かたな」が・・・。

 将軍セットと忍者セットとがあり、忍者セットですと刀は1本になる代わり吹き矢がついてきます。飛び道具を使われてはたまらないので、「バカ殿みたいやでぇ」と訳のわからん説得をして将軍セットに落ち着きました。
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 で、そんなこんなで姫路城、しっかりと見学いたしました。へぇこら言いながら天守閣の最上層まで上がりまして、次男はお決まりの100円を入れる望遠鏡。お父さんは姫路城天守閣から姫路駅方面をのぞむ、っていうタイトルで1枚パチリ。天守閣を降り、再び先ほどのバスに乗ってお城の周りをぐるっと1周。大手前というバス停で降りて入ったのが、いかにも、という風情の百貨店。子どもの頃の百貨店ってこんなだった、と思い出させてくれる懐かしい雰囲気。なんといっても出入り口が巨大な回転ドアというのがすばらしいですね。

 今日はこちらで神戸セレクション at yamatoyashikiという催しをやっておりまして、神戸を代表する文具店も出店しております。その目玉として、川口師によるセーラーペンクリニックが開催されているのです。
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 萬年筆初心者の私は、セーラーさんのペンクリニック、これまで一度もお願いしたことがありません。緊張しつつブースを探しますと、見慣れた店員さんのお顔。そして調整席には、これまた見慣れたWAGNER会員の方がお二人ほど。調整依頼の方が少ないようで、待つこともなくすぐに診ていただくことができました。

 グランザスネオ、森山スペシャル。昨年暮れに手に入れて以来すばらしい書き味にうっとり、でしたが、書き出しでかすれることが「たま」にあるのが難点でした。東京へは滅多に行かないしどうしたものかと思っていたところへセーラーさんのペンクリ。ラッキーです。

 で、ペンを渡して1分もしないうちに完了。「萬年筆はインクの流量がとっても大切。多すぎても少なすぎてもいけない。その人ごとに最適な流量があるわけで、そこを見極めて調整することが大切」との金言までいただいて、深々と礼をして姫路を後にしたのでした。

 で、絶好調になったグランザスネオですが、困ったこともあります。あまりにペン先の滑りが良いので、普段にも増して字の形が汚くなるのです。これは決して、子どもの書いた日記ではありませんので念のため。
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2009年2月21日 (土)

いいお天気 いいお買い物

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 春の訪れが間近いことを感じさせる暖かな日差し。室内にいると、まだ2月だということを忘れてしまいそうです。お昼頃から、「くま(仮名)」さんも「ちち(仮名)」さんもシャンプーのためにペットショップへ。すっきりきれいになって帰ってまいりました。一方、飼い主夫婦はお出かけです。天気のいい休日には夫婦でお出かけ、これが一番です。

 まずは西宮市夙川のイタリアレストラン、アルテシンポジオで優雅なランチを済ませ、歩くこと1分、分度器.comさんのリアル店舗へ。例によっていくつか買った「変なモノ」のひつつが、文具良道シリーズのペーパークリップ。
http://www.carl.co.jp/bungu/html_beta/index.html
 瓢箪の形をモチーフにした文具がいくつかラインナップされております。こういうモノを職場で使うから、「変な人」といわれてしまうのでしょうね。今後の展開に期待したいシリーズであります。
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 このお店、ミニマムなサイズの中におもしろいモノ、変なモノがいっぱい詰まっているのですが、お客さんが3、4人も入ると店内を見て回ることが難しくなってきて、10人ぐらいだとほぼ動けない状態になります。休日はそういう状態ですので、都合のつく人は平日に訪ねるのがおすすめです。

 さて、知っている人なら「アホかいな」というようなことでしょうが、お店を出て、阪急神戸線の夙川駅からJR神戸線のさくら夙川駅まで、どれくらい離れているのだろう・・・・・と思って歩き出してすぐ、視線の先をJRの電車が横切って行きました。地元民でない私たちには新鮮な発見。JRが使えると、ル・ボナーへ行くのにも便利やんか、ということで、お店に到着すると、例によってカバンの話など誰もしておらず、私たちが加わってさらにヒートアップ。大和出版印刷が特注して漉かせたという「リスシオ」という紙の試筆をさせてもらい、A7サイズのメモカバーを少し違う仕様で作ってもらうようにお願いして、penandmessage.へ。

 コーヒーをいただきながらいろいろと楽しいお話をしておりますと、なんとも間の悪いことに、いくつかの取引先が納品に来られました。遠く岐阜から来た人はとんでもないモノを持ってこられまして、手に取ってみているところへボンジョルノが登場。しっかり仕様の打ち合わせをしてしまいました。仕上がるのが楽しみです。

 もうひとつ、大和出版印刷さんの「ナイトブルー」というA5版のノートを購入。良質の紙を使っていることはあたりまえ。繊維の方向をふつうのノートと違えてあるので、手持ちで書くことに向いているのだとか。さらに特筆すべきは、活版印刷であること。特に罫線は、印圧を高めにしてあるとのことで、手で触ると罫線の凹凸が感じられます。製本テープの色に黒と紺の2種類があるので2冊購入。上等なノートなので上質な革のカヴァーを着せて使おう、などという話が出ておりましたが、せっかくの意匠ですからむき出しのまま使いたいと思います。
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2009年2月20日 (金)

聞香

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 ケージからお鼻を突き出してふて寝している「くま(仮名)」さん。1億倍に薄めた酢酸の匂いを感知できた、ということで、人間の1億倍の嗅覚を持つといわれる犬。人間にとっての「嫌な匂い」でも、平気なのだそうです。反対に、柑橘類の匂いなど、犬にとって刺激的なものはだめなのだとか。このことは、人間にもある程度まではあてはまるようです。フナ寿司とかなれ鮨、納豆やクサヤなど、匂いだけで失神しそうな人がいるかと思えば、「ん~たまらん」と大好物にしている人もおりますものね。

 神戸元町のPenandmessage.では、毎月第3金曜日、営業時間が延長されます。今日はその時間を活用して、香を聞く会がもたれるということで、いそいそと出かけてまいりました。よくわかりませんが、何となく雅な雰囲気に興味津々でありました。

 お店のスタッフを含めて「生徒」は9人。みんな神妙な顔で講師のお話を聞き、香炉を回して順番に香を聞いていきます。ぐぅ~っと吸い込んでは「う~むぅ」と唸るのですが、よくわかりません。甘い香り、ぐらいはわかりますが、無味であるとか、潮辛いとか、そもそもどういう匂いなのだ?というようなものが続きます。何より、それぞれの違いすら、私などにはよくわかりません。

 しかし、しかしです。なぜこのような催しが萬年筆専門店で開かれ、いずれ劣らぬ「悪魔」や「準店員」たちが神妙な顔をして聞き入っているのか。それは、萬年筆趣味と香道に共通点があるからに違いない、そう確信するに至りました。Butudan_7709801zu_2

