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2010年1月15日 (金)

ガンショカキ

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 前脚より前にアゴをつきだして寝る「くま(仮名)」さん。こういう時は見た目の印象通り、「フテ寝」しているのです。金曜日の夜の「明日は休みっ!」っていううきうきした雰囲気が感じ取れるのに、誰もかまってくれない。何ともおもしろくない、というわけです。

 1月15日は小正月。私の実家では、朝から小豆がゆを炊き、鏡開きをしておりました。少し遅いですが、この日が「成人の日」で父が家にいるから、というのも理由の一つだったのでしょう。

 一臼まるごと使った大きな鏡餅は、年末に父の実家でついたもの。二週間以上たっているので、尋常な堅さではありませんし、すでにあちこちカビが生えております。これを普通の餅の大きさに分割するのはなかなかの騒動でした。
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 社会人になってからは、この日はお仕事の日となりました。3年生の担任になりますと、この日に学校へ出て、「ガンショカキ」をするのです。2月初めに私立高校の入試があり、そのための出願書類、いわゆる「内申書」を作成する、その作業を一般に「ガンショカキ」といっております。

 ガンショすなわち「願書」で、これは志願者本人かその保護者が書くべきもの。教師が書く「内申書」と一般にいわれるものは、調査書もしくは報告書というのが本来の名称です。ですから、私たちの作業は「チョウサショカキ」といわれるべきですが、語呂がいいからでしょうか、ほとんどの人が「ガンショカキ」と言っております。変ですね。
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 何事にも形から入る私は、「ガンショカキ」の季節になると新しい筆記具を探し歩いたものでした。大事なのは内容ですから、100円のボールペンで書いてもいいのですが、気分的に高級ボールペンで書きたくなるわけです。このプラチナダブルアクションなどは、黒、赤、シャープと3機能で、これなら普段から使える・・・・・というわけで、当時、けっこういい値段のものを買った記憶があります。

 中学生だったか高校生だったかの頃に発売されたダブルアクションは、あこがれの筆記具でした。写真のものはそれの30周年記念モデル。けっこうええやんか、ということで今では定番品になっているデザインです。
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 このローレット(ギザギザ)模様が30周年モデルの証。同じデザイン、素材で定番モデル化するにあたって、この部分がローレットなしに変更されたあたり、プラチナらしい良心を感じます。

 実際には、当時最新鋭であった「水性ボールペン」に浮気してしまい、油性ボールペンで調査書を書いた記憶はあまりありません。クラスの生徒数が40人として、私立を受ける生徒が35人ほど。その半数以上が2校受けますので、60枚以上の書類を書くことになります。しかも、生徒から提出された願書に合わせて書かなければなりませんので、早めから取りかかりにくいのも難儀なところです。で、提出期限が1月20日過ぎですから、ほとんどの担任が「成人の日」に学校に出てきて書く、ということになるわけです。
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 その後、大馬鹿ものだった私は調査書の用紙をプリンタにセットし、PCでサササッと文章を打ち込んでは印字、ということもやりましたが、学校ごとに様式が違うので結局手間がかかる、と言うことで断念。その後は萬年筆で書くことになった、というわけです。中学、高校時代は安物の萬年筆ばかり使っていて、かりかりと引っかかるのが普通だと思っていたのですが、社会人になって少しまともなものを買うと、書いていて気持ちがよいものだなぁと再認識。このあたりが、私の萬年筆趣味人生中興の時期かと思います。
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 時は流れて、ハッピーマンデーということもあり、今や「成人の日」も影が薄くなりました。まだまだ十分とはいえませんが、PCで作成した調査書でもOK、という私立高校も増えてきました。何より、これまでかたくなに手書きにこだわり、数字などのゴム印を押すことすら拒絶してきた公立高校の調査書も、今年、ついに電子化されることになりました。休日の静かな職員室で、ストーヴにかけたやかんのお湯が沸く音を聞きながら、一心に「ガンショカキ」をするという光景も、あと数年で見られなくなるのかもしれません。

 

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コメント

我が家では去年の今頃は長女の高校入試で家族がピリピリしていましたが今年はしばしの休息です。
去年はオープンスクールや3者懇談、模擬テスト、願書の受取、出願、テスト、発表と担任の先生と親と子供との三人三脚でした。
先生方の目に見えないご苦労に感謝致します。

 しげお さん

 いい思い出になりましたでしょうか。私らの仕事はその大変の苦労を「あはは」と笑える思い出にすることだと思っています。

 実のところ、もっとサービスすべきだと思ってはいますが、現状、自分が学級担任をしていないので歯がゆいところです。

なるほど~、大変なんですねぇ「ガンショカキ」。
学生の頃は気にも留めませんでしたが、確かに言われてみれば大変なお仕事ですね。

 su_91 さん

 昔は生徒の様子をありのままに書くという極悪な教師もおりましたし、いくつかの県では、文中に用いられた単語に点数をつけ、調査書の所見文を点数化する、などという訳のわからんことをしたりしていたようです。

 今や、入学させてからしごいてモノにする、という方針の高校が増えたので、やっぱり入試の成績が大事なんでしょうね。

高校に入ってから、しごいてモノにするなんてあり得ないと思います。
私なんか、入学の時に500人中80番くらいでしたが、しごかれても
卒業時は350番くらいでした。

分ったことは、頭良いやつは、どうころんでも頭が良いと。。。

単に努力が足らなかっただけか?

 マオぢぃ さん

 いやそれが、ないものをつけることはできませんけれどね、元々あるものを引き出すのはやり方次第みたいです。

 同じ成績で公立と私立に入った2人、3年後には確実に私立入った方がより難しい大学へ行きますね。

 生徒の持ってるものと、教師のやり方。これがうまくかみ合うと良くなるんでしょうね。

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