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2010年6月 5日 (土)

文化の継承

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 じっと一点を見つめる「ちち(仮名)」さん。彼女の視線の先では、妻や娘がプリンを食べているのです。きっと甘い匂いがするのでしょうね。食べているのは京都へ出かけたついでに買ってきた100年プリンとかいうものですが、ここで驚きの事実が明らかになったのです。

 娘の「常識」では、プッチンプリン以外のものはカップに入った状態のままスプーンですくって食べるもの、だったようです。ですが、プリンと生まれた以上、例の甘ぁ~いシロップを頭にいただいて人前に出たい、それこそがプリンの正しい姿なのだ、と思っているはずです。

 そのように優しく諭す私に向かって、(お父さんと同じ世代の)お母さんだってカップのまま食べているではないかと抵抗する娘。えぇいならぬわっ、と皿を引き寄せ、カップを逆さにするが早いかプリンとカップとの境目にスプーンを挿し込むと、「あぁ~」という娘の落胆の声をBGMに、プリン様は文字どおりぷりんとお皿の上に鎮座されたのでした。
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 いやはや何とも、実に神々しいお姿です。これぞプリン。こうでなくてはいけません。と、悦に入りながらも、ふと思いました。そう、娘に罪はありません、悪いのは親である私たちなのです。

 家族というのは社会の最小単位。安らぎの場であると共に、社会生活の基礎を学び、身につける場でもあるのです。プリンの正しい食し方も知らない、と嘆く前に、正しい食し方を教えたのか、と自問すること。親としてはそこが大切です。

 私たちが親から教えてもらったことは子ども達に伝えていきたいので、年中行事はもちろん、食事その他の習慣についても、我が家ではこうするのだ、と押しつけてきました。子ども達にしてみれば、何とも窮屈な家庭であり、面倒な親であることでしょう。
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 でも、それこそが文化を継承していくということなのだ、と信じてやるしかありません。親が子どもに遠慮したらおしまいです。私の生業は、そのことを日々実感させてくれます。こりゃしんどいな、と感じる生徒の家庭では、ほぼ例外なく、親が子どもに気を遣いすぎています。子どもには気をつけるべきであって、気を遣うべきではないのです。

 我が家の子ども達、上の2人は萬年筆に近づこうとしません。まぁそれはそれで賢明なことだと思いますが、そう毛嫌いしなくても良いのに、とも思います。末っ子は対照的に「まんねんひつ」が大好き。おそらく、最初に萬年筆で書いたときに、周りの大人がわぁわぁ言ってくれたという体験によるものでしょう。
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 そんな息子が喜ぶかな、と入手したものの、しばらく行方不明になっていた「くみたてペン」です。万年筆やボールペンではなく、PILOTご自慢のフレフレメカを持ったシャープペンシルを組み立てよう、というものです。

 個人的には、組み立てなんぞどうでも良くて、シャープペンシルを校正する各部品の名称に興味をひかれます。へぇ、これはこういう名前なのか、ってな感じですね。
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 総じて、何の変哲もない名前です。シャープペンシルの部品にしゃれた名前をつける必要などなく、区別がつけばそれでよいのですから当然です。プロが使う道具がシンプルなのと同様、その素っ気なさがまた「プロっぽくて」いい感じです。

 こうして自分で組み立ててみると、シャープペンシルをはじめとする筆記具への興味も深まるでしょう。子ども達は将来の顧客ですから、そこに焦点を当てた商品開発というのは大切だと思います。あまり儲からないでしょうが、筆記具をはじめとする文具の組み立てキットが各メーカーで企画されたらいいのにな・・・・・と思いますが、PL法もあるこのご時世、なかなか難しいことでしょう。
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 ところで、プリンを食べながら娘が指さした紙片。そこにはプラチナという文字がありました。彼女が買ってきたシャープペンシルの替え芯が「オレーヌ」だったからです。これ、萬年筆の会社とちゃうのん?と聞く娘に、おぉ、こりゃひょっとして、そのうち萬年筆を使ってみたいと言い出すかもしれないなぁ、とわずかな希望を感じ取ったことでした。

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コメント

少し乱暴でっせ。
正確には
http://www.morozoff.co.jp/_cms_/news_item/detail/item00024.html
動画もあるでよ。