 わからないほどの微妙な違いの香木は、それぞれ数グラムで数万円。鼻は一つしかないでしょ・・・でも香木は数限りなく存在します。腕は2本しかないのに萬年筆が星の数ほど存在し、しかも良いお値段。何となく似ていませんか。香りの聞き方も人それぞれで、萬年筆の寝かせ方も人によって違う。とりあえず香が焚きしめてあればよい、という人もいれば、この香木でなければ、という人がいるのと同様、書ければよい、という人がいれば下品な書き味はごめんだという人もいる。お金のかかる趣味というのは似てくるものなのでしょうか。

 講師の先生が、いっぱい香を聞くことです、それで高まることができます、とおっしゃってましたが、いっぱい手に入れてあれこれ書いてみる、調整までしてみると高みに堕ちることができる・・・・・というのも同じ精神ではないでしょうか。

 予定の午後9時を遙かにオーヴァーしても、まだまだ話は尽きません。挙げ句に、香道具のカタログをめくりつつこれが良いだのあれが欲しいだの・・・・・何とも旺盛な物欲であります。その成果の一つ、ハイレグ三姉妹が集まったところを撮りました。左からスタッフKさんの強奪緑軸つきしなやかペン先、真ん中は元祖「天狗」ペン、カルロゴルドーニ、右端はPILOT823森山スペシャル。先端恐怖症ではありますが、細く伸びやかなペン先は大好きです。
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2009年2月19日 (木)

泣けてくる

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 なかなか可愛らしいでしょ。舌をちょこっと出している「くま(仮名)」さん。これ、撮影現場は大変な状況でして、ワンワンキャンキャン騒ぎ立てている中の一瞬を切り取っているのです。彼女はこの後、少しだけ遊んでもらって、おやつをもらって、今はドテッと寝ております。

 本日は全員無事に受検できました。終了後、数人の生徒が学校に来て、「これの模範解答求む!」と問題を置いていきました。公立高校ですから教科書記載の範囲からしか出題されませんが、学校独自の問題を出しているところではひねり方がけっこうすごく、問題を解くための知識はあるのに解くことができなかった、という生徒もいたようです。また逆に、平易な問題なのに難しく考えすぎて間違えてしまった、という子も少なからずいたようです。毎年のことながら、悲喜こもごもであります。
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 さて私自身のことでいうと、仕事が山積みでさっぱり片付かない、ということに加えて、明日は糖尿病の検査なので食事も摂れない、加えて、先週あたりから痛み出した歯を診てもらうと虫歯の巣窟!! 危ないなぁ、と思いつつ1年以上放っておいたのがいけないのですね。日頃のお手入れも悪いので、歯垢を調べる試薬を塗ってもらうと口の中が真っ赤っかです・・・・・。いやほんと、泣けてきますが、泣いていても仕方ないので、赤いシェーファー・タルガで景気づけです。

 例によって、シェーファーですから先が反っております。目をつぶってそっとペン先をなでてみると、反り具合がよくわかります。あくまで他のと比べて、の話ですが、このペン、若干クーゲル風というか、きれいにまん丸い球が上の方にも出てきております。見た目はそれほどでもないのですが、触ってみると、指にしっかり引っかかってくる、その度合いが他のシェーファーよりすごいのです。実はこれ、試し書きもしていないのですが、どんな書き味なんでしょうか・・・。とりあえず歯が痛いので、今日はこの辺で。
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2009年2月18日 (水)

スクェア

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 とっても端正な感じの「ちち(仮名)」さん。カメラを向けられて、おぉこのおもちゃ、欲しいぞ、ということでお座りしているのです。しかし油断は禁物で、この状態から突然、ガウッと跳びついてくるのです。このカメラも、何度前玉を舐められたことでしょう。

 明日はいよいよ、公立高校の学力検査です。私の勤務している県では、すべての高校でこの時期に選抜を行います。工業や商業、芸術系など、純然たる普通科でない学科に進むには、基本的にこのチャンスしかありません。3月に行われる選抜は、そのほとんどが普通科のみとなってしまうのです。

 この選抜では、多くの学校で面接が行われます。階段を上っていくところを後からついて行くのがためらわれるようなスカート丈の女の子達や、それやったらはかんでもええやろっ!っていうぐらいズリ下げてズボンをはいている男の子達。彼ら、彼女らが、今夜から明日にかけて、一斉に「端正で中学生らしい」服装に変身するのです。この子達は、いわゆる不良ではありません。ごくごく普通の中学生なのです。
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 数年前のこと、入試の朝、駅で生徒を見送っていたところ、私の学校の制服を着て、私の学校のカバンを持っている見慣れない生徒がやってきました。怪しいやつ、と近づいて話しかけると、その声は、まぎれもなく私が教えている生徒でした。すっぴんだったのでわからなかったのです。

 まぁこういう状況ですので、明日のことがとても心配ではあります。結局のところ、先生も生徒もふつうの人間なのですが、先生という役割、生徒という役割をしっかり演じていれば、世の中丸く収まるわけです。前衛的なお芝居ではないのですから、奇抜な演出は不要です。すっぴんで別人になって受検した生徒をほめてあげるべきでしょう。
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 端正に、といっても、あまりに四角四面なのも息苦しいものです。だいたい四角いけれどカドは取れてます、っていうぐらいが良いですね。本日紹介しますのは、まさしく身をもってそれを体現している萬年筆、PILOT QUATROです。1984年10月平塚工場製の14金のペン先を持っております。スペルからして違う現行品に比べ、相当にスリムなペンだということが、カートリッジのささっている様子からもおわかりいただけると思います。

 キャップは嵌合式なのですが、胴軸と首軸との間は当然ながらネジになっています。接合して面がきっちり揃うというだけでも、製造するのは大変だったことでしょう。軽すぎず、重すぎず、不思議なほど手になじみます。人間の手というのはよくできているのか、それとも鈍感なのか、そんなことを考えさせられたペンです。
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2009年2月17日 (火)

天使の囁き

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 寒い寒い夜のお散歩から帰ってきて、ほっと一息。暖かい室内でさぁ寝ましょ、という「くま(仮名)」さん。寝顔がかわいい人もいれば、100年の恋も冷める寝顔というものもあるそうですが、このお顔は後者でしょうか。彼女には珍しく、かわいくない瞬間をとらえた貴重な(?)ショットです。

 今日は、天使の囁き記念日だそうです。気象庁の公式記録では、日本の最低気温は明治35年1月25日に旭川市で記録されたマイナス41.0度とされています。公式記録でこそないものの、昭和53年の今日、北海道幌加内町母子里でマイナス41.2度という低温が観測されたことを記念して制定されたものだそうです。毎年、この日に近い休日に、「天使の囁きを聞く集い」なるものが開催されております。

 ダイヤモンドダストとは、低温のため、空気中の水蒸気が昇華してできた小さな氷の結晶が降ることで、気象用語としては「細氷」といい、晴れていても「雪」になるのだとか。その微妙な音を「天使の囁き」と表現した人に敬意を表します。

