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2018年4月25日 (水)

依存

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 身づくろいに励む「くま(仮名)」さん。かつてトイレ用だったトレイには、彼女がまだ若かった頃に噛みまくった傷跡が今も残っています。わんこは何でも噛むものですが、彼女も噛むのが大好きです。噛む、舐める、掻く、という行為は、いずれも彼女の肌を痛めつけ、よい結果を招くことはほとんどないように思いますが、彼女にとってはやめられないことであるようです。

 飼い主の職場に保護者がやってきて、「部活動の顧問が活動を見に来ないことがあるのはどういうことなんですか? 危険じゃないんでしょうか。言うなれば仕事をサボってるのに管理職は何も言わないのですかっ!」とお叱りを受けました。

 「部活動の顧問をするのは教員の仕事の中身には含まれません。あくまでボランティアとしてやってもらっています。ですが、引き受けている以上はしっかりと子どもたちを見守る、それは当然ですので、今後は活動を見に行くことができない日は部活動を休止するよう指導します。」とお答えしました。先方はこの回答に大変ショックを受けられたようで、そんなことになったら子どもたちがほとんど活動できなくなったりしませんか、と聞かれましたので、「当然そういうことも考えられますが、おっしゃるように安全には代えられません。」とお答えしておきました。

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 このように回答したことについては、教職員からも異論が出ました。そんなことをすれば子どもが活動できないじゃないか、と保護者と同じ意見です。ここのところに、部活動問題の根本があります。放課後や休日に部活動の面倒を見て、そのあとに事務処理や授業の準備をするから帰宅が遅くなり、休みの日も自分の時間なんて持てない、というのですけれど、本当にそれだけですか、ということです。

 忙しくて大変、と言っている教員の方にも、実は部活動への依存があるのじゃないか、と思っています。部活動を通して、人間関係を作る力とか、困難なことを乗り越えていく力などが身につくのは事実です。教員になろうというような人間は、そういう「成長」を見ることが大好きな種族ですから、一度その味を知ったらやめられないのだと思います。だからこそ、自分の生活も家族も、何もかも投げうって部活動に打ち込む、というような先生が絶滅しないのです。そういう先生がすごい選手を育てたりすると、マスコミ様も大絶賛されます。この国はマスコミ様のご意向がすべてですから、マスコミ様が絶賛すれば国民も絶賛して、逆に部活動をやらない、熱心でない先生はクズ扱いされることになるのです。

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 ロケット鉛筆には終わりがあります。けれど、この問題には終わりがありません。引き抜いたと思ったら、もう次の芯が顔を出している、まさにそんな感じで、宇宙の果てまで伸びているロケット鉛筆みたいなものです。

 そこで私は、いつもの持論を展開します。教員を志すならば基本的人権を捨てる、ということを条件にするのです。その代わりに、雇う側(国?)は死ぬまで衣食住の面倒を見る。親が死んでも、授業や部活動がある限り葬式にも参列することはできません。もちろん、結婚も恋愛も、私生活も禁止です。学校に付属する寄宿舎で365日24時間暮らし、授業や部活動など、生徒を育てること以外のことに時間を割くのは一切禁止です。子どものためならば、食事や睡眠の時間を制限されても一切文句は言えません。

 そのような条件でを提示されてもなお、教員を志す人ならば、マスコミ様にも喜んでいただける立派な教育ができるはずだと思うのです。そして、教員だけでなく、すべての公務員にもこれを拡大する、と公約すれば、どんな小さな政党でも与党になれるし、泡沫候補でも総理大臣になれるほどに支持が集まると思うのですが、いかがでしょうか。

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コメント

昨年まで外部指導者、今年度から部活動指導員を拝命しています。
強くなりたいのに「週2日休み」「土日はいずれか休み」などではなりえないと思ってます。
一方、家庭・生徒もではしがらみのないクラブでの活動は面倒という落ちで、八方塞の状況です。
「部活動を通して、人間関係を作る力とか、困難なことを乗り越えていく力などが身につくのは事実です。」より強固な関係を作り、より困難なことを乗り越えていくことができればいいのになあと思ったりします。

学校、家庭、地域の立ち位置がそれぞれ個々に違っているため、全国的に、県内統一で、市町村ごとにあるいは学校の中で多様化しています。

持論、は確かに究極だなあと思いますが・・・。

紅屋 さん

部活動へのご協力、ありがとうございます。特に運動系で、競技経験のない教員が顧問をすると、生徒に蔑まれたり、保護者からクレームの嵐が来たりして、本当に難儀です。そこを軽減してくださるのが外部指導者、外部顧問の存在ですね。本当にありがたいです。

最低でも週に2日は休むこと、ある程度まとまった休みの期間を取ること、などが求められていて、それをその通りに遂行したら練習時間が減って部活が弱くなり、クレームは学校に来ます。それでも、けっこう多くの先生が、部活動あった方がいい、とおもってる、そのねじれが一番の問題だと思いますね。

はじめまして。
万年筆が好きでいつも楽しく拝読しております。

私自身、中高生の時分、熱心に部活動をしておりましたので、
この問題について思うところがあって初めてコメント致します。

私の所属していたのはいわゆる文化系の部活でした。
今はその世界から離れていますので詳しいことは分かりませんが、
当時、大会で勝ち進むには高い技術力が求められ、
それこそ授業以外の時間は全て部活、休みも三月に一度というような状況でした。
明らかに部活動に学業が従う状態でしたが、部が強くあるためには必要不可欠と思っておりました。
実際、強い部活を維持するためには、それくらいのことをやって当然と思います。

しかし、それだけ部活動に打ち込んで何が残ったか、と言われると、
むしろ、集団生活に嫌気がさした。困難なことはできるだけ避けたいと思うようになった。
ここまで極端なのは少数派かと思いますが...。

過ぎたるは猶及ばざるが如しと思います。
部活を強くしたい、というのは分かります。
かつての自分がそうであったように、生徒もきっとそれを望むと思います。
しかし、部活動は学校教育の一環、生徒に技術を身につけさせることにも意義はありますが、
あくまで教育として部活動があるいうことを見失ってはいけないと思うのです。
そのためには先生方がある程度余裕を持って、部活動を指導できる環境、
つまり強さだけが評価される雰囲気を払拭していかなければならないと思います。

加えて、本当に技術を磨きたい人間は、外部のクラブに行けば良いのではないかとも思うのです。
そういった外部のクラブに行くための奨励金があっても良いと思います。

長々と書いてしまいすみません。
この手の話になると熱くなってしまって嫌になります。
難しい問題ですね。

 恥ずかしいので今日だけ名無し さん

 いや、ほんとに部活動問題っていうのは、日本人の心の問題でもあるわけです。先生たちにやらせるのは難儀だからと外部から指導者を連れてくると、その人が先生ではないがゆえに問題が起こることもあります。

 とりあえず私の職場では、今まで当たり前のこととして見過ごされてきたことを総点検することから始めることにしています。部活の最中に先生はどの程度現場にいるべきなのかとか、現場にいられないときに部活動を中止するのはどれくらいまでなら許されるのか、そのほか、もろもろのことを見直すつもりです。

 誰かが石を投げてくれると、波紋が広がります。その波紋をしっかりと受け止めることも大切なのだと思います。そうでないと、私の持論のように、0か100か、ということになってしまいますから。  

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