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2008年10月

2008年10月31日 (金)

じゃぽな

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 遊んでくれなきゃ、いたずらしちゃうぞっ! という声で、目が覚めました。ハロウィンの晩、子供たちは訪ねてきませんが、室内の犬たちがやかましいのです。
 「くま(仮名)」さんは、さすが3歳犬、彼女本来の性格もあって、ほとんど吠えることはありません。一方で、「ちち(仮名)」さんは、動物病院の待合室でも「どんな大きなわんちゃんが鳴いてるのかと・・・」と居合わせたお母さんに言われるほど、元気にやかましく吠えたてます。早く大きくなって、もう少しおちついてもらいたいところです。
 ハロウィンといえば、カボチャをくりぬいた「ちょうちん」です。夏が終わると、あちこちの店先にハロウィングッズが並び、まだまだ暑いのになぁ、と思っているうちに長袖の服が恋しくなって、気がついたらハロウィンが終わっている、という感じです。
 数年前のこと。街を歩くといやでも目に付くこの「ちょうちん」を見るたび、次男(末っ子)が「あっ! じゃぽな!」と叫ぶのです。あまりにも「じゃぽな」がヘヴィーローテーションされるので、「じゃぽな」って何? と聞くと、「あのな、かぼちゃをな、くりぬくねん。ほんでな、なかにな、ろぉそくいれるねん。おばけやで。」と。保育園の英会話クラスで教わったジャック・オー・ランタンが、小さな耳に じゃぽな と聞こえていたのです。Img10531726551
 以前、英語圏にある日本人学校へ赴任した知人の子供が、外遊びから帰って「赤って英語でウレッっていうんやで。白はワイやで。」と話したというエピソードを思い出しました。小さな子供は耳から入るんですね。だから、すんなり話せるようになるんでしょう。
 私は英語が話せません。以前、天誅組で知られるJR五條駅のホームで、夫婦げんかをしているラテン系のご夫婦に出会ったことがありました。奥さんが旦那を責めていて、旦那は弱々しく反論している様子。あまりにも旦那さんが気の毒ですので、思わず声をかけてしまいました。
 「べらべらべらべらべら・・・・・」何言うてはるのか、さっぱりわかりまへん。が、どうやら、旦那が奈良へ行く電車はこれ、というので乗ったら、こんなところへ来てしまった、ということらしいです。
 喧嘩はスペイン語ですが、私には英語で話しています。「まぁまぁ奥さん、ちょっと落ち着きなはれ。」って英語で言いたかったのですが、それは無理。路線図を指さしながら、hereが五條、これがNara stationなので、take that trainして、この駅でchangeして・・・・・とやっていると、旦那さんに笑顔が戻りました。元気になった旦那さん、息子が遊んでいるニンテンドーDSライトを指さし、「New?」と聞いてきます。「いえ~す、にゅうえすとっ」と胸を張る私。「このおっちゃんにDSライト見せたげなさい。」「パパ、英語わかるん?」「んなもんわかるわけないやろ。」
 やがて、「Thank you」と、奈良方面へ向かう電車に乗り込んで行ったご夫婦。「そらやっぱり、外国の人困ってたら、助けたらな・・・」と、訳のわからない様子の子供に言う飼い主でした。
 では最後に、「じゃぽな」と同じ色のものを。先日ご紹介しましたPILOTの色彩雫シリーズ「夕焼け」を、ペリカンのM320オレンジ軸に入れてみました。黒く透けているのは吸入機構なので、オレンジ色のインクを入れたからといってきれいに見えるわけではないのですが、書いてみると悪くないですね。軸の色とインクの色とを揃えるというのも、やってみるとなかなか楽しいものです。おっさんが人前でこれを使うと、軸は派手、なおかつオレンジ色のインクが出てくる、ということで引かれてしまいそうですが・・・。
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2008年10月30日 (木)

居残り

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 新入りの「ちち(仮名)」さんに少しずつ慣れてきた「くま(仮名)」さん。飼い主の側にいるときに限られてはいますが、最近は自分から前足をちょいちょいと出してみるようになりました。で、前足でタッチされた「ちち(仮名)」さんは知らん顔。自分のやりたいことに夢中です。2頭とも、どうも社会性に欠けるところがあるようで、まだまだ修行が必要な感じです。
 飼い主は午後から出張で、思わず「直帰」という心温まる言葉が脳裏をかすめたのですが、今日は素点交換の日。各教科の担当者が、テストの結果を提出する〆切日です。
 今日は、20時過ぎに最後の人が提出して家路につきました。そのあとは、飼い主だけが居残ってお仕事です。明日の朝には、クラスごとの得点一覧表と、生徒が自分の得点を確認するための個票ができあがっていなければなりません。20時過ぎから取りかかれるならば御の字、まだまだ早いほうです。ラッキーなことに、今回は提出期限を守らない(忘れている)人がいませんでした。
 夜の学校は本当に静かで、仕事もはかどります。ときどき、科学では解明できない出来事もありますが、それより怖いのは「人間」。だだっ広いところに一人だけいて、誰かが訪ねてきたら・・・想像しただけでも怖いでしょう?
 10時半を過ぎると、警備保障会社から「まだ帰らないの?」っていうお電話がかかってくるので、何とか終わらせて家路につきます。電気を消しながら出て行くので、だんだんと自分の周りが暗くなっていって、車に乗り込むときには真っ暗闇。帰宅して、Blog更新して、それから持ち帰りの仕事をやっつけます。新聞配達のバイクの音が聞こえたら、そろそろ寝なくては・・・という毎日。
 そんな仕事の合間、気分転換にのぞいたオークションで手に入れたのが、イタリア、ラレックス社の萬年筆。モンテグラッパとも関係のある会社だとかいう話ですが、現在、日本国内では同社の萬年筆は取り扱いがないようです。
 写真はアニマリというシリーズで、銀製のキャップに、何とも可愛い表情をした蛇さんがついています。鉄ペンで、ヨーロッパタイプのカートリッジしか入りませんので、モンテヴェルデのコンバータを装着してあります。このペンも、蛇のかわいさに惚れ込んだ妻の指示で落札したもので、私のペンではありませんが、たまに書いてみると滑らかで、まぁ捨てたモンでもないかな、という感じがします。
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2008年10月29日 (水)

忙中に防虫

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 涼しげな瞳で見上げる「くま(仮名)」さん。朝、飼い主が目覚めてリビングにおりてきたときなどによく見られる姿です。あぁ今日も仕事、しんどいやろなぁ、と起きてきて、もちろん機嫌が悪いわけですが、こうやって見上げられますと思わず「くま、おはよう!」と明るく声をかけてしまいます。そういうとき、なるほどこれは、ペットロス症候群ってほんとうにあるだろうなぁ、と実感します。
 さて、昨日の記事に書きました出戻りPC、やはり調子が出ません。Windowsの起動・終了がスムーズでなく、おかしいなぁと何度か繰り返すうち、ついに起動しなくなりました。BIOSまでは行くので、Windowsのシステムがおかしい、検知できなかった何か変なものに感染している、と見て、とりあえずHDDを別のものに交換します。先日、同じ依頼主から請け負ったノートPCがVista搭載でしたので、Athlon64-3000+というスペックながら、xpとVistaのデュアルで行くことにして、まずはxpのインストール。
 屁のようにインストールが楽だと感じたxpも、今となってはなかなか面倒くさく感じられます。古いOSとはいえ、xp時代のPCぐらい、すっとドライバがあたって欲しいものです。
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 栄養補給中のロボコップみたいなお姿でインストール中。320GBのHDDを3つに分け、CドライブにVista、Dドライブにxp、そしてEドライブはデータストレージ、という構成。警戒心無くネットを利用するケースを考え、ユーザーもはじめから設定しておくことにします。セキュリティ対策も手厚くしておかないといけません。これから、長い長い夜です・・・・・。
 ふだん使わない人までもがPCの前に座る時期だというのに、職場の共用PCが絶不調。これもまた、再インストールとなりそう。PCを使っている時間よりメンテしている時間の方がよっぽど長い私です。
 そこで、萬年筆で字を書く、というのが、インストール中の待ち時間を「有効に」過ごす手立てとなるのです。結果、インストールが終わると、PC周りはインクで塗りつぶされた紙だらけになるのです。
 今日、お供をしてくれたのは、パッと見、パーカー51かと思わせて実は似て非なるもの。メーカー純正パチモン51、パーカー100です。金属軸で適度に重く、ペン先も悪くないのですが、寝かせて書く私のこと、ときどきお尻をこすってしまいます。で、使うのをあきらめて、「色がきれい!」と惚れ込んだ奥さんのペンとなっております。このところ使われずに放置されていたので、メンテをかねていたずら書き。でもやっぱり、ちょっと合わないなぁ、と感じてしまいます。
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2008年10月28日 (火)

まきなおし

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 ちっちゃな「ちち(仮名)」さんに、いつもやられっぱなしの「くま(仮名)」さん。自分だけケージの外にいて、天敵?の「ちち(仮名)」はカゴの中。悠然と歩き回りつつも、しきりに他人の餌鉢を気にしております。ならばと差し出してみると、お湯でふやけさせたドライフードの食べ残しをぺろりと平らげてしまう「くま(仮名)」さんでありました。食べ残して見向きもしなかったくせに、いざ食べられてしまうと大騒ぎの「ちち(仮名)」さん。いつもとは逆の構図です。
 やられっぱなしといえば、まずは糖尿病ですが、先日の検査結果はなかなか良好。油断は禁物とはいえ、次第に合併症の恐怖から遠ざかりつつあります。まぁ、毎日ばたばたしていてロクに食べていなかったことも効いたのでしょう。
 肝心のお仕事の方は、いろいろと積み上がってしまって、まだまだやられっぱなしですが、一筋の光が見えてきたようにも思えるので、何とかがんばってみたいと思います。
 まきなおしといえば、9月29日の記事に登場したPC。知人のもとへ行って幸せに暮らしていたのですが、家族の誰かが妖しいところを訪ねて妖しいものをもらってきてしまったようです。起動するやいなや、VirusResponseLab2009なるソフトが立ち上がり、何やらスキャンした挙げ句、あれこれダメだから設定変えますよ、いいですね? などと聞いてくるのです。どうやらこれに、はいはいと応えてしまった模様。イーサネットのドライバも削除されて、ネットにもつながりませんが、これはもがいている間にやってしまったのかもしれません。Windowslivewritervirusresponselab20
 このソフト、イマイチ実態がわからないのですが、動画のCodecにトロイの木馬がくっついていて、それを落とすとやってくるみたいです。みんなアンインストールしたがっているみたいなので、たぶん悪モンだろうとは思いますが。。。。。
 PCの調子が悪いので診てくれ、というときに、ハード的な問題があるのはむしろ少ないですし、それを治す腕もありません。最近はこういったウィルスやマルウェアに感染したものがよく持ち込まれます。何をしてしまったんだろう、と持ち主が一番当惑しているケースがほとんどです。今回は、とりあえず無事に復旧できたので良かったことにしましょう。
 黒柿事件のあと、ほとんど使わないとはいえ、ボールペンがないので心細いなぁ、などと思っておりまして、何か適当なものはないかと考えていたところで見つけたのが、LAMY 4 Penのオレンジグリップ。LAMYの油性ボールペンはねっとりして書き出しが悪い、という印象がありますが、その点は良さそうな4C規格のリフィルに取り換えてしまう予定です。このペンは手帳用とする予定。と、いうことは、今まで何度も挫折してきた「手帳を持ち歩いて記録する」ということに挑戦することに・・・・・まきなおしなるか、というところです。
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2008年10月27日 (月)