 今日は授業参観にさまざまな会議が重なり、帰宅は23時過ぎ。体力的にはともかく、精神的に少々疲れましたので、安直に思いついた萬年筆を紹介して、さっさと寝ることにいたします。
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 ダイヤモンドダスト、からの連想です。シルバーンのそれを一回り小さくしたようなペン先を持っており、PILOTの旧カスタムであろうと思われます。きらきらと軸が光ってとてもきれいですが、写真がうまく撮れませんのでこの程度。このタイプはいろいろとおもしろい軸があり、見たことのないものに出会うと思わず手に入れてしまいます。硬いペン先によるしっかりした書き味は変わりませんが、そこは萬年筆、やはり1本ごとに少しずつ違っているところがまた魅力です。

2009年2月16日 (月)

くるくる

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 はしたないお姿で眠る「ちち(仮名)」さん。かわいらしい寝顔も撮ったのですが、写真で見ると怖い顔。ほんと、写真を撮るというのは奥の深いものですね。カメラの冥府魔道に堕ちていく人が多いのも納得できます。

 じっと観察していますと、このままの姿勢でくるりくるりと回ります。もっとも、1周することはなく、たいていは半周ほど回ったところで起き出して、水を飲んだり遊ぼうとせがんだりするのです。

 間近に迫った公立高校の入試を前に、受検者を対象に面接の講習会を開きました。公立高校は入学試験ではなく入学者選抜のための学力検査なので、受験ではなく受検なのです。これがなんと、50人も集まったので、仕方なく大部屋での一斉指導となりました。

 「面接の部屋に入る前には、高校の先生の説明や、掲示物などに注意を払いましょう」というありがたいお話を雑談の合間に聞く生徒が見えます。う~ん、そういう人、マイナスの印象を与えるかもしれませんよ・・・という声も聞こえていないようです。
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 静かな教室で机に耳をつけさせることがあります。生徒達の感想で多いのが「何か、いっぱい聞こえてくる」です。壁や床の振動までもが音として伝わってくるわけですし、机にくっつけている耳に注意が集中していますから、取り入れている情報量が多いわけです。

 私たちは、必要だと判断した情報だけを取り入れ、処理しています。だから、「聞こうとして聞く」ということが大切なのですが、小さな時からそういう訓練を受けるチャンスを与えられなかった子どもが多いように感じます。学習の大敵と目されているテレビですが、たとえばドラマの予告編など、見て欲しいものを見てもらうための仕掛け、工夫などのノウハウはすごいと思いますし、そういうものを取り入れていくことも私たちの仕事には大切なことだと思います。

 教育は調教でもある、という先輩教師の言葉がありました。もちろん、調教されて芸をする動物。教え込まれ、訓練されたことをベースに自分なりの世界を作り上げていく人間。そういう違いはあります。

 そこで、今日はペンを鼻で支えるアザラシ君。見た目以上にずしりと重いボールペン、上手にはじくとくるくる回ります。力の加減と方向がけっこう難しいのですが、字の上手な人ほどきれいに回す傾向があることに気づきました。やはり、きれいな字を書く人というのは、力の入れ方がうまいようです。我が家の男性陣は字が下手で、女性陣は見られる字を書くのですが、アザラシ君が支えるペンをきれいに回せるのは女性陣のみ。男どもは回すつもりがペンを叩き落としてしまうのです。あ~難しい。
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2009年2月15日 (日)

ミナミの帝王

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 流し台のかげから顔を突き出している「くま(仮名)」さん。撮影者の隣で、長女がチョコレートケーキを作っております。バターの匂い、さまざまな甘い香りで目が覚めたのでのぞいてみました、というところです。

 魅力的なものだとわかっているけれど、それが何かわからない。これはしんどいですね。「木」と「銀」と「柔」とか言われても、んなもん、わかるかいっ!って。

 Bromfieldさん、さすがに直近で地方大会に出られていて、しかも現在トレドな人というだけあって早かったですね。「柔」は初期トレドに着いていたというヘロヘロニブのことでした。ミニペントレに供された師匠のペンケースには、彫の天冠とW-GERMANY刻印入りキャップを持つM600が入っておりまして、それについていたのが件のニブ、というわけです。

 2本の指をくっつけた状態が本来のペン先で、ここからどちらかの指をもう一方の指の上に重ねるようにすると、筆記後のヘロヘロニブの姿、ということなのでしょうか。書いてみると、あたかも首軸の端あたりでペン先が曲がっているかのように感じられます。これは危ない。ペンを立てて書く人や筆圧が低くない人には触らせないようにしなければ・・・。原稿用紙1枚ほどサササッと書いてみましたが、ペン先は変なことになっていませんでしたので、私にはかろうじて使用資格がありそうです。
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 残りの「木」と「銀」。タイトルでピンと来た方、いらっしゃいますか。これ2つで1本のペンです。「木」は屋久杉。前オーナーの手でしっかり磨かれているせいか、昨夜から艶ふきんでスリスリしたせいか、写真がうまく撮れないほどいい艶が出ております。木目もきれいですが、まぁこのへんは普通の屋久杉の木目です。
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 裏返して撮った写真。知らない人でしたら、「シミがある」なんて思うでしょうか。虎目杢がきれいです。現行品で手に入る屋久杉のペンなどは、ステレオタイプといいましょうか、1枚目の写真のような優等生的な木目が多いようですが、この個体は違います。前オーナーによれば、残り少ない在庫の中からベストと思われるものを選んだとのこと。納得です。ちなみにこの木軸を削り出したのは、現在もお元気で活躍中の名工、加藤清さんです。

 最後に残った「銀」、すでにおわかりの方が大半でしょう。この萬年筆には兜木銀次郎さんが作ったペン先がついているのです。14Kの上に、堂々とGINJIROの刻印。根本には製造元であるモリソンの刻印があります。

http://xapu.cocolog-nifty.com/kabutogi/2005/02/post_5.html

 加藤清さんが削った屋久杉の軸に兜木銀次郎さんのペン先。製造販売元はモリソンです。奈良県中部、御所(ごせ)市で萬年筆を製造していた大正7年創業の老舗ですが、現在は製造・修理などから手を引き、モリソンファクトリーという万年筆通販などを行う会社にその名残をとどめております。

 この御所から電車1本、ターミナル駅となる阿部野橋にある近鉄百貨店阿倍野店。この万年筆は、ここの企画で産まれたものだそうですが、学生時代アルバイトでお世話になっていたお店でもあり、不思議な縁を感じずにはいられません。

 このペン先を妻に見せましたら、怪訝そうな顔で「まさか・・・」と今日のタイトルを口にしました。関西人ですね。ちなみに我が家にはこのシリーズのDVD全巻そろってます。
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2009年2月14日 (土)

徳島分室

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 飼い主の帰宅に大喜びの「ちち(仮名)」さん。「くま(仮名)」さんより完璧な「リトラクタブルお耳」であります。こういうのは少し眠たいときの反応で、得意の甘噛みも出ず、ペロペロとうれしそうに舐めてくるので飼い主としても相手をするのが楽なのです。

