フォト

最近のトラックバック

« 修学旅行考 | トップページ | 修学旅行記 »

2015年5月21日 (木)

続・修学旅行考

Nakijinjocastlesite1

 奈良から沖縄へ、2泊3日の修学旅行を行うと、時期や人数にもよりますが、おおよそ7万円の費用がかかります。一般的には、3泊4日のレンタカー付きパックツアーでも4~5万円だというのに、何でそんなに費用がかかるのか、きっと教師がリベートを取っているからに違いない、なんて話はよく耳にしますし、面と向かって言われたこともあります。

 そんなにうらやましいなら、いつでも代わって差し上げます、と毎度言うのですが、引率の大変さはともかくとして、費用の高さには納得いかない、というひとがほとんどです。

Ef_trm500_ootagaiyou_x300

 個人的には、修学旅行なんてもの、廃止してしまえばいいのだ、と思っています。それはそのまま、公教育の魅力をひとつ減じることにもつながりかねませんが、それでも、今の時代に修学旅行なんて、と思うのです。

 一番の問題は、「はじめに修学旅行ありき」ということです。修学旅行は実施するべきものと決まっていて、それに合わせて中学校の3年間が引きずられていくのです。今年入学した生徒たちが夏休みを迎える頃には、もう修学旅行の行き先や旅行プランの概要が固まっています。大きな学校では数百人、そうでなくても数十人という規模の団体が移動し、宿泊し、何らかの活動を行うのですから、それくらい前に動き始めないとだめなのです。

Photo

 東日本大震災が発生した年、東京や信州方面への修学旅行を予定していた学校には危険だから行き先を変えろという電話がじゃんじゃんかかってきたものです。当時私が勤務していた学校も、信州への修学旅行を取りやめざるを得なくなりました。旅行業者にお願いして代替地を探し、当初の予定より1ヶ月遅れ、費用も数千円アップで長崎への修学旅行を実施したのですが、これなどは奇跡に近いケースなのです。

 修学旅行には何らかの「テーマ」が設定され、そこに至るまでの毎年の校外学習その他の活動は、そのための準備段階と位置づけられます。それがあっさりと行き先変更、学習内容も変更となったのですから、それまでの2年間は何だったのだ、ということです。結局、修学旅行に行くことそれ自体が最優先だ、ということが証明されてしまったわけです。

Last_visual

 昨今、修学旅行のトレンドは「体験」です。海の近くへ行くのであれば、マリンスポーツ体験。そして、民家に泊めてもらうという民泊も人気です。どちらも、普通の旅行ではなかなか体験しにくいことで、なおかつ「先生が楽」というのがポイントです。高齢化したこの業界、2日もの間寝ないで生徒のお守りをするのは、もはや不可能に近く、事故が起こる可能性も高いので、1日だけでも先生が夜の面倒を見なくてすむというのは魅力的なのです。商業化された修学旅行の実態がそこにあります。

 では、「解放」された先生たちは、生徒たちが民家で宿泊している間、何をしているのでしょうか。呑気に観光していられたら最高なのですがそうもいかず、私の勤務先などは自腹でレンタカーを借りてあちこち巡視をしています。何もなければ夜はきちんと寝られるのでありがたいのですが、当然のことながら常に不測の事態に備えておく必要があります。ですので明日の記事は、あぁ疲れた、もう修学旅行の引率なんてこりごり、などという内容になるはずです。

« 修学旅行考 | トップページ | 修学旅行記 »

コメント

正規の航空運賃だけでも往復で7万くらいはかかるんだから、それに宿泊もついてとなるとそのくらいはしょうがないのでは?ま、価格はあってないようなモノの場合もあるので、パックツアーのカラクリに関してはなんともコメントできませんが。それよりもいまの世の中、その費用を支払えない親御さんもいたりで、本来なら費用が払えないので参加できないという選択肢も正当なはずなのに、民主主義の悪い部分がでてみんないっしょでなくてはになってしまうのでしょうね。

 くーべ さん

 私の住んでいる市の場合、生活困窮家庭に対しては修学旅行費用として5万5千円が支給されます。それを根拠に5万5千円以内で行ける修学旅行を模索している学校もあるようですが、相次ぐ事故に伴う規制強化でバス料金が上がり、消費税増税もあって、どうあがいても6万円ぐらいにはなってしまいます。問題は、それでも払う側にしてみれば「髙い」と感じてしまうことですね。自由が制限された旅行なのに、何で自由に行ける旅行より高いのか、と。なので、もうそろそろ修学旅行なんてもの、廃止していい時期ではないかと思うのです。

つきみそうさん、こんちはー。
あっ、今帰仁グスクですね!!
(ぽちは廃城好きw)
行ってみたいところですが、以前の沖縄旅行では同行者がこういうところに
全く興味のないメンバーだったので、スルーされました。
まあ、さもありなんですがw 世界遺産なんだけどなw

修学旅行は旅行社にとってはものすごくおいしい企画らしいですね。
費用が多少高くてもよく、引率はたいてい教員が受け持ち、個別の面倒な処理はすべて教員が行い、その教員に添乗員は指示すればよいということでお気楽なのだとか。
(知り合いの旅行会社の人から聞いた)
普通に考えれば、団体割引で個人個人は安くなりそうですが、ごたごた込みの値段ということでしょうかね?
それも基本的には教員対応なので、やはり旅行会社にはおいしいのでしょう。

dog

ぽち さん

おいしいでしょうね、確かに。単にラックレートというだけでなく、企画料というものもしっかり取りますし、何より値切ると露骨に食事や宿舎の質などが落ちるので、教師も値切ろうとはしません。

なおかつ、旅行の契約主体は学校。すなわち、旅行費用を支払わない家庭があれば学校に支払い責任がある、という契約になっているのです。取りっぱぐれがない、というのは、そらおいしいですね。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/604476/65039970

この記事へのトラックバック一覧です: 続・修学旅行考:

« 修学旅行考 | トップページ | 修学旅行記 »

2017年6月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30