20
クッションと一体化して熟睡中の「ちち(仮名)」さん。どこまでがクッションでどこからが犬なのか、よくよく見ないとわからないほど「ぴったり」です。
20年前の今日、ベルリンの壁崩壊から1年を待たずに東西ドイツの統一が実現し、ドイツ連邦共和国が成立しました。第1次世界大戦後のヴェルサイユ条約でドイツに課された賠償金も、この日、全額の支払いを完了したそうです。
萬年筆ヘンタイにとって、ドイツ統一といえばこれ、かもしれません。東西ドイツの統一を祝して限定発売された、20Cバイカラーのペン先を持つM800です。
木製のボックスには、萬年筆の他、シーリングワックスとスタンプのセットが収められています。同梱されているグリーンの紙片には、ドイツ統合の記念萬年筆であることが記されていますが、その裏面には、シーリングワックスになじみが薄いことに配慮してか、その使用法が印刷されています。
では、スタンプは一体どのような印面なのか・・・・・ということは、わざわざ書くまでもなく、当然のように天冠と同じペリカンです。
でも実際、封蝋をよく使うかの国の人が、こんなスタンプを使うものでしょうか。それとも、これは日本など封蝋をあまり使わない国向けのパッケージだったのでしょうか。このあたり、ご存じの方がいらっしゃいましたら是非ご教示ください。
東西ドイツ統一記念のペンですが、キャップリングの刻印はW-GERMANYでした。このペンにはPILOTの色彩雫シリーズ、朝顔を入れておりましたが、ある日のこと、ペンケースから取り出してみると、クリップの土台になっているインナーキャップが割れておりました。
その件に関しては、この日の記事 にも書いておりますが、ペリカン日本法人のすばらしい対応に感動いたしました。結果、統一ドイツにふさわしいGERMANY刻印のキャップリングを持つペンに生まれ変わったのです。
統一20周年の日に20Cのペン先、うまいことできた話やなぁ、と写真を撮ると、なぜか14Cという刻印が写っております。よくよく考えてみれば、キャップもノンオリジナルになったことだし、と、20Cのペン先はビッグトレドに移植したのでした。
それではあまりに切ないので、2年前の今日アップした写真をもう一度。20Cはさぞかし柔らかいんでしょうね、などとおっしゃる方が多いのですが、そう感じたことはありません。個体差があるでしょうから、断定的なことは言えませんが、書きやすいことは確かながら、柔らかいというのとは違うように思います。
統一20周年を迎えて、旧東西ドイツの経済格差もけっこう改善されてきてはいるようです。ドイツに限らず、ヨーロッパ諸国の自信たっぷりの進み方と比べて、我が国は何と情けないことでしょうか。このままでは、20年先、日本という国がなくなっているかもしれません。
中国の自治区に成り下がって、さまざまな弾圧を受ける。萬年筆ヘンタイであることがバレると自己批判を求められて再教育・・・・・なんてことにならないように、しっかりしないといけませんね。
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あれから20年経つとは・・・。
あの当時はまだ学生だった私。その後教壇に立つなんて思ってもみませんでした。
世の中何が起きるかわからないものです。
世界の情勢も何が起きるかわかりません。
国語を教える私としては、「最後の授業」をする日が来ないよう祈るばかりです。
アルザス・ロレーヌは地続きだったとはいえ、今の世の中、島国であることなど何の慰めにもなりませんから。
投稿: るり千代 | 2010年10月 4日 (月) 01時01分
るり千代 さん
たしか、小学生の時でしたか、何かの教科書に載ってましたよね、最後の授業。道徳でしたか、それとも国語でしたか、記憶も定かではありませんが、わぁ、明日から英語や、とか言われたらたいへんやなぁ、などと思ったことだけを覚えています。
かつて東西冷戦の頃には、「覇権」に反対する、というのが中国の基本姿勢だったように見えましたが、それは時間稼ぎだったのだな、と実感します。力をつけた今ではすさまじい覇権主義。隣国に暮らす者としては、一人一人の中国国民に何の恨みもありませんが、国としての姿勢にたいへんな恐怖を覚えます。
投稿: つきみそう | 2010年10月 4日 (月) 01時51分
また凄い大物が・・
このシーリングスタンプ、一時期欲しかったことがありました。
投稿: 二右衛門半 | 2010年10月 4日 (月) 07時28分
ずっと昔赤いシーリングワックスの付いた封書をもらったことが有ったけど、、、
誰からだったんだろう? 忘れたなあ。
アメリカじゃ無くてヨーロッパのどこかの国からだったのか?ドイツかデンマークかそこら辺、たぶん
周りの外人を見てみると大きな指輪をした人が多いのに
気がつきますが、タブンその指輪がシーリングスタンプの
役目だと思います。
映画か何かで封筒に赤い蝋を垂らして指輪を外して押しつけていたのを見た覚えが、、、これもうろ覚え
投稿: マオぢい | 2010年10月 4日 (月) 09時49分
ドイツ統一から20年ですか。
そう言えば世界地図もずいぶんと変わりましたよね。昔の地図帳が使い物になりません。
ペン先の金の純度と柔らかさとは、あまり関係ないですよね。それより厚みが薄いとかペン先の曲げの曲率の方が影響が大きいですよね。ハイレグ化しているとか、、、
でも、14Cより18C、20C、極めつけの24Cなんて高級感満載ですよね
投稿: きくぞう | 2010年10月 4日 (月) 09時52分
20年前。私が生まれてまだ1年立っていない頃です。そう、ベルリンの壁崩壊の当時、私はこの世にいなかったんですね。
私、このペンは欲しいとそこまで強く思わないのですが、シーリングワックスはいいなぁ、と思いました。万年筆好きの人にペリカンの刻印で手紙を送るなんて至福ではないですか。
でも、エドソンの刻印で送る私も、似たようなものでしょうか?