 今日はWAGNER四国大会。少しでも盛り上がれば、と参加してまいりました。7時半に家を出て10時に到着。21時に徳島駅前を出て23時に帰宅。往復とも、尼崎と徳島の間、同行してくださった方がありましたので、いろいろと興味深い会話が途切れることなく、良い雰囲気での遠征でありました。
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 参加者は10名を超えましたが、地元の方の参加はやや少なめ。関西(近畿)方面から4名、東京から2名(事務局)の参加ですから、「関西地区徳島分室」状態に近くなっておりました。それでも、例によって濃い内容で、約12時間が短く感じられました。

 例会、地方大会としては異例のことかもしれません。お昼過ぎには大半の参加者が会場近くのポッポ街へ。食事のためといいながら、とても強い風を切って到着したのは、その世界では知らぬ者とて無い有名店です。
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 正直、驚きました。出るわ出るわ、店主とお話をすればするほど、珍しいものが出てきます。理性を失わない自信がなければ行ってはいけないお店でしょう。ここには、シェーファーやパーカーなど、古き良きアメリカがあります。この店で、長年探していたものをついに見つけた!という人もおりました。とてもすばらしいお店です。でも、繰り返しになりますが、自制心のない人は行かない方が良いと思います。
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 私は何も求めませんでしたが、来店記念にとボールペンをいただいてしまいました。重ねていいますが、私は何も買っておりませんのに、です。厚かましい限りで、本当にすみません。

 お店にいる間じゅう、ほぇ~などといいながらきょろきょろ。何か見つけては凝視、店主に質問、の繰り返しでした。誠にすみませんでした。これは売れません、というものにばかり興味を示してしまいました。たとえばこの、シェーファー・インペリアルがかたどられた看板。普通の掛け時計ほどの大きさのものです。こういうものが、お店の中にあふれかえっております。
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 以上、徳島へ行ってきました、の報告です。会場ではミニペントレも行われており、実に魅力的なペンがたくさん並んでおりました。出発前から、何を手に入れて帰ってくるつもりなのだ、とあちらこちらで聞かれておりました。私が好きなのは、木、銀、柔。このあたりがヒントになるかと思いますが・・・・・むずかしいですね。

2009年2月13日 (金)

空気が春

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 眠たそうな「くま(仮名)」さん。こんな時でも、やっぱり「ちち(仮名)」さんより美人なのはさすがです。お鼻が短く、黒いところと白いところのバランスも絶妙。その上小柄。なかなか、こんな犬は見つかりません。同じように鼻が短かった「ちち(仮名)」さんは、成長とともにどんどん鼻が伸びて、普通の犬になってしまいました。

 書類を提出するために、県内の公立高校を10校ばかり回りました。駐車場にクルマを停め、玄関まで歩いて行くそのわずかな間に吸い込んだ空気が、はっきりと「春」のものでした。春眠暁を覚えず、ですが、朝も昼も夜も、ワンこたちは眠たいようです。

 教科書の内容をすべて終えたこの時期、過去の入試問題を印刷したものを生徒に配り、随時質問に答えていく、という形で授業を進めておりますが、時折、生徒が使っている筆記具にぐっとひかれることがあります。
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 黄色い薬剤の入った注射器、のように見えるこれは、安物のシャープペンシル。注射器をかたどったシャープペンシルは比較的ポピュラーなものですが、これは実際に液体が入っております。実物の注射器でこんなにスカスカですと大変なことになりますが、筆記するときに液体が動いて面白い感じです。小学2年生の息子が飽きることなくいじくり回しておりました。

 中に封入されている液体の色は、この黄色のほかに赤、青、緑とあって、どれにするか決めかねたので全部買ってしまいました。記念撮影の後、青いのは娘に持って行かれてしまいました。残りのものも、これおもしろいでしょ、と人に見せているうちに無くなっていくのでしょう。

 明日2月14日は、WAGNER四国大会です。ペントレもあるとのことで、うれしい(かなしい?)出会いがあるかと期待しておりますが、どうなることでしょう。日帰りですので、帰ってきましたらご報告ができるかと思います。
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2009年2月12日 (木)

とつぜんし

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 あご枕。猫のことはよく知らないのですが、犬は良くこういうことをします。「くま(仮名)」さんは毛布を丸めて枕をつくって寝ますし、この「ちち(仮名)」さんは、頭だけでなく脚を高くして寝るのが大好きです。こうやって、気がついたら眠りに落ちていた、というのはとっても気持ちの良いもので、これからの季節、まさしく「春眠暁を覚えず」となりますね。

 やってしまいました。「とつぜんし」などと、物騒な言い方をしておりますが、寝るつもりはなくて何か別のこと(たいていは仕事の残り)をやっていて、いつの間にか意識を失い、時間を飛び越えて意識が戻る、というやつです。いつの間にか寝てしまった、というよりは、気絶していたというのに近い感じ。40をこえたあたりから、こういうことが増えてきました。

 で、意識が戻ったときになぜか背中が痛い・・・・・。何か硬いものがあるなぁと見れば、萬年筆ではないですか。けっこう前にもらったまま、あまり好きになれなくて使いもせずにほったらかしにしてあったもの。以前、金曜日には金色のペンを、とかいうネタの時に、撮影候補に出してきて、そのまま転がしてあったものです。
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 そのときは、ペンの名前がわからないので放ってあったのですが、考えてみれば我が家にはThe Pen Catalogueがあるわけで、ごそごそと探し出して、後の方からページをめくると、すぐに見つかりました。

 ウォーターマンのメトロポリタン、スターダストゴールド。なるほど、硬い硬いと思っていたらウォーターマンか、などとしょうもないことを思いつつ観察。わたし、金ペンではないですよ、と自ら主張するかのようなペン先。形こそ、パッと見レタロンなんかのそれに近いですが、つけペン状態で書いてみると萬年筆使ったことない人にでもわかりそうなほど違います。これ使うくらいなら、PILOTのデスクペン使います、っていうぐらい好みではない書き味です。

 これはあかん、と放り出したいところですが、何となく気になるのは何でやろ? と考えていて、軸の重さではないかと。見た目安っぽいこのペン、胴軸もキャップも金属なので、ずっしりとはいわないまでもそこそこの重さを感じるのです。

 うむ、これは活かしてあげないといけません。しばし考えて、生け贄決定です。現状、あまり良くないインクフローを改善すること、左右の段差を是正すること。このあたりを目標に、拙い調整を試みることにしました。可哀想なメトロポリタン。次に登場するときは、喜びの声とともに? それとも、追悼の辞とともに?
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2009年2月11日 (水)

記念の日

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 擬人化したくなるようなポーズの「ちち(仮名)」さん。お箸を持った長男に「私にも頂戴」と手を伸ばしているところ。まっすぐ、きれいに伸びてますね。10点満点!