報せ

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 写真は好きですが撮影はへったくそで、う~ん、というのが多いのです。「くま(仮名)」さんの写真、私にしては珍しくピントが来ている1枚ですが、顔がかけていたり、そもそも構図がめちゃくちゃなのだと思います。
 親戚に、写真にかけては相当な腕前の持ち主がいて、お盆にみんなが帰省すると、四つ切りに焼いたお気に入りの作品を次から次へと見せてくれたものでした。本業は長距離トラックのドライバー。運転台にはいつも一眼レフを持ち込んでいて、行く先々でこれはと思ったものや風景を押さえていく、そんな撮影スタイルでしたが、引退してからは撮影のためにあちこち出かけていたようです。
 初代いすゞファーゴの4ナンバー車をベースに改造した「移動基地」には、ベッドのほかテレビや電子レンジなどが備え付けられ、きちんと88ナンバーを取得してありました。もちろん、自力での改造です。
 今日、帰宅すると、そのおじさんが亡くなったという報せが届いておりました。奥さんからの電話を妻が聞いたのですが、それもまた因縁だなぁ、と感じました。
 電話をくれたおばさんは、母の又従兄弟にあたる人です。「永い春」だった私たちに、早く結婚しなさいと背中を押し続けてくれた人です。最後には、「駆け落ちしたらええ。応援したげるから」とまで言ってくれた人でした。おじさんは、1月に入院して6月になくなったのだそうです。2月に父が亡くなったことを知らせた際、なにやら上の空で聞いているように感じたのは、そういうことだったのでしょう。
 父の葬式にも顔を出さなかったので言いづらくて、と、今まで報せてこなかったようですが、喪中欠礼の時節となったので電話をくれたようです。今となっては、ご冥福をお祈りするばかりです。
 さて、報せといえば、長い間、探し続けていたのに見つからなかった、次男(小学生)のお気に入りの萬年筆。ふと、これまで可能性なし、と断じていた鞄の中を見ると、何気なくそこにいました。Yahoo!オークションに「気持ち悪い万年筆」というタイトルで出品されていたのを落札したものです。樹脂製の軸の外側を、金属製の葡萄のレリーフが巻いている構造で、ずっしりと重く、太いペンです。勘合式のキャップは、きまりよく尻軸にささります。ペン先は中字ぐらいの鉄ペンで、シュミットのものと同じようにIridium Pointと刻印(レーザー?)されています。本当にシュミットかもしれませんが、パチモンの可能性も高いです。
 ネット上で、この手のペンを作っているメーカーを見つけた記憶もあるのですが、失念してしまいました。何かご存じの方、是非お教えください。
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2008年10月26日 (日)

色づく秋

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 このところ、おとなしくて賢い!と再評価されて、よくケージから出してもらっている「くま(仮名)」さんに対して、あまりの俊敏な(落ち着きがないともいう)動きに、写真が撮れないと飼い主が怒るので、2人ががりで抱きかかえられている「ちち(仮名)」さんです。
 彼女、我が家に来たときは耳以外ほぼ真っ白でしたが、秋の深まりとともに次第に色づいてきておりまして、柴犬でいうところの赤、すなわち茶色系統へと次第に変化してきております。
 今日は法事のため、高野山に登っておりました。下界の気温18度に対して、山上は12度。あいにくの小雨まじりの天候でしたが、高野山に向かって高度を上げていくにつれ、車窓からの景色が美しくなっていく、まさに錦の秋でありました。
 昨日の記事で触れました伊東屋でのお買い物、パイロットの色彩雫シリーズの新ラインナップ、全4色です。嫌いではないけれども、どうもペンに良くないような気がして避けてきた赤系統のインクたち。まずは、どんな感じかサンプルを作ってみました。
 まず、綿棒をインクに浸したものですぅ~っと線を引きます。神戸の某萬年筆専門店の手法をいただきました。その下に、崩れた文字ですがインクの名前と、メーカー名を書いてみました。
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 三波長型ながら蛍光灯下での撮影、ホワイトバランスその他カメラまかせですので、だいたいの感じを見るだけ、という程度にしかならないと思いますが、夕焼けと紅葉が良さそうです。躑躅と山葡萄はまさしくワインの色。ペンを洗うと実感します。
 夕焼けは、割としっかりしたオレンジ色。熟し切る前の、まだしっかりしている柿の色です。躑躅はフューシャピンク、と家内が言っております。山葡萄は、赤紫というか、要するにワイン色。そして紅葉は、鮮やかさのある赤。まさしく紅葉の色です。少し前まで、車の色で赤というと、なんとなく色あせたような感じでした。そこに、前輪駆動になったときの真っ赤なマツダ・ファミリア。あれを見たときの感動があります。普通のパイロット赤インクと対比すると、ややピンクが入っているようにも見えますし、深みが増しているともいえると思います。
 このサンプル作成に使用したのは、細字が大昔のパイロットの細字。名前は不明ですが金ペンです。そして太字の方は、ペリカンM800に14C-3Bのニブが付いたもの。1色書くたび、念入りに洗ったのですが、躑躅や山葡萄はなかなかきれいになりませんでした。その点でも、この2色は出番が少なくなりそうです。
 オレンジ軸のペリカンM320に夕焼けを入れ、紅葉の方は採点用のペンに入れてみようかと思っております。
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2008年10月25日 (土)

邂逅

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 すでに3歳8ヶ月、立派な大人の「くま(仮名)」さん。落ち着きが出てきて、ケージの外に出てもそんなに悪さはいたしません。漢字で書くなら「穏」。対する生後2ヶ月の「ちち(仮名)」さんは「猛」でしょうか。お互いを慣れさせるため、同じケージに入れてみたところ、どっちが先住犬なのだ、という状態。「くま(仮名)」さんにとっては迷惑この上ない出会いでしょう。
 萬年筆を愛する人たちにとって、今日が何の日か、言うまでもないことです。娘は早朝から学校へ。来春高校生になる人たちを対象にしたオープンスクールの準備のためですが、間に合わないから送ってくれとたたき起こされた「くま(仮名)」の飼い主さん、送ったついでに職場へ回って、恒例となった週末執務であります。鈍くさいためにたまりにたまったウィークデーの仕事を、週末に片付けるのです。Zatsugaku65g_3このまま週末が終わってしまうのも癪なので、2時間ほどで仕事を切り上げて車中の人に。どかっと座り込んですぐに夢の中。車掌さんの声で目覚めて、窓の外を見ると・・・。あと7分、終点まで乗っても良かったのですが、思うところあって慌てて下車します。
 10月7日の記事に書きました「やってもた!」シェーファーがその後どうなったのか確かめるため、京急の乗り場へ。品川から宝町まで340円というのを見て「げっ、そんなに遠いのか」と思わず路線図を確認してしまいました。都営線乗り入れで初乗り計算になるからなのですね。
 宝町駅からペンクラスターへ行ったことはないので、出口案内で目印になりそうなものを探し、とりあえず地上へ。何となく、この辺かなぁ、というカンを頼りに角を曲がると、1階が半地下構造になったビルの前にお寿司屋さんの看板。無事にたどり着いたことに感謝しつつドアを開けると、そこは神戸でした・・・。
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 銀座が神戸になる、これが2度目の経験です。この夏、ISOTを見学して伊東屋に寄りましたら、Pen and message.のYさんKさん、それに分度器.comのTさんにお会いして、びっくりというか、あきれられた経験があります。で、今回はなんと、日本の萬年筆趣味界の明日を担っていく一人として期待されている「達哉ん」さんとの出会いです。彼が今日、銀座にいることは以前から既定の事実ですが、でも、いる店が違うんじゃ・・・って突っ込むより早く、「いやぁ、ちょっと抜け出してきたんです。」って、見抜かれております。
 シェーファーの修理は、溶接を試みたものの強度が出ず、結局別のレバーを探してもらうことになりました。もう少々かかりそうです。その話は30秒で終わり、ケースの中からの誘惑光線を見ないようにしながら、店主のTさんをも巻き込みつつ、ひとしきり萬年筆談義を繰り広げます。一段落したところでお店を辞し、二人して「北欧の匠」へと向かいます。なにせ今日は年に一度の「フェンテ交流会」初日なのですから。
 1階、2階では、成川さんご夫婦と息子さんが、普段と変わりなく接客中。その横を会釈しつつすり抜けて3階へ上がると、受付に めだか さん。名札をつけたら、あとはご挨拶ラッシュであります。なじみの鞄屋さんの愛犬チャーが不思議な鞄を製作中であることを、古山画伯にしっかりお伝えして、「楽しい万年筆画入門」にサインしてもらって購入。そのあと、怪しい素敵なペンを次から次へとお見せいただいて、書かせてもらって・・・と、皆さん、楽しい楽しいとしか表現されませんが、本当に楽しいです。
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 だんだんと会場も混雑の度合いを増してきましたので、4階に上がってペンクリの様子を拝見。師匠や大魔王さんなど、要人の皆さんにご挨拶をすると、もう、かなりの時間が過ぎております。
 関西方面からも何人か来場されているのを確認しましたが、みなさんお泊まりとのこと。そりゃ、明日の方がもっと大事ですものね。残念ながら私、明日は法事ということで帰らなければなりません。後ろ髪を引かれつつ、成川夫妻にお礼を述べて北欧の匠を後にします。
 普通の人なら、ここから東京駅へ行くのでしょうが、私たちは違いました。「たち?」そう、達哉んさんと銀座縦走です。外せない大物店舗を経て、レモン社へ向かいます。達哉んさんが未経験だということで、「五十音」へ。なかなかそそられるものがありましたが、今日のところは我慢我慢。大礼拝堂の上に物欲刺激しまくりのお店があるなんて、バチあたるんちゃう?と妻が危惧するレモン社には、ペリカンの四神がズラッと並んでおりました。眼福眼福。ゴールデンダイナスティ、ゴールデンフェニックス、麒麟、白虎、玄武。全部揃うと壮観です。すべてペン先Bだったので思いとどまることが出来ました。神様がいらっしゃるのだとしたら、これが思し召し、というものでしょう。
 達哉んさんの案内で、一度は、と思っていた書斎倶楽部にも行くことが出来ました。ここでの戦利品は後日の紹介となりますが、外せない大物店舗で入手したのがこれ。なかなか良いのですが、さて、どう使おうかと思案中です。
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2008年10月24日 (金)

祭のあと

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 遠い目の「くま(仮名)」さん。何か、悲しいことでもあったのでしょうか。飼い主は超多忙、くだらん記事書いてる暇に仕事しなさい、っていう状態なのですが、合間に記事でも書いて、束の間でも現実逃避しないとやってられません。うんざりするような仕事が山積みです。
 先の日曜日、お祭を見に出かけました。名目は「研究」。近々、私の身辺でもお祭があり、出店する側にあたっておりますので、人の動きなど、実際に見て確かめておきたかったのです。
 河瀬直美監督の映画の舞台にもなった場所で、古事記の執筆者として知られる人のお墓がある、ちょうどいいぐらいの山里です。空気がきれいで自然がたっぷり残り、夜になると真っ暗。でも、街まですぐ、というのがポイント高いところです。
 出し物を見せてもらい、おいしいものをいただいて、写真もたくさん撮りました。忘れてならないことはしっかりとメモ。使ったのはもちろん、10月12日の記事に登場した工房 楔(せつ)のパトリオットペンです。とっても快適。万年筆がなくてもこれがあれば何とかOK、という書き味。短い胴軸も胸ポケットに挿しておくのにぴったりです。
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 さて、祭を堪能して、あちこち立ち寄りつつご帰還。撮影した写真とメモの確認。そして・・・ありません、パトリオットペン。ボールペンにしては高価なものでしたから、これはショック大。一縷の望みをかけて、心当たりを探してみたりもしましたが、やはり、祭の会場で落としたとしか考えられません。やってしまいました。
 黒柿の孔雀杢。肉眼で見るととってもきれいなのです。もっと気合いを入れて、きれいに撮っておけば良かったと後悔してもあとのまつり。仕方がないので、多くの先人たちの偉業(?)にならい、以後、この件を「黒柿事件」と命名することにいたします。知らない人は、書きやすいペン、ぐらいにしか思わないでしょうが、どうか、誰かに拾われて、気持ちよく使われておりますように。
 誰かの手元で幸せにしている(であろう)パトリオット黒柿を偲んで、似たような色柄のものがないか、と探してみましたら、あるもんですね。写真に撮りにくいペンが。この軸の柄も、きれいに写真に撮るのは至難の業。六甲アイランドにはペンの写真を撮らせたら右に出る者はいない、といわれている鞄職人さんがおりますが、その人の手にかかってもなお難しいでしょう。
 ウォーターマンのカレン、この模様は、Green Sea Shimmerという名前のようですが、確かではありません。沈んだグリーンのマーブル模様、とでもいうのでしょうか。
 ペン先は、見た目そのままの硬さ。このペンにとって、しなるというのは別の星の言葉です。複写伝票でも書けるんじゃないかとすら思えます。それでも、とてもなめらかなのと、本体が適度に重いこともあって、さらさらと速めに書くのにとても向いているように思います。難点は、この模様を見るたび、失われた黒柿を思い出してしまうことでしょうか・・・。
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2008年10月23日 (木)