だめオヤジには、耳が痛い話ばかりです。
子供に何かしようとすると、必ず嫁が参入してきます。
良い時もあるのですが、必ずしも良い時ばかりでもありません。
オヤジの話を聞かないのは、家庭を放ったらかしにした自分の責任なんでしょうな、、、、

 マオぢぃ さん

 おぉ、モロゾフ。大阪近辺の子どもにとっては夢のお土産、モロゾフ。

 北極、551、モロゾフ、パルナス・・・・・。

 乱暴なのは緊急事態だったから。お皿に出していただく、ということこそが大切なのです。

 foolsbook さん

 お嬢と仲良くお出かけされているだけで、十分に文化の継承がなされているではありませんか。

 うちの場合、そのままにしておくとあまりにも頼りないおやぢなもので、これでは教育上よろしくないと、嫁が気を遣って立ててくれているだけです。

うちの子供はプリンからゼリーまできちんと皿に移してやらないと怒って食べません。
特に躾けたわけではないのですが、どうやら親の食べている姿を見ているうちに、勝手に自分でルールを作ったみたいですね、4歳児ですが生意気にも独自の文化を形成しつつあります。

文化の継承というのは難しい問題ですね。
興味を持って欲しい対象と本人が興味を持つ対象がうまくマッチングすればいいですが、なかなかそうはいきませんから~。

 ウチも父親は殆ど生活に絡んできませんでしたね
 多少欠陥はあるものの、自分がここまで来れたのも両親のおかげ、父のおかげなのでfoolsbookさんのように濃密に会っていれば良いのではないでしょうか
 自分はその点父親を反面教師に見ている所と、単に娘が可愛い(あぁ親バカ…)のでなるべく傍に居るようにしています
 今カミさんと里帰り中で寂しいですが、その分萬に愛情注いでます(注ぎ過ぎの気は多分にありますが(苦笑))
 文化の継承、異なる2文化がウチには存在するので良い方を上手くミックスして育ってくれれば良いなぁ…

 wavio さん

 すばらしいですね。親の姿を見て育ってらっしゃるではありませんか。

 そのうち身の周りのものに話しかけたり、鉛筆の芯を自分の書きやすいように研ぎ始めたりするじゃないでしょうか。

 二右衛門半 さん

 マスターの趣味、器なんていうのは特に難しいでしょうね。それそのものより背景となることを勉強するだけでも大変でしょうし。

 それでも、なぜか知らないうちに文化は継承されていくとは思いますが。

 ともぞー さん

 勝手に想像すると、違う文化が融合しようとする中でいろんな衝突やらすれ違いやらがあって、けっこう大変だったのではないかと思います。

 私の高校時代からの友人も中国の方を妻に迎えていますが、「自分だけおいしい思いはしない」という主義を貫いているので、がちがちに保守的で右翼なヤツでありながら幸せにやっているようです。

なんだかその友人さんの気持ち、わかるような気がします。
 うん、大変ですが幸せですよ、自分で言うのもなんだけどw
 だって同じ日本人でも上手く行かない人はいますからねぇ。結婚は人であって国としてるわけでもないですからね(と割り切れるかどうかが国際結婚を続けている秘訣かと推測/実践しておるのですが)
 お互いがお互いをどれだけ尊重し合えるかは、国の問題じゃないですからね(ま、王様同士の政略結婚なら別ですが…)

 ともぞー さん

 深いです。

 お互いを大切にする・・・・・恐妻組合の古参会員としましては、萬年筆趣味も大切にしてもらっているようにお見受けします。

う~ん、萬年筆趣味は文化的意義は認められているものの、経済制裁は受けてます
まぁタチの良い北朝鮮みたいなもんです(苦笑)

我が家の息子は、冷凍の今川焼きをレンジでチンした後、
オーブントースターで表面をカリカリにしてから食べるそうです。
そうすると、外はカリカリ、中はふんわりで美味しいらしい。

嫁が面倒だから、チンだけで出すと、カリカリでないと文句を言うそうです。

誰がそんなこと教えたんや?といわれるのです。

プリンで語る文化論、非常にいいですねぇ。

 ひろなお さん

 今川焼きで外側がカリッとしているのがおいしいのかどうかは個人の趣味ですが、すでにしてそれが確立しているところが凄いですね。

 食通のお父様の影響でしょうか。

 su_91 さん

 そりゃもう、食は文化、ですから。しかしこのプリン、侮れません。おいしかったです。

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