 今日は家でThinkPadのセットアップをしておりましたが、DVD再生ソフトが見つからないので、日本橋へ仕入れに出ました。もとは光学ドライブのバンドル用であったはずの、数百円のDVD再生ソフト再生ソフトを手に入れて、さぁ帰ろうかと思ったときに、ふと「餌」が切れていたことを思い出しました。ワンこのではなくて、職場の皆さんの「餌」です。

 私の職場では、職員が自分の仕事に取りかかれるのは午後6時を過ぎてからで、終わるのが8時とか9時といったところです。そんな、日が暮れてから居残って仕事をする人たち=ナイトクラブ=の皆さんには、当然「餌」が必要なのです。人気があるのは甘いものですが、「主食」となっているのはおせんべいやあられの類。中でも一番人気のあられは、FAXで申し込んで代金を振り込んでから2ヶ月待ちで納品される、というとんでもない殿様商売状態になっているものです。Rimg0307

 すぐに購入できる店も知っているのですが、他の人もよく知っているので品切れということも多いのです。しかし、県中部の大きな駅の構内にあるコンビニエンスストアに行けば、曜日を問わず潤沢な在庫を目にすることができます。その駅というのが、今日という日にゆかりの深い駅。日本橋に向かう途中、大音量で軍歌を流しているクルマを見かけたので思い出したのかもしれません。

 で、今日は建国記念の日。「の」が入っているところがミソですね。日本という国ができた時のことに思いをはせる、そういう日なのです。今日の萬年筆として、デルタやオマスの建国記念ものとか、ペリカンのオーストリア1000なんかが登場しそうですが、持っていないペンは出せません。銀座教会の8階で試筆したオーストリア1000、とってもきれいでしたが・・・。
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 我が国が誇る萬年筆メーカーの雄、PILOTの古式蒼然たる萬年筆。胴軸裏側、首軸との接合部近くにGB-500という刻印があります。何の変哲もない黒い樹脂製の萬年筆。スリップオンのキャップを開けると、大きく、特徴的な形のペン先に目を奪われます。さらに胴軸を取り去ると、現行CON-70を作り付けにしたような吸入機構。同じPILOTの65周年記念萬年筆と同時期のものなのでしょうか。

 書き味に関しては色気も何もないのですが、ここしばらく、黒インクの細字用、ということで実践投入して様子を見ております。硬くしっかりとした細字のペン先は、速書きに向くように思います。パチンとはまるわけでもないキャップですが、ペン先が良く乾くということもありません。吸入機構も快調で、多めのインクを飲み込んでくれますので、毎日持ち歩くペンとしては便利です。

 これはいつ頃のペンで、こういうものなんだよ、と教えてくださる方が現れることを期待しつつの紹介でした(それを紹介というのだろうか・・・)。
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2009年2月10日 (火)

まさかの失敗

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 今日もまた寝姿で登場jの「くま(仮名)」さん。手前の白いのはペット用シーツ。昨日来の雨でお散歩に行けず悶々としていたところへ飼い主が帰宅、すぐにおねだりしてケージから出してもらったところでまさかの粗相・・・。その後そこら辺を歩き回って縄張り確認をしたあと、おやつをもらってぐっすり、というところです。

 飼い主はというと、先ほどよりThinkPad X61sのキーボード設定でハマっております。勇んで英語キーボードに換装したのは良いのですが、これがうまく動作しない。ドライバを入れ替えても、完全なる日本語キーボードのレイアウトのままなのです。こういう経験は初めてで、正直、うんざりしてきております。ThinkPadといえば鉄板も鉄板、そこを期待して買っているので、うまく動かないのは論外なのです。
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 設定しては再起動、を繰り返すうち、どうもシステムにダメージを与えたようで、結局、出荷時の状態にリカバリする羽目に。私としたことが何ということでしょう。猛省です。それにしてもシステムリカバリー、えらく時間がかかります。暇なので、昨日の続きで採点ペンの写真を撮りました。昨日のものの先代、すでに廃番になっているともいわれる(未確認)もので、なぜかデッドストックです。

 フェルトペンですから当然ですが、使用前のペン先はこんな風に白いのです。カートリッジをセットしてしばらく待っていると、ジワーっとインクがしみてきてスタンバイOK、となります。採点ペン、ソフトペンなどと呼ばれますが、マーキングペンというのが本来のお名前のようです。キャップについているクリップが短いですが、このタイプは少し長い期間使用していると良く液漏れしますので、胸ポケットに挿しにくいぐらいの方が良いと思います。
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 昨日の透明軸のタイプが出て、普及品とやや高級っぽいのとでいくのかな、と思っていたのですが、本当に最近はこのタイプを見かけません。よく見ると、手前に写っている使用中のものと首軸内部のカートリッジを受ける部分の形状が違っています。幾度か改良されながら販売されてきたのでしょうが、金型が古くなったとか、改善にお金がかかる問題点(液漏れなど)がある、などの理由で廃番になったのかもしれません。

 萬年筆のそれとそっくりなカートリッジですが、インクそのものは専用だそうです。採点中(もちろん深夜)にインクが無くなり、まぁ一緒だろうと萬年筆用のインクを入れた同僚によると、キュッキュッという嫌な音がして採点どころではなかったとか。フェルトのペン先が紙の上をスムーズに走るように配合されたインクなのでしょう。

 「採点って楽しそうやなぁ。先生ってええなぁ。」などと無邪気に言う子ども達よ、採点さえなければこの仕事はもう少し楽しいだろうに、と思うことの方が多いのですよ・・・・・。
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2009年2月 9日 (月)

入試たけなわ

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 室内干ししていたタオルを引っ張り込んで自分のものにしてしまった「ちち(仮名)」さん。お母さんはタオルに関しては寛容な人なので、すんなりもらうことができたのです。しばらくタオルを獲物に見立てて格闘しておりましたが、疲れたのでしょう、まるでお洋服のように身にまとって寝てしまったところをパチリ、です。このくらいぐったりしていないと撮れません。

 2月9日は実に語呂の良い日。下関では「ふく(ふぐ)の日」ですし、服の日でもあり、肉の日でもあります。ひとひねりして、吹くからと「風の日」というのもあるそうです。言いたい放題ですね。

 先週の金曜日に県内の私立高校の入試があり、昨日から今日にかけて合格発表。そして明日は、隣接する府の私立高校の入試です。それだけプレッシャーがかかっていたのでしょうが、入試が終わって気の抜けている生徒の多いこと多いこと。私が担当する教科はすでに教科書を終え、入試問題などを解いていく演習形式の授業になっておりますので、余計に身が入らないのかもしれません。

 少子化ということで、ここ数年来、私立高校の入試で落ちるというのは、進学実績の高い有名校や難関校に限られ、大半のところはまずまず受ければ合格、という状況になっております。で、困るのが、生徒達の意識。私立に通ったのだから(本命の)公立にも通るぞ、という「勘違い」をする子がたいへんに多いのです。私立に受かるかどうかで公立の合否を占う、というのは過去の話ですが、そういう入試をくぐり抜けてきた人たちが親になっているので、子ども達にもそういう風に話すのでしょう。
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 結果として、私立に受かって浮かれてしまい、肝心なときに勉強がおろそかになって、結局は本命の公立高校で失敗してしまう、というケースが少なくありません。そこのところを警告すると、「教師は受験をネタに生徒を脅かして言うことを聞かせようとする。」という認識が世間に広まってしまうのです。私立に通ったから髪の毛を金色にする、なんていう生徒がけっこういますし、保護者に注意するようお願いしても「通るまで我慢させてたんです。どれだけ大変だったと思ってるんですかっ!」なんて逆に怒られることもよくあります。