まるうち

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 結構珍しい、丸くなって寝る「くま(仮名)」さん。彼女は、仰向けに大の字になって寝るのがデフォルトなのです。その傍らで、飼い主はテストの採点にいそしんでおります。
 「丸打ち(付け)」→「採点」と進むのですが、学校の定期テストは、「学習」のためのものですから、間違っている部分に正解を書いたり、コメントをつけたりもします。子供にとって、「丸打ち」は魅力的らしく、「先生楽しそう」などと言われることもあるのですが、やってみると結構たいへんで、楽しいなんてものじゃありません。
 全体的に出来がいい場合は正解が多いので、丸をつけながら早く答を覚えられて、能率が上がります。その逆だと、ほんとうに遅々として進みません。自分が作った問題であっても、呪ってしまいます。
 ○×をつけ終えると、「採点」すなわちテストに「点数」をつける作業です。1問2点で全50問、なんていうときは楽ですが、ここは1点、これは2点などと問題ごとに配点が違うのはややこしく、合計を間違えてはやり直し、になったりします。
 全部終わると、いわゆる「えんま帳」に結果を記録して生徒に返しますが、必ず出るのが「平均点、何点ですか?」の声。0点の人と100点の人、2人の平均点は50点ですから、必ずしも「平均=多くの人の様子」でないところに注意が必要なのですが、気になる数値であることは確かです。松本ちえこさんではないですが、65点あたりが平均点になるようにテストを作るべし、などともいわれまております。テストは作るのも採点するのも大変ですし、受けるのはもっと大変。先生にとっても生徒にとっても、ない方がいいものなのかもしれません。
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 丸打ちに使ったのが、PILOTのP式、カスタム823(M)です。素通しの透明軸に、PILOT純正の赤インク。さぁ、やるぞ、と意気込んでスタート。満点だと解答用紙1枚あたり、40個ほど○をつけますが、15人ほど打ったところで突然インクが出なくなりました。学校でおなじみの「更紙(わらばんし)」ですので、スリットに紙のかすが詰まったのだろうと、ペン先を洗い、インクの吸入作業を行って・・・あれ、出ない。
 こういうときしか出番がないので、使い方を忘れてしまっておりました。お尻をゆるめずに使っていたのです。それでも、B4版の解答用紙15枚も続くのですからたいしたものです。間違った使い方をしたことで、このペンの実力がよくわかりました。
 採点のためにスタンバイしていた電卓は、米テキサスインスツルメンツ社(懐かしぃ、TIです)のもの。ペンを抱えている犬と一緒に、京都市内の雑貨屋さんで購入したもの。「おしゃれな電卓、というとレクソンあたりですが、当店は違います・・・」のコピーに撃沈、の一品です。この電卓を長女に見せて、「何か連想せぇへんか?」と聞く父。当然、「星条旗!」ってな答を想像しておったのですが、予想に反して出てきた答が・・・・・。なぁ娘、よぅ聞きや。「病気が伝染るっ!」とか言うてるけど、きみ、相当きてるで・・・・・。
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 悲しいことに、長男(娘からみて兄)までもが、電卓を見て、「連邦」などと口走ったとか・・・。赤インクで採点してても3倍速くはならんというのに・・・。

2008年10月22日 (水)

なおって、大きく

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 何の心配もないような顔をしておいしそうに水を飲む「くま(仮名)」さん。稚児のもの食ふさま・・・といいますが、やはり飼い主としては飲んだり食べたりしてくれている姿が嬉しいものです。F1000105
 で、「くま(仮名)」さんが水を飲む、その視線の先には「ちち(仮名)」さんがおりまして、昨日とはうって変わってお元気な姿であります。 何らかの理由で食餌を摂らなかったために栄養不足に陥り、ヘタってしまったのが、栄養価抜群の缶詰を少しずつ与えたところ快復。体重も1.7キロから1.9キロへと一晩で200グラムも増えました(小さい・・・)。
 いま、こうしている間にも、遊ばんかいっ、コラッ、みたいな感じで吠えております。ぬいぐるみを咬みながらワニさんよろしくデスロールをする、っていうのが目下のマイブームの模様で、仰向けになってころんころんとやっております。
 昨日から修理(修復)しているノートPC、普通のA4サイズです。この大きさ、実にいいですね。普段持ち歩いているのが超小型のインターリンクという奴なので、年老いてきた目にはつらいところです。それでも手放せないのは、やはり小さいから。小さいとかわいがられますし(犬じゃあるまいし)、どこへ持って行くのも簡単です。ただ、小さい分、キーボードや画面も小さいわけですから、操作性に難があるのは仕方のないところです。
 で、PCの修復、特にHDDがらみの場合に活躍するのが、センチュリーの「是Do台(これどぉだい)」です。なめた名前ですが、そのものずばりを表した良い名前ともいえます。これに裸のHDDをつないで、データをコピーしたり抹消したりできます。
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 今回は、こわれかけのHDDに入っているデータを、丸ごと別のHDDにコピーするのに使いました。壊れていないHDDのデータを吸い出してからそのHDDに新規インストール、なんていう場面でも役立ちます。最新型はIDEのみならずS-ATAにも対応し、動作状況が液晶に表示されるなど、抜群に使い勝手が上がっております。これがあるとすごく便利です。一家に1台、いかがでしょうか? ただ、国産の萬年筆ならかなり上等なのが買えてしまうほどのお値段がネックですが・・・。
 「ちち(仮名)」さんのように、ぐんぐん大きくなっていくわけではありませんが、小さいものつながりでミニペンを。PCと同じく、持ち運びは便利ですがガシガシ書くには向いていない小さな萬年筆たち。手前が、カヴェコ・スポーツ。写真からわかるように、ペン先はどうでもよく(鉄ペンです)て、軸が美しいのです。今はモンブランのレーシンググリーン(カートリッジ)を入れております。
 で、奥がペリカンM320のオレンジ。カヴェコよりもう少し小さいのです。かわいらしいペンですので、娘が高校に入学した際、「これでノートをとりなさい」とプレゼントしようとしたところ、「病気が感染る!」と受け取りを拒否された悲劇のペンです。む~、オレンジ、探しまくって手に入れたのに・・・。
 このペン、中のインクが透けてしまいますので、エルバンのオレンジインディアンを入れてみましたが、見た目は変わらず。そう、黒く透けて見えていたのはインクではなく、内部の吸入機構なのでした。残念。
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2008年10月21日 (火)

なおって・・・

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 こういうショットはまず撮れません。遊んでほしくてたまらない「ちち(仮名)」さんが、カメラを向けられて、というよりカメラを持っている人を見てじっとしているはずがないからです。
 私が超絶な撮影技倆の持ち主だから撮れた・・・のではなく、単に「ちち(仮名)」さんがじっとしていたからです。彼女、「しんどい」のです。どこか悪いのですね。昨夜まで元気に飛び跳ねていたのに、今朝からなぜかご飯を食べず、昼過ぎからクタっとしてしまっております。外見、体温、血液検査の結果も異常なく、強いていえば栄養不足とのことで、生意気にも点滴をしてもらってご帰還となりました。少しだけ、回復しているようですが、まだまだです。しばらく様子を見守ってやる必要がありますが、こんなときに限って「くま(仮名)」さんもかまってくれオーラを発散しまくりなので、飼い主たちも大変です。
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 「ちち(仮名)」さんには、少しでも早く治ってもらいたいのですが、そんな中、直しているのが写真のPrius Note。日立製作所と露骨に堅い名前の会社ですが、このマシンはとってもオープン。奥の猫さんの周りにはメモリスロットやCPU、手前の猫さんの横にはHDDと、基幹部品へのアクセスの良さは抜群です。私の飼っている「戌」ことVictorのInterlinkという小型ノートPCが、いじり止め付きのトルクスねじを装備して頑なに開けられることを拒んでいるのと対照的です。
 このマシン、Cドライブが一杯なので助けて、と持ち込まれたものです。HDDは80GBもあるし、ごく普通の使い方をするユーザーなので、Windows VISTA仕様なのを幸いに、やたら空いていたDドライブを圧縮してCドライブを拡張し、「5分で完了!」のはずでした。余裕かまして再起動してみると、許し難いほどに起動に時間がかかります。おかしいと耳を澄ませば、おぉ、「カコン、カコン」と不吉な音が・・・。これは放置しておけないので、マザーのいかれたPCからはぎ取った160GBのHDDと1GBのメモリ2枚を装着することにしました。残念ながらリカバリCDを預かっていないので、すっきりOSからインストール。何の苦労もなく換装できる、こういうマシンが好きですので、ノートPCは基本的にThinkPad一択な私です。
 で、今日はもう、萬年筆の話題なしでもいいかと思ったのですが、修理がしやすい、ということで思いついたのが、モンブランの2桁シリーズ。手先が不器用なので、萬年筆の分解や修理などには手を出しませんが、それでも「修理しやすい」と聞くと持っていて安心感があるものです。写真の黒いのが74、赤いのが34ですが、どちらも好みの書き味です。これからも仲間が増えていきそうな予感。。。。。
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2008年10月20日 (月)

ブルーでないMonday

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 サザヱさん症候群から一夜明けてのBlue Mondaay。毎週繰り返される憂鬱。でも今日は、先週土曜日の振替休日、お休みです。ここはひとつ朝寝して・・・というのは、毎朝奥さんを職場に送ってから出勤している私には、無理な相談。いつも通りの時間に家を出て、そのまま何となく職場へ。と、けっこういます、出勤組。ふだん以上に真剣な顔で仕事をされてます。
 近隣のある自治体では、出勤時間のみタイムカードを導入している、なんて言う話を聞いて、なかなかやるなぁ、と思ってしまいました。遅れるのは許さないけど、いくら遅くまで仕事しても知らんよ、ということですね。
 今や働く人すべてが無給勤務を強いられている、というのが現状ではないのでしょうか。高校生が時給800円のご時世に、ちょっとぐらい・・・と請われてサービス残業や休日出勤。時間数を累計したら大変なことになると思いますが、勤め先が左前になると元も子もない、というのでみんな我慢しているのでしょう。そうした「善意」だけを支えに、この国はやっていくつもりなんでしょう。この先も、良くなることはないのでしょうね、たぶん。休日出勤なんかする奴がいるからだ、と言われそうですが・・・。
 生徒が来ない学校は静かで、仕事がはかどります。そんな中、軽のキャンピングカーを購入した同僚が、お披露目とばかり出勤すると、仕事を中断してあちこち見せてもらって車談義。でも責めないでください、今日だけは。仕事しなくてもいい日なんですから・・・。あまりのユルさに、せっかく撮った写真も使い物にならない出来・・・。ここはリンクで雰囲気味わってください・。
http://www.rotas-rv.co.jp/car_ekcamp/index.html

