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2008年11月21日 (金)

ニッポン

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 暴れまくってケージを動かしてしまった「ちち(仮名)」さんと、そのエサをおいしそうだなぁと見つめる「くま(仮名)」さん。白いのと黒柴という違いはあれど、多くの日本人にとって、犬、といえば思い浮かぶのが彼女たちの姿ではないでしょうか。

 電車を利用して100分、自動車を飛ばして50分。近いようで遠い神戸の街ですが、少しでも早く行きたい、そんな気持ちで週の後半を過ごしていました。「入荷しました」という1本の電話を受けて、旅に出ようとする芭蕉のごとく、あれやこれやと仕事を片付け、本日は奇跡の定時退勤。記念すべきその瞬間を共有したいのでしょう、風邪気味の妻も同道です。

 月に一度の、金曜日の夜。季節柄もあるのでしょう、今日はいつもより背広率が高い店内で、ひとしきり談笑したあと、その時となりました。小振りなダンボール箱を手に、開封して良いかと訪ねる店主。どうぞお願いしますと上機嫌の私。
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 ダンボール箱には、シリアルナンバーが印字されたシールが貼られています。この字幅でけっこうな数が生産されたんだなぁ、と軽い驚きを覚えつつ、開梱を見守ります。ダンボール箱に収まっていたのは青い紙箱。ふたを取ると、四隅が切られて八角形になった桐箱が現れます。カーナボン卿やカーターがツタンカーメンの棺を開けたときも、こんな気持ちだったのだろうか・・・とまた大げさなことを思いつつ、いよいよご対面。

 当たり前ですが、ペンとインク瓶はビニール袋に入った状態で桐箱に収められています。ペンの入った袋が開けられて、中身が目の前に。10月1日発売予定だった「螺鈿朱鷺」。9月下旬の銀座伊東屋以来、二度目に見る実物。普通の照明の下でも、たいへん綺麗です。

 このペンを見るたびに連想するのは、黒留袖。全体的に真っ黒な胴軸に研出蒔絵と螺鈿があしらわれて、落ち着いた中にも華やかさを感じさせる仕上がりです。何とも月並み、これが広告のコピーや提灯記事の案なら即刻却下されるのでしょうが、それでも、そうとしか言いようがありません。
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 トキ。学名ニッポニア・ニッポン。羽の色は白ですが、繁殖期には分泌物を塗りつけて黒くなるのだとか。羽の下側は「朱鷺色」とよばれるピンク系統の色。シンプルで、静かな華やかさ。黒柴などとも通じる「日本の美」ではないか、と思います。その名を冠したペンですから、すばらしいのは当たり前、ということにしておきましょう。実際、すばらしいですし。

 予約したのは細字。かつて飛天は、まず中字を生産し、その後太字を生産したそうです。今回も同様に時幅の細いものから生産していると仮定すれば、シリアルから考えて、少なくとも全生産量の三分の一程度は細字ということでしょうか。しかし、遅れに遅れたわけですし、いろいろと事情もあるでしょうから、若い番号に中字や太字が混じっている可能性もなきにしもあらずですが。

 同じ細字でも、中屋の細字とはまた違った感触の、きりっとした書き味です。無茶苦茶に高級なデスクペン、とでもいうべき感触でしたが、それを言ってはペンに失礼かもしれない、と、その場では言わずにおりました。しかし、これは褒め言葉です。デスクペンのすばらしい実用性と書き味が、この豪奢な萬年筆には具わっているのです。こんな美しいものを死蔵してはいけません。黒、あるいはブルーブラックのインクを入れて、中字の飛天とペアで使い倒してやろうと思っております。
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コメント

おおー、入手されたのですね。
うらやましいぞー。
黒留袖、同感です。
奥様、風邪気味の由、お体大事になさってくださいませ。
うちのひとたちは元気ですが、一昨日、父の竹馬の友が亡くなりました。
季節の変わり目は病気になりやすく、病気の方は悪化させやすいようです。
お互い気をつけましょうね。

おめでとうございます。自分も朱鷺のBを予約しているのですが、まだまだ先の様です(笑)待つのもまた楽しいモノですが、手に入れた方がおられるとそれも一寸羨ましいですね!最近はアンティークの方向に向かっているため現行品は久しぶりになるので、楽しみは倍増!ですかね!

 二右衛門半 さん

 美しいです。持った感じは、当たり前ですが飛天とほぼ同じ。細字の飛天が増えた、てな感じ。
 職場の連絡掲示板に、訃報が書かれることが増えてきました。インフルエンザも心配ですし、萬年筆で喜んでいる場合じゃないのでしょうけれど・・・。

 たがみ たけし さん

 ご無沙汰しております。飛天の時も、まずは中字のものが生産されて、太字は後でした。今回もそうだとすると、まだまだ待つ楽しみを味わえそうですね。雪が降れば、「雪見るぞ」なんていって湖西線に乗りに行くのが毎年のことになっている私です。

90周年だ~!螺鈿朱鷺だ~!素晴らしいですね、パイロットの漆はさすがに本物ですな~!しかも細字で使われるとは・・さすが粋ですわ~。追伸 ブログ訪問ありがとう御座いました・感謝

 夢待ち人 さん

 ようやくIDをとって貴ブログにコメントできました。聞いた話では、今回の螺鈿朱鷺、細字の予約が予想外に多かったのだとか。当初、細字希望者は抽選、なんていう、あり得ない噂すら流れていたほどです。

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