 さて、入試が終わると、高校の先生方は採点や合否の判定でさぞ大変なのだろうと拝察します。おそらくは入試のあったその日に採点を終え、翌日あたりに判定会議をするのでしょう。上の画像は、そんなときに大活躍するであろう筆記具。ぱっと見たところ、おぉプラチナのデモンストレータか、と思いますが、これは萬年筆ではなくて採点ペン(ソフトペン)なのです。真っ赤ではなく、ややピンクがかった太めの筆跡で「よくできました」とか「花丸」とかを書く、あのペンです。

 パイロットやセーラーからも同様のペンが出ていましたが、結局はプラチナの寡占あるいは独占状態かと思います。私自身は、書くときの「キュッキュッ」という音や感触が好きではないので、萬年筆での採点に切り替えてしまい、使わなくなりましたが、ボールペンで採点するより腕に優しいので、愛用している業界人は多いと思います。

 カートリッジは、萬年筆のそれと全く同じ(ようにみえます)で、例の金属球もしっかりついています。定期考査の採点作業が終わると、空になったカートリッジから球を取り出して、棚吊りするコンバータに入れるために保管しておきます。

 ペン先は「ソフト」なので、半年も使うとだめになります。パッケージにはペン本体と交換用のペン先が入っているのですが、だめになる頃にはどこかへ行ってしまって見つからない、ということが良くあります。加えて。長く使っていると首軸のあたりからインクが漏れたりするようになるので、結局は丸ごと新しいものを、となることが多いように思います。ですので、学校の事務室には、いつもストックされている(はずの)ものです。
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2009年2月 8日 (日)

ひろびろ

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 よく寝ております。「くま(仮名)」さん。彼女のケージは2室に分かれていてスペースたっぷり。どこで寝ようか迷った挙げ句、敷物で枕をつくって寝るのです。

 最近、寝姿のショットが多いのですね。休みの日は、それだけシャッターチャンスも多いのですが、なかなか敏感な我が家のワンこたち、カメラを取り出す動きで起きあがって姿勢を正してしまうので、これはおもしろい、というショットはなかなか撮れないものです。結局は夕食後にまったりと寝ているところを撮る、というのがやっとなのです。

 日曜日は比較的時間がとれるので、萬年筆に並ぶ趣味であるPCについても取り上げていきたいと思っております。まずはこの画面。ぼやけておりますが、何度かトライしてこれがやっと。バックライトの陰極管がチラついているのでしょう、肉眼では補正できても、カメラでは無理なようです。ThinkPad X61sの本来の仕様と同じ1024×768ドットの解像度で当Blogを表示させたところです。
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 今時のPCとして、この解像度は正直キツいところ。メインのデスクトップPCが1600×1200ですから、異様にアイコンがでかいと感じられるとか、いちいちスクロールしないと見られないとか、いらいらしてしまい、これは実用にならない・・・と感じます。職場の共用PCは未だに17インチのCRTでこの解像度ですが、ちょっと大きめのEXCELシートなんかを開くとうんざりさせられます。

 PCを買い換えようか、とも思ったのですが、今はやりの横長液晶のノートPC、いまいち好きになれない(慣れていない)ので、スクエア液晶のまま何とかならないか、と考えておりましたら、1400×1050の解像度を持った液晶に交換します、というサービスがあるんですね、これが。液晶パネルの値段もなかなかのものですし、技術的にも難易度が高いので、まぁ少々高くつくのは仕方ないかと諦めて、本体ごと送って、待つこと2週間。戻ってきたものは想像以上に快適なPCになっておりました。
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 解像度が上がっただけではなく、視野角も大幅に広がっているのもポイントが高いところ。これまでは大きめのT40系を使っておりましたが、この画面であれば置き換えられそうです。

 解像度が上がると文字のサイズも小さくなるのですが、液晶そのものが見やすくなっているので差し引きゼロ、という感じです。

2009年2月 7日 (土)

おちびさん

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 気持ちよさそうに寝ております。「ちち(仮名)」さんが写真を撮られても気づかず(あるいは無視して)寝ているというのは珍しいことです。デジタルカメラの起動音に反応して目を開け、起きあがるのが常なのに、そのまま寝ているというのは、それだけお疲れ、ということなのでしょう。今日は亡き父の一周忌で、妹の一家が来ておりました。それではしゃぎまくったのが堪えたのではないでしょうか。Rimg0263_2

 1時間ほどの法事のおつとめ、あまり出会うことのない親戚達との交流、大人にとってはそれなりに意味のあるものですが、小さな子ども達にはさぞ退屈だったことでしょう。そのあたり、さすがというべきか、利用した葬祭会館にはキッズルームがあり、昨年の葬儀でその存在を知っている子ども達はそこで遊べることを楽しみにしていたようです。道理で、おつとめの間もお利口さんだったわけです。

 法事の仕上げ(会食)を済ませて、「犬が見たい!」という姪の一声で、妹一家が我が家へ。こうした事態を予想して、今朝起きてから、さぁて法事に出かけるか、という直前まで、妻は片付けに大童だったのです。深謝。

 なにせ、月曜から金曜まで、朝早くに家を出て夜遅く帰ってくる飼い主は、Blogを更新したら気力が失せてすぐにお休み。ですので、けっこうな勢いで家の中の「エントロピー(誤用!)」が増大していき、それが蓄積して・・・これ以上は書けません。

 小学校3年生の姪、2年生の我が次男、1年生の姪、おむつが外れたばかりの甥、これらが一堂に会して大騒ぎ。それをケージの中から見ているワンこ達もたまらず大騒ぎ。久しぶりに賑やかな午後を過ごしました。

 朝のお片付け、微力ながら私も自分のものを整理しておりまして、脱ぎ捨てられた背広を片付けようとしてポケットを探ったときに、忘れていたものが出てきました。授業の中で小道具として使えるな、と持ち歩いていたパンダの萬年筆です。

 神戸の南京町か、長崎の新地中華街、そのどちらかで手に入れたものです。インターネット上でも、中国の雑貨を扱うお店で売られているのを発見しました。どうやら、軸の赤いものもあるようです。
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 吸入式!の萬年筆。もちろん鉄ペンですが、キャップはねじ式で、尻軸にはキャップがねじ込めるようにねじが切られております。なかなかしっかりと作ってあるので、つけペン状態で書いてみました。樹脂製の軸は軽く、カリカリしたペン先は引っかかりまくり。見たところ寄りがきつく、インクフローも良くなさそうで、ペン先、ペン芯には多くを期待できないようです。