 そんなこんなでお昼になって、午後からは出張。お休みなのは私の職場だけで、ほかは普通に動いているわけですから当然ですね。出張先では、ひたすらお話を聞いてメモをとる、というのが仕事です。細かい文字で書類にメモを書き込むので、ここは細字のペン、ということで、早速出ました、中屋の翡翠。プラチナのブルーブラックを入れて、準備万端、のはずでした。
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 確かに、きれいな、細かな字が書けます。とってもいい。しかし、がしがし書いていくと、試し書きでは見えなかったことがわかってくるものです。
 インク出が、渋いのです。いえ、インクフローはいいのですが、私の角度、書き癖に、ほんの少しだけ、合わないところがあるのです。ちょろちょろっと書いてみただけではわからなかったのですが、心地よくない引っかかりが感じられます。で、そういうところではうまくインクが出てこない。お気に入りのブルー、でないのですよ。

 翡翠のペン先は細軟。試しに同じ中屋の赤溜、中軟と書き比べてみると、字幅の違いを割引いて考えても、タッチが全然違います。おかしいなぁ、翡翠、ばっちり合ってると思ったんですが。何ともアテにならない私の感覚。
 ただ、収穫もありました。中屋どうしを書き比べてみて、いかにも細いと思っていた中字が、しっかり中字であることがわかりました。中屋の細字は本当に細い。デスクペンみたいです。極細とかだとどうなるんでしょうか、気にはなりますが、萬年筆が増えてしまうんじゃないかと思うと怖くて試すことができません。。。。。

 ふと思いついたので、手持ちの中でいちばん太い字幅、ペリカンM800の14C-BBBと中屋・翡翠の細軟との筆跡比較をしてみました。大人と子どもほど、って、こういうことでしょうか。でも、どちらの萬年筆も魅力満点です。
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2008年10月19日 (日)

土曜日・その2

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 光の具合がおかしく、ボツ写真な「くま(仮名)」さん。私の中では、土曜日はこんなイメージです。それは曇りや雨の土曜日であっても変わることがありません。

 公立の学校から「土曜日」がなくなって、もうだいぶたちます。まず月に1度、土曜日がなくなり、やがてそれが月に2度となって、今の職場に赴任した7年前から、学校5日制が完全実施となりました。
 その当時、保育園にお世話になっていた我が子たち。水曜日あたりからコンコンいいだして、金曜日の朝あたりは微熱でもあるんじゃないかという状況。何とか乗り切ってくれと祈るような気持ちの土曜日、生徒を帰らせると同時に退勤して保育園へ直行すると、心なしか元気なようすの我が子。考えてみれば、小さな子どもだってお休みが嬉しいに決まってます。週末だぁっ、ってことで元気が回復している我が子を連れ帰り、帰宅してきた家内と交代に再び職場へ戻ります。ここからが、輝ける土曜日の午後。残った仕事をやっつけるのですが、自分のペースで進められるのが妙に心地よかったのを覚えています。仕事の能率は、あまりあがりませんでしたが、同僚と交わした雑談の中身など、今思えば自分の財産となっている部分が多くあります。

 完全5日制になったのと、子どもたちが成長してきたのとが重なって、保育園での1週間も、あまり心配せずに過ごせるようになりました。遅れて生まれた3人目などは、上の子たちと比べるとはるかに少ないお休みで保育園生活を過ごせたように思います。
 その3人目が、今や小学2年生。我が子の中ではただ一人、萬年筆が大好きなのが泣かせます。そして、そんな彼のお気に入りが、写真のペリカーノジュニア。生意気にも、Pen and message.吉宗店主の対面調整をうけた代物です。今はまだ、ペン先の方向に動かすなどという破天荒な書き方も一部に見られますが、持ち方などはなかなかしっかりしており、現状のままでも金ペン堂のおやじさんに叱られずにすむのではないか? というほどの感じです。
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 彼はこのほかにも数本、萬年筆を所有しているのですが、さすがにすべて鉄ペンです。しかしながら、シュナイダーとか、正体不明の葡萄ペンとか、すでにしてコレクター志向なのではないかという指摘もあります。先日の九州旅行の折も、フェリーの甲板から遠くに見えるポートタワーを指さして、「あ、ペンアンドメッセージの塔や!」などと訳のわからん、しかしながら変に的確なことを言ったりしております。

 で、その息子に、私のペンケースの中で1本もらえるならどれが欲しい? と聞きましたら、迷わずPILOTの飛翔天人を指しました。まぁ子どもですから、派手なのに目をとめただけなんでしょうが・・・末恐ろしいのか、頼もしいのか・・・。

 奈良を訪ねられる観光客の皆さんは、大仏さん、鹿、薬師寺、法隆寺、そして石舞台なんかが同じところに集まっているかのような幻想を抱いてらっしゃることが多いのですが、実際には大仏さんと鹿と春日大社が同じ場所。正倉院やお水取りの二月堂も一緒で、奈良県の北の端っこにあるのです。法隆寺は少し、石舞台などのある明日香村はもっと、それぞれ南に離れたところにあります。そこからさらに南、桜で有名な吉野山まで、大仏殿からは車で1時間はかかりますが、それでもまだ、南北の中間地点にも達しておりません。東名高速を走っていると静岡県が東西に長いのに感心しますが、奈良県の南北の長さも相当なものです。

 薬師寺のすぐ近くで仕事をしておりますが、萬年筆に描かれている飛天は、塔の上にあってよく見えません。いつも見ているのは、飛天の専用木箱に描かれているお寺の遠景です。飛天が発売されたとき、すでに今の職場にいたのですが、当時は猛烈に忙しく、それこそ「心を亡くして」いたのでしょう。なぜか見逃してしまい、おおいに後悔したものです。悔やみながらも捜すこと数年、未使用品でこのペンを見つけたときには本当に嬉しく、これこそ運命の出会い、と手に入れたのでした。しょっちゅう運命の出会いを繰り返している、まさしく運命の人、それが私です。
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2008年10月18日 (土)

土曜日・その1

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 今日は土曜参観。公立の学校は土曜日がお休みですから、本来ならば写真の「くま(仮名)」さんのように、アゴ枕でゆったりと寝ていられる日な訳ですが、得られるものも多いということであえて土曜に「営業」です。月曜から金曜の間に授業参観をやりますと、見に来てくださるのはお母さんなどが中心になりますが、最近は土曜日がお休みという事業所も増えてきたせいか、お父さんやお兄さん、はてはおじいさんやおばあさんとおぼしき年配の方まで、来てくださる方の幅が実に広くなります。

 これほど不況が長引くと、各事業所ともに「営業努力」「合理化」の美名のもと、要はお金は出さないけれど結果は出しなさい、ということになってきて、結果として働く人たちが「しんどい」状況に追い込まれていっているわけです。で、そういう皆様方の子どもさんをお預かりしている学校でも、教師たちが「しんどい」状況になってきております。

 土曜参観を実施するのは、実は大変なことなのです。休みの日に学校を「営業」する分、月曜から金曜の間で「振替休日」を設定することになりますが、その日にきちんと休めるかというと、むしろそうでないことの方が多いのです。結果、ほとんどの教師にとっては、給料より余分に働く日が1日増える、ってな感覚になってしまいます。
 加えて、来週の火曜日からは中間テスト。生徒も大変ですが、教師もテストの問題づくりに頭を悩ませているところ。休日にゆっくり問題を作ろうというところへ「営業」ですから、土曜参観やりますよ、と提案したときには反対意見がたくさん出て大変でした。でも結局、生徒のためになるんですよ、っていう説得で何とか実施できた次第。本当に教師って人種は、生徒が大好きです。
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 写真を撮ろうにも、激しく動き回ってブレまくりの「ちち(仮名)」さんのごとく、生徒たちはまったく動きを止めません。油断していると、いつ、何をやり出すかわかりませんし、それが生徒を危険にさらす場合もあります。ですので、私のところは、職場ぐるみで労働基準法に違反しております。
 昼休みを長くとるとロクなことがないので、昼食後20分間だけが昼休みです(生徒の場合)。教師はその時間に「がぁ~っ」と事務処理などをしなければ追っつかないので、昼休みはないに等しい状態。ですから、日が暮れてからお昼ご飯を食べている人も毎日何人かおります。そういう人を見ても誰も驚きません。
 朝寝坊な上に仕事が遅い私などは、ここ17年ほど、月曜から金曜までは夕食しか食べない、という生活が基本になっているせいでしょうか、きっちり、糖尿病になってしまいました・・・やはり、食事は規則的に摂りましょう。

 過酷な競争社会の中で、民間企業さんなんかではもっともっとすごいところもあるかと思いますが、学校もなかなかのモンだ、ということです。で、そんなばたばたしている中でも、萬年筆を握っているときはちょっとだけ幸せな私です。
 学校はお金がないので、ほとんどの書類がモノクロ。ですから、書類への書き込みはマーカーや色ペンなどを使うことが多いのですが、最近ヘビーローテーションなのがペリカンのM640 サハラ。こいつにウォーターマンのフロリダブルーという、何とも派手派手な組み合わせで使っています。

 実はこのペン、神戸・元町のPen and message.で求めた最初の萬年筆なのです。それ以来、一度もインクを変えずに使っているというのも、私としては珍しいことです。このペンは最初、紙に置くと「コツン」というぐらい硬い感じで、日ごとに使用頻度が下がっておりました。そんな折、偶然手に入れた、初期のトレドに使われていたという「へろへろ」のペン先に交換し、そのタッチの良さに、ぐっと出番が増えたという次第です。
 金1色のペン先というのが、ボディカラーともよくマッチしております。派手派手なペンから出てくる、くどいほどに鮮やかな青い線。夏の日を思わせる組み合わせですが、季節を問わず活躍してくれております。
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2008年10月17日 (金)

継ぎ目なし

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 愛犬「くま(実名)」の供養をお願いしたペット霊園から、一周忌を知らせるはがきが来たことをきっかけに、我が家の一員となった「くま(仮名)」さん。すでにベテランの域に達しておりますが、ここ数日は「ちち(仮名)」さんの傍若無人ぶりに困惑しきりです。

 2頭一緒にケージから出すと、遊びたい盛りの「ちち(仮名)」が「くま(仮名)」を追いかけ回し、あげくにカプッと毛に食いついて、走る「くま(仮名)」にぶら下がってついていきます。「くま(仮名)」さんは必死に逃げ回ったあげく、飼い主の懐に入ってきて束の間の安息を得る、という状態。ちょっと気の毒です。2頭の上下関係がどうなるか、というのも何となく予想できるような気がします。
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 さて、周年記念といえば、「ミュー90」。なかなかの人気に加えて、生産が進んでおらず、供給が追いついていないようです。幸い、ペン先FとMを1本ずつ確保することができまして、堅いけれどなめらかなその書き味と見た目を楽しんでいるところです。
 何とも不幸なことに、我が家では、「お父さんは変な萬年筆が好き」という、誤った認識が定着してしまっております。私が好きで集めているシェーファーの萬年筆は、いわゆる豚ペンやインレイタイプなど、そのほとんどがオープンニブではないもので、「変な萬年筆が」という感じがするのかもしれません。

 PILOTミュー90に関しては、シェーファー愛好家のど~むさんをはじめとして、何人もの方がすでにインプレッションされています。同じ事をしても仕方ないので、手元にある「変な」ペンを並べてみました。
 パイロットのウルトラ、シェーファーのPFMとインペリアルは既出ですし、ペン先の部分に継ぎ目があります。継ぎ目のないのが、パイロットのミュー90、そして、伝説のチタン萬年筆T-1の後継?たるパーカー50 ファルコンです。
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 ミューが新旧ともにつるんとしたペン先を持つのに対して、ファルコンは表面を処理してペン先に「区切り」をつけてあります。ミュー同様、とても堅いけれどなめらかな書き味。ただ、少しインクを選ぶようで、フローの渋いインクだと本来の色が出ないことがあります。総金属製ながらとても軽く、ミューと比べてはるかにスリムなペンです。一緒に写っているのはパーカーブランドのペンケースですが、ミューは太く、バンドに通すときちきちです。
 パーカーのカートリッジは長くて大きいので、1本入れておくとかなり長い間もちます。銀に青インク、茶に黒インクを入れて、持ち歩き用のペンとして活躍してくれていますが、数学の問題を解くときに使うと、良い解法が浮かぶように思います。
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2008年10月16日 (木)

