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2012年12月17日 (月)

おん祭

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 小春日和ともいうべき柔らかな日差しの中で、鬼に金棒のクッションをなめ回す「くま(仮名)」さん。平日のこんな時間に彼女の写真を撮れたのは何故かというと、お休みをいただいたからです。今日は「春日若宮おん祭」の中心行事の一つ、「お渡り」の日なので、市内の学校はすべて午前中で授業を切り上げます。大和一国をあげての祭である「おん祭」を生徒が見学できるように、ということなのです。

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 お祭の人混みの中へ行きなさい、と生徒に言うわけですから、当然教員も巡視に出るのですが、私はほぼ毎年3年生の担当でしたので、ながいことこのお祭とは無縁でした。どういうお祭なのか、見所はどの辺か、もしトラブルになったらどうするか、校内放送を使って全校生徒にアドリブで説明したら、お休みを貰って帰宅し、次男にお昼ご飯を食べさせてから一緒にお祭見学に出発です。

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 奈良県庁前を正午に出発した時代行列は、近鉄とJR、それぞれの奈良駅前を回ってから、奈良のメインストリートである三条通りを東進し、猿沢池畔の興福寺南大門跡を経て春日大社の一の鳥居をくぐり、春日若宮の神様が滞在されている「御旅所」へと向かうのです。写真は小学生による大名行列です。

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 籠とバス。時代を超えた乗り物の共演です。片側3~4車線の道路のうち、最も中央分離帯寄りの車線にバスなどを走らせて公共交通を維持しているのです。奈良県はクルマがないと生活できない地域も多く、バスで駅に出られないなどというのは致命的ですから、いかに大きなお祭といえどもバスを完全に止めてしまうわけにはいかないのです。

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 興福寺前、通称五十二段といわれる階段から望む猿沢池。池の周りにはびっしりと露店が建ち並び、平日というのにこの人出です。県庁前を出発した行列は、JR奈良駅まで西に進み、そこから東に折り返すような形でここまで来ます。行列に参加している皆さんにとっては、ちょうどスタート地点辺りまで戻ってきた感じになります。春日大社参道の一の鳥居はもう目の前で、それをくぐった先にある影向(ようごう)の松の前で、さまざまな神事が行われます。

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 伝統と格式を誇る料理旅館、菊水楼では、名物のっぺ汁を販売中。こんな文字を書くとは知りませんでしたが、お餅は入っておりません。野菜を炊き込んだ汁なので、いかにお手頃価格とはいえ、好き嫌いが激しくて野菜嫌いな私には手が出せません。

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 これも奈良の名物であるお粥と組み合わされたのっぺ汁。右下の赤いお椀です。春日大社参道に入ってから、こんな料理を提供しているお店がありました。これで確か1500円でしたでしょうか。昔の人にとっては、これがご馳走だったのですね。

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 こちらが御旅所。17日午前0時に若宮から出てこられた神様は、24時間ここに滞在されます。神様の前でさまざまな芸能が披露されますが、それらが芝生の上で行われることから、「芝居」の語源になったという説もあります。また、大和四座の一つ、金春座の金春太夫がのりとを読み上げ終えるまで、「埒」という紙が解かれず、皆が中には入れないことから、「埒があかない」の語源であるという説などもあって、さすがは1136年から続く、大和一国をあげてのお祭だけのことはあります。

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 この御旅所、どこにあるのかといいますと春日大社の参道脇で、写真の奥は奈良国立博物館の新館、すなわち正倉院展が開かれる建物で、写真の右手、東隣には、かつて国立奈良文化財研究所春日野庁舎であった、重要文化財にも指定されている建物があります。いわば奈良のど真ん中なのです。

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 右のトラックは馬を輸送するためのもの。競馬や流鏑馬なども行われますので、何頭もの馬が来ておりました。この時点で午後2時半過ぎ。すでにかなり空が暗くなってきていて、雨が降ることが予想されたのでここで退散することにいたしました。

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 帰途、バス停で待つあいだにおさえた1枚。人によってはトラウマがよみがえる1枚かもしれません。奈良公園の鹿は人間のことを餌を運んでくる生き物ぐらいにしか思っていないかのようです。このあたりが、いわゆる飛火野といわれるあたりになります。奥の方には高円山があり、そこには日本最大級の大文字があります。年末のとても忙しい時期ではありますが、来年は奈良でおん祭を見る、というのはいかがでしょうか。

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コメント

伝統ある祭だから休み!というのは、びっくりです。でも…学生にとって最優先となる学校(=学業)でさえ休みになる、という事はそれだけ重要な伝統ある祭である、という事は伝統とは何よりも大切にされるべきものである…という変則三段論法(笑)も成立します!?
若い子には伝統の大切さを滔々と語るより(それも大切ですが)こういった措置の方が分かりやすいのかもしれませんね。

 すいどう さん

 本来の趣旨はそうなのですけれど・・・・・というところなのが残念なところでもあり、まぁそれもそうだわな、というところでもあります。どこのの世界にお祭に行って神事だけを真剣に見学して帰る子供がいるでしょうか。結局の所、露店がお友達、なんですね、これが。

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