 でも、こういう(冗談みたいな)ものが、ボールペンでなく萬年筆だというのが個人的には良い感じです。中国製の萬年筆、一時期のペリカンの限定品でも勝てないような奇想天外なものがあるようで、値段の安さもあって、ちょっと気になっております。危険な兆候です。

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2009年2月 6日 (金)

けやき

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 4体の人形によるステージに聞き入る「くま(仮名)」さん。さすが4歳の貫禄、5ヶ月の「ちち(仮名)」さんが、「ええおもちゃやっ!」と叫びまくるのとは対照的です。この4人組、乾電池3本で古今の名曲を聴かせてくれます。In the moodにはじまってSukiyaki、Singin' in the Rain、Locomotion、She loves youなどなど全13曲。完全なるドゥーワップで、ボンボンとかデューワーとか、それだけしか歌っておりませんが、雰囲気は十分です。

 今宵、長女が突然、「そういえばこんなんあったよなぁ・・・」などと言い出して、次男のおもちゃがうず高く積み上げられている山の中から発掘したものですが、電池が液漏れしていてさぁ大変。必死で端子を磨いて動かすことができました。皆さん、ピンクのタキシード、グリースで固めて髪型もばっちりキマっています。
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 かくいう私も、1月半ぶりに散髪してすっきりばっちりの髪型で帰ってまいりました。剛毛が頭皮から垂直に生えている私の場合、通常の散髪では毎朝の支度が大変なことになるため、鏝を使ってしっかり曲げてもらう、いわゆるアイパー仕上げが必須で、1回の散髪に2時間ほどかかります。御年60歳をこえた職人さん、すばらしい腕の持ち主で、今のところ、この人以外に私の髪をうまくまとめられる人はおりません。毛を焼く匂いをかぎながらうとうとといすに座っている間にできあがり。上機嫌で帰って来ましたところケヤキの一枚板が届いておりました。

 岐阜方面の木工家がすばらしいテーブルを作ったよ、と神戸方面の鞄屋さんで伺ったのが昨年の暮れ。写真で見ただけですがなかなかのもの。しかし、我が家には少しばかり大きすぎたので断念したのです。それで、客間に座卓が欲しいなぁ、という気持ちに火をつけられてしまったところへ、東急ハンズで「無垢の板、処分セール!本日限りっ!!」ってのをやっていて、ひとたまりもなく墜ちてしまったのです。別途、脚を購入して、座卓のできあがりです。

 部屋への収まり具合もまずまず。ほかにも珍しい木がありましたが、木目の美しさにあらためて欅で良かったと思います。今まで萬年筆を撮影していた机は、実は大きめの経机。引っ越してきて10年近くたって、ようやく、まともな座卓のあるうちになりました。
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2009年2月 5日 (木)

干上がる

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 頭の上で激しく鳴く声で目覚めると、水が空っぽだよぉ、と「ちち(仮名)」さんが怒っていたのでした。給水器に水を入れやって、同時に水鉢も入れてやると、オアシスにたどり着いた砂漠の旅行者のごとき飲みっぷり。人(犬)心地ついても、名残惜しそうに空になった水鉢をなめ回している姿を、おっとりカメラでおさえました。ゆっくりした動きですが、暗い部屋で寝ぼけたおっさんが撮ってますのでブレてしまいました。

 気がつくと、飼い主も喉がカラカラ。帰宅が遅くなったので、今日の夕食は持ち帰りのお寿司。おいしいおいしいと食べて、エアコンの効いた部屋でうたた寝。そりゃ喉も渇きます。冷蔵庫で冷やした緑茶を立て続けに2杯飲み干して、あぁ、「ちち(仮名)」さんもこんな気持ちだったんだなぁ、と納得です。

 背広をクリーニングに出そうとポケットをチェックすると、内ポケットの底に1本のペン。PILOTカスタムのストライプ模様、お久しぶりです。見事に干上がっておりました。
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 もともとは親が使っていたものですが、カリカリと引っかかり、インクの出が渋いので使わずにしまってありました。調整してもらおうと神戸元町のpenandmessage.に持ち込んだところ、ポロッとペン先がとれてしまい、そのまま修理に。帰ってきてからは実に調子がよいので、背広の内ポケットが定位置となっていたのですが、最近見かけないなぁ、と思っておりました。忙しい、ということは本当に心を亡くすことだなぁと実感した次第です。

 シルバーンのそれを一回り小さくしたかのような、このタイプのペン先が好きで、安いものを見つけては集めてきました。般若心経が彫られているのを筆頭に、変わった模様のやら木軸のやら、実に様々な軸があって、一見派手なこのストライプ柄が実は一番普通っぽい軸だったりします。

 構造上、ペン先はガチガチに固いのですが、なかなか気持ちの良い書き味です。やはり、萬年筆はインクフローが大切、ということを実感させられます。実際に筆記する場面においては、物理的なペン先の堅さより、インクフローも含めた「柔らかい印象」とでもいうべきものが効いてくるのだと思います。
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2009年2月 4日 (水)

立春

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 ゆったりしております。「ちち(仮名)」さん、5ヶ月です。4歳の「くま(仮名)」さんより大きく見えます。いや、実際、大きいと思います。抱き上げてみると、さすがに「くま(仮名)」さんの方が重たいのですが、かさが高いのは「ちち(仮名)」さんの方です。

 いよいよ立春です。春です。旧暦ならばお正月の頃。その名残で年賀状に「迎春」とか書くでしょ、と子ども達に話すと、ほぉ~、ってなことになります。公立の学校ですと年に200日ほど生徒の顔を見ますので、お話のネタも200本必要なのです。それだけのネタが用意できない人が学級担任をしますと、毎日教室へ行くのが苦痛になったりするそうですが、幸いにして私はそういうことがありません。
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 立春とはいえ、まだまだ厳しい寒さが続きます。そんな中、小さな小さな春を見つけるとうれしくなりますね。なので、小さな小さな萬年筆、なんだかわからないので、知っている方にお教えいただきたく、写真を撮りました。

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 小さいですね。キーボードは普通のデスクトップ用です。これで吸入式。小さなゴムサックが入っております。軸には刻印など一切無く、いったいどこの何というペンなのかわかりません。で、ペン先をルーペでのぞいて一瞬どっきり。ペン先の刻印は
IDEAL HIGH CLASS
なのです。IDEAL・・・ウォーターマンかっ!と騒いでみたいところです。いったい何ものなんでしょうか、こいつは。
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2009年2月 3日 (火)

節分

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 大好きなピカチュウと戯れる「くま(仮名)」さん。ご機嫌でくつろいでいるのには訳があります。この直前まで、我が家のリビングでは豆まきが行われておりました。小学生の次男が鬼の役。世間一般にお父さんが鬼の役をするようですが、これが大間違い。一家の主が豆をまいて鬼を追い払うものだそうです。で、撒かれた豆を拾って食べるのがワンちゃん達のお仕事。これが思いの外おいしかったようで、大満足でケージに入っておやすみ、というわけです。

 年に4回あるうちの、今日は春の節分。追儺のために豆をまくわけで、追われるのは「鬼」ですね。鬼と金棒に見立てられるものを探しましたが、意外と見つからない。結局、鬼は先ほどのお面で。では金棒は・・・。