投稿: 達哉ん | 2010年10月 4日 (月) 12時23分
二右衛門半 さん
ずっしりと重たい真鍮製と思しきスタンプですね。これだけでももてあそびたい感じですね、確かに。
投稿: つきみそう | 2010年10月 4日 (月) 15時53分
マオぢぃ さん
確かにそういうシーン、見たような記憶がありますね。それだけ彼の地では封蝋という文化が根付いているということなのでしょう。
最近は機械で消印を捺すので封蝋が割れてしまう,なんて話もありますね。
投稿: つきみそう | 2010年10月 4日 (月) 15時55分
きくぞう さん
確かに、金の純度と柔らかさは無関係ですね。その昔あったセーラーの24金ペン先などは強度を出すために厚く,そのためにがちがちだったと聞きます。
でも,柔らかすぎるペン先って使いにくいんですよね。
投稿: つきみそう | 2010年10月 4日 (月) 15時56分
達哉ん さん
そうですね、エドソンとくれば達哉んさん、てすから。封蝋って、優雅な習慣ですし、ずっと続けていれば立派なアイデンティティになりますね。
投稿: つきみそう | 2010年10月 4日 (月) 15時58分
猫が、鍋焼きうどんのような小さな鍋に丸くなっている
「猫鍋」という可愛い写真集が出ています。
さしずめこれは「犬鍋」ですね。うずの真ん中に入って寝たいです。(笑)
投稿: ペリカン堂 | 2010年10月 4日 (月) 17時27分
金合金のデータについては次のサイトをどうぞ!
英語ですが
http://www.keytometals.com/page.aspx?ID=CheckArticlesite=ktnLN=JPNM=230
投稿: マオぢい | 2010年10月 4日 (月) 17時35分
ペリカン堂 さん
我が娘もこれを見て思わず「鍋に入れてみたいなぁ」などと言っておりました。
犬はこんなに丸くなって寝ていて、苦しくないのでしょうか。
投稿: つきみそう | 2010年10月 4日 (月) 19時32分
マオぢぃ さん
ほほぉ、紹介していただいたページを見て、やっとホワイトゴールドというものがわかりました。一時期の萬年筆のペン先によくあるんですが、これなら硬いはずですね。
投稿: つきみそう | 2010年10月 4日 (月) 19時34分
うーーん、その下を読んで欲しいのにい~~
投稿: マオぢい | 2010年10月 4日 (月) 22時55分
マオぢぃ さん
えっ,最後にある金の純度と固さその他の表ですか?
英語はさっぱりわからんので適当に見てました。
投稿: つきみそう | 2010年10月 4日 (月) 23時55分
「最後の授業」自体が、ナポレオン三世統治下のフランスの
反プロシアのプロパガンダ物語だったとか。
確かに最後は「フランス万歳」でしたっけ。
でもフランス人の留学生何人かに尋ねても「最後の授業」なんて
知らねーと言ってました。
そんなプロパガンダは屁とも思わず、プロシアはパリを制圧、
ベルサイユ宮殿でヴィルヘルム王がドイツ帝国成立の宣言と
皇帝戴冠式をやっちゃうんですよね、結果は。
国の安泰は教育、そしてマスメディアへの不信と監視ですぞい。
投稿: まる | 2010年10月 5日 (火) 01時14分
まる さん
痛み入ります。教育に携わるものとして,本当にしっかりしなければ,と思います。
目の前の子供たちにいい加減なこと教えてはダメですね。やがて親になって子育てをする人たちなんですから。いろんな公共建築物の中でいちばんみすぼらしいのが公立学校ですけれど、そんなことを跳ね返して頑張らなくては、と思います。
マスメディアへの不信、バリバリです。でもそうは言っても、あまりにひねくれた見方ばっかりしていても間違えてしまいますし、難しいものですね。
投稿: つきみそう | 2010年10月 5日 (火) 01時50分