学園ドラマ

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 学園ドラマというもの、あまり好きではありません。「金八先生」とか、「ごくせん」とかいうドラマは人気があったようですが、ちらっと見ただけで気恥ずかしくなって、すぐにチャンネルを変えてしまいました。
 でも、一般的な学園ドラマのイメージ、みたいなものは何となくわかります。教頭とか教務主任というのが「悪もん」で、保健室の先生や校長あたりが、生徒の側にたってくれる物わかりのよい「ええもん」だというところ。あと、体育の教師は生徒指導を兼ねていて、がんがん厳しいことをいいますし、理科の先生はちょっと変だったり。あと、教科別では、数学の先生の嫌われ者度が断トツに高いようです。教務主任で数学担当なんていうのは、最悪のキャラみたいですね。。。。。(しょんぼり)
 で、実際の学校でも、数学っていうのは結構嫌われ者系の教科みたいです。教える数学の先生が「数学大好き、とっても得意」なので、数学が苦手な人の気持が理解できず、「はい、これわかるね、簡単でしょ。だから、こうなるの」みたいな感じで、結構なスピードで授業を進めてしまうことが多いのではないかと思います。Hptimage
 さて、そんな嫌われ者(人格とかでなく、ですよ)の数学教師も、定期テスト前になると人気者。わからない、教えて、という生徒たちのラブコールに応える機会が増えます。今日、少しの時間、勉強につきあった生徒は、授業で「はい、5かける6は?」って聞いても、「30」と出てくるのに1分以上、へたすると無言のまま、っていう状態でした。この夏休みは必死で九九覚えなさい、などと1学期の終わりに申し渡したのですが、おお、なんと、九九が言えるようになっているではないですか。本人はそれこそ、血のにじむような努力をしたはずです。
 んなこと、たいしたことじゃないだろ、というなかれ。ある人にとって出来て当たり前のことが、別の人にとっては死ぬほど難しい、っていうのはどんな分野にでもあることでしょう。もちろん私にも、これは絶対に出来ない、ということが山のようにあります。
 その筆頭は、「おしゃれ」。どうしてみんな、あんなに素敵に、自分に似合う服を見つけて、それを活かして着られるのでしょうか。あるとき、気の置けない同僚がじっと私を見て「しっかし、お前ほど何を着ても似合わん人間はおらんな」と、心の底から感動した様子で言いまして、素直に納得してしまったことがあります。
 もう一つ、とっても苦手なのは、字を書くことです。自分の書いた字を見ていると泣けてきますが、なぜか萬年筆で書くと幸せな気分になります。この感覚は何なのでしょうか。私は、それこそが萬年筆の魅力なのだと思っていますが・・・。
 で、そんな私が、一番マシな字が書ける、と思っているのが、デスクペンなのです。ペン習字用のペンでもいいでしょう。とてもカリカリとした感触のこのペン、残念ながら、書き上がった字の美しさ(程度の良さ)は一番です。お値段は500円。20万円のペリカン・トレドより数倍まともな字が書けるのです。う~む、そう考えると、私が萬年筆を何本も持っていることの意味は・・・・・結局、ただの趣味にすぎない、ということなのでしょうか・・・・・。


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2008年10月15日 (水)

怒りまっせ

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 最近、結構「怒りまっせ」ということが増えてきたような気がします。自分がオッサンになって、気が短くなった、あるいは、偏狭になったのはたしかですが、それを割り引いても「怒りまっせ」が増えました。
 で、最近一番「怒ってまっせ」というのが、キャリーバッグの流行です。海外旅行に持って行くようなでっかいのを街中で引きずり回している人が増えたんじゃないか、と感じます。中学生の女の子が、化粧品ぐらいしか入っていないキャリーバッグを持って休日にお出かけ、なんていうのを実際に見ますと、いくら流行とはいえ、何を考えてるんだろうと思ってしまいます。
 重たいものでも楽に運べるし、キャリーバッグを使う人が増えたら結果としてバリアフリーな場所も増えて、車いすなどを使っている人たちにも福音になるはずですから、そのこと自体は悪いとは思いません。引っ張っているその人に、「怒ってまんねん」です。
 駅のホームなどにも、キャリーバッグを引く際のマナーというか、注意事項というか、そういう掲示が見られます。それだけ問題が起こっているということなのでしょう。ネット上でも、あっちこっちでそういうことが書かれています。何より、キャリーバッグを引いている本人にはまったく悪気がなく、事故っていることにまったく気づいていないことが問題です。こういう、他人のことを気にしない、というのは大嫌いです。キャリーバッグを引いている人たちは、それが自分の体の一部でない故に、そこに気が行かないのでしょうか。一時期、かなり問題になったバックパックも同じで、自分の「本体」は何にもぶつからずクリアしているからOK、なのでしょうか。
 で、怒れるオッサンは、街に出るとキャリーバッグを引いている人を「仮想敵」と見なして、警戒しまくり、敵対心持ちまくり、という状態であります。非常に不愉快。気持ちよくありません。そして、楽そうだな、と思いつつ、迷惑をかけずに引く自信がないので使いません。
 先日、特急列車でイヤホン装着、音楽を聴きながら眠ってしまいました。すると、肩をたたいて起こしていただいたのです。で、何かおっしゃっているのでイヤホン外してみますと、「倒していいですか」と聞いてらっしゃるのです。P81700801
 どうぞご自由に。あなたがお金を払って確保された座席ですし、倒してもいいように作られているのですから。(それより何より、わざわざ寝ている人を起こしてまで許可を求めるようなことですか?)。
 最近この、「倒していいですか」って聞くのがマナーになってるみたいですね。「ダメです」って拒否したらどうなるんでしょうか。私は後ろの人に許可を求めることなく倒します。ただし、状況を確認して、上品に。目の前の背もたれが「ドンッ」って倒れてきたら誰でも嫌でしょうから。わざわざ許可を求めてから倒していながら、「あんたは子どもかっ!」って思うぐらいガタガタと椅子を揺らされたりすると、その電車に乗ったことを後悔します。倒していいって言われたんだから、あとは好きにする、っていうのが嫌です。もちろん、多くの人は思いやりの気持ちで聞いてくれているとは思いますが、そんなことぐらい、自分の目で状況を確認してやればいいことじゃないのか、と。
 はたしてマナーは、悪くなっているのか、良くなっているのか。結局、自分の目で見て状況判断、自分の責任で迷惑かけないようにやる、っていうことが難しい世の中なのかもしれませんね。
 さて、迷惑といえば、先日の名古屋・栄の丸善での出来事。基本的に売り物でないものを欲しい欲しいと言って無理矢理買っていった迷惑なお客のその後です。
 中屋萬年筆謹製の「翡翠」良いです。基本調整だけでバッチリ合います。世間一般の「プラチナは硬くてインク出が渋い」という評価が誤りであることは十分わかっていたつもりですが、同じくプラチナの血筋である中屋はもっとすばらしいのです。短期間に2本も、「偶然」中屋を手に入れてしまいましたが、大満足です。
 まだお試しでなければ、ぜひ一度、お試しを。中屋さんからは何ももらっていませんけれど、強くお薦めです。
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2008年10月14日 (火)

初心

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 「くま(仮名)」さんがご幼少のみぎりのお姿です。今と違ってスリムで、やんちゃ盛りでした。今では大人の風格?が出てきて、多少は落ち着いて・・・というより、ドテっとしております。
 今日、研究授業というものをいたしました。学校としての授業力を上げる、つまり、わかりにくいとか、退屈だとか、そういう授業をなくしていこう、というプロジェクトで、3年間で全部の教員が授業をして、みんなに見てもらって批評をもらい、改善につなげていこう、というものです。授業をする方だけではなく、見せてもらう方にとっても、すごくいい勉強になります。
 実はこの業界、少子化の影響もあって、年齢構成が上寄りです。子どもたちから見ると、先生はおっさん、おばはんばっかり、ということです。高齢化した先生、すなわちベテランになると、「くま(仮名)」さんみたいに、ドテッとしてしまいがちになります。「○組行って授業してきて」などと突然言われても平気で教室に行けるようになる反面、一つ一つの授業にかける手間とか、準備とか、そういうものがおろそかになることもあるのです。
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 で、初心に返って、じっくりと教える中身を研究し、教える相手である子どものことを思い、この中身を、あの子供たちに、どうやって教えていったら効果的な学習に出来るのだろう、と考えるわけです。考えて、やってみて、それを見てくれた人からいろいろと意見をもらって、自分に変な「クセ」がついているのを知ったり、こんなに長いことやってるのにたいして上達していない自分に愕然としたりするわけです。こういうのを100回以上やってはじめて一人前だ、という意見もあるほどです。
 思い起こせば若き日、先輩の先生方の華麗ともいうべき授業を見て、いつかはあんな風に・・・と思ったものでした。本当に、慣れるとうまくいきますけれども、慣れてしまった故に進歩が停まるということもあるでしょう。
 今日、とてもへったくそな授業をさらして、大恥をかいたわけですが、いつの日か、これが、少しでもマシになればいいな、という気持ちが出てきました。私は、教育の世界に成果主義はなじまない、無批判に取り入れるべきではないと思っていますが、こういうことに関しては、民間企業や公的機関の皆さんが目指す「お客様満足度の向上」と同じで、どしどしやっていくべきだと思います。
 さて、研究授業をおえてひとまずホッとしたところで、久しぶりにじっくり萬年筆を研究してみました。
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 PILOTの萬年筆組み立て教室用の教材です。市販品も、基本構造はこれと同じわけですから、萬年筆って実に単純な構造なのですね。このあたりから、ただ書いてみるだけでは飽きたらず、調整してみたり、改造してみたりという冥府魔道に堕ちていくというのも、なんだかわかるような気がします。
 私の場合、すでにコンピュータの世界では堕ちているので、せめて萬年筆はほどよく調整してもらったものをおとなしく使いたい、と思っておりますし、手先も不器用なので、当分は大丈夫かと思いますが。。。。。
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2008年10月13日 (月)

