こわい
この自信に満ちた表情。怖いもの知らずとはこういうことでしょうか。自分の何倍も大きな飼い主より優位に立とうとして吠えている「ちち(仮名)」さんです。
先日の実力テストを採点していて、日本の将来は暗いかもしれないなぁ、という気持ちになりました。カンニングでもないのに、同じ答、それも間違った答が続出するのです。調べてみれば、同じ塾の生徒たち。その塾では、「なぜこうなるか」を教えず、「答はこれ。しっかり暗記しなさい」という指導法で成果を上げているのです。
その塾に通う生徒たちは、テスト前になると「誰が問題を作るのか」を異常なまでに知りたがります。塾が出題者別に傾向を把握していて、「どの先生が作問するか聞いてきなさい」と指示しているわけです。で、それにあわせた対策を授けて、点数を取らせるという寸法です。
高いお金を払って塾に通わせている親御さんには、申し訳ない気持ちになります。先生教えて、とくれば、無料でいくらでも教えますよ。でも、「なぜそうなるのか」ということを教えようとすると生徒が逃げるのです。面倒くさいからだそうです。答さえ教えてくれればよいのだと。
ある時期、いや今でもそうかもしれませんが、あまりにもいい加減な教師がけっこうな割合でいたために、今や、公教育の世界でも成果主義が導入されつつあります。優秀な先生には給料弾むよ、っていうわけです。その財源は、優秀でないとされた先生の給料を削ることでひねり出します。つまり、あり得ないにしても、すべての教師が優秀であれば成り立たない制度です。
次男が保育園に通っている頃、昔の教え子が子供を預けに来ていました。今以上にひどい教師だった当時の思い出話をして、憎まれたり、恨まれたりしていないことにホッとしました。教育の成果って、何年もたってからわかる部分も大きいと思うのですが、社会の考えはそうでもないようです。今、ここで、答を出せ。それがすべてだ、と。
う~む、困りました。甘噛みが治らない「ちち(仮名)」さん、大きくなるまで信頼関係を築きながら様子を見よう、ではいけないのですね。シバきまくって恐怖で押さえつけておとなしくさせれば、偉い飼い主なんでしょうか。それとも、さっさと見切りをつけて里子に出すか、保健所送りにするか。これ、けっして犬だけの話じゃないと思うんですが・・・。
で、今日は、何とも結果の出ない萬年筆の紹介です。昔は、ちょっとした文房具店がオリジナルブランドの萬年筆を作って売る、なんてこともよくあったようです。今なら、万年筆の山田、みたいな感じでしょうか。これも、都内の某文具店が売り出していたものだそうです。譲ってくださった方によると、ペン先はかの兜木銀二郎さんの作であるとか。これといった特徴のない、細字のペンです。インクフローも渋めで、使うインクを選びます。こういうペンも、昔はいっぱいあって、そこそこ買われ、使われていたんですね。
おひさしぶりです。毎日blogを楽しく拝見してます〜〜東奔西走とはまさに先生のためにある言葉ですね!
この万年筆……同じものが元町のお店にあったような…確か依託のケースに!書いてみたけど、結構硬いですよね〜このペン先の形状だとそれも仕方なしか〜
投稿: たがみ たけし | 2008年11月 6日 (木) 07時22分
たがみ たけし さん
おっしゃるとおりで、年季が明けたので戻って参りました。例のケースは満員ですので、少し空きを作らないといけませんし・・・。
で、フーデッドニブなんですが、それなしでも硬いと思いますね。それと、フードがあるのにインクフローが渋いという・・・。
投稿: つきみそう | 2008年11月 6日 (木) 08時29分
いかにもそこかしこにありそうなペンですね。
兜木さんのだとわかっているのはいいですね。
投稿: 二右衛門半 | 2008年11月 6日 (木) 08時41分
「こわい」といえば・・・
入社の新人研修で朝一番にランニングがありました。
一緒に走っていた横の彼が、
「こわい!こわい!」というのです。
何やこいつ、変な奴やなあ、と思ったのですが、
あとで聞くと「こわい」は出雲弁で「しんどい」の意味だそうでした。
たぶん、語源的には
こわい→かたい→できない→しんどい
じゃないかなと思うのですが・・・
私は最近毎朝ipodで竹内まりやを聞いているので
島根つながりの話でした。だんだん(笑)
投稿: ひろなお | 2008年11月 6日 (木) 12時35分
ひろなお さん
研修指導お疲れ様です。
朝の連続ドラマ、見ないのがポリシーなのですが、竹内まりやの声は大好きです。
さて、アンモナイトが入荷したそうな。取りに行かなければ。
投稿: つきみそう | 2008年11月 6日 (木) 12時42分
そんな塾はよろしくないですね。学問はwhyを教えて然るべきなのに…。
中学時代、友達に質問されたら、「なぜそうするのか」の説明は嫌がられました。一方で、高校に入ったら、「なぜそうするのか」の説明をしてくれるからと質問が殺到しました。
中学校の数学のテストでいつも気になっているのは「なぜ」をきかないことです。先生によっては授業中にそれをとことん追求する人もいますが、まだ不慣れな先生だと、解法暗記に努めている気がします。
・0で割ってはいけないのはなぜか。
・分数の除法は除数の逆数を被除数にかければよいがなぜか。
・垂直二等分線はなぜあのような作図で書けるのか。
等々、私が中学時代に、後輩に出した問題です。案外受けるかもしれませんし、テストに出されても(採点はしんどいかと思いますが)面白いかも知れません。
今まで自分で出した中で、「負の数同士の掛け算が正になるのはなぜか」…はやりすぎましたが・・・。
(私は 複素数平面での回転を考えれば-1は180度の回転になる。従って、(-1)*(-1)は180度の回転を2回施す、すなわち360度の回転であるので正である とやっています。)
投稿: 達哉ん | 2008年11月 6日 (木) 14時43分
達哉ん さん
なぜか、を教え、テストでそれを問う、ひとつの理想ですね。ただ、現実の採点が追っつかないという怖さがあります。
中学生のレベルですと、「マイナスは反対という意味の記号」ぐらいの感じですかね。反対の反対なのでプラス、っていう程度がやっとですが、それでも嫌がられますよ・・・。
投稿: つきみそう | 2008年11月 6日 (木) 15時04分