フォト

最近のトラックバック

« アメリカの雄 | トップページ | ともどもに »

2013年2月 6日 (水)

一生もん

20130206_234849

 踏ん張っている四肢、力が入って少しゆがんでいる上あご。シュシュというのでしょうか、女性が髪を束ねるのに使う、ゴムを布でくるんだようなものを思いっきり引っ張っている「ちち(仮名)」さん。うろうろしているうちにこれを見つけてきて、飼い主の前に持ってきて「ホレ、引っ張って」というように突き出すのです。怖い顔こそしていますが、本人(犬)は無邪気に遊んでいるつもりです。飼い主が絶対に負けないことが大切で、何があっても最後は飼い主がシュシュを奪い取るようにもっていかなければなりません。そうでなければ、飼い主より強いんだ、なんて幻想を抱かせることになってしまいかねません。

20130207_001026

 昨日は久しぶりにシェーファーのペンを記事にしましたので、今日はそのつながりでセーラー、それもライフタイムペンです。それでなくても謎の多いセーラーのラインナップですが、ライフタイムペンといわれるものはおおかた30年ほども前のものですから、私なんぞはまだ萬年筆趣味に目覚めていなかった頃です。スチールニブのノブレスで卒業論文を仕上げていた記憶があるぐらいで、あとは父や母が使っていた国産のショート萬年筆をたまに借用する程度だったと思います。

20130207_001006

 社会人になってからは、何を勘違いしたものか、年に1本買う萬年筆は上等な舶来品ばかりで、はっきり言ってセーラーには目もくれませんでした。今にして思えば実に惜しいことをしたものです。お値段も手頃であったその時代のセーラーの(ヘンタイな)ペンを蒐集しておくべきでした。Founded 1911と彫ってないキャップリングなんて珍しいなぁと今なら騒ぐわけですが、当時はこれが普通だったわけですから。

20130207_001100

 この個体はデッドストックだったものですから、首軸のリングも含めてとても綺麗です。流石にあちこちすれて色が変化しているところなどに経年を感じますけれど、それは形在るものであれば仕方のないことです。実にシンプルでいい感じですが、同じコストで複雑な形や刻印ができるようになり、その方が見栄えがして売り上げ増につながるのではないかということでどんどん華美になってきた萬年筆。そろそろ原点に戻ってスパッとシンプルなものを出すのも一つの手ではないでしょうか。

20130207_001148

 セーラーで少し前のペンとなると、すぐにここを見てしまいますが、何も刻印されていません。数字でもなく、H-Mとかでもなく、ただツルンとしたペン先があるだけです。工場で、流通の過程で、店頭で、あるいはユーザーの手に渡った後にと、萬年筆のペン先がすげ替えられる機会はいくらでもありますから、こういうペン先がオリヂナルで付いていたという保証はありませんし、調べようにも誰にも何にもわからん、なんてことになりがちなのがセーラー萬年筆の難儀な面白いところです。

20130207_001124

 実用の道具ですから字が書ければそれで何も文句はないはずなのに、あぁでもない、こぅでもないと論議をして、そしてたいした結論めいたものに到達するわけでもない。でもそれこそが萬年筆趣味の面白いところなのでしょう。

« アメリカの雄 | トップページ | ともどもに »

コメント

以前何かの本で読んだ言葉ですが
「結論を出してしまったら、今後遊べなくなってしまうじゃないか」

結論を出さないってのが大事だと思います。

分からないほうが良い
曖昧なほうがいいものというものは
確実に有りますよね
曖昧さの美学とでも言えばよいのでしょうか

「Less is more.」(少ないことは、豊かなこと)とは
モダニズムの巨匠ミース・ファン・デル・ローエの言葉
華美な万年筆が悪いというわけではないですが、
一度その装飾を取り払ってみてみるということも
また悪い考えではないはずです。

シェーファーの LIFETIME は正真正銘の「一生もの」だったようですが、セーラーはそこまでの保証の心づもりをして命名しているのでしょうか?ペン先にはっきり刻むのと、キャップにちょこちょこと刻んであるのとでは覚悟のほどが違うような気がします。保証書などご覧になったことがありますか?

このペンはペンポイントの研ぎが面白いですね。何だか長刀研ぎ(それも初期の)に近い気がするのです。「神様」が研いだのかも?なんて想像するのも楽しいかもしれません。

 達哉ん さん

 結論を出さないであぁでもないこぅでもないと遊ぶのは確かに楽しいですね。何かを作ろうと努力してるとき、どんどん完成に近づいていくのは嬉しいのですが、完成してしまうととっても寂しい、というのにも通じますね。

 関船 さん

 エドソンはどちらなんでしょう。シンプルなようでいて、華美でもありますね。萬年筆におけるシンプルなものといえば、無印良品で売ってるただの丸筒の奴なんかでしょうか。でも、その軸に色を塗ったらシェーファーのタルガですよね。おもしろいものです。

 yerkes さん

 保証書ですか・・・おそらくは通り一遍のことしか書いてないんでしょうね。大事に使えば一生つきあっていける筆記具、程度に考えておいた方が良さそうです。

 すいどう さん

 ペン先の形状をみてもいまいちよくわからない私ですが、写真を撮るときにペン先をルーペで見て、ただの丸いペン先じゃないなぁ、ということだけはわかりました。ちょっとごつごつしてるんですね。若き日の神様説、大いにあり得ますね。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/604476/65039122

この記事へのトラックバック一覧です: 一生もん:

« アメリカの雄 | トップページ | ともどもに »

2017年11月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30