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2012年10月16日 (火)

解答用紙職人

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 トロンとしている「ちち(仮名)」さん。彼女と同じようにケージの前でトロンとしていた長女が撮影した1枚。お互いの緊張感のなさが見事に結実した作品となっています。トイレ用のトレイが見事にひっくり返されていて、しかもシーツを抑える枠が分離しています。今朝、偶然見かけたのですが、彼女はこのトレイを口でくわえてヒョイっと持ち上げるのです。何度置き直してやっても、気がつくと持ち上げてあります。そのうちに倒れてきたり、自分がおもちゃにして遊んだりした結果、こんな風にバラバラになるようです。

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 今週末の中間テストを控えて、あっちでもこっちでも、どの先生も真剣な顔でPCの画面と教科書とをにらんでいます。生徒にとってはテストに備えて勉強しなければならない気の重い時期ですが、教師にとっては生徒以上にしんどい時期。テスト問題を作るのは本当に気を使う仕事です。

 よく考えずに作問すると、一つの問題に山のようにいろんな答が出てきてどれが正解かわからない、なんてことになったり、そもそも何を問うているのかが生徒に理解されず、正答率が一桁、などという哀しい結果に終わったりします。師匠のところで毎週好評展開中のテストの珍回答というのがありますが、あれも珍回答というよりはできの悪い問題を解答者がいかに料理したか、という側面の方が興味深かったりします。

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 幸いなことに、今年はペアを組んでいる相方がさっさと問題を作ってくれるので、来年は問題を作れない体になってしまうんではないだろうか、と心配してしまうほど楽をさせてもらっています。問題はササッと作れるけれど解答用紙を作るのが苦手、という先生が結構いるので、そういう人から依頼されて解答用紙を作るのがこの時期の主な仕事です。

 テストというもの、問題の善し悪しが大切なのはもちろんですが、解答用紙がきちんとしていないとさまざまなトラブルに繫がります。結構文字数の多い答を書かなければならないのに、解答欄が小さすぎる、なんてのは論外。生徒が答を書き入れる場所を間違えるのは、解答用紙の作り方が悪いからです。まずはそういうことがないように配慮するのが基本で、そこに採点のしやすさという、とっても大事な条件が付け加えられます。

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 答を書き入れる「ハコ」さえ作ればいいんでしょ、てな考え方でいくと失敗します。生徒がスムーズに答を書き入れることが出来て、採点者も効率的に採点が終えられる。そういうものが優れた解答用紙です。2人以上で同じ教科を担当していて、パートナーがテスト問題を作る場合、解答用紙がタコだと本当に採点がしんどくなります。解答用紙作りが下手な人というのはある程度決まっていますので、 そんな人と組んだときには「私が解答用紙作ります!」と宣言して、さっさと作ってしまいます。

 中には、毎回テストのたびに「よろしく!」と依頼してくる人もいます。そういうお得意さんも含めて、今回もたくさん解答用紙を作りました。国語と社会が1つずつ、数学が2つ、合計4種類です。

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 シェーファーのインペリアル・ブラスも、ペンよりも入れ物が大切、という一つの例。インクカートリッヂを入れるケースはバランスよくカートリッヂを入れればきちんと座りますが、肝心のペンを入れる方のケースは蓋が重たいせいで開いた状態では本体側が浮き上がってしまいます。ちょうど、授業中に椅子の脚を浮かしてバランスをとっているような状態ですね。

 今回はテスト直前に2人の先生が入院されるというアクシデントがあって、社会科は解答用紙だけでなく問題用紙も作ることになりました。病院のベッドで作られた草稿を元に問題をワープロ打ちして、必要なところには図版を組み込んでいきます。こうして作った問題用紙と解答用紙を今夜病院に届けましたので、水曜日の朝には校正が出てきて、それを元に完成させた問題を印刷して木曜の朝からテスト、という綱渡り的な作業です。

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 ただ、入院されたのはまじめな先生で、かなり早くから問題のプランを考えていらっしゃったのです。こういうテスト問題を作ろう、と考えながら授業を進めていらっしゃる、立派な先生だったのでこういうことが出来ましたが、私なんかが入院したらそうはいかず、完全にグリコのオッサン、お手上げ状態だったことでしょう。

 あとは数学の解答用紙2種類を作問者に見てもらって、必要な部分を修正するだけです。こうして解答用紙を作っているのが一番楽しい時間で、完成して世に出てしまうと、あとは採点というどうしようもなく難儀な作業がやってくるだけです。生徒たちは無邪気に「先生ってえぇなぁ。テスト作るだけやから勉強せんでエェし。」とか、「採点っておもしろそう、やってみたい!」なんて言いますけれど、テストを作るのも採点するのも、実はテスト受けるより数百倍大変なんですよ、と声を大にして言いたいですね。だからこそ、採点するペンにはこだわりたい・・・・・というのは蛇足かもしれませんが。

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コメント

本当にやっている業務の内容など誰も知らないのに何故か誰でも出来ると言われる公務員。結果として現場の人間が軽視され、人員が削減されて一人一人の負担が増えてしまう。
本来であれば生徒であっても教師を軽視するような事は言わせるべきではないのではないか?とも思います。こちらが「どうせ言っても分からないのだから」と思って黙っていると「あぁ、図星なんだ」と思われるのがまた辛い所ですねぇ。

 すいどう さん

 いつの世でもどんな世界でも、知らないほど気楽なことはありませんからね。スクールサポーター制度というのがあって、卒業生が職員室に「助けに」来てくれているのですが、あのとき、裏で先生はこんなことしてたのねとおどろいてくれています。

 そう遠くない将来に選挙があるのでしょうが、公務員の数とか給料を減らすと訴えると票が伸びますからね。政治家の皆さんにとっては本当においしい実でしょうから、たっぷりお食べになるはずです。選挙が終わるたびに役所も学校も荒んでいくのは当然ですね。

 なので、今、公共サービスとしてやっていることはどんどん民営化すべきです。公務員の体質では難しいことでもやってのける力が民間企業にはあります。ただ、効率最優先、コスト最優先で行くと、いわゆるブラック企業がどんどん増えてしまう可能性も否定できません。そうなると不幸な国民が増えるわけですから、そこら辺の兼ね合いが難しいところですね。

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