 これだっ! と思ったのが、岡山PTA http://www.pta-vivox.com/essay/ で扱っているカクタスという萬年筆。これを鬼の横に置いたら間違いなく金棒に見える!と思いましたが、ネタのために買うにはちょっとお値段が。書き味抜群と評判のペンですが、鉄のペンでこの値段はキツいものがあります。ここはチープに、サボテンの形をしたボールペンで我慢、我慢。
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 サボテンのトゲは柔らかく、グニュグニュとした握り心地。とても書けない、と思われますが、握ってみると普通に字が書けます。ペンスタンドは植木鉢の形をしていて、そこそこの重さがありますので、スッとペンを抜くことができます。リフィルはごく普通の油性タイプ。先端の金具の部分が災いして、交換は難しそうです。使い切りということになりましょうか。置物を装って机の上に置き、何かの折に引き抜いてメモメモ、というのが意外性があっておもしろそうですので、職場に常駐となりそうです。
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2009年2月 2日 (月)

節分イヴ

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 淑女だとか大人しいだとか言われても、やはりワンこ。飼い主が帰ってきたときやおやつが欲しいときなどはこうして立ち上がります。このピンと立った両耳を活かして、これに鬼の面をかぶせたら・・・と一瞬思いましたが、その後のことを考えると可哀想で断念しました。と、いうより、そもそもお面をつけさせてはくれないですね。

 節分の前夜だから節分イヴ。これは明らかな「誤用」ですね。イヴは前夜でなくその夜です。12月24日の日没から25日の日没までがクリスマス、というのが教会歴ですから、クリスマスでしかも夜というのは24日の夜しかない、ということでイヴなのです。ここは普通に節分前夜というタイトルにすべきでした。

 毎年おなじみ、サークルKサンクスの「鬼に金棒パン」です。鬼さんはいつも裸で節分に登場して寒くないのか、この金棒、重たいわ錆びるわでメンテナンス大変だろうな、でも黒錆のおかげで何ともないのかな、ハイテク素材の金棒を導入する鬼さんなんていないのかな、などと、くだらない妄想をふくらませながら初めて食べてみたこのパン、チョコレート味の普通のパンでした。袋に描かれている鬼さん、可愛らしいですね。
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 重くて錆びる金棒をハイテク素材でとなれば、警棒などでも実績のあるカーボン系でしょうか。残念ながらプラチナ25Gは持っておりません。今日の日付が2月2日とゾロ目で、元素番号22のハイテク素材チタン。これも残念なことに1月21日にチタンペン先の萬年筆を紹介済み。スティピュラのヴァン・ドゥエも持っておりません。唯一、オマスのハイテクミロードT2という総チタンのペンがありますが、職場の引き出しの中。無念ですが、夜中にBlogの素材撮りに職場へ侵入、なんてのも馬鹿げております。

 仕方がないので、今日は腕時計。セイコー アークチュラのジョージイゼックモデル、生まれて初めて、一年を通して腕につけた時計です。汗かきの私は、革ベルトでも金属ベルトでも腕がかぶれてしまうので、夏になると時計がつけられませんでした。この時計はブレスの部分もチタン製で、夏場につけていても平気でした。たいしたものです。

 ありふれた腕時計だと自分では思っておりますが、子ども達からは「怪しい腕時計」と呼ばれている可哀想なやつです。可哀想といえば、右利きながら右手に時計をはめますので、あちこちぶつけて傷だらけ。傷が増えるほど愛着がわく、ということにしておきましょう。

 キネティックなので、電池交換不要。そのキャパシタの容量は最近のものに比べると半分程度ですが、それでもフル充電で2週間は動作するようです。電波時計の精度も魅力的ですが、時計というもの、微妙にずれるところが機械っぽくて好きなのです。で、老眼なので見えなかったのですが、写真に撮るとカレンダーがずれてます。パーペチュアルなのが欲しいですねぇ。
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2009年2月 1日 (日)

トレドの日

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 ケージの中で立ち上がってぴょんぴょん。そうやってケージごと少しずつ移動する「ちち(仮名)」さん。すぐ近くに「くま(仮名)」がいるせいなのでしょうか、この姿勢で排泄するという何とも迷惑な習慣が付いてしまっております。これを是正すべく無視したいところですが、なにせ4ヶ月のパピーなので、排泄したらすぐに抱き上げないと、踏みまくって悲惨なことに・・・。ケージ周辺の新聞紙なんかは、その対策グッズであります。

 これから数ヶ月、毎月1日はトレドの日、ということにさせていただいて、手元に集まってきたトレドさんたちを紹介していく予定です。今月のトレドさんは、他人に頼まれて入手したのになぜか手元にある、という来歴の持ち主です。

 私のビッグトレドを手にしてそのバランスの良さにノックアウトされた知人が、これの小さめのがあれば、と唸ったのをきっかけに探し始めたM700トレド。国内の大手オークションで、機能に問題なし、仕様に伴う小傷程度、箱も何にもなしの現状渡し、という条件で、ピンぼけの暗い写真とともに出品されていたのを知人が発見。旅行中に付きあんたが落としてくれないか・・・ということで落札したものです。
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 キャップは彫りでないタイプ。EN刻印のあるFニブ付きです。ガサゴソと品のない書き味に加えてある方向に引っかかりがあるという情けない状態でしたが、神戸元町penandmessage.に持ち込んで調整してもらって一安心。ちょうどお店に居合わせた方が調整済みのペンを手にとって「M250みたいな書き味」と評された通り、軽くてさらりとした書き味です。硬いペン先にほどよいインクフローの組み合わせは、ペン自体の大きさもあって、書類を書いたりメモをとったりするのにうってつけです。

 こんなに良い仕上がりにもかかわらず、依頼主は何かしっくりこない様子。彼は、重いペンはダメだけれど小さいペンもダメ、大きくて軽いペンを求めていたことが判明したのです。ビッグトレドの場合、あまりのバランスの良さに重さを感じなかったのであって、もう少し小さいの、ではなく、このサイズで軽いの、が欲しかったというわけです。

 結局、オレンジ色のデュオフォールドが彼の元に嫁いでいくことになりました。ダイヤ商会のお母さんにいろいろ教えてもらって購入した思い出のペンでしたが、請われていくのなら、ということで。その結果、トレドが残ったのです。

 バーメイル系のトレドには、緑がかった黒、ということで石丸さんに作ってもらった「古黒」というオリジナルインクを入れております。古びた大きな城門、その金属部分の色というイメージです。インクがなじんできたのでしょうか、さりさりとした軽い書き味の中にも、しっとりとした感じが出てきたようにも思います。

 お正月、トレド丑ということで、WAGNER新年会でかなりの時間、キャップを開けて披露しておりましたが、しまう際に書いてみると問題なくインクが出てきました。トレド、とってもいいペンです。新品はなかなかキツいですが中古なら・・・皆さんも1本、いかがですか。
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