天狗
ぺろぺろとおいしそうに水を飲む「くま(仮名)」さん。真横から見ても、それほどお鼻は長くありません。この短さが決めてとなって、彼女は我が家の一員となりました。
反対にお鼻の長いものというと、バク、ゾウ、そして天狗ですね。こらこら、天狗は実在せぇへんやろがっ、と皆さんおっしゃいますが、本当にそうでしょうか。
その日、私の祖母は、多めに作ったおかずをお裾分けしようと、親戚にあたる女性の家を訪ねました。道沿いに流れる川を渡り、小さな丘の向こう側に回り込んだところに、その家はぽつんと建っています。
ひとしきり世間話をしているうちに、陽が山の向こうに隠れようとするのを見て、祖母は腰を上げました。見送る親戚の女性は、もう訪れる人もないだろうと、そのまま雨戸を閉め始めます。
小さな丘の裾を回り、この先へ行くと女性の家が見えなくなる、というあたりまで来たときでした。けたたましい笑い声が、祖母の頭上から降ってきたのです。振り返った視線の先、女性の家は、すでに雨戸が閉じられ、外灯の明かりだけしか見えません。
天狗。祖母の脳裏に、その2文字が浮かびました。こんな寂しい夕暮れ時、しかも山村。これほど大きな声で笑うものなどいるわけがないのです。
一人で山に入ると、なぜか不思議なことに出くわすものです。天狗のような、人智を超越した「何か」がいたとしても不思議ではないわなぁ。祖母からこの話を聞いたとき、私はそう思いました。さて、写真は、今日、台湾から届けられたもの。このペンを手にしたとき、興味の対象はペン先であって、それ以外の部分にはまったく注意を払っていませんでした。
夕刻、Pen and message.で、早速このペンをお披露目したところ、観察眼の鋭いFさんから「おぉ、このペン、天狗がおるぞ!」というお言葉。
何事かと、ルーペまで持ち出して凝視すると、確かに天狗です。 「天狗はこの国の言葉でなんていうんやろ・・・」さっそく携帯電話の辞書で調べようとするのを、Hさんが止めます。そう、天狗のいない国の言葉に、天狗に相当する単語はありません。
さて、この天狗の描かれたペンは何でしょう。わかる人にはすぐわかるのでしょうが、とりあえず引っ張って・・・明日に続きます。
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