お迎え

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 旅行から帰ったら、まず窓を開けて風を通し、旅行中の汚れ物を洗濯機に放り込みます。一段落したところで、家族の一員である「くま(仮名)」をペットホテルに迎えに行きます。
 ペットと泊まれる宿、というのも増えてきましたが、「くま(仮名)」さんは10分も車に乗っていると悲痛な叫びを上げますので、連れて行くという選択肢はありません。いつも、ペットホテルで帰りを待っていますが、結構緊張するようで、帰ってくるとその日1日、クタッとしています。
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 ペットショップで待っていたのは「くま(仮名)」さんだけではありませんでした。なぜか「祝ご成約!お迎え予定13日」と赤い紙が貼られたケージの中で、「ちち(仮名)」ちゃんが待っておりました。
 白い柴犬ですが、耳のあたりからわかるように、この先、どんどん赤くなっていきそうです。濃厚なミルクみたいな毛色です。めでたく(本当に?)、我が家の一員となりました。参りました・・・。
 王貞治に投げるとき、ホームランを打たれるとわかっていても打たれてしまう、というのと同じで、ペットショップに行くとこれが怖い。なんで九州から電話をかけて買ってしまうのか、理解に苦しむところであります。
 さて、これ以外にピンポンパールが4匹、留守宅で待っていたのですが、ほかにも「生き物」が留守番をしておりました。ちょうどこのBlogを始めた頃、おかずになるためにバサッと切られたサツマイモさんです。
 ここまで伸びましたが、この辺が限界のようです。これ以上に育てる方法をご存じの方がありましたら、是非ご教示ください。可能ならば、こいつから蔓をとって、畑に植えてやろうと・・・って、だいぶ先の話ですから無理でしょうね。
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 さて、九州への旅は、家族そろって行くにもかかわらず、往復のフェリーと宿の手配を旅行社に依頼し、それ以外はまったく何も決めずに出発するという、何とも無謀なものでした。雲仙温泉での一泊は文句なしでしたが、それ以外で一番快適、かつ充実していたのが、往復のフェリーでありました。瀬戸内海ですから揺れも気にならず、ぐっすり眠って起きたら目的地、というのは最高です。
 快適な船旅を提供してくださった乗組員の皆さんに敬意を表して、今日の一本は、セーラー・レアロです。堂々たる見た目の萬年筆本体もさることながら、「おまけ」についてくる印傳のペンケース、これがまたすばらしい出来。単品で市販してくれたら・・・とも思います。
 長刀研ぎのペンは「きれいな日本文字が書ける」といわれておりますが、私には合わないようで、もともとへったくそな文字が余計に汚く見えてしまいます。私には、いい道具は使いこなせないのでしょう。その造形にあこがれて手に入れた「プルマ・パラボリカ」も、結局手放してしまいました。
 これは、長刀研ぎだけでなく、あまりにも良くできたペン芯のおかげでインクフローがものすごく良い、というのも影響しているかもしれません。滑らかすぎる、走りすぎるペンは、私にはコントロールできないのです。今度こそ、レアロはもしや、という気持ちがあったのですが、やっぱりダメでした。萬年筆は使ってこそ。このレアロも、そう遠くない将来、どなたかのもとへ嫁いでいくことでしょう。
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2008年10月12日 (日)

九州は広い

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 え、ミヤマキリシマ、でしょうか。今は10月。これが本当にミヤマキリシマなら、いわゆる狂い咲きでしょうか。それとも、よく似た別の花木でしょうか。
 こいつが生えていたのは、雲仙、仁田峠の展望台。ここからは、雲仙普賢岳の平成新山を望むことが出来ます。はげ山の部分、これがほとんど、1990年の噴火によって盛り上がったものだそうです。撮影場所から右方向へ顔を向けると、海までずっと、火砕流が走り抜けた跡が見て取れます。怖かったやろうなぁ、と思うのは簡単ですが、地元の人たちの明るく元気な姿を見るにつけ、いろいろと考えてしまいます。町を挙げて、もっと雲仙に来てもらいたい、雲仙を愛して欲しい、という気持ちの表れなのでしょう、雲仙温泉街に通じる山道を、地元の人々が出て清掃していらっしゃる姿に頭が下がりました。
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 雲仙の温泉街にも地獄があって、温泉、地獄と来ればゆで卵(なぜ?)。硫黄臭の蒸気がモクモクと上がっている姿は壮観です。モクモクつながりで、杢。黒柿の孔雀杢がきれいに出た、木工房楔(せつ)のパトリオットペン改です。リフィルを三菱ジェットストリームのモノに交換してあります。これをつやふきんで磨きながらの船旅。明日はもう一つ、大きなイベントが待っているのですが・・・。
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2008年10月11日 (土)

ゆったりすごす週末

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 ガラスケースの中で何か疑問を感じている「クマ(シャア専用)」です。フランス製とのことですので、本当のお名前はアズナブルさんかもしれません。いつもトップ画像の「くま(仮名)」さん、今頃はペットホテルで寝ていることでしょう。何かあったら連絡しますということでしたが、犬一倍人なつっこい彼女のこと、ペットショップには人も犬もいっぱいいるので喜びこそすれ、めげたりはしていないでしょう。

 関門海峡見たことない、などと、何度か連れてきたはずの娘が言うので、まず、めかりサービスエリアへ。それから下関市内へ向かい、デジカメの写真をPCに移せるようにカードリーダーを調達。さらに赤間神宮、壇ノ浦サービスエリアから門司港レトロと、九州上陸から2時間ほどたってもまだ関門海峡近くをうろうろ。途中、「関門橋にふとん干してある!」と家族が騒ぐのでおさえたのがこの写真。たしかに、この布団なら大柄な人でも大丈夫でしょう・・・って、これはコンクリート製の橋脚ですね。
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 そんなこんなでようやく11時半過ぎ、ハウステンボスへ向かいます。2時間半はかかるというカーナビのご託宣でしたが、交通状況がよかったので、ぐっと早く到着。冒頭の「クマ(シャア専用)」とご対面です。
 まずは昼食にチーズフォンデュ、ということで入ったレストラン。席はいっぱい空いていますが、たくさんのお客さんが順番待ち。お店のスタッフは、食後のテーブルを片付けることもなく、空いている席にお客を案内するでもなく、出来てきた料理を運ぶだけ、という状態で、20分ほど待っていた間、誰一人案内されなかったので、これがこのお店の方針なのだろう、と諦めて出ました。久々に訪ねたハウステンボス、あちこちで合理化が進められておりましたが、潰れて欲しくはないので、雰囲気を保ちつつがんばっていただきたいと思います。

 今夜の宿は雲仙。国立公園に指定されるまでは「温泉」と表記されていたそうです。こういうのを文字通りというのでしょうか。新門司から佐世保、そして雲仙ですから、能率の悪い移動ですが、ま、お休みなんで、こういうのもありでしょう。

 最後にもう1枚、ハウステンボスの巨大テディベア。この前に中国人スタッフがいて、記念撮影を勧め、デジタル写真1000円也で販売しているのですが、そのスキを狙って撮った1枚。靴のサイズが1メートルほどです。
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2008年10月10日 (金)

慌ただしい、でも楽しい

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 待ちに待った週末です。「くま(仮名)」さんにとっては、ペットホテルに預けられてしまうという災難がふりかかる日です。

 久々にフェリーの旅。九州へ向かう旅の様子をお届けします・・・といきたいところですが、残念、撮った写真をPCに移す手段がありません。忘れ物です。仕事を終えて、慌ただしく支度をして出発したのが良くなかった。忘れ物はしないようにしましょう。

 明日は、九州、雲仙温泉からお送りします・・・って、九州上陸したらケーブルかアダプターを買うつもりの「くま(仮名)」の飼い主でした。

 そういえば、「くま(仮名)」を預けにいった先が先日のペットショップ。例の白い柴犬、まだ売れずにおりました・・・やばいなぁ。

 お、離岸です。蛍の光が流れております。大阪南港から、今日は短めにお送りしました。また明日。

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2008年10月 9日 (木)

先送り

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 何事も、そのときそのときで処理していって、先送りしないこと。日々の生活を大過なく、幸せに送るために大切なことです。よ~くわかっていますし、社会人としてはそれができて当たり前・・・のはずですが、残念ながら、私はそれができない人です。

 一方で、趣味に関することなど、自分がやりたいことに関しては、思い立ったら矢も盾もたまらない、という状態になってしまい、2、3日、あるいは1週間先に延ばしても何も困らないことでも、何とかすぐに実行しようとがんばってしまうのです。

 どうでもいいことに時間を割いて、肝心なことを後回しにした結果、いろんな「〆切」が次々と目前に迫ってくるので、仕方なく寝る時間を削って・・・ということになってしまいます。そうなると、昼間、もともとの自分以上にぼぅ~っとなってしまい、次の〆切が忍び寄ってきて・・・・・。

 明日から、旅行に出かけます。ウィークデーの仕事不足を週末出勤でようやく乗り切っている私にとって、3連休まるまる仕事をしないというのはキツい。これまで、インクを入れた萬年筆が書けなくなっていた、なんていう恥ずかしいことはなかったのですが、最近は時々そういうのが出てきて、あぁいかんなぁ、と。公私ともに、何やってんだ、という状態です。
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 と、ここまで書いてきて、ハタと気がつきました。開始以来、毎日記事を書いているこのBlog。こいつが一番、どうでもええことやないかぁ~い、と。

 たまには写真のペンのように、「水入り」ってことになってもいいとは思いつつ、三日坊主選手権西日本チャンピオン、の異名をとる私が、ひとつのことを3週間続けられた、それは凄いことです。我ながら驚いております。で、何がそうさせるのか、と考えてみたのですが、どうやらそれは、Blogに表示されるカレンダーではないか、と。

 記事のある日は、カレンダーの日付の色が変わります。もし、記事を書かない日があると、そこだけ色が違うということに。それが嫌だから、無理無理ネタをひねり出して駄文を連ねる、色つきの日付が続く・・・あ、これって、コレクターそのもんやんか!

 そう、たとえば、アウロラの85周年記念、なんていうペンを手に入れますと、別のメーカーの85周年は? と気になってしまう。気になり出すと、手に入れようとしてしまう。恐ろしいもので、萬年筆という奴は、なぜか、欲しがっている人間の前に現れるものなのです。どうか、ほかにもプラチナとか、いろいろあるよぉ~、なんてことは、絶対に教えないでください。お願いします。
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2008年10月 8日 (水)

栄の丸善

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 一昨日から続くトラックとテントのお話は、衝撃の!結末を迎えます。

 体育大会も無事終わり、テントを次々解体して、それこそ借りたときよりすっきりと整理してからトラックに積み込みます。西の方、生駒の山に夕日が落ちようとする中、粛々と作業は進み、最初に近くの施設へ10張り返却。日が暮れてから、残りのテントを少し離れた施設へと返却に向かいます。

 いずれも、予定よりは遅くなったものの作業は順調に進み、20時頃に職場へ戻ってしばしの談笑の後、トラックを返却して直帰します、と宣言して職場を出ました。
 道路状況も順調、事故もなくトラックの返却も完了。やれやれと愛車エスカルゴのエンジンを始動。う~ん快調・・・あれ、れ、停まった。
再始動・・・長いクランキングにも、まったく火が来ません。

 出ました。何度これで泣かされたことでしょう。少し寒い朝や夜は、エンジンの掛かりが悪いのです。そして、エンジンがかからない状態になると、最低でも半日、ひどいときは2、3日放置しておかないと復活しないのです。
 んなもん、プラグかぶってるだけやろ、というのは誰でも思うことですが、そうではなく、たとえプラグをひっこ抜いて乾かしたとしても、状況は変わらないのです。
 トラックの持ち主が、それを見かねて、自分の乗用車に乗って帰れと言ってくれまして、車を返しに来たはずが別の車を借りて帰るというお粗末な結末となりました。
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 かり出したのは少し前のニッサン・ローレル(C33)のターボ車。世に出た当時、乗ってみるとその異様な速さにみんな驚いたという車です。かなりやれてきてはいますが、エンジンだけは絶好調。踏み込むと、ヒュイーンという独特の音を伴ってぐんぐん加速します。ガソリンエンジンのターボ車を自分のものにしたことはないので、その独特の感触を何度も楽しんでしまいました。

 さて、先日、名古屋まで行ってややこしいことをしてしまいましたが、その後、進展がありました。栄の丸善から中屋に連絡を取ってくれた結果、基本調整は出来ているものだから店頭品を販売してもらって結構、という返事が得られたとのことで、中屋から丸善に保証書と箱、未記入のカルテなどが送られ、それを丸善がまとめて私に送ってくれる、ということになりました。

 その間、丸善の担当の方が何度もお電話をくださり、ひとつひとつ細かな点まで確認の上、話を進めてくださったのには恐縮。申し訳ない気持ちになってしまいました。はじめから中屋にオーダーすればすむものを、見つけた現物が欲しいなどと駄々をこねてしまい、誠にすみません、と丁重にお詫びをいたしました。あらためて、丸善ってすごいなぁ、と感じ入った次第です。

 明日には商品が届き、変な感じですがそれからカルテを書いて中屋に送る、ということになります。なかなかできない(ふつうはやらない)経験をしてしまいました。

 で、まったく関係ないのですが、何度見ても名古屋の地下鉄の路線表示、ユニークです。
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2008年10月 7日 (火)

やった! やってもた!

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 昨日運んできたテントを、どんどん組み立てました。テント1張り分のパーツを、その位置を考えてグランドに並べ、さっさとパイプ同士をつなぎ合わせて天幕をかけます。この段階で6人の人間が中に入り、せ~ので持ち上げて、折れ曲がった足がまっすぐになると、天幕をパイプにくくりつけて一丁あがり、です。慣れていると5分ぐらい。20張り組み立てるので2時間、のはずでしたが、特殊事情により3間ほどかかってしまいました。

 まず、借り物のテントが大半なので、取り違えないで、正しくもともとの1台分のパーツで1台をくみ上げること。簡単なようで、こいつを何も知らず経験もない生徒諸君の力を借りてやるというところがポイントです。何より、しっかり話を聞こうという気持ちがないので、「このような理由があるのでこうしてください」と声を張り上げて説明しても上の空。

 「ここに積んである部品を、朝礼台の前に運んでください」と目を見て言っても、途中で別の指令を受けた人と出会うと、一緒だと思い込んで別の場所に運んでいってしまうのです。結果、組み立て予定地では部品が足らない、余る、といったことがおこります。

 まぁとにかく、それは違う、そいつは駄目とか怒鳴りまくって、なんとか正しい組み合わせで20張り、組み上げました。う~む、最初に間違えようのないほどきっちりと部品を仕分けして並べておいたのですが、無視無視無視。ほんまに自由奔放な人たちでした。

 明日はこの逆、テントを解体して、トラックに積み、正しく本来の持ち主に返すという、今日より数段難易度の高い工程が待っておりますが・・・。
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 さて、曲がった足を伸ばしつつテントを組み立てて気分良く帰宅。ここは一つ、お気に入りの萬年筆で、ゆったりと何か書いてみよう(たいてい、意味不明な単語の羅列になりますが)と、出してきたのがご老体のシェーファー。

 豚だなんだと言われてますが、自分のものにして眺めていると、レトロでもあり、つくるの難しかったやろなぁ~という意味でハイテクでもあるこのペン先。控えめながらも、しっかり先が反ってるのもシェーファーらしくてよろしい。

 さて何色がいいかな。胴軸が黒だし、ペン先も細いので、しっかり黒インク入れて、お仕事でばんばん使い倒してあげようかな・・・そうなるとPILOTの諸君、しばしお休みだな・・・などと思いながら、インク瓶を取り出してキャップを開け、瓶の縁をぬぐい、ペン先を浸してレバーを引いたその刹那・・・・・。

 何でしょう、この感触。レバーは金属製。そう、硬いのです。しっかり硬いはずなのに、引く力に対する反応が遅い・・・それってまさか。
嗚呼(なぜか漢字)、こ、これ・・・。ついこの間、ばっちり調整してもろたばっかりやのに。

 あることを究めていくには、やはり授業料が必要なのでしょう。レバーフィラー、甘く見ておりました。もう少し繊細な引きようがあったろうに、と思うと残念でなりませんが、あとは當間さん、ダメ元でよろしくお願いします、と、明日は銀座ペンクラスターへと旅立っていくライフタイムさんなのでした。
 このモデルの特徴でもあるお尻のホワイトドットも、今夜はなぜか寂しげに見えます。
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2008年10月 6日 (月)

トラック

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 正直、今日は疲れました。たった今帰宅。糖尿病の私のこと、こんな時間に夕食を摂ることはできないので、あとはBlogを書いて寝るだけです。
 朝から、知人宅へトラックを借りに行き、その足で市内の中学校を訪ねて、テントを4張り借りました。最近使われたばかりで、慌てて解体されたとのことで、骨組みが4組に天幕が6枚・・・組み合わせを調べつつ、テントを建てる必要があります。Pho_0_a

 午後から体育大会の予行。何とか天候も回復してきて、無事終了。引き続いて、小学校から玉入れのカゴを借りたり、地域の防災組合からテントを借りたり・・・。集まったテント、実に17張り。ここに自前のものを加えて、明日は20張りのテントを立てます。
 あちこちへトラックを駆って、重い荷物を積みおろして、気がついたら午後7時。ようやく、デスクワークに取りかかれるのですが、いかん、睡魔が、睡魔が・・・・・・間違ってはやり直す、の繰り返しで、能率が悪くて仕事になりません。「首、折れますよ!」という声で目を覚ますと、若い女性の同僚が笑っております。ん、いったいどんな姿で寝てたんだろう・・・。
 悲劇はそれだけではありません。眠りに落ちる前、たしか萬年筆を・・・げげ、何、このインクのシミは・・・。PILOTのデスクペン、今朝入れ替えたばかりのカートリッジがからになるほど仕事をしてインクが流れ出して、書類が真っ黒。いやぁ、寝ていても正確にペンを紙にあてられるようになったんだなぁ、と感動している場合ではありません。一から書類の作り直し。

 そういうことで、今日はとっても疲れましたので、萬年筆の写真はなし、というのもアレですので、ふと机の引き出しを開けたらたまたま見つかったペンの写真を。

 シェーファーの萬年筆です。手持ちのシェーファーの中では少数派のコンバータ/カートリッジ式です。ホワイトドットがありません。なぜなら、真っ黒にこだわったから? いえ、単に安いからだと思います。何の変哲もない筒型で、ボディもペン先も真っ黒。ここに、その昔シェーファー日本での販売を担当していたセーラーの極黒を入れて、くろぐろとしたお仕事ペンとして使っておりました。

 鉄ペンですが、けっこうするする、わりとしっとりした書き味です。シェーファーのインクも、セーラーの極黒も、少々ねっとり系のインクなのでそう感じるだけかもしれませんが、今はお休み中ですので、そのうち、別のインクを入れて何か感じたらご報告します。
 参考までに、ネットオークションで1000円ほどで買いました。
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2008年10月 5日 (日)

この上、まだ・・・

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 ペットショップでお風呂に入れてもらい、すっきりと美人度が上がった「くま(仮名)」さんです。相変わらず車に乗るのは苦手で、運転中の飼い主の膝にあがってきて困ります。やはりよそで半日過ごすのは緊張するようで、帰ってくるとぐったり。いつもの遊んでちょうだい攻撃も出ません。ずっと、寝ております。

 で、そのペットショップ、よせばいいのに、売りに出されている子たちを見て回ったところ、相場より断然安いお値段で白い柴犬が出ておりました。この子がまた、目はくりっとして鼻が短く、理想的なお姿。
 ソフトバンク、白戸家のCMががんがん流れている折も折、なんでこんなに安いのか。どうやらその子は、大きくなるほどに赤くなっていく毛色の持ち主のようです。成長すると、ごくごく薄い赤柴になるのでしょう。

 可愛い上にお値段も魅力。おまけにお店の女の子が強力な使い手で、呪文を唱えることもなくいきなり出してきたのです。思わず手を伸ばし、抱いてしまう「くま(仮名)」の飼い主。「いやぁ、ん~、その、ま、2、3日考えてみて・・・」などとむにゃむにゃ防御呪文を唱えるも、「よかったねぇ~、お父さん、お姉さん(これはそばにいた「くま(仮名)」のこと)のおやつ買いに来るついでに連れて帰ってあげるって・・・」って、誰もそんなこと、言うてまへんがな・・・。

 残りヒットポイント1というところで辛くも脱出、帰りの車中ではなぜか、リビングにケージを2つ置くには?とか、仲良くするやろか?とか、白戸家のお父さんみたいだし色も白いから名前は「ちち(仮名)」でいこうとか、訳わからん家族です。
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 で、これは・・・。地上に出ると、マルエイという百貨店があって、明治屋があって、その隣には丸善がある、あの駅ですね。ちなみに私、この駅の近くに住んでいるわけではございません。むしろ、遠く離れております。

 ど~む さんが、ええお買い物をされたというお話を聞き、まぁ品揃えが良いのだな、ということで訪ねてみました。入り口を入るといきなりモンブラン。続いてデルタ、シェーファー、ペリカンと来ます・・・圧倒されますね。
 お、中屋のセルロイド、翡翠ではないですか。これ、材料が切れるとなかなか出てこないし、材料あっても届くまでけっこう待たんといかんし・・・。え?これ、売ってくれるんですか?
 首をひねりつつも、お金を払って、売り場のお姉さんが箱やら保証書やらを探し始めたところへ、詳しい方が登場。あ~、やっぱり。サンプルのみで売れない、カルテが・・・普通やん。ま、これで萬年筆増えるのが1本分防げたか・・・。と、お話は終わらず、フロアの主任さんまで呼び出されて協議続行。

 結局、月曜日に丸善から中屋に連絡を取り、箱や保証書を確保して、ご自宅に送ります、とのこと。ん~、これはややこしい話になってきました。予想される結末は、「それならカルテを・・・」となって中屋に発注し直し、1ヶ月ぐらいしてから手元にくる、というパターン。

 でも、でもね、萬年筆も犬も、そこにいる、その柄がええんですよ・・・。私が見初めた、名古屋丸善のケースにあった中屋のセルロイド。その模様はそれだけ。別のじゃ嫌です・・・って駄々をこねたらどうなるんでしょうか(こねませんけど)。まぁここは、何か珍しい体験が出来ることを期待しつつ、待ってみようかと思います。
 一番困るのは、もういっぺんお店に来てちょ、と言われることだがね・・・。
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2008年10月 4日 (土)

捜し物

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 「くま(仮名)」さん、愛用の毛布にお鼻を突っ込んで、何かお探しでしょうか。犬のあなたは知らないでしょうけれど、今日10月4日は「探し物の日」。なくしたものをもう一度本気で探してみる日、だそうです。
 投資の日とか、天使の日(女性下着メーカー制定)とか、単なる語呂合わせが多い中、電話番号案内が104だから探し物の日、うむ、良い具合にヒネりがきいておりますね。
 私の場合、家の中が散らかっていて、ものを探すのは大変。なくすことは日常茶飯事。あるかどうかわからないものを「探す」よりも、あるとわかっているものの在処を「捜す」ことの方が多いのですが、その努力は多くの場合、徒労に終わります。
 一方で、お店を回って「捜す」のは、若い頃から、相当に体力の衰えた今でも大好きです。高校、大学時代、英語のテキストの日本語訳は誰よりも早く手に入れておりましたし(それって自慢すべきことなのか?)、何となく頭の中にあるイメージをもとに、見たこともない商品を求めてさまよい歩く、なんていうこともしょっちゅうです。
 数年前、私の勤務先で「朝の読書」というのを取り入れることになり、自分で読む本を用意できない生徒には図書室の本を貸し与えることになりました。学級担任が10冊程度の本を教室に持って行くのに、本の入れ物が必要です。10冊程度の本が入り、普段は職員室の机の脇に立てておく(自立していなければならない)ので、場所をとらないもの。なおかつ、丈夫で、数年間はもつもの。そういう条件で、春休みの間じゅう、あちこち探し歩いたことがあります。一度に20以上必要なので、そういう面でも大変でした。
 で、確保したのが、ランドリーカゴ。大昔の主婦のお買い物カゴ、あれの扁平なかたち、とでもいうべきもの。東急ハンズの洗濯用品コーナーで見つけました。必死になって、難しいと思って捜していたものが、身近なところで売られているありふれたものだった、という現実。捜し物それ自体にのめり込んでいると、こういうことがよくあります。
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 銀製の筆記具が好きで、毒舌で鳴らす同僚に「お前が銀とはまた上品な」、と冷やかされますが、「あんたの毒でこれが曇るから、すぐに気ぃついて逃げられるんや」と応酬しております。で、これも銀製ということで手に入れたペンですが、キャップをとってびっくり。ずっと捜していた、プラチナ合金製のペン先ではありませんか・・・。
 プラチナ・プラチナでプラチナ合金のペン先といえば、もう少し大型の、格子模様のペンについているものだと思い込んでおりましたが、この小振りなサイズの、杉綾模様のものにもあったのです。

 つい最近、Pen and message.の吉宗さんと「記念品交換」したペンもこのサイズのプラチナ・プラチナでしたが、そちらは通常の18K-WGのペン先がついておりました。

 で、肝心の書き味は?ということですが、鈍感な私に違いはわかりません。ペン先の材質いかんにかかわらず、どちらもとても硬く、しっかりとした書き味です。プラチナのペンは、硬いのだけれども気持ちよく書ける、というのが特徴ではないでしょうか。特に速書きするときには、その特徴が活きるように思います。スティピュラのグリーンを入れていますが、フローがよいこともあり、特に筆記直後はほとんど黒字にしか見えないので、仕事にも使っています。
 今は、大型のプラチナ・プラチナに、格子模様でなく杉綾のものがあるのかないのか、あるならば手に入れたい、と考えているのですが、プラチナ・プラチナに詳しい方、ご教示願えませんでしょうか。
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2008年10月 3日 (金)

ひとつになる

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 毛布で作ってもらった敷物が手放せない「くま(仮名)」さん。同じぐらい大好きなぬいぐるみのブタさんも加わって、ひとつになっております。ちなみに、ぬいぐるみのブタさんは、自分はイノシシであるとことあるごとに主張されています。

 さて、1990年の今日、東西に分けられていたドイツがひとつになりました。インターネットの普及により、それまで西側の情報を遮断することで存えていたホーネッカー体制と、その象徴たるベルリンの壁が打ち壊されたのです。

 東ドイツを取り込むことは、当時の西ドイツにとっては必ずしも「得な」選択ではなかったはずです。そのことによって、敗戦国の中では日本と並んで産業・経済的に優等生であった同国が没落しかねないともいわれました。しかし、我々の勝手なイメージとは裏腹にロマンチストなドイツの人々は、ベルリンに首都を置く新生ドイツ建国に邁進。今日のドイツを見れば、それは一応の成功を収めたように思えます。

 ダイムラークライスラー、BMW、ポルシェ、アウディ、VW、ライカ、モンブラン、ペリカン。自動車、カメラ、萬年筆で、すっと出てくるブランドたち。そしてそれらは、我が日本がずっとお手本にしてきた、そしてある部分では今も超えられないでいるものたちでもあります。
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 おなじみ、ペリカンのスーベレーンM800の写真。ドイツの話を振ったからドイツの萬年筆の写真。あまりにもストレートで、むしろ気持ちいいですね。

 以前、このペンを見せびらかそうとケースから出したとき、キャップの先端、ペリカン親子の部分がポロッととれてしまったのです。あ、こんなところも外れるんや、と余裕かましてたのも束の間。すぐに焦りの表情・・・。せっかくのオールドスタイルのキャップが現行品になってしまうがな・・・とあきらめムードで修理に出したのでした。

 数日後、お店からの電話。「現行品の新品キャップと、少し傷ありの古いキャップ、どちらにしますか?」もちろん、古い方でおねがいしますと即答。傷があっても、この金属板の嵌ったキャップの方がいいに決まってます。それにしても、そういう部品も在庫しているあたり、ペリカンジャパンおそるべし。偉いっ!
 残念ながら、もともとのキャップリングにあったW-GERMANYの刻印は、ただのGERMANYになってしまいましたが、それでも大満足です。

 さて、目のいい人なら、こんな下手な写真からも、何か違和感を感じているはずです。いやその、なんでモビルスーツが萬年筆を抱えてるんだ、ということではなくて、ペンそのものに、です。
 こいつは、東西ドイツ統一を記念して出されたペンなのです。だからといって、見た目や作りに何も特別なところはありません。シーリングワックスと金属製のスタンプがセットになって、木製のボックスに入っているだけです。でも、ペン先をじっと見つめると、見慣れない変な数字が書いてあるのです。惜しい。あと1大きければセーラーに追いついたのに、ということですね。

 この20カラットのペン先は、1990年頃、M800やM900の一部に付いていたものだそうです。18Kが14Kより柔らかいわけではないのと同様、これも20Kだから特に柔らかいというわけでもありませんが、個人的には好きな書き味です。私のペンはEFなので、しゃりしゃりと気持ちよく細い字を書くことができます。
 以前、六甲アイランドの鞄屋さんが、鬼のように柔らかいペン先を持ったM800に出会ったとのことで、もしやと思って書いてみてもらいましたが、それとは全然違うものだそうです。う~む、M800だけとってみても、ペリカンのペン先、実に奥が深いです。
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2008年10月 2日 (木)

ピーナッツ

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 漫画「ピーナッツ」の連載が始まったのが、1950年の今日。主人公より有名な脇役にして、六甲アイランドの名犬チャーと同じビーグル犬のSnoopyは、少し遅れて10月4日から登場したそうですが、Charlie Brownともども、今日が誕生日ということになっているそうです。犬小屋の屋根で仰向けに寝たり、バリケードを移動させて突破したり、ビーグル犬って器用なんですね。

 高校入学直前、購入した英語の教科書に、Charles Monroe Schulz と彼の作品 Peanuts がとり上げられていました。同じ中学出身で、ちょっと気になっていた女の子が、「あ、ピーナッツや」と声を上げたのを聞いて、ほぉ、あの漫画、スヌーピーとかチャーリーブラウンとかではなく、ピーナッツって言うんや、と知ったのを、今でも鮮烈に覚えています。
 その女の子は、たいへんに美しく、勉強もスポーツも良くできたのですが、とっても気が強くて、男子生徒には敬遠されていました。彼女とは対極に位置していた私ですが、なぜかよく話が合い、気の強い彼女に叱られたり軽蔑されたりすることがなかったので、周りから不思議がられておりました。
 ちなみに、左利きでもない私が、右腕に時計をはめているのは、その子が左利きだったから・・・、なんていったら、あまりにもできすぎた話になってしまいますね。

 で、そういう話に引っかけて、1950年頃の萬年筆が手持ちの中にないか、と探してみると、かろうじて1959年製のPILOTウルトラスーパー500というのがありました。
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 手前の方が1959年製ウルトラ・スーパ500で、奥の方は、PILOT創立77周年記念として突如?復刻販売されたPILOTウルトラです。どちらも嵌合式キャップですが、奥の復刻版ウルトラは文字通り「パッチン」キャップで、キャップをつけはずしすると、ものすごく気密性の高そうな音をたてます。写真でも首軸のところに段差があるのが見られます。対して元祖ウルトラスーパー500は、どこにもラッチがない、するっと定位置まで挿しこんでおしまい、という、モンブラン74みたいなタイプのキャップです。どちらも、スプリングの仕込まれたLAMYのようなクリップを備えています。

 あと、キャップリングの太さが違い、吸入方式も別物ですが、どちらも漆塗りで、握るとよく手になじんでいい感じです。素材こそ、元祖は樹脂製、復刻版はブラス製という違いがありますが、両者とも、金属パーツを取り付けた部分やペン先の部分と漆塗りの部分とが同一平面になるよう、少し削って(掘り下げて)から漆を塗っているそうです。実に手が込んでおります。

 手に持った感じは、復刻版の方がずしりと重くていいのですが、ペン先は中字。対して元祖の方は、やや軽いものの細字のペン先がついていて、書いてみると好みの文字。両方のいいところを合わせた1本があれば、と思うものの、見た目が同じで書いてみるとまるで違う2本を持つ幸せ、というのもありかな、と。
 ちなみに、ペン先の形が形ですから、鬼のように硬いのですが、インクがスムーズに出るのでとても書きやすいペンです。

 そのペン先、シェーファーのインレイタイプや、ウォーターマンのエドソンに対しても「控えおろう、このペン先が・・・」と言えそうな、すさまじい造形です。使っている金の量でペンの値打ちが決まるなら、間違いなく偉いペンだといえるでしょう。

 このペンを初めて見た人は、ほぼ例外なく、「わぁ、金色で塗ってあるやん」などとおっしゃいます。でも、首軸にそっと爪をたててスライドさせると、コツんと継ぎ目を感じることができます。
 神戸元町のPen and message.では、このペンを持っている人が2~3人出入りしていることが確認されております。ぜひ試してみたい。。。という人は週末が狙い目ですが、試して欲しくなってしまう可能性も否定できませんので、あくまで自己責任で・・・・・。
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2008年10月 1日 (水)

経験値

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 それはもともと、ダンジョン&ドラゴンズにはじまるロールプレイングゲームの世界の言葉でしたが、今や、本来の「経験」という言葉と同義、あるいはそれを飲み込んでしまうほどの言葉に成長(経験値が増えた?)しています。わたしはこの言葉そのものが、偉大な発明品であると思います。
 萬年筆に触る時間を削って格闘していたコンピュータ、一応は組み上がったのですが、どうも挙動不審です。PC自作を始めた頃は、そんなことがあるとまず疑うのは自分のミス。実際、FDDの電源ケーブルを逆さに挿して焦がしたなんてこともありました。しかし、ある程度経験を積むと、これは自分でなくてパーツがおかしい、ということが何となくわかるようになります。

 考えたくはないのですが、このマシンの一番の問題は、誇らしげに光るSOTECのバッヂのようです。呪われています。かといって、ボルタックのおっさんに呪いを解いてもらうのは高くつくし・・・・・。
0007029003 OSのインストールもできたドライブです。たぶん壊れてはいません。マザーも壊れてはいません。メモリも、CPUも、それぞれは何の異常もないパーツなのですが、一つに組み上げると不協和音が出てくるのです。

 経験値、という、すばらしい言葉が生み出されたコンピュータゲームの世界。それを支えるコンピュータハードの世界では、科学では説明できない(と、信じられている)現象を包括して、「相性」と呼びます。コンピュータに少しでも関連のある言葉の中でベスト3を選べ、といわれたら、この「相性」と「経験値」は外せない、というのが、私の偏った考えです。
 この「相性」というものは、人生の伴侶を選ぶときはもちろんのこと、車や萬年筆を選ぶときにも重要なファクターです。多くの人に絶賛されようが、その道の達人に高く評価されていようが、合わないものは合わないのです。

 すばらしいものだとわかっていても、好きになれないから、合わないから、自分のものにはしない、あるいは、すぐに手放してしまう。これで、幾度となく損をしてきたように思います。

 トヨタ車を買えばいいのに、人に相談されたらトヨタ車以外買うな、などと薦めているのに、自分ではトヨタ車を買わない。あえて不満が出そうな他メーカーの車を買ってしまう。些細な故障に見舞われたり、車体が軋んだりしたとき、「あ、この瞬間が○○車だね!」とギャグにする。特別、運転が上手なわけでもない。メカに強いわけでもない。なのに、自分だからこそ、これに乗れるんだ、などと考えている。傍から見ていて滑稽でしょうが、本人は満足しております。

 さて、今日のペンは、すばらしペン先を持っているのに、私にとってどうも相性が良くない、というものです。Omasの、レベンジャーという宝石屋さんか何かの記念のペン、らしいのですが、詳細不明です。セルロイド製(匂いからそう思っています)で、よくいわれる「紙に吸い付く」ような感触のペン先を持っています。なめらかなことこの上なく、とても気持ちがよいのです。

 でも、キャップがお尻にささらないことをはじめとして、どうも相性が良くありません。相性の良くないペンの中ではまだ好きな方ですが、これ1本しか使ってはいけない、と言われたら泣いてしまうでしょう。手持ちのペンを何本か処分しなければならなくなったとき、最初に嫁いで行ってしまうグループだろうと思います。
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