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2015年3月10日 (火)

大事なのは・・・

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 かなりピントがずれて、結果的に紗のかかったような写りになった「ちち(仮名)」さん。シャッターが切れたときにはすでに彼女は体を下げ始めていたので、この姿はいわば残像に近いもの、ピントの甘さに被写体ブレが重なっております。

 若い頃から、重いのも軽いのも、どんな風に構えても、やはりブレてしまうのが私の写真です。歳をとって余計にブレるようになってきたように思います。そのくせ、若い頃はあれこれといいカメラを買い求めようとしたものでした。結局、一眼レフに交換レンズなんて物を持ち歩いても、とっさの時には撮れない、ということがわかりましたし、コンパクトなデジカメも性能・機能が上がってきましたから、もうそれで十分、というわけです。

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 さて、本日は何をネタに・・・・・とそこらをひっくり返しておりましたら、こんなペンが出てきました。おそらく以前撮影した後でそこら辺に放置したままになっていたのでしょう。この手のショートタイプは使い勝手がよく、ペン先もなかなかのものですから、PILOTが復刻版を出したのもうなずける話です。何よりこのペンは、キャップその他に銀が使われているところがたまりません。軽いアルミのキャップや、丈夫なステンレスのキャップもよいのですが、銀というのは硫化してよし、磨いてよし、さらには握ってよしと、ペンに使うにはいい素材だと思います。

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 写真の個体ではありませんが、これと同型のものを親方に調整していただいたものを持っております。何年か前のペントレだったかフェンテだったか、東京で出会った高校生がこのペンの見た目をいたく気に入り、書いてはその書き味に惚れ込むというメロメロぶりでしたので、ちょこっといたずら心をくすぐられてしまいました。尻軸が樹脂製の方が未調整、銀の方が親方調整だったのですが、こっそり尻軸を入れ替えて「もう一度書いてみて」と高校生に渡します。

 「いやぁ、やっぱり最高です。銀だと書き味が本当に違います!」と恍惚の表情を浮かべる彼の手には、未調整ガリガリくんのペン先を持つペンが握られておりました。萬年筆の書き味を楽しむときは、左脳ではなく右脳で感じるべきです。これは親方調整だから、と先入観を持って書くと、ガリガリくんでも極上の書き味に感じられる、それはそれで幸せなのかもしれませんが、本当の萬年筆の良さを知らないまま人生が終わってしまう危険性もあります。

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 これまた別の人ですが、ドイツ製の結構高いペンを握って浮かない顔をしているのでお話を伺いますと、自分は万年筆の扱い方が下手なのだ、とおっしゃるのです。握られていたペンは西大井にある高名なお店で仕上げられたものだから、書き味が悪いはずはないのに、なぜか気持ちよくないのだ、と。

 どんなにすごい人が調整してくださっても、その人に合わないことだってあるのです。そのときは合うように感じられたのに、次の日にはだめだ、なんてことも普通にあります。特に萬年筆初心者の方は、この書き味は好きではない、とはっきり言うべきです。我慢して書き続けていると、手の方が萬年筆に「慣れて」しまいます。この感性とか感覚というのは、趣味歴の長い短いや専門知識のあるなしに関係ないものですから。

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コメント

万年筆愛好者は皆「理想の万年筆」なるものを探しているつもりで、実は自分にとって理想的な書き心地を探し続けているのかもしれませんね。見栄も経験も少ない初心者の方が実は一番真実に近いのかもしれません。

 すいどう さん

 その理想の書き味というもの、それがまた科学では説明のつかないものなのでしょう。どれほどスペックが優れていてもつまらない車があるのと同じで、こればっかりは書き手の頭の中にだけ答があるという世界。そういうのを相手にする調整師という種族は本当にすごいと思います。

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