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2009年10月17日 (土)

花あかり

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 コスモスの寺として知られる奈良・般若寺。20代の頃、当時まだ交際中であった妻と訪ねたきりで、秋、コスモスが咲き乱れる様子をテレビニュースで見るばかりでした。

 昨日、たまたま電車に乗って、駅のポスターで般若寺がライトアップされていることを知り、なぜか、これは一度行っておかなければ、という気持ちになりました。

 昼前から断続的に強い雨が降り、これは中止になるかと思っておりました。夕刻、雨が上がったのでお寺に電話してみますと、予定通りに実施するとのこと。さらには、マリンバコンサートも開かれるとのお話でした。
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 そう聞いてしまうとじっとしていられず、子ども達の夕食を用意して、所用から帰ってきたばかりの妻を伴い、慌ただしく出かけました。
これまで二十数年間、何の興味も持たなかったお寺。ただライトアップされているというだけで、なぜにこれほどひかれるのか、自分でもよくわからないまま車を走らせました。

 境内のほぼ中央に石造の十三重の塔が建ち、その周りには一面コスモスが咲き乱れております。背の高いコスモスのかげにひっそりと石仏がおわすという風景は、確かに美しくはあるもののどことなく寂しさを感じさせます。ライトアップされた夜の境内は、時折吹き抜ける秋の夜風にコスモスがはかなく揺れて、幽玄というのとはまた違った、何とも言えない雰囲気です。
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 ゆらゆらとはかなげに揺れる灯りを頼りに、マリンバとピアノの音色をBGMとして、ぶらぶらと境内をあるきます。考えてみればすぐ近くのお寺で、気にも留めず、加えて私はコスモスが好きではありません。なぜ今日、こうして般若寺に来ているのか、確かに美しくはあるけれど、わざわざ見に来るほどのものでもないのに、などと思いながら歩いておりました。

 おそらくは、レアもの好きな私のこと、このライトアップが明日までと知って「行かねば」という気持ちになったのかもしれない、いや、多分そうだろう、などと思いながら、終了時刻の午後7時にお寺を辞しました。

 そのあとは、夕食をとるお店をさがして、妻と奈良町あたりを徘徊。子ども達に無事夕食を食べたのかと電話してみると、叔母から電話があったとのことでした。折り返し電話を入れると、今朝、伯父が亡くなったとのことでした。一昨年、父が亡くなった頃にはすでに相当からだを悪くしていたのですが、私への配慮からそうした話は伏せてくれていたのだそうです。
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 若い頃の私は、何かにつけてその伯父の考え方や行動に反発していたものでした。ここ数年、ようやく素直な気持ちで接することができるようになり、これからは何か力になれることがあれば、と思っていたのですが、残念なことになりました。聞けば、私が乳飲み子であった頃、伯父がよくお風呂に入れてくれたそうです。そうしてかわいがってくれた伯父だからこそ、余計に反発していたのか、と、自分自身が老境に近づいてきてようやく悟ったものの、もはやこれまでの非礼を詫びることもできなくなりました。

 近く、似ている者ほど、余計に互いを疎ましく思い、反発し合うのだそうです。けれども、それは目に見えない絆があるからこそではないのでしょうか。その絆が、私をお寺に呼んだのかもしれない。夜道に車を走らせながら、そんなことを考えておりました。
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コメント

去り逝く者の想いと残される者の想い

それぞれが、この花あかりの灯火で導かれたのでしょう

どうかこの美しい秋桜で、皆様の心が慰められますように

ご冥福をお祈りいたします

突然の事とは言えご冥福をお祈り致します、亡くなられた方に合掌するは行かれる方に手を合わせるにあらず、残されし身の心清める為なり・・合掌

 foolsbook さん

 ありがとうございます。

 本当に不思議なことで、妹に連絡を入れましたら妹も数日前に伯父のことをふと思ったとか。知らない、わからないことを否定するのではなく、そういうこともあるかも知れない、と思いたいです。

 夢待ち人 さん

 ありがとうございます。

 ご教示いただいた気持ちを持って、手を合わせていきたいともいます。そういえばお仏壇の花はこちらを向いておりますね。

花はただ咲く ただひたすらに ただになれない 人間の わたし
相田みつを

親父の法事の法話で聞きました。

 白髪猫 さん

 ありがとうございます。

 今の勤務先が荒れて荒れて一番大変なときに、校長も教頭も教務主任も一斉に異動になり、新校長、新教頭と共に私が教務主任になりました。それから4年、苦楽をともにしたその校長が、相田みつをさんの大ファンでした。

 短い文章で深い余韻を感じていただけるようなBlogにしたいなぁと思いつつ、いつもだらだら長い駄文